【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【中編】
2015年08月23日
- カテゴリ:歴史・文化
543: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)20:22:42 ID:esF
545: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:22:53 ID:esF
インドネシア独立。
東インドの人々の願望に対し、陸軍と海軍の反応は異なっていました。
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係
http://world-fusigi.net/archives/8113573.html
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【中編】
http://world-fusigi.net/archives/8113575.html
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【完結編】
http://world-fusigi.net/archives/8113577.html
http://world-fusigi.net/archives/8113573.html
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【中編】
http://world-fusigi.net/archives/8113575.html
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【完結編】
http://world-fusigi.net/archives/8113577.html
546: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:24:14 ID:esF
陸軍は独立に寛容的でした。
大手を振った協力こそありませんでしたが、彼らの願望を理解し、その実現を計りました。
海軍は独立に反対しました。
南太平洋は海軍の戦場。
彼らは終始、インドネシアの独立に反対しました。
547: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:25:25 ID:esF
さて、そんな海軍の中の一人の人物。
彡(゚)(゚)
海軍在駐武官・前田精。
彼はヨーロッパやアジア各国に勤務した経歴を持っていました。
548: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:26:32 ID:esF
『蘭印作戦』、ジャワ島占領後。
彡(゚)(゚)「ジャカルタ海軍武官府の責任者になったで~」
”武官府”とは、海軍の補給などの際、陸軍との調整を行う出先機関です。
前田は、ジャワ島で陸軍と対等に渡り合う海軍代表となったのでした。
549: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:27:55 ID:esF
彡(゚)(゚)「さて」
(・日・)
彡(゚)(゚)「おう、ちょっとええか?」
(・日・)「はい?」
彡(゚)(゚)「実はお前さんの考えを聞きたいんや」
彡(゚)(゚)「お前さんはこの東インドのことをどう思っとるんや?」
(・日・)「はい、私は日本の統治によって東インド独立が近付くことを願っております」
彡(゚)(゚)「そか」
彡(゚)(゚)「実はちょっとええ話があるんやけどな…?」
前田は東インドに熱い思いを持つ日本人民間人を集め始めます。
550: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:29:06 ID:esF
彡(゚)(゚)「…とまぁ、こんな感じや」
彡(゚)(゚)「勿論給料と調査費は出すで、口は出さんけどな」
彡(゚)(゚)「じゃ、後は任せたで~」
(・日・)「はい、わかりました」
(・日・)「こんにちは、独立運動に興味はありませんか?」
(o‘ω‘ n)「え?…えぇ、そうですね、私も独立運動には興味があります」
(・日・)「実は私は海軍武官府で調査活動をしている者でして」
(・日・)「民族主義運動家のみなさんと関係を深めたいと思っています」
前田は集めた日本人を調査活動に従事させ、
やがて彼らを通じて民主主義運動家とパイプを持つようになります。
551: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:30:35 ID:esF
彡(゚)(゚)「ほら、ワイって海外渡航歴長いやん?」
彡(゚)(゚)「オランダにいた頃やったかなー?インドネシアの民族運動のことを知ってな」
彡(゚)(゚)「ワイもちょっと思うところがあったんよ」
彡(゚)(゚)「何とか力になれへんかなーってな」
彡(゚)(゚)「ま、幾らワイの立場が特殊やからってな、直接手助けすることは叶わん」
彡(゚)(゚)「せやからな、まぁこういう形で協力したることにしたんや」
前田はインドネシア民族運動に理解と同情を持っていました。
そこで資金を提供して後援することで彼らの活動を支援しました。
”海軍武官府”は規模の割に絶大な権限を持ち、しかもジャワ島統治に一切の責任がないという特殊な立場です。
時に前田はこの地位を活かし、陸軍に睨まれた民主主義運動家を庇うこともあったそうです。
治外法権とも聖域とも呼べる”海軍武官府”。
やがて彼らの下に民主主義運動家が集まり、民族主義運動は活発化していきました。
552: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:32:03 ID:esF
1944年9月7日『小磯声明』
彡(゚)(゚)「遂に東インドも独立に向けて動くんやな、ええことや」
(o‘ω‘ n)「すみません、いいですか?」
彡(゚)(゚)「お、なんや?」
(o‘ω‘ n)「ちょっと独立後のことを考えていたんですけど…」
(o‘ω‘ n)「ぼくたちにはまだ、インドネシア独立後を支える人材が揃っていません」
(o‘ω‘ n)「そこで、それらの人材を育成するため”独立養成塾”を開きたいのですが…」
彡(゚)(゚)「せやな、ええと思うで」
553: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:33:15 ID:esF
(o‘ω‘ n)「では塾の代表は提案者である私が」
( ・`ω・´)「ぼくは政治史を担当します」
(^)'・▲・`(^)「私は経済学を」
(´・ω・`)「ぼくはアジア史と社会主義の講義を担当するよ」
彡(゚)(゚)「資金援助はワイがやったるわ」
彡(゚)(゚)「そんじゃ、あとはお前らで好きにやるんやで」
(o‘ω‘ n)「ありがとうございます、助かります」
”小磯声明”を受け、前田は独自に”独立養成塾”を設置しました。
これらは全て前田の独断とされ、陸軍のジャワ島統治に逆らうつもりもなかったようです。
代表にはジャワ島西部貴族出身の弁護士・スバルジョが就任。
教育の全てがインドネシア人に委ねられ、様々な議論が交わされました。
554: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:34:28 ID:esF
(●●●●●)「確かに”独立させる”とは言った」
(●●●●●)「せやけど、東インドの独立は日本人が導いてこそ果たされるもんや」
(●●●●●)「原住民自身による独立活動は認められんよ」
555: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:35:43 ID:esF
( ・`ω・´)「お願いします、どうにか”インドネシア独立準備委員会”を設置してもらえないでしょうか…?」
( ・`ω・´)「どのような形で独立を目指すにしても、委員会は必要だと思うんです…」
(●●●●●)「せやけどワイらにも都合があるからな~」
( ・`ω・´)「そうですか…」
( ・`ω・´)「………。」
556: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:36:54 ID:esF
1945年2月14日
(●●●●●)「はー、奴らもしつこいなー、あんな急かしよって」
(●●●●●)「大体”独立させる”とは言ったけど、時期までは明確にしとらんやん?」
(●●●●●)「できればこのままの状態が続くとええんやけどなー」
557: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:38:06 ID:esF
(・日・)「大変です、反乱が起きました!」
(●●●●●)「なんや、またかいな」
(●●●●●)「こう反乱が続くと気が滅入るわな」
(●●●●●)「あんまり反乱が広がるようなら、また何か考えなアカンし」
(●●●●●)「まぁ農民が幾ら竹槍で武装しようが問題ではないけどな」
(・日・)「そ、それが…」
(・日・)「”軍”による反乱です!」
(●●●●●)「ファッ!?」
1945年2月14日、クディリ州ブリタルにて。
スプリアディ小団長率いる小隊100名ほどが兵営を出て、刑務所を襲撃。
政治犯を釈放した後、日本人ホテルや農園事務所などを襲撃し、日本人4名と中国人数名を殺傷しました。
『ブリタルの反乱』と呼ばれた、郷土防衛義勇軍”ペタ”による初めての反乱です。
( ・`ω・´)
ちなみに、クディリ州ブリタルはスカルノの故郷です。
558: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:39:31 ID:esF
(・日・)「反乱は準備不足だったようで、速やかに鎮圧されました」
(・日・)「首謀者のスプリアディ小団長は行方不明ですが…」
(●●●●●)「………」
(●●●●●)「……”ペタ”はワイらが原住民を鍛え上げて作った軍や」
(●●●●●)「そんでもって奴らは今や5万人規模に達しとる」
(●●●●●)「ジャワ島の日本兵を上回る数や」
(●●●●●)「…それが全部、制御不能の危機に陥っとる…?」
(●●●●●)「………………アカン」
559: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:40:41 ID:esF
(●●●●●)「もう本土への補給線が絶たれて随分経つ…」
(●●●●●)「劣勢は火を見るより明らかや…」
(●●●●●)「しかも”軍”の反乱にも怯えなきゃならん…」
(●●●●●)「こんな状態で原住民の意向を無視し続けるのは、もう限界や…」
(●●●●●)「………しゃーない」
560: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:41:53 ID:esF
1945年3月
( ・`ω・´)「お呼びですか?」
(●●●●●)「…”独立準備調査会”を設置するで」
(●●●●●)「独立の準備のために、色々な問題を調査、討議、議案採択する機関が必要や」
(●●●●●)「まずはそこで色々調整するんやで」
( ・`ω・´)「分かりました」
561: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:43:07 ID:esF
1945年4月29日
( ・`ω・´)「”独立準備調査会”が正式に設立されたよ」
( ・`ω・´)「委員会のメンバーは70名、各地の代表がインドネシア全域から集結したんだ」
( ・`ω・´)「ぼくらが中心となって、独立後の憲法を審議するよ」
( ・`ω・´)「それと遂に、旗”メラ・プティ”、歌”インドネシア・ラヤ”の使用が正式に許可されたよ!」
( ・`ω・´)「独立の象徴である旗と歌、これらを自由に掲げ、歌うことができる」
( ・`ω・´)「遂にインドネシアの独立が見えてきたよ!」
562: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:44:29 ID:esF
・豆知識『インドネシア』その3
独立前の”インドネシア”の定義はあいまいでした。
例えば、”マレー半島のインドネシア人”と呼んだり、フィリピンのことを”北インドネシア”と呼んだりもしたそうです。
国としての”インドネシア”が成立するまで、その定義は不明瞭のまま、情勢だけが変化していきました。
占領中の日本軍は”インドネシア”という言葉の使用を控えるようになります。
”蘭印”という地域名を使用したため、日本で”インドネシア”が定着するのはインドネシア独立以後になってからでした。
ちなみに日本人への”ジャップ”に相当する、インドネシア人への蔑称は”ネシア”だそうです。注意しましょう。
563: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:45:39 ID:esF
1945年6月1日
第1回独立準備調査会
( ・`ω・´)「インドネシア国家の骨格、建国5原則”パンチャシラ”を定義するよ」
( ・`ω・´)「1.インドネシアの統一」
( ・`ω・´)「2.公正で文化的な人道主義」
( ・`ω・´)「3.英知に導かれた民主主義」
( ・`ω・´)「4.全インドネシア国民に対する社会的公正」
( ・`ω・´)「5.唯一神への信仰」
564: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:47:03 ID:esF
( ・`ω・´)「ちなみに、インドネシアではイスラム教が主流なんだ」
( ・`ω・´)「だけどキリスト教徒やヒンドゥー教徒も少数存在しているんだよ」
( ・`ω・´)「国家が公認する宗教は全部で6つ」
( ・`ω・´)「”イスラム教”、”キリスト教・プロテスタント”、”キリスト教・カトリック”」
( ・`ω・´)「”ヒンドゥー教”、”仏教”、”儒教”」
( ・`ω・´)「無神論は違法だよ」
( ・`ω・´)「公言すると逮捕されるかもしれないんだ、注意してね」
565: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:48:27 ID:esF
(´・ω・`)「ねぇ、スカルノさん」
( ・`ω・´)「なにかな?」
(´・ω・`)「ぼくらは未だ”経済的自立”を果たしていないよね」
(´・ω・`)「それなのに”政治的独立”だけを求めてる」
(´・ω・`)「ぼくらはまず”経済的自立”を果たした上で、改めて”政治的独立”を目指すべきじゃないかな?」
( ・`ω・´)「確かにそうかもしれない」
( ・`ω・´)「でもね、例えるならこういうことだよ」
( ・`ω・´)「鍋や釜がなくても結婚はできる」
( ・`ω・´)「でも結婚は時期を選べない」
( ・`ω・´)「なら、結婚してから鍋や釜を揃えればいいんじゃないかな」
566: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:50:05 ID:esF
(*^◯^*)「ねぇ、スカルノさん」
( ・`ω・´)「なにかな?」
(*^◯^*)「どうして日本軍なんかにすり寄るんだ?」
(*^◯^*)「独立はぼくらの力だけで果たされるべきなんだ!」
( ・`ω・´)「そんな無茶を言われても…」
( ・`ω・´)「それにもう独立は目の前なんだよ」
( ・`ω・´)「やっとここまで来たんだ、今更形なんて気にする必要はないんだよ」
(*^◯^*)「………」
スカルノなどの民主主義運動家は、日本軍の戦争への協力の見返りとして独立を迫り続けていました。
その願望は叶い、東インド全体が一丸となったインドネシア独立が現実のものとなってきました。
スカルノはイスラム教問題、ジャワ島以外の島々の問題を調整することで、独立への障害を解決していきました。
しかし、若者たちのグループはより性急な独立を求め、反日的な言動を行うようになってきます。
やがて各地で反日的な”青年グループ”が次々と形成されていきました。
567: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:51:16 ID:esF
( ・`ω・´)「とは言え、彼らも東インドの住民には違いない」
( ・`ω・´)「彼らにも”独立準備調査会”に参加してもらいたいな」
( ・`ω・´)「ねぇ、君は青年グループの代表だよね」
( ・`ω・´)「なんとか協力してもらえないかな?」
(*^◯^*)「………分かったんだ」
568: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:52:29 ID:esF
( ・`ω・´)「それでは今日の会議を始めます」
(^)'・▲・`(^) (o‘ω‘ n) (´・ω・`) (・日・) (≦・ω・≧)
(*^◯^*)「待つんだ!」
(*^◯^*)「なんで日本人がここにいるんだ!?」
(*^◯^*)「この会議はインドネシア人だけで行われるべきものなんだ!!」
(・日・)「そんなこと言われても…」
( ・`ω・´)「彼はこの会議に直接的には関与しませんよ」
( ・`ω・´)「では改めて始めます」
569: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:53:49 ID:esF
( ・`ω・´)「それで独立後の政治体制についてですが…」
(・日・)「ああ、そこはこうしたらいいんじゃないかな?」
( ・`ω・´)「ふむ、なるほど…」
(*^◯^*)「ちょっと待つんだ!」
(*^◯^*)「今、口を出したな?」
(*^◯^*)「これは日本による内政干渉なんだ!!」
(*^◯^*)「こんなことは許されないんだ!」
(・日・)「えー…」
(*^◯^*)「こんな会議やってられないんだ!」
(*^◯^*)「ぼくはここで失礼するんだ!」
( ・`ω・´)「あー、行っちゃった…」
570: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:55:00 ID:esF
(*^◯^*)「全く、民主主義運動家のジジイどもは使えない奴らばかりなんだ!」
(*^◯^*)「独立とは戦って奪い取るものなんだ!」
(*^◯^*)「つまり、独立とは革命なんだ!」
(*^◯^*)「あんな平和ボケした老害の言うことなんか聞いてられないんだ!」
( ・`ω・´)「私たちはまだ(40)代なんですけどね…」
571: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:56:11 ID:esF
1945年6月22日
( ・`ω・´)「憲法の前文用に”ジャカルタ憲章”を作成したよ」
( ・`ω・´)「”独立は全ての民族の権利である”」
( ・`ω・´)「”インドネシアの独立闘争は、栄光とやすらぎの時にに達した”」
( ・`ω・´)「”全智全能の神の慈悲の下、インドネシア民族はここに独立を宣言する”」
( ・`ω・´)「”ジャカルタ、皇紀2605年6月22日 スカルノ、ハッタ、スバルジョ、他”」
572: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:57:24 ID:esF
1945年7月10日
第2回独立準備調査会
( ・`ω・´)「今日からは国家の領域、形態、政治機構、市民権、イスラム教徒の関係などを討議するよ」
( ・`ω・´)「16日には憲法の草案を作成するんだ」
573: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:58:38 ID:esF
1945年7月17日
最高戦争指導会議
(●●●●●●●)「できるだけ早い時期に、インドネシアの独立を認めることを決定する」
1945年7月21日
(●●●●●●●)「独立地域の範囲について」
(●●●●●●●)「マレー半島(ビルマやタイなど)を除いた地域を指定する」
574: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)21:59:50 ID:esF
1945年8月7日
( ・`ω・´)「”独立準備委員会”を設立します」
( ・`ω・´)「主席は私、スカルノです」
( ・`ω・´)「いよいよ独立が近付いてきました」
( ・`ω・´)「ハハハ…なんだかワクワクしてきましたよ」
( ・`ω・´)「まずは第1回会議です」
( ・`ω・´)「日時は8月18日。忘れず出席するように」
575: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)22:01:47 ID:esF
1945年8月15日
彡(゚)(゚)「」
その日、日本は降伏しました。大東亜戦争が終結したのです。
日本の軍政は約3年半。
これは奇しくもトウモロコシが育つ期間と同じでした。
【第3章 太平洋戦争編 完】
576: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)22:03:05 ID:esF
・豆知識『ジョヨボヨ王の予言』
12世紀、クディリ王国のジョヨボヨ王が残した予言。
神格化された”ディポヌゴロ王子”が名乗った”ラトゥ・アディル”も、この予言に記されています。
日本と関係があるとされるのは>>1の文章。
”北方からやってきた白い衣を纏う黄色い人”が日本人ではないかとインドネシアでは囁かれます。
また、この部分は”天からやってきた白い衣を纏う黄色い猿(小人)”ともなることがあり、
これが日本の落下傘部隊を指すのではないか?とささやかれました。
また、「鉄の火を吐く翼をまとった黄色い人が白い人の乗る鉄の船を追い払うだろう」という一文もあったようで、
これは日本軍が航空機でオランダ艦船を焼き払ったことを指すのでは?とされています。
日本と予言の関係が囁かれ始めたのは日露戦争以後。
”ジョヨボヨ王の予言”の予言は今でも信じられているそうです。
577: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)22:04:40 ID:esF
・豆知識『トコ・ジュパン』その7
彡(゚)(゚)「…日本が、負けた…」
彡(゚)(゚)「………あぁ。」
彡(゚)(゚)「…………終わったんや、なぁ…。」
彡(゚)(゚)「………。」
彡(゚)(゚)「……ワイら”トコ・ジュパン”も、もう終いや…」
彡(゚)(゚)「…………今までせっせと頑張ってきたんやけどなぁ……」
彡(゚)(゚)「………小店も、大会社も」
彡(゚)(゚)「…小農も、大農園も、鉱山も、工場も」
彡(゚)(゚)「その何もかも」
彡(゚)(゚)「………”敗戦国日本”やから、全て”没収”…」
彡(゚)(゚)「……全て、水の泡……」
彡(゚)(゚)「………ワイらは文字通り、”裸一貫”で、日本に引き揚げなきゃならんのや…」
578: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)22:06:02 ID:esF
彡(゚)(゚)「…頑張ってきたのになぁ…」
彡(゚)(゚)「……骨を埋める覚悟で、この遠い異国で今までやってきたのになぁ…」
彡(゚)(゚)「………。」
彡(^)(^)「…なぁ、”南十字星”、知っとるか?」
彡(^)(^)「ここ、インドネシアではな」
彡(^)(^)「”南十字星”は、いつでも見られるわけではないんや」
彡(^)(^)「…ある時期の、ある時間帯」
彡(^)(^)「…南の空の果て、空と海の境目」
彡(^)(^)「そこに”南十字星”が輝くんや」
彡(^)(^)「………ワイら、長期滞在した奴らだけが、見られるんや」
彡(^)(^)「綺麗やったなぁ…」
彡(^)(^)「………。」
彡(^)(^)「…もう、ワイらに残っとるのは、あの綺麗な思い出だけなんや………」
【豆知識『トコ・ジュパン』 完】
579: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)22:07:21 ID:esF
本日の更新はここまでです。続きは鋭意執筆中…。
丁度良いサイドエピソードが残っているので、明日も更新する予定です。
本編の方はまた少し時間が空くと思います。
もう暫くお待ち下さい…。
580: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)22:09:01 ID:gpA
サンキューガッツ
こういうのええな
こういうのええな
581: 名無しさん@おーぷん 2015/04/07(火)22:47:08 ID:50y
サンキューイッチ
涙で、出ますよ…
涙で、出ますよ…
582: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)00:20:10 ID:sB6
サンイチ
わかりやすくてスラスラ読めておもろいわ
何日かかってもええから完走してやー
わかりやすくてスラスラ読めておもろいわ
何日かかってもええから完走してやー
583: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)20:54:15 ID:51S
あげ
584: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)20:59:34 ID:Yas
585: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:07:39 ID:51S
キター
586: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:30:45 ID:Yas
【終章】
587: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:31:20 ID:Yas
【After Episode 今村均】
588: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:31:34 ID:4yt
おっ、ついに終わってしまうのか…
590: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:33:10 ID:Yas
>>588
あと大体2~3回の更新になるやね
あと大体2~3回の更新になるやね
589: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:32:24 ID:Yas
1942年11月20日
今村はニューブリテン島ラバウルにて、第8方面軍司令官として着任します。
591: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:34:23 ID:Yas
彡(゚)(゚)「田畑を大量に増設するんやで~」
彡(゚)(゚)「食料は大事やからな、腹が減っては戦はできぬという奴や」
彡(゚)(゚)「さーて、ワイも畑を耕すで~」
(・海・)「戦い始まる前から何やっとんのじゃ、あいつは…」
今村はガダルカナル島の戦訓から、米海軍による補給路の封鎖を想定。
島内に大量の田畑を増設することで自給自足体制を整えます。
今村自身も率先して畑を耕したそうです。
なお、早々に自給自足を提唱した今村に対し、海軍は冷淡な反応を見せました。
592: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:35:33 ID:Yas
(☆●●●●)「ラバウル航空隊は厄介やな…」
(☆●●●●)「西進用の補給路を確保するなら、まずはここを落とさなアカン」
(☆●●●●)「早速空襲するやで~」
593: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:36:55 ID:Yas
彡(゚)(゚)「やっぱり米軍の爆撃は強烈やわ…」
彡(゚)(゚)「上陸作戦にも備えにゃならん」
彡(゚)(゚)「せやから空襲に耐えられるほどの地下大要塞を建設するで」
今村は米軍の空爆と上陸作戦に備えるため、強固な地下要塞を構築しました。
幅1.5m、高さ2.1mの洞窟。全てを合わせると370kmもの長さになる洞窟郡です。
洞窟内には病院、兵器工場なども造られました。
米軍による猛爆撃は連日続きますが、地下要塞内の被害はほとんどありませんでした。
594: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:38:29 ID:Yas
(☆●●●●)「アカン、現有戦力で攻略できる気せーへん」
(☆●●●●)「上陸作戦には多大な犠牲が出るし…」
(☆●●●●)「しゃーない、まずは周辺諸島を攻略するわ」
米軍はラバウル占領を断念。
ラバウルへの空爆は続けたものの、周辺諸島の攻略を優先し、周辺の航空戦力を無力化していきました。
やがて周辺諸島は全て攻略され、ラバウルは孤立化しました。
595: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:39:44 ID:Yas
(・海・)「アカン、周辺の海域が全て米軍に奪われてもた…」
(・海・)「もう籠城するしかないじゃん…」
(・海・)「今村、ワイらにも畑耕せちくり~」
彡(^)(^)「ええで、一緒に最後まで籠城しよか」
596: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:41:13 ID:Yas
ラバウル守備隊は完全に孤立化しましたが、現地の自給自足体制は既に完成し、物資の備蓄も十分でした。
最終的に今村大将率いる陸軍第8方面軍、草鹿中将率いる海軍南東方面艦隊は、
共に終戦までラバウルを確保し続けたのでした。
なお、同じような状況下にあったニューギニア戦線では、
いたずらに出撃を繰り返すことで連合軍に掃討され、人命を散らし続けたそうです。
籠城による持久戦を続けたラバウルでは、終戦まで7万人の兵力が温存されたそうです。
597: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:42:15 ID:Yas
終戦後
598: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:43:16 ID:Yas
彡(゚)(゚)「…諸君、どうか部下の若人たちが失望、落胆しないよう導いてやってくれや」
彡(゚)(゚)「7万の将兵が汗水垂らしてこの地下要塞を建設し、」
彡(゚)(゚)「原始密林を開拓して7000haの自活農園まで作ったんや」
彡(゚)(゚)「この経験、この自信は終始忘れるんやないで」
彡(゚)(゚)「祖国の復興、各自の発展に、しっかり活用するんやで…」
599: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:44:34 ID:Yas
(・日・)「………。」
彡(゚)(゚)「なんや、折角の畑がほったらかしやないか」
彡(゚)(゚)「…せやな、将兵諸君」
彡(゚)(゚)「ワイらは今後も自活を続けて」
彡(゚)(゚)「将来日本が賠償すべき金額を少しでも軽減することをはかる」
彡(゚)(゚)「これがワイらの外地での最後の奉公やで」
彡(゚)(゚)「さ、畑を耕すでー」
今更自活もなにもあるまい、という気持ちがあった部下たちでしたが、
黙々と畑に立つ今村の姿を見て、誰も何も言うことはできませんでした。
600: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:46:19 ID:Yas
彡(゚)(゚)「ラバウル部隊の引き上げは3年半後か…」
彡(゚)(゚)「えらい時間が余ってもたなぁ」
彡(゚)(゚)「…よし、勉強でも教えるわ」
彡(゚)(゚)「兵士のほとんどは小卒やし」
彡(゚)(゚)「帰国したら絶対必要になるしな」
彡(゚)(゚)「ひとまず中学校程度の知識は必要やな」
彡(゚)(゚)「ワイらが生きるのには目標が必要なんや」
今村は軍の中の教職経験者を集めて教師とし、教科書も作成させました。
当時、将兵たちは捕虜であり、無報酬で作業させられていたのですが、
そんな不満も忘れ、彼らは作業の合間に教科書や雑誌を読みふけったのでした。
601: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:47:34 ID:Yas
しかし12月。戦争指導者・戦犯が収容され始めます。
”軍事裁判”が始まりました。
602: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:48:46 ID:Yas
オーストラリア軍イーサー少将は戦犯調査の上、
「ラバウルでは戦争犯罪を問うべきものは何もない」とオーストラリア本国に報告します。
ラバウルにはパラシュートで脱出したパイロットなど少数の白人捕虜がいましたが、
彼らはラバウルの小島に収容され、国際法規に従った取り扱いを受けていたのでした。
しかし、オーストラリア本国の考えは違いました。
603: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:50:05 ID:Yas
(・日・)「インド人の多くが熱帯潰瘍かマラリアにかかっていました」
(・日・)「貴重な予防薬を、苦いとか胃に悪いとか言って捨てる者がいたのです」
(・日・)「私はそういう者を平手で打ちました」
(・日・)「言葉が通じませんでしたので…」
(・日・)「憎しみの気持ちではなく、早く治してやりたかったのです…」
彡(;)(;)「そうか…そうか…」
『医師として、インド人労働者の患者を虐待した』とされた酒井伍長。
彼は今村にこのように語り、死刑となりました。
604: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:51:53 ID:Yas
ラバウルの戦犯裁判は、ほとんどがこのような”労働者への虐待容疑”です。
賃金で雇われた労働者たちは2年以上も日本軍で働いていました。
日本軍に協力したことで罰せられるのを恐れた彼らは「捕虜にされて無理矢理連れて来られた」と言い張りました。
告発した労働者たちは告発状だけを残して帰国。
弁護側は反対尋問する機会も与えられません。
そして今村は、そのように裁かれる部下を一人でも救うべく、自ら志願して収容所に飛び込んでいったのでした。
605: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:53:30 ID:Yas
オーストラリア軍事裁判
彡(゚)(゚)「外人労働者は日本軍が賃金で雇ったものやで、戦争捕虜ではないんやで」
彡(゚)(゚)「仮に万が一虐待があっても、それは戦争犯罪じゃないから、日本の法律で裁くべきなんやで」
彡(゚)(゚)「それでもなお、戦争犯罪として裁くなら」
彡(゚)(゚)「その責任は全て、最高指揮官である自分にあるんやで」
彡(゚)(゚)「部下に責任は全く無いんやで」
最高指揮官である今村の裁判は後回しにされたため、それまでの間、今村は率先して部下の弁護に赴きました。
今村の弁護により刑が軽減されたり、無罪になった部下も多かったそうです。
606: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:54:49 ID:Yas
(・日・)「『参謀長通達』を出しました」
(・日・)「だから全て、参謀長である私の責任です」
彡(゚)(゚)「参謀長に命令権はない!」
彡(゚)(゚)「書記と同じようなもんや!」
彡(゚)(゚)「だから全部ワイの責任や!」
(・日・)「そんなの極論じゃないですか!?」
彡(゚)(゚)「なんやと!?」
今村の側近、参謀長・加藤中将。
彼の裁判では、普段仲の良い二人がお互い譲らず、大喧嘩をしました。
結局、今村の強引な主張が通り、加藤中将は無罪放免となりました。
607: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:56:02 ID:Yas
彡(゚)(゚)「戦犯裁判は戦闘であり、作戦なんや」
彡(゚)(゚)「絶対に勝たなアカンのや」
608: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:57:18 ID:Yas
(・裁・)「それでは被告・今村均の裁判を始めます」
(・裁・)「被告にはラバウル・第8方面軍司令官としての責任が問われています」
(・検・)「検事側は死刑を求刑します」
オーストラリア軍は、戦時中の汚名をそそぐためにも、何としてでも今村を死刑にしようとしていました。
609: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:58:36 ID:Yas
しかし。
(●゚◇゚●)「そんな!死刑は重すぎます!」
(●゚◇゚●)「今村さんは何も悪くありません!」
(●゚◇゚●)「今村さんは優れた人格者でした!」
(・裁・)「……ではひとまず禁錮10年で」
オーストラリア軍は、戦時中の今村の軍政や軍事指揮の中に、今村を死刑にする口実を見出せませんでした。
現地住民などの証言も今村を擁護をしたため、無理矢理罪状を被せ、何とか懲役刑にしたといいます。
彡(゚)(゚)「そか」
彡(゚)(゚)「それはともかく、部下の判決の再審を請願するで」
611: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:01:13 ID:LcG
今村さあああああああああああん
610: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)21:59:57 ID:Yas
やがてオーストラリア軍事裁判は終わり、
続いて東インドでの今村の罪状が問われることになりました。
612: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:01:14 ID:Yas
オランダ軍事裁判
(・裁・)「それでは被告・今村均の裁判を始めます」
(・裁・)「被告には東インド・第16軍司令官としての責任が問われています」
(・検・)「検事側は死刑を求刑します」
今村はオランダ側の検事によって死刑が求刑されました。
613: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:02:23 ID:Yas
ジャカルタ刑務所
彡(゚)(゚)
ジャワ島での裁判が始まり、今村はジャカルタの刑務所に収容されていました。
614: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:03:36 ID:Yas
(≦・ω・≧)「今村さん、今村さん」
彡(゚)(゚)「お、飯か」
(≦・ω・≧)「日本時代の最高の指揮官が来たことを、私たちはとても喜んでます」
(≦・ω・≧)「今夜7時になれば、きっとあなたにもそれが伝わると思います」
彡(゚)(゚)「?」
615: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:04:56 ID:Yas
(≦・ω・≧)「…もうすぐ7時になります」
(コーン)
~♪~♪
彡(゚)(゚)「この歌は……”八重潮”か…?」
今村が統治していた時代。
今村が公募し、日本人とインドネシア人、双方から集められた歌詞によって制作された、
日本人とインドネシア人が双方の国語で一緒に歌う、両民族融和の歌がありました。
”八重潮”。
この歌はジャワ島の町から村へと広がり、日本の将兵と原住民が同席すれば、必ず歌われたといいます。
ジャカルタの街は、地の底から沸き立つ大合唱に包まれました。
616: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:05:28 ID:Yas
やがて今村はジャカルタの別の刑務所に移されます。
617: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:06:29 ID:Yas
(≦・ω・≧)「今村さん、今村さん」
彡(゚)(゚)「お、なんや?」
(≦・ω・≧)「私はスカルノ氏の密使です」
(≦・ω・≧)「今日は今村さんの救出計画を伝えに来ました」
(≦・ω・≧)「もしあなたの死刑が確定したら、共和国政府は死刑場に行くあなたを奪回します」
(≦・ω・≧)「今こそ大恩に報いるときなのです」
今村の東インド統治時代、今村はオランダによって投獄されていたスカルノを解放しています。
それ以来、今村とスカルノは親交を続けていたのでした。
618: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:07:47 ID:Yas
しかし。
彡(゚)(゚)「お心は嬉しいが…」
彡(゚)(゚)「ワイはこのままここで裁判を受けるつもりや」
彡(゚)(゚)「ワイには罪がある、せやからここにいて責任を取らなアカンのや」
彡(゚)(゚)「何よりお前らを危険な目に遭わせたくないんや」
彡(゚)(゚)「すまんな」
619: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:08:58 ID:Yas
(≦・ω・≧)「そうですか…わかりました」
(≦・ω・≧)「では、もう少しここでお話しをさせて下さい」
(≦・ω・≧)「私たちがいる限り、あなたを有罪になんてさせませんから」
ジャカルタの刑務所での投獄中、今村はインドネシア人の看守に励まされ続けたそうです。
620: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:10:10 ID:Yas
彡(゚)(゚)
(´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`)
(´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`)
(´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`)
(・裁・)「…オランダが告発した罪状は、全て根拠のないものである」
(・裁・)「以上より、東インド・第16軍司令官時代の今村の判決は」
(・裁・)「全て無罪とします」
621: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:10:38 ID:LcG
今村さんかっこよすぎやろ……
622: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:11:18 ID:Yas
インドネシアでの判決は無罪だったものの、オーストラリアでの判決”禁錮10年”は生きています。
1949年。今村は巣鴨拘置所に送られました。
623: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:12:22 ID:51S
624: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:12:54 ID:F3J
>>623
ええお顔や
ええお顔や
625: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:12:55 ID:Yas
しかし。
彡(゚)(゚)「なぁ、ワイをマヌス島の刑務所に移してくれんか?」
彡(゚)(゚)「元部下たちは未だに環境の悪い南方で服役しとる」
彡(゚)(゚)「ワイだけが東京にいることはできないんや」
彡(゚)(゚)「なぁ、頼むわ」
(・看・)「だめです」
今村は、多数の日本軍将兵が収容されるマヌス島刑務所への入所を希望します。
そこは”最悪の収容所”とも恐れられる場所でした。
626: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:14:04 ID:Yas
彡(゚)(゚)「…頼んだで」
(・妻・)「分かりました」
(・妻・)「お願いします、どうか夫の頼みを聞き入れてもらえないでしょうか…?」
(☆●●●●)「…そうか」
そして今村は妻の伝手を通じてマッカーサーに直訴したといわれています。
627: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:15:04 ID:Yas
(☆●●●●)「今村将軍のマヌス島行きを許可する」
(☆●●●●)「…私は日本に来て初めて、真の武士道に触れたよ」
628: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:16:12 ID:Yas
マヌス島での獄中生活は、今村の人柄もあり、とても和やかなものだったそうです。
3年後。マヌス島の刑務所は閉鎖され、全員が日本に送還。
今村は残りの刑期を巣鴨の刑務所で過ごしました。
そして10年後...
629: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:17:22 ID:Yas
彡(゚)(゚)「…ワイの刑期は終わった」
彡(゚)(゚)「せやけど、ワイの罪が消えることは一生ないんや」
彡(゚)(゚)「自宅の隅に独居房と同じ広さの謹慎小屋を建てたで」
彡(゚)(゚)「今日からここに住むんや」
彡(゚)(゚)「これからは軍人恩給だけで質素に生活する」
彡(゚)(゚)「出版した『回顧録』の印税は、全て戦死した部下の遺族、処刑された部下の遺族のために使用する」
彡(゚)(゚)「元部下たちには出来る限りの援助をするで」
彡(゚)(゚)「それが、ワイが死地に赴かせた部下たちへの、せめてもの贖罪なんや…」
630: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:18:42 ID:Yas
今村の行動に付け込み、元部下だと偽って金を無心する者もいました。
しかしそれに対しても今村は、それを承知の上で拒むことはなかったそうです。
なお、今村は『戦陣訓』の”原文”を書いた人物です。
「生きて虜囚の辱めを受けず」の一文で有名なこの文書。
『戦陣訓』の”完成版”にこの一文が載っていたことを今村は憤慨し、終生それを悔いていたそうです。
631: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:20:09 ID:Yas
1968年10月4日死去。享年82歳。
最終階級・陸軍大将。
温厚で高潔な人柄。
占領地での軍政・指導能力は高く、原住民や敵国連合国側からも讃えられる、
太平洋戦争中の日本で数少ない、本物の名将です。
【After Episode 今村均 完】
632: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:20:55 ID:Yas
本日の更新はここまでです。続きは鋭意執筆中…。
明日も引き続きサイドエピソードを更新する予定です。
今日よりは短めのお話となります。
本編の方はもう暫くお待ち下さい…。
634: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:22:58 ID:ucU
基本に忠実で、凄く分りやすい文章やな
ゆっくり頼むで
ゆっくり頼むで
636: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:24:10 ID:ucU
>>634
無理せず、ゆっくりで頼むで、やった
無理せず、ゆっくりで頼むで、やった
635: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:23:00 ID:51S
今村さんに興味が湧いて本を買ったワイ、満足顔
637: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:25:48 ID:F3J
今村とかいう頭脳も行動力も備えたぐう聖
ほんま凄い人がおったもんやな
サンイチ
レイアウトも文章も無駄がなくてほんま読みやすいわ
まったり待っとるからまったり進めてやー
ほんま凄い人がおったもんやな
サンイチ
レイアウトも文章も無駄がなくてほんま読みやすいわ
まったり待っとるからまったり進めてやー
638: 名無しさん@おーぷん 2015/04/08(水)22:30:05 ID:WJK
こういう人が居るのが何で知られてないねんホンマ
643: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:10:50 ID:8wr
>>638
日本を弱いことにしておきたい連中にとっては
知られたら困るからやろ
日本を弱いことにしておきたい連中にとっては
知られたら困るからやろ
641: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:03:11 ID:6Xh
644: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:29:12 ID:6Xh
【Side Episode 三浦襄】
645: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:30:12 ID:6Xh
彡(゚)(゚)
”三浦襄”という人物の話をします。
彼は軍人ではなく、商人でした。
646: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:31:23 ID:6Xh
1909年
彡(^)(^)「”南洋商会”に興味持ったから入会したで~」
彡(^)(^)「高校中退してジャワ島に渡航するで!」
半年後…
彡(゚)(゚)「やっぱ”南洋商会”脱退するわ」
彡(^)(^)「しばらくその辺の諸島を放浪するで~」
647: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:32:39 ID:6Xh
1912年
彡(^)(^)「セレベス島で雑貨のお店を開くで~」
1916年
彡(^)(^)「結婚もしたし、相棒と”日印貿易商会”も開業したで~」
彡(^)(^)「南洋各所で色んな貿易するで~」
彡(^)(^)「順風満帆ですわ」
1925年
彡(゚)(゚)「相棒が強盗に殺られてもた…”日印貿易商会”も解散やな…」
648: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:33:50 ID:6Xh
彡(^)(^)「気を取り直して別の相棒とコーヒー園の経営を始めるで~」
彡(^)(^)「再婚もしたし今度こそいけるわ!」
ちなみに前妻の死因は過労死だったそうです。
1930年
彡(゚)(゚)「やっぱコーヒー園も駄目だわ」
彡(゚)(゚)「どないしよ」
…など、中々に波瀾万丈な人生を送っていました。
649: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:35:02 ID:6Xh
彡(゚)(゚)「さて、次はどないしよかな…」
彡(^)(^)「よし!今度はバリ島で商売するで」
彡(^)(^)「自転車の修理業をするやで~」
彡(^)(^)「店の名前は”TOKO MIURA”や!」
650: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:36:21 ID:6Xh
バリ島
彡(゚)(゚)「……日本人はあんまおらんな、ワイら含めると3家族しかおらんみたいや」
彡(゚)(゚)「まぁええわ、原住民を雇ってバリ島各地に支店も開業するで」
彡(^)(^)「店のことは店員に任せて、ワイはバリ島各地を駆け回るで~」
「南方に行ったら住民の利益のみを考えよ」。三浦は教師だった父の言葉を実践します。
やがて三浦は住民から人望を獲得し、”トコ・スペダ・トワン・ジャパング”(自転車屋の日本の旦那)と慕われるようになりました。
三浦は熱心なクリスチャンでしたが、バリ島民の大半はヒンドゥー教です。
それにも関わらず島民から受け入れられたのは、彼の敬虔な信仰から来る誠実さがあったからではないでしょうか。
651: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:37:12 ID:6Xh
>>383
やがて日本人の引き上げが始まり、三浦も最後の引き揚げ船で日本に帰国しました。
652: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:38:13 ID:6Xh
>>386
1942年2月
三浦は軍の随伴員として、再びバリ島に戻ってきました。
彡(゚)(゚)「この戦争はバリ島は勿論、アジア10億人の解放運動なんや!」
彡(゚)(゚)「インドネシアは必ず日本軍の力で独立させる!」
彡(゚)(゚)「日本は決して嘘は言わん!信じてくれや!」
(●゚◇゚●)「日本軍は怖いけど…」
(●゚◇゚●)「三浦さんがいるなら、信じてみようかな…」
三浦は現地の王族たちを集めて演説し、バリ島の人々を安心させました。
653: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:39:44 ID:6Xh
東インド占領後…
(●゚◇゚●)「ねぇ、白髪のおじさん」
(●゚◇゚●)「ちょっと困ったことになってるんだけど…」
彡(゚)(゚)「しゃーない、ワイが協力したるわ」
日本軍政時代に起きた多くの問題。
それらのほとんどは習慣の相違、言葉の不自由によるものでした。
現地に詳しかった三浦はそれらを仲介し、多くの島民が助けられました。
三浦の風貌は古武士を思わせるものだったそうです。
島民による愛称は”白髪のおじさん”。
地元民には最大の敬語”トアン・ブサール”で呼びかけられることもあったそうです。
654: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:40:53 ID:6Xh
(・日・)「軍の要請により、缶詰加工工場が必要になった」
(・日・)「やってくれるかな?」
彡(゚)(゚)「はい、分かりました」
彡(゚)(゚)「三浦商会で缶詰加工工場を新設するで~」
彡(゚)(゚)「業務運営、経理など全てバリ人に委ねるで~」
彡(゚)(゚)「勿論賃金は全部お前らのもんやで~」
三浦は貧しいバリ人を集めて雇い、それによって得た代金は全て、原住民に支払われたそうです。
655: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:42:04 ID:6Xh
(●゚◇゚●)
彡(゚)(゚)「なんや、お前、孤児かいな?」
彡(゚)(゚)「しゃーない、ワイが引き取ったるわ」
(●゚◇゚●) (●゚◇゚●) (●゚◇゚●) (●゚◇゚●) (●゚◇゚●)
三浦は孤児を十人以上も引き取っていました。
三浦の収入と言えど、子どもを10人以上も育てるのは、流石に容易ではなかったはずです。
656: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:43:14 ID:wHl
東南アジアと日本の関係って思ったより深いんやな
657: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:43:15 ID:6Xh
(・日・)「三浦くん、君は随分と島民に気に入られてるようだね」
(・日・)「君が協力してくれるなら、ここの統治は上手く行きそうだ」
(・日・)「君が推薦したプジャをここの知事に立てるよ」
彡(゚)(゚)「ありがとうございます!」
バリ島の軍政にあたった堀内豊秋。彼は三浦に全幅の信頼をおいていました。
住民の統治に関することは全て三浦に委ねられ、バリ島の治安は他所で見られないほどの平穏を保ち続けました。
ちなみに、プジャは後にインドネシア独立準備委員会のバリ代表となりました。
658: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:44:29 ID:6Xh
1944年5月
彡(゚)(゚)「病気療養で日本に戻るで」
1944年9月
彡(゚)(゚)「”小磯声明”か…遂にインドネシアも独立なんやなぁ」
1944年12月
彡(゚)(゚)「やっぱりバリ島に戻らないと(使命感)」
彡(゚)(゚)「ワイは彼らと約束したんや」
彡(゚)(゚)「死が行く手に待ち構えていても」
彡(゚)(゚)「使命だけは、断じて果たさねばならないんや」
659: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:45:40 ID:6Xh
彡(゚)(゚)「日本の占領はインドネシア独立のための唯一の手段なんや」
彡(゚)(゚)「せやから軍政は厳しいけどなんとか耐えてくれや」
彡(゚)(゚)「独立はもうすぐなんや!」
(●゚◇゚●)「わかったよ、白髪のおじさん」
660: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:46:49 ID:6Xh
彡(゚)(゚)「今日も軍人が原住民たちをぞんざいに扱ってたわ…」
彡(゚)(゚)「軍の慰安所に連れて行かれそうになった女性も居ったで」
彡(゚)(゚)「勿論ワイが助けたったけどな」
彡(゚)(゚)「あいつらホンマどうなっとんねん…」
彡(゚)(゚)「怒りが収まらんから日記にでも書いとこ」
彡(゚)(゚)「でもこれも、インドネシアが独立するまでの辛抱や」
彡(^)(^)「それまではワイら日本人が導いてあげんとな」
三浦は心の底から”インドネシアの独立”を信じていました。
だからこそ、彼らのためを思い、島民を説得し続けていたのでした。
661: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:48:05 ID:6Xh
1945年7月
U・ω・U「シガラジャで”小スンダ建国同志会”を結成するよ」
U・ω・U「バリ島でもインドネシア独立に向けて活動を開始するんだ」
U・ω・U「代表はぼく、プジャだよ」
U・ω・U「基本的にバリ人だけの会なんだけど…」
U・ω・U「三浦さんには特別に、この同志会に入ってもらうんだよ」
U・ω・U「事務総長に就任してもらうんだ」
662: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:49:18 ID:6Xh
1945年8月14日
彡(゚)(゚)「同志会に参加するためシガラジャに向かうで~」
彡(゚)(゚)「ワイが経営しとる畜産会・商会はバリ人従業員に任せてきたわ」
彡(^)(^)「それじゃ行くか、楽しみやな~」
663: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:50:20 ID:6Xh
1945年8月15日
敗戦
664: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:51:21 ID:6Xh
(●●●●●)「日本は負けた」
(●●●●●)「日本が進めてきたインドネシア独立は全て無効」
(●●●●●)「インドネシア独立は、なくなったんや」
(●●●●●)「すまんな」
彡()()「…ぁ……」
彡()()「……ぁぁ゛…………ぁぁ゛ぁ゛…」
彡()()「ぁあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁああぁああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!!!!!」
665: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:52:31 ID:6Xh
彡()()「………………」
(●゚◇゚●)「……元気だして?白髪のおじさん」
彡()()「……ワ、ワイが今までしてきたことは…」
彡()()「………………一体、なんやったんや……」
666: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:53:40 ID:6Xh
彡(;)(;)「すまんかった、本当にすまんかった…」
彡(;)(;)「独立できなくて、ホンマすまんかった………」
(●゚◇゚●)「白髪のおじさん、顔をあげて?」
(●゚◇゚●)「これは仕方のないことだったんだよ」
彡(;)(;)「いいや!そんなことあらへん!」
彡(;)(;)「独立はできた!できたはずなんや……」
彡(;)(;)「…………」
彡(;)(;)「…………」
彡(゚)(゚)「…………」
667: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:54:51 ID:6Xh
彡(゚)(゚)「…………」
彡(゚)(゚)「…”日本人は戦いに負けたら自決する”と、お前らには教えた」
彡(゚)(゚)「しかし天皇陛下の命により、日本人は誰も自決することができない」
彡(゚)(゚)「それやとワイら日本人は嘘を吐いたことになる」
彡(゚)(゚)「せやから………」
彡(^)(^)「………ワイが日本人を代表して、自決するわ」
669: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:56:17 ID:6Xh
1945年9月6日
彡(^)(^)「…ホンマにお前らにはすまんことしたな」
彡(^)(^)「独立させてやれんで、ホンマすまんかったな」
(●゚◇゚●)「…ねぇ、白髪のおじさん、本当に考え直してくれない?」
(●゚◇゚●)「おじさんには本当にお世話になったんだよ」
(●゚◇゚●)「バリ島がこんなに平和だったのは、おじさんのお陰なんだよ?」
彡(^)(^)「…そうか、ありがとな」
彡(^)(^)「せやけどな、もう連合軍がそこまで迫っとる」
彡(^)(^)「捕まったらそこで最期や、もうバリ島には戻って来られん」
彡(^)(^)「インドネシアの独立をこの目で見られん」
彡(^)(^)「ワイはな、魂だけでもこの地に残って」
彡(^)(^)「インドネシアの独立を、見守りたいんや…」
(●゚◇゚●)「おじさん…」
彡(^)(^)「さぁ、最後の晩餐や、盛大に食そうや…」
670: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:57:27 ID:6Xh
1945年9月7日
『小磯声明』の一年後。
日本が約束した、”インドネシア独立が実現するはずだった日”。
その日の早朝。
三浦襄は拳銃で自決しました。
671: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:58:41 ID:0AT
oh……
672: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:58:48 ID:6Xh
彡(^)(^)「この戦争で、我が祖国日本の勝利を念ずるためとはいえ」
彡(^)(^)「私の愛するバリ島の皆様に、心ならずも真実を歪めて伝え」
彡(^)(^)「日本の国策を押し付け、無理な協力をさせたことをお詫びします。」
彡(^)(^)「今まで威張り散らしていた日本人も」
彡(^)(^)「明日からは捕虜として、皆様の前で惨めな姿を見せるでしょう。」
彡(^)(^)「彼らが自決せずに屈従するのは」
彡(^)(^)「新しい日本、祖国再建に力を尽くそうと思っているからです。」
彡(^)(^)「なので、自決するのは私一人で良いと思います。」
彡(^)(^)「私が、日本人皆の責任を負って、自決します。」
673: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)22:59:49 ID:6Xh
その後…
(・豪・)「そうか、そんなことが…」
(・豪・)「三浦襄の葬儀を許可する」
(・豪・)「弔ってやりなさい」
進駐してきたオーストラリア・オランダ軍は、三浦の葬儀を許可します。
三浦の葬儀は日本式で行われました。
葬儀には8人の王、16人の僧正なども訪れ、参列したバリ人は1万人もいたそうです。
674: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)23:00:49 ID:6Xh
その後も彼の墓所には花が絶えません。
日本人が訪れて慰霊祭を行うと、今なお大勢のバリ人が集まるそうです。
「三浦襄はバリ人のために生き、インドネシア独立のために死んだ」
墓碑に刻まれた言葉と共に、彼は今でも、バリ島で静かに眠っています。
【Side Episode 三浦襄 完】
675: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)23:01:20 ID:6Xh
本日の更新はここまでです。続きは鋭意執筆中…。
次はいよいよ本編のクライマックスに突入します。
ただ、書き溜めを全て消化してしまったので、次の更新はまた少し先になるかと思われます。
完結までもう暫くお待ち下さい…。
677: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)23:07:38 ID:Nvx
サンイチ
678: 名無しさん@おーぷん 2015/04/09(木)23:51:03 ID:aNX
一般人でもこんなえらい人居ったんやな
ワイにはこんな自己犠牲できる自信ないわ
今日の分もおもろかったで
サンキューイッチ
イッチのペースで完結しちくり~
ワイにはこんな自己犠牲できる自信ないわ
今日の分もおもろかったで
サンキューイッチ
イッチのペースで完結しちくり~
679: 名無しさん@おーぷん 2015/04/10(金)00:41:53 ID:Avy
あの水木センセイもラバウルで今村さんに会って
「今まで見てきた中で一番優しそうな人」と言っているな。
「今まで見てきた中で一番優しそうな人」と言っているな。
685: 名無しさん@おーぷん 2015/04/11(土)20:56:35 ID:AxX
乙
714: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)21:15:52 ID:oaL
716: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)21:58:34 ID:CuS
予告AAキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
717: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)21:59:01 ID:oaL
【Main Episode】
718: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:00:18 ID:oaL
1945年8月9日
( ・`ω・´)「ベトナムにある”南方軍・総司令部”から呼び出しが来たよ」
( ・`ω・´)「独立準備委員会も設立したばかりなのに、一体なんだろうね?」
(^)'・▲・`(^)「独立も間近なんだし、悪い話じゃなければいいけど…」
719: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:01:33 ID:oaL
1945年8月11日
ベトナム・サイゴン郊外ダラト:日本軍 南方軍 総司令部
720: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:02:31 ID:oaL
彡(゚)(゚)「私が南方軍総司令官の元帥・寺内寿一だ」
彡(゚)(゚)「今日君たちを招待したのは他でもない」
彡(゚)(゚)「君たちの”インドネシア独立”が認められることになった」
彡(゚)(゚)「来月の7日は”小磯声明”の一周年だ」
彡(゚)(゚)「その日、君たちインドネシアは独立する」
彡(゚)(゚)「今日はそれを祝して、私たちからささやかなセレモニーを贈らせてもらう」
彡(゚)(゚)「おめでとう、君たちの念願はようやく叶うんだ」
日本の制空権、制海権が奪われ、東京への交通が確保できない現状。
日本は、南方軍総司令部が代行として、インドネシアの独立承認を告げました。
721: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:03:34 ID:oaL
(^)'・▲・`(^)「おめでとう、遂にここまで来たね」
( ・`ω・´)「うん、いよいよ独立だ」
( ・`ω・´)「これまで本当に、長かったなぁ…」
722: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:04:44 ID:oaL
シンガポール
( ・`ω・´)「さて、急いでジャカルタに戻らないと…」
(・民・)「あ、スカルノさん」
( ・`ω・´)「あれ?あなたはマレー半島の民族主義運動家さん」
( ・`ω・´)「何かごようですか?」
(・民・)「いや、特に用という程のことではないんだけどね…」
723: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:05:55 ID:oaL
(・民・)「聞いた話じゃ、日本は敗色濃厚だそうじゃない?」
(・民・)「なんでも”凄まじい破壊力の爆弾”が落とされたとか…」
(・民・)「いよいよ戦争が終わるのかねぇ」
( ・`ω・´)「そうですねぇ…」
( ・`ω・´)「でも、こっちにいる日本軍はまだまだ元気ですからね」
( ・`ω・´)「さっき南方軍の総司令官さんとも会ってきたんですが、そんなそぶりは微塵もありませんでしたし」
( ・`ω・´)「この戦争はもうちょっと続くんじゃないでしょうか?」
(・民・)「そんなもんかねぇ…」
725: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:06:53 ID:oaL
1945年8月14日
ジャカルタ空港
726: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:07:56 ID:oaL
( ・`ω・´)「みなさま!お待たせしました!」
( ・`ω・´)「”今やトウモロコシの花は咲く寸前だ!”」
( ・`ω・´)「遂に、インドネシアの独立が承認されたよ!」
( ・`ω・´)「近いうちに、ぼくたちは独立するんだ!」
( ・◇・)「……ねぇ、知ってる?」
(´・ω・`)「うん、ソ連がこの戦争に参戦したんでしょ?」
(´・ω・`)「爆弾で日本は焼け野原だって話もあるし、いよいよ日本は……」
728: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:08:57 ID:oaL
1945年8月15日
その日の午後、”日本が敗戦した”という噂が、各地で流れ始めます。
729: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:09:58 ID:oaL
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「………いや、噂なんか信じないぞ」
( ・`ω・´)「だって軍の人たちは昨日まで、あんなに元気だったじゃないか」
( ・`ω・´)「それが今日突然”敗戦”だなんて………」
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「………念のため、確認しに行こう」
730: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:10:38 ID:g9x
ほうふ
732: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:11:07 ID:oaL
[陸軍・軍政監部]
( ・`ω・´)「こんにちは、スカルノです」
( ・`ω・´)「どこも”日本が敗戦した”という噂で持ちきりです」
( ・`ω・´)「この噂の真偽を確かめに来ました」
( ・`ω・´)「どうか西村少将のお話をお聞かせ下さい」
(・日・)「………少々お待ち下さい」
733: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:12:09 ID:oaL
(・日・)「………お待たせしました」
( ・`ω・´)「それで、何と?」
(・日・)「………」
(・日・)「………残念ですが、西村少将との面会はできません」
(・日・)「………ただ、伝言があります」
(・日・)「………”独立への援助ができなくなった”」
(・日・)「………以上です」
( ・`ω・´)「そうですか…」
734: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:12:54 ID:g9x
察し
735: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:13:14 ID:oaL
( ・`ω・´)「とても嫌な予感がする、どうしよう…」
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「…そ、そうだ!」
( ・`ω・´)「武官府の前田少将に話を聞きに行こう!」
( ・`ω・´)「彼ならきっと何か知っているはずだ!」
736: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:14:16 ID:oaL
[海軍・武官府]
彡(゚)(゚)「…待たせてすまんな」
( ・`ω・´)「いえ、それよりも…」
( ・`ω・´)「………一体、これはどうなっているのですか?」
彡(゚)(゚)「………」
737: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:14:28 ID:mcM
アカン……
739: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:15:44 ID:oaL
彡(゚)(゚)「………」
彡(-)(-)「………」
彡(-)(-)「………すまん、ワイにもまだ正式な通知は来とらんのや」
彡(-)(-)「せやから、今この場で答えられることは何もないんや」
彡(-)(-)「せやけど、通知を受け取ったら必ずお前にも知らせるわ」
彡(-)(-)「………ホンマにすまんな」
( ・`ω・´)「……分かりました、ありがとうございます」
前田の苦悩に満ちた表情。
それは日本の敗戦を窺わせるには、十分なものでした。
740: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:16:47 ID:CuS
悲しいなぁ…
741: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:16:50 ID:oaL
1945年8月15日夜
[スカルノ邸]
742: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:17:33 ID:oaL
(^)'・▲・`(^)「今日は大変な一日だったね…」
( ・`ω・´)「きっと明日も大変だよ、一体この先どうなるのやら…」
(^)'・▲・`(^)「先が思いやられるね…」
(^)'・▲・`(^)「それじゃ、ぼくはこれで」
( ・`ω・´)「うん、おつかれさま」
(^)'・▲・`(^)「………ん?なんだ、あれは?」
(*^◯^*)「待っていたんだ!スカルノ!」
( ・`ω・´)「!?」
帰宅したスカルノたちを待ち構えていたのは”青年グループ”でした。
743: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:18:24 ID:g9x
背景に、蝉の鳴き声が響いてると思うとほんと切ない
744: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:18:36 ID:oaL
( ・`ω・´)「一体何の用だ?」
(*^◯^*)「日本は敗戦したんだ!」
( ・`ω・´)「!」
(*^◯^*)「もう邪魔者はいない!」
(*^◯^*)「今こそ立ち上がるときなんだ!」
745: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:19:35 ID:oaL
数刻前…
( ・◇・)「ねぇ聞いた?日本が敗戦したんだってよ」
(*^◯^*)「それは本当なんだ!?」
(*^◯^*)「こうしちゃいられないんだ!」
(*^◯^*)「今こそ革命のときなんだ!」
”インドネシア独立”に対して、完全に蚊帳の外にあった”青年グループ”。
彼らは日本の敗戦を知るやいなや、すぐさま立ち上がろうとしました。
746: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:20:18 ID:g9x
おお…もう…
747: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:20:38 ID:oaL
( `o´)
(*^◯^*)「ジャカルタ地区・ジャワ郷土防衛義勇軍”ペタ”所属、カスマン大団長!」
( `o´)「なんだ?」
(*^◯^*)「日本が敗戦しました!」
(*^◯^*)「今こそ我々が立ち上がるときです!」
(*^◯^*)「武装蜂起して日本軍と戦いましょう!」
( `o´)「………」
748: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:21:40 ID:oaL
( `o´)「………いや」
(*^◯^*)「!?」
( `o´)「我々だけの判断では、軍を動かすことはできない」
( `o´)「どうしてもと言うのなら…」
( `o´)「”スカルノ氏の承認”を要求する」
(*^◯^*)「なんだって!?」
( `o´)「彼が”良い”と言ったら、軍を動かすことに同意するよ」
(*^◯^*)「………あのクソジジイめ…」
749: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:22:44 ID:oaL
1945年8月15日夜
[スカルノ邸]
(*^◯^*)「というわけなんだ!」
(*^◯^*)「さぁ、スカルノ!」
(*^◯^*)「軍を動かす許可を出すんだ!」
(*^◯^*)「それでこの国は独立できるんだ!」
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「………それはできない」
(*^◯^*)「!?」
750: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:23:51 ID:oaL
( ・`ω・´)「私たちは”日本との話し合いによる独立”を進めてきた」
( ・`ω・´)「そして南方軍総司令官・寺内元帥は、既にインドネシアの独立を認めている」
( ・`ω・´)「それなのに、今敢えて武力蜂起する意味はなんだ?」
( ・`ω・´)「独立予定日まで、あとたった数十日だ」
( ・`ω・´)「何故、それが待てないんだ?」
(*^◯^*)「そんなの知ったこっちゃないんだ!」
(*^◯^*)「”日本から与えられた独立”なんて、ぼくたちはいらないんだ!」
(*^◯^*)「ぼくたちは”武力”によって独立を勝ち取るんだ!」
(*^◯^*)「今こそ革命のときなんだ!」
751: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:24:52 ID:oaL
( ・`ω・´)「…馬鹿馬鹿しい」
(*^◯^*)「なんだと!?」
( ・`ω・´)「日本軍は未だに武力を保持したまま存在している」
( ・`ω・´)「”敗戦した”といっても、その事実は変わらない」
( ・`ω・´)「一方のインドネシア側に武力はない」
( ・`ω・´)「ほとんど素手同然だ」
( ・`ω・´)「歯向かえば壊滅する、それだけだよ」
(*^◯^*)「やってみないと分からないんだ!」
( ・`ω・´)「なら、やれるものならやってみろ」
( ・`ω・´)「これだから青年グループは…」
752: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:25:27 ID:g9x
今までの話の総決算やな
753: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:25:53 ID:oaL
(*^◯^*)「………」
(*^◯^*)「もういい!お前とは話にならないんだ!」
(*^◯^*)「帰るんだ!」
(^)'・▲・`(^)「全く、なんて奴らだ…」
そうして、スカルノと”青年グループ”の交渉は決裂。
754: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:26:57 ID:oaL
8月15日深夜から8月16日未明にかけて。
就寝中のスカルノ一家、ハッタ一家は、”青年グループ”に拉致されたのでした。
755: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:27:29 ID:CuS
おお、もぅ…
757: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:28:20 ID:oaL
彡(゚)(゚)「スバルジョ、急に呼び出してすまんな」
(o‘ω‘ n)「いえ、それよりも…」
(o‘ω‘ n)「スカルノとハッタが行方不明って、本当ですか?」
彡(゚)(゚)「…せや、一家揃って行方不明や」
彡(゚)(゚)「昨日、ここで話をしていったんやけどな…」
彡(゚)(゚)「…この混乱の中、何かあったら大変や」
(o‘ω‘ n)「はい、私の方で彼らの行方を捜してみようと思います」
758: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:29:33 ID:oaL
( ・◇・)「スカルノさんの家に男たちが乗り込んできてね」
( ・◇・)「みんな車に乗せて、向こうの方に行っちゃったんだ」
( ・◇・)「多分、”レンガスデンクロック”の方じゃないかな…?」
(o‘ω‘ n)「”レンガスデンクロック”か…」
レンガスデンクロック。
そこは民主主義運動の影響を受けた、スチプト中団長が指揮する街。
そして急進派”青年グループ”の巣窟でもありました。
759: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:30:34 ID:oaL
レンガスデンクロック:”ペタ”兵舎
(*^◯^*)「ただいまなんだ!」
(・団・)「お、連れてきたか!」
(*^◯^*)「スカルノ一家、ハッタ一家の拉致に成功したんだ!」
760: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:31:01 ID:g9x
愛国主義も変な方向に向かったら破滅にしかならないな
761: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:31:38 ID:oaL
( ・`ω・´)「君たち!我々を連れてきて一体どうする気だ!」
(*^◯^*)「そんなの決まってるんだ!」
(*^◯^*)「今すぐ武装蜂起を承認するんだ!」
(*^◯^*)「ぼくたちは今すぐ独立戦争を始めるべきなんだ!」
(*^◯^*)「そのためにはジャカルタの”ペタ”も一緒に武装蜂起するべきなんだ!」
(*^◯^*)「許可さえ出せば、すぐにでもお前たちは開放してやるんだ!」
(*^◯^*)「だからさっさと許可を出すんだ!」
( ・`ω・´)「馬鹿馬鹿しい、こんなことで我々が大人しく従うと思うなよ!」
(^)'・▲・`(^)「そうだ、話にならんよ」
(*^◯^*)「ぶざけたことを抜かしてるんじゃないんだ!」
このレンガスデンクロックでは、以前から着々と武装蜂起の準備が進んでいたのでした。
全ては、”インドネシア共和国最初の解放区”となるため。
日本軍による統治は、ほとんど限界に達しつつあったのでした。
日本軍の影響が及ばない”レンガスデンクロック”。
”青年グループ”はこの場所で、スカルノとハッタに即時独立を強要したのでした。
762: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:32:46 ID:oaL
[レンガスデンクロック]
(o‘ω‘ n)「やっと着いた、ここがレンガスデンクロック…」
(o‘ω‘ n)「スカルノたちはきっと”ペタ”の関係施設に拉致されてるはずだ」
(o‘ω‘ n)「虱潰しに探してみよう」
763: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:33:48 ID:oaL
8月16日深夜
[レンガスデンクロック:ペタ兵舎]
(*^◯^*)「つべこべ言わずさっさと承諾するんだ!」
(*^◯^*)「家族がどうなってもいいのか!?」
( ・`ω・´)「卑怯者め、だからお前たちの話には乗れないと言ってるんだ」
(*^◯^*)「なんだと!?」
(o‘ω‘ n)「そこまでだ、君たち!」
(*^◯^*)「!?」
(o‘ω‘ n)「ぼくはスバルジョだ、大人しく彼らを引き渡すんだ」
(*^◯^*)「そういう訳にはいかないんだ!」
(*^◯^*)「ぼくたちは今すぐ武装蜂起するべきなんだ!」
(*^◯^*)「今更後には引けないんだ!」
764: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:35:01 ID:oaL
(o‘ω‘ n)「どうしても武装蜂起するというのかい?」
(*^◯^*)「そうなんだ!今まで準備を進めてきたんだ!」
(*^◯^*)「この期を逃したらもうないんだ!」
(*^◯^*)「独立は、ぼくらの手で勝ち取るべきなんだ!」
(o‘ω‘ n)「……交渉は難しそうだな…」
(o‘ω‘ n)「………分かった、ならばこうしよう」
(*^◯^*)「?」
765: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:35:32 ID:g9x
悲劇にしかならないのか
766: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:36:21 ID:oaL
(o‘ω‘ n)「我々は、独立準備の最終段階として、」
(o‘ω‘ n)「8月18日に委員会会議を行う予定だった」
(o‘ω‘ n)「終戦で、それはご破算になってしまったけど…」
(o‘ω‘ n)「遠方からの参加者は、既にジャカルタに到着している」
(o‘ω‘ n)「近場の者は、すぐに集まれるだろう」
(o‘ω‘ n)「つまり、今、」
(o‘ω‘ n)「このジャワ島では、独立に関与する者が全て集まれるんだ」
(o‘ω‘ n)「………我々の手で、明日、独立を宣言しよう」
767: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:36:33 ID:mcM
これが70年前の出来事なんよね
768: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:37:34 ID:oaL
(*^◯^*)「!?!?」
(*^◯^*)「…そ、そんなことが本当にできるんだ!?」
(o‘ω‘ n)「…ああ、条件は全て揃っている」
(o‘ω‘ n)「独立は明日、果たされる」
(o‘ω‘ n)「これは他の誰でもない、インドネシア人による独立だ」
(*^◯^*)「………!!」
(o‘ω‘ n)「そして君たちにも、この独立に協力してもらいたい」
(*^◯^*)「!?」
(o‘ω‘ n)「我々は共に、独立を宣言しようじゃないか」
(*^◯^*)「………わ、分かったんだ!」
(*^◯^*)「その提案に乗るんだ!」
769: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:38:20 ID:CuS
onちゃんGJ
770: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:38:23 ID:mcM
有能有能&有能
771: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:38:38 ID:oaL
( ・`ω・´)「助けてくれてありがとう、スバルジョ…」
(o‘ω‘ n)「ああ、でもすまない、あんなことを宣言してしまって…」
(^)'・▲・`(^)「………確かに、独立を強要されたこの事件はとても不愉快だ」
( ・`ω・´)「だが、丁度良かったのかもしれない」
( ・`ω・´)「待っていては駄目だったんだ」
( ・`ω・´)「やはり我々は、我々の手で、独立するべきだったんだ」
772: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:38:40 ID:g9x
喜んでる感じが出てええわ
773: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:39:35 ID:oaL
8月16日夜
[ジャカルタ]
( ・`ω・´)「やっと戻って来られた…」
( ・`ω・´)「でもぐずぐずしてはいられない」
( ・`ω・´)「まずは日本軍の陸軍幹部に報告しに行かないと」
775: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:40:32 ID:oaL
[陸軍・軍政監部]
(・日・)「………どうぞ」
( ・`ω・´)「失礼します、軍政監部・総務部長、西村少将」
( ・`ω・´)「夜分遅くにすみません」
( ・`ω・´)「ですが、事が急でしたのでご容赦下さい」
776: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:41:20 ID:oaL
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「………我々は明日、独立を宣言します」
( ・`ω・´)「これまでお膳立てをして頂いたのに、申し訳ありません」
( ・`ω・´)「ですが、我々は今、独立するしかないのです」
781: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:43:10 ID:oaL
( ・`ω・´)「戦争が終わり、オランダの進駐軍が迫っています」
( ・`ω・´)「彼らがやってくれば、きっと戦前のインドネシアに戻ってしまうでしょう」
( ・`ω・´)「………植民地だったあの頃に、搾取されるだけの私たちに、戻ってしまうでしょう」
( ・`ω・´)「それだけは、避けなければなりません」
( ・`ω・´)「やっとここまで来たんです、独立の準備は全て、終わったんです」
( ・`ω・´)「あとは、独立するだけなんです」
783: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:44:07 ID:oaL
( ・`ω・´)「………今日、我々は日本軍の承認を得に来ました」
( ・`ω・´)「独立の承認を、得に来ました」
( ・`ω・´)「どうか、お願いします…」
(・日・)「………」
(・日・)「………申し訳ない」
(・日・)「………我々は、連合軍より”現状維持”を厳命されている」
(・日・)「………独立を認めることは、できないんだ…」
786: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:45:10 ID:oaL
(・日・)「………」
(・日・)「………だが、」
(・日・)「”我々は、何も聞かなかった”」
(・日・)「我々は、何も知らない」
(・日・)「だから、君たちを止めることも、ない」
(・日・)「………さぁ、早く行くんだ」
( ・`ω・´)「…ありがとうございます、失礼しました」
789: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:46:42 ID:mcM
>>786
かっこええ……
かっこええ……
790: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:47:20 ID:g9x
>>786
本当にこんなドラマみたいな感じだったの?
本当にこんなドラマみたいな感じだったの?
796: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:49:56 ID:oaL
>>790
陸軍による独立承認は拒否されました。
しかしそれは同時に”黙認”され、独立に対する妨害もありませんでした。
”黙認”、それが彼らの精一杯の”誠意”だったのかもしれません。
陸軍による独立承認は拒否されました。
しかしそれは同時に”黙認”され、独立に対する妨害もありませんでした。
”黙認”、それが彼らの精一杯の”誠意”だったのかもしれません。
801: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:54:00 ID:g9x
>>796
サンキューイッチ
かっこいいわ
サンキューイッチ
かっこいいわ
792: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:48:12 ID:CuS
>>786
優しい嘘やな
優しい嘘やな
788: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:46:22 ID:oaL
[海軍・武官府]
(o‘ω‘ n)「…失礼します、前田少将」
彡(゚)(゚)「おう、どうした」
(o‘ω‘ n)「”独立養成塾”では大変お世話になりました」
彡(^)(^)「ええんやで、あんなん先行投資や」
彡(゚)(゚)「………独立できんで、すまんな」
(o‘ω‘ n)「いえ、それはもういいんです…」
(o‘ω‘ n)「………」
(o‘ω‘ n)「………明日、我々は独立を宣言します」
彡(゚)(゚)「!」
(o‘ω‘ n)「今、スカルノが西村少将に独立の最終承認をもらいに行っています」
(o‘ω‘ n)「………ですが、承認を得るのは難しいかもしれません」
彡(゚)(゚)「………」
791: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:47:32 ID:oaL
(o‘ω‘ n)「独立宣言はつい先ほど決まったことです」
(o‘ω‘ n)「下準備もまだで、我々はこれから、独立宣言の起草を行わなければいけません」
(o‘ω‘ n)「……陸軍による妨害があるかもしれません」
(o‘ω‘ n)「我々には今、安全な場所が必要です」
(o‘ω‘ n)「………どうか、前田少将の武官邸を提供してもらえませんでしょうか?」
彡(゚)(゚)「…そか、分かったで」
海軍武官府の前田武官邸。
そこは、万が一陸軍による妨害があったとしても、それを排除できる唯一の場所でした。
794: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:49:24 ID:g9x
>>791
仲の悪い海陸が、すれ違いで同じ決断してたなんて
歴史って面白いな
仲の悪い海陸が、すれ違いで同じ決断してたなんて
歴史って面白いな
797: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:51:19 ID:oaL
8月16日午後11時
[前田武官邸]
798: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:52:14 ID:oaL
彡(゚)(゚)「…よー来たな、まぁ座っとき」
(o‘ω‘ n) ( ・`ω・´) (^)'・▲・`(^) (*^◯^*) (・日・)
前田少将はスカルノとハッタを公邸に迎え入れ、打ち合わせを行いました。
会議には50人ほどが出席しました。
日本人は前田の他に、日蘭商業新聞記者・吉住留五郎、第一六軍軍政監部司政官・三好俊吉郎、海軍嘱託・西嶋茂忠が同席したそうです。
799: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:53:16 ID:oaL
彡(゚)(゚)「それじゃ、ワイはもう寝るわ」
彡(゚)(゚)「ワイが関わったらいかんしな」
彡(゚)(゚)「………頑張れや」
会議は16日23時から17日2時過ぎまで続きます。
800: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:53:59 ID:oaL
( ・`ω・´)「さて」
( ・`ω・´)「”独立宣言”の原案は、既に”独立準備委員会”で採択されている」
( ・`ω・´)「あとはこの原案を調整して、”独立宣言”を起草するだけだ」
802: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:54:45 ID:oaL
( ・`ω・´)「まずは問題は権力の”委譲”という言葉について」
(*^◯^*)「これは革命なんだ!」
(*^◯^*)「”委譲”ではなく”奪取”とするべきなんだ!」
( ・`ω・´)「ここまで来てワガママを言わないでくれよ」
( ・`ω・´)「ここは”委譲”で押し切らせてもらうよ」
803: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:55:40 ID:oaL
( ・`ω・´)「ここに記す署名についてだが…」
( ・`ω・´)「”独立準備委員会”は、日本によって用意された委員会だ」
( ・`ω・´)「”独立準備委員会”の名を使用すると、”日本の与えた独立”に繋がってしまう」
( ・`ω・´)「さて、どう署名するか…」
(*^◯^*)「この会議の出席者全員の署名をするんだ!」
(*^◯^*)「それで万事解決なんだ!」
( ・`ω・´)「うーん、でもちょっと長くなりすぎるなぁ…」
( ・`ω・´)「………よし、まず私とハッタが署名する」
( ・`ω・´)「そして”インドネシア民族の名において”と記そう」
( ・`ω・´)「これで”我々インドネシア人による独立である”と主張できるぞ」
804: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:56:30 ID:oaL
( ・`ω・´)「最後は”日付”についてだけど…」
( ・`ω・´)「”西暦”は論外だ」
( ・`ω・´)「あれはオランダ時代の忌むべき遺物、絶対に使うべきではない」
( ・`ω・´)「さて、どうするか…」
805: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:56:45 ID:g9x
クライマックスやな
806: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:57:35 ID:oaL
( ・`ω・´)「…そろそろ眠くなってきたぞ」
( ・`ω・´)「よく考えたら、昨晩から一睡もしてない」
( ・`ω・´)「独立宣言の時間も迫ってる、どうしよう…」
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「………なんだか熱もでてきた」
( ・`ω・´)「もう疲労も限界だ………よし、」
( ・`ω・´)「こうなったら”皇紀”を使おう、それで解決だ」
一枚のシワだらけの紙に書かれた、たった数行の独立宣言文。
8月17日未明、後に国宝となるそれは、遂に完成したのでした。
836: 名無しさん@おーぷん 2015/04/19(日)09:59:16 ID:xsm
>>806
あかん、電車の中なのに目から変な汁が…
あかん、電車の中なのに目から変な汁が…
807: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:58:36 ID:oaL
・豆知識『皇紀』
”西暦”に対抗するため、日本が作った年号です。
神武天皇が即位したとされる紀元前660年を元年とします。
科学的根拠に乏しいものですが、日本は政治的意図をもって”皇紀”の普及をはかりました。
”皇紀”は戦時中に使用され、戦後に姿を消しました。
”インドネシア独立宣言”にある”05年”とは、”皇紀2605年”のことを指します。
( ・`ω・´)「あとから考えたんだけど…」
( ・`ω・´)「”インドネシア暦元年”とするべきだったんだね」
( ・`ω・´)「それだけが反省材料だよ」
( ・`ω・´)「まぁあの時は、マラリア発熱で倒れる寸前だったからね」
( ・`ω・´)「睡眠もほとんど取れてなかったし、仕方ないか…」
”インドネシア独立宣言”は、今でもレリーフとして公開されています。
”皇紀”は”インドネシア独立宣言”と共に、永久に保管され続けるのでした。
811: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:00:02 ID:mcM
>>807
ほんま凄い話やなあ
ほんま凄い話やなあ
808: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:58:46 ID:OxT
残留日本兵の話もやるンゴ?
810: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:00:00 ID:oaL
>>808
最終回のメインテーマです
最終回のメインテーマです
813: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:00:23 ID:OxT
>>810
サンキューやで
サンキューやで
816: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:01:00 ID:mcM
>>810
よろしくやで
よろしくやで
809: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)22:59:40 ID:oaL
(o‘ω‘ n)「こうして、一人の勇敢な日本海軍少将の家での、」
(o‘ω‘ n)「忘れることのできない夜の会合は終わったんだ」
815: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:00:55 ID:oaL
8月17日午前10時
[中央ジャカルタ、東ペガンサアン通り56番地、スカルノ邸]
817: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:01:57 ID:oaL
( ・`ω・´) (^)'・▲・`(^)
( ・`ω・´)「お集まりのみなさん」
( ・`ω・´)「本日はお越し頂き、ありがとうございます」
( ・`ω・´)「それでは、これより”インドネシア独立宣言”を読み上げさせて頂きます」
818: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:03:01 ID:oaL
( ・`ω・´)「宣言」
( ・`ω・´)「我らインドネシア民族は」
( ・`ω・´)「ここにインドネシアの独立を宣言する」
( ・`ω・´)「権力委譲などに関する事柄は、完全かつ速やかに行われる」
( ・`ω・´)「ジャカルタ、05年8月17日」
( ・`ω・´)「インドネシア民族の名において」
( ・`ω・´)「スカルノ / ハッタ」
( ・`ω・´)「ありがとうございました」
式典には、噂を聞きつけた500人ほどの人たちが集まりました。
スカルノ夫人手製の”メラ・プティ”が掲げられ、伴奏なしで”インドネシア・ラヤ”も歌われました。
819: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:03:55 ID:g9x
ついにか
820: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:03:56 ID:oaL
終戦直後。
その大混乱の中で発せられた、インドネシアの独立宣言。
8月15日~17日の3日間は”疾風怒濤の日”として、インドネシアの歴史に刻まれています。
821: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:04:16 ID:oaL
本日の更新はここまでです。続きは鋭意執筆中…。
次の更新が、この物語の最終回となります。
多少膨らんでも全てを詰め込む予定なので、次が事実上最後の更新となります。
また少し時間がかかるかもしれませんが、もう暫くお待ち下さい…。
822: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:06:49 ID:g9x
ありがとうやで~
月またぎで読むのも、壮大な話を聞いてるみたいで効果的やわ(勿論皮肉ではなく)
月またぎで読むのも、壮大な話を聞いてるみたいで効果的やわ(勿論皮肉ではなく)
824: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:07:32 ID:OxT
おつ
いよいよあと少しやな
いよいよあと少しやな
827: 名無し 2015/04/17(金)23:23:17 ID:UPQ
もう次で最後なんか…
忘れとったけど、あの人こんな凄い方の嫁さんなんやね…
忘れとったけど、あの人こんな凄い方の嫁さんなんやね…
828: 名無しさん@おーぷん 2015/04/18(土)02:19:25 ID:cnc
>>827
そらそうよ
だからTVでは好奇心旺盛な毒舌おばちゃんなのに
海外ではすごいリスペクトされとるわけよ
そらそうよ
だからTVでは好奇心旺盛な毒舌おばちゃんなのに
海外ではすごいリスペクトされとるわけよ
832: 名無しさん@おーぷん 2015/04/18(土)13:05:09 ID:bpp
豆知識とか小豆知識とかでちゃーんと補足してくれるところがほんま親切やな
予告AAもかわいいしな
予告AAもかわいいしな
863: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)20:36:41 ID:nmC
865: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)20:45:12 ID:NGw
予告aaキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
866: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)20:45:14 ID:pRn
予告AAキター
867: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:00:17 ID:nmC
8月18日
( ・`ω・´)「独立宣言の発布によって、”独立準備委員会”は”独立委員会”になったよ」
868: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:00:49 ID:nmC
( ・`ω・´)「早速、閣僚人事を発表しますね」
( ・`ω・´)「初代大統領はぼく、スカルノ」
(^)'・▲・`(^)「初代副大統領は私、ハッタです」
(o‘ω‘ n)「初代外務大臣にはぼく、スバルジョ」
(*・公・*)「初代共和国首相は私、シャフリルです」
(*・公・*)「”独立養成塾”時代には、アジア史と社会主義の講義も担当しました」
(*・公・*)「外相も兼任するので、ちょっと大変ですね…」
869: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:01:47 ID:nmC
( ・`ω・´)「次に、議会で憲法を制定します」
( ・`ω・´)「国家の骨格は、既に論議が尽くされてるからね」
( ・`ω・´)「憲法の前文に5原則”パンチャシラ”を折り込むよ」
870: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:02:48 ID:nmC
8月19日
( ・`ω・´)「今日は中央政府12省、地方行政8州の設置を決定したよ」
( ・`ω・´)「8月29日には閣僚と知事を任命するんだ」
準備は全て、終わっていました。
だからこそ、彼らは素早い対応を見せられたのでした。
終戦から数日間、戦勝国からは何の指示もありません。
この権力の空白期を利用し、インドネシアは着々と”独立”を既成事実にしていきました。
871: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:03:49 ID:nmC
夜中、日本軍の目を盗んで行われたラジオ放送。
独立宣言のニュースは世界中に発信されます。
視聴者は僅かだったかもしれません。
ですが、独立を世界中に発信したこと。
それは彼らにとって、とても大きな意味があったのでした。
872: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:04:50 ID:nmC
(U・×・U)「東インドが独立?」
(U・×・U)「いや、知らんし」
”インドネシアの独立宣言”は、国際社会から無視されました。
そして、インドネシア国家誕生の試練が始まります。
873: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:06:02 ID:nmC
(●▲●)
(●▲●)「久々の出番やで~」
(●▲●)「ワイら”蘭印・植民地軍”は”ニカ”に改名したんやで~」
(●▲●)「改名理由は……まぁ、”植民地軍”だと、色々都合が悪いからな」
(●▲●)「さて」
(●▲●)「原住民どもめ、待っとれよ」
かつての宗主国・オランダが、連合軍の尻馬に乗って”戦勝国”として帰ってきました。
874: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:07:04 ID:nmC
(●▲●)「ワイらの任務はな、東インドを”日本占領前の状態”に戻すことなんや」
(●▲●)「つまり、植民地の復活やな」
(●▲●)「独立?そんなん関係ないわ」
(●▲●)「東インドが独立したのは”日本がお膳立てしたから”やろ?」
(●▲●)「日本がしたことは全部無効!白紙撤回!」
(●▲●)「当然、”独立”なんて”なかった”んやで(ニッコリ」
875: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:08:06 ID:nmC
( ・`ω・´)「そんな!」
( ・`ω・´)「独立は確かに、インドネシア人によって果たされたんだ!」
( ・`ω・´)「日本が用意した”独立予定日”も回避したし!」
( ・`ω・´)「そこに日本の介入はなかった!」
( ・`ω・´)「だから独立が無効だなんて間違ってるよ!」
876: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:09:06 ID:nmC
(●▲●)「せやろか?」
(●▲●)「なんでも日本時代、”独立準備委員会”なるものがあったそうやないか?」
(●▲●)「独立宣言には日本の”皇紀”も使われとるし?」
(●▲●)「大体、独立宣言の起草には、日本人が立ち会っていたそうじゃないか?」
(●▲●)「日本の関与があったことは、明白やろなぁ?」
877: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:10:07 ID:nmC
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「………」
( ・`ω・´)「………いや」
( ・`ω・´)「”日本人はいなかった”」
( ・`ω・´)「これは全て、インドネシア人だけで行われたことだ!」
インドネシア人だけによる、インドネシア独立宣言の起草。
これが“インドネシアの建国神話”です。
878: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:10:58 ID:nmC
(●▲●)「はー、全く、話が通じん奴らやなー」
(●▲●)「イギリスはん、イギリスはん」
(U・×・U)「お、なんや?」
(●▲●)「どうか協力、頼んまっせ」
(U・×・U)「しゃーないな…」
879: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:11:59 ID:nmC
(U・×・U)「おう、日本軍」
彡(゚)(゚)「は、はい、東南アジア方面総司令官、マウントバッテン大将」
(U・×・U)「ワイらと”ラングーン協定”を結ぶんやで」
(U・×・U)「ワイら連合軍の進駐が整うまで」
(U・×・U)「日本軍は、現地での治安維持の責任を持つんや」
(U・×・U)「兵器は保持したまま、到着した連合軍に引き渡すんや」
(U・×・U)「………武器を住民に渡したりしたら絶対にいかんのやで」
彡(゚)(゚)「は、はい、分かりました…」
こうして、現地の治安維持が日本軍に任されました。
880: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:12:53 ID:nmC
( ・`ω・´)「みんな、聞いてくれ!」
( ・`ω・´)「まもなく、あの忌々しいオランダ兵が帰ってくる!」
( ・`ω・´)「ぼくたちは戦わなければいけない!」
( ・`ω・´)「戦って、勝たなければいけないんだ!」
( ・`ω・´)「旧”ペタ”、旧”ヘイホ”の諸君には、是非とも”インドネシア共和国軍”に参加して欲しい!」
( ・`ω・´)「ぼくたちの手でインドネシアを守るんだ!」
1945年8月19日。日本軍が組織した”ペタ”は、解散しました。
インドネシア政府は旧”ペタ”、旧”ヘイホ”らに、新たな軍への参加を呼びかけます。
881: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:13:34 ID:nmC
10月5日。
後に”建軍記念日”となるその日、”インドネシア共和国軍”は結成されます。
”タンゲラン青年道場”から始まり、”ジャワ郷土防衛義勇軍・ペタ”を経て、祖国インドネシアのために鍛え続けてきた彼ら。
それは遂に、本物の国防軍となったのでした。
882: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:14:28 ID:nmC
[ジャワ島・スラバヤ]
(´・ω・`)「急げ、急げ!オランダ兵が来るぞ!」
(´・ω・`)「もっと武器を集めるんだ!」
(´・ω・`)「ぼくらは独立したんだ!もう奴らの好きにはさせない!」
(´・ω・`)「何としてでも、闘ってでも!」
(´・ω・`)「奴らから、この国を守らないと!」
(´・ω・`)「これはぼくたちの”独立戦争”なんだ!」
883: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:15:30 ID:nmC
彡(゚)(゚)
(´・ω・`)「日本兵のおにいちゃん!」
(´・ω・`)「どうかぼくたちに武器をちょうだい!」
(´・ω・`)「ぼくたちはこれから、オランダと闘わなきゃいけないんだ!」
(´・ω・`)「ぼくたちは勝たなきゃいけないんだ!」
(´・ω・`)「負けられないんだ!」
(´・ω・`)「どうか、奴らと闘うための武器を貸してください…」
彡(゚)(゚)「………」
10月に設立された”インドネシア共和国軍”。
彼らには、武器がなく、弾薬がなく、食料がなく、医薬品がありませんでした。
たった一つ、あるのは兵士たちの愛国心だけ。
彼らは、日本軍の武器が喉から手が出るほど欲しかったのでした。
884: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:16:06 ID:nmC
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「………」
(´・ω・`)「……おにいちゃん?」
885: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:16:43 ID:nmC
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「………いや」
彡(゚)(゚)「ワイらはお前らに、武器を譲れん」
(´・ω・`)「!」
彡(゚)(゚)「これは上からの命令なんや」
彡(゚)(゚)「命令は絶対遵守なんや」
(´・ω・`)「そ、そんな…」
886: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:17:45 ID:nmC
彡(゚)(゚)「…せやけどな」
(´・ω・`)「?」
彡(゚)(゚)「ワイらはこれから”古くて使えない武器”を”破棄”する」
彡(゚)(゚)「当然”破棄”やからな、武器は”解体”してから”破棄”するで」
彡(゚)(゚)「”破棄”する場所は……せやな、河原とかその辺でええか」
彡(゚)(゚)「こんな”ゴミ”を拾う物好きなんて、きっとおらへんからな」
彡(゚)(゚)「………まぁ万が一、それらが拾われて、」
彡(゚)(゚)「再び武器として組み立てられたとしても」
彡(゚)(゚)「それはワイの知らんことや」
彡(゚)(゚)「拾った奴の好きにするとええ」
彡(゚)(゚)「…ワイの話はここまでや」
彡(゚)(゚)「健闘を祈る」
(´・ω・`)「ありがとう、日本兵のおにいちゃん…」
887: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:18:47 ID:nmC
10月3日
彡(゚)(゚)「…すみません、オランダ海軍・フェーエル大佐」
(●▲●)「なんや?」
彡(゚)(゚)「我々は今、原住民たちとの間で板挟みになっています」
彡(゚)(゚)「原住民たちは皆、我々に武器をよこせと押しかけてきています」
彡(゚)(゚)「しかし、我々は命令により、武器を引き渡すことができません」
彡(゚)(゚)「彼らを裏切るのは心苦しい、しかし武器は渡せない…」
彡(゚)(゚)「我々は、とても困っているのです」
888: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:19:40 ID:nmC
(●▲●)「ほーん、で?」
彡(゚)(゚)「なので、連合軍サイドの方で、我々の武器を引き取ってもらえないでしょうか?」
彡(゚)(゚)「我々の方では、もう限界なのです…」
(●▲●)「ほーん……まぁ、ええやろ」
(●▲●)「武器はワイらの方で引き取ったるわ」
彡(゚)(゚)「ありがとうございます、大佐」
889: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:20:41 ID:nmC
彡(゚)(゚)「…ところで、大佐」
(●▲●)「なんや、まだあるんか?」
彡(゚)(゚)「大佐は以前、こうおっしゃいましたよね?」
彡(゚)(゚)「”オランダはインドネシアを完全に把握している”と」
(●▲●)「あぁ、確かに言ったかもなー?」
(●▲●)「大正義オランダが、こんな小さな島国一つを把握するなんて他愛もないことやで」
彡(゚)(゚)「そうですか……ならば」
(●▲●)「?」
彡(゚)(゚)「インドネシアに武器を引き渡すのも、オランダに武器を引き渡すのも」
彡(゚)(゚)「それは全く、同じことなのではないでしょうか?」
(●▲●)「ファッ!?」
890: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:21:51 ID:nmC
(●▲●)「な、なんやその理屈は!?」
彡(゚)(゚)「おや?どうかしましたか?」
彡(゚)(゚)「…もしかして、あの発言は嘘だった、と?」
彡(゚)(゚)「オランダは実は大したことなどなく、」
彡(゚)(゚)「こんな小さな島国一つを把握することすら困難だ、と?」
(●▲●)「ぐぬぬ…」
(●▲●)「……まぁええわ、原住民如きに武器が少々渡ったところで、どうということもない」
(●▲●)「インドネシアに武器を引き渡すのを許可するで」
(●▲●)「その武器でインドネシア人が治安活動をするとええ」
(●▲●)「これでええんやろ!」
彡(^)(^)「ありがとうございます、大佐」
891: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:22:21 ID:nmC
武器の引き渡しを禁じられていた日本軍。
彼らはこのような手段を用いて、インドネシア側に武器を横流しします。
特にスラバヤでは、大量の武器がインドネシア側に渡りました。
スラバヤには、陸軍・混成旅団と海軍司令部がありました。
陸軍・岩部少将と、海軍・柴田中将は、インドネシア人が武器を奪うのを黙認します。
日本軍は竹槍相手に武器や通貨を置いて逃げたり、治安維持を名目にインドネシア人警官へ武器を渡したりもしました。
そして、それらは日本とインドネシアの摩擦を最小限に留めたのでした。
インドネシア側に渡った武器の数は、6万個と言われています。
それらは中古といえど、何もなかったインドネシア軍には重宝されたのでした。
892: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:23:20 ID:nmC
しかし。
全ての場所で、事が円滑に運んだ訳ではありませんでした。
893: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:23:57 ID:nmC
[スマトラ島・トゥビンティンギ]
(*^◯^*)「武器をよこすんだ!」
(・日・)「………」
地元の青年グループが武器の譲渡を迫っていました。
894: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:24:58 ID:nmC
(・日・)「………」
(・日・)「…我々は、抵抗を禁じられている」
(・日・)「………仕方ない」
(・日・)「君たちに武器を譲渡するよ」
(*^◯^*)「ありがとうなんだ!」
(*^◯^*)「それじゃ、死ぬんだ!」
(ターン)
(日)
丸腰になった日本兵60人は全員、その場で青年グループに惨殺されました。
895: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:25:20 ID:NGw
おお、もぅ…
896: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:25:59 ID:nmC
(*^◯^*)「おい、日本兵!」
(*^◯^*)「もっと武器をよこすんだ!」
青年グループは更に武器を求め、日本軍を襲いました。
(・日・)「は?(威圧)」
(パパパパッ)
(*◯*)
流石に堪忍袋の緒が切れた日本軍は、機関銃で青年グループに反撃。
『トゥビン・ティンギ事件』
インドネシア人2000名と日本人の双方が犠牲になった事件です。
897: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:27:03 ID:nmC
スラバヤでの武器引き渡しを先例として、各地域では武器引き渡し要求が活発になります。
そしてその度に、犠牲者が出ました。
ジャワ島西部バンドン。
多数の住民が、軍や飛行場を襲撃。
日本兵3名と、インドネシア人十数名が死亡しました。
ジャワ島西部ガルー。
住民が工場を襲撃。
工場の警備していた日本兵24名、その全員が無抵抗のまま死亡しました。
ジャワ島西部ブカシ。
海軍・竹下大佐ら86名が、武器提供を拒み、拉致され、殺害されました。
ジャワ島中部ジョグジャカルタ。
武装集団が日本軍駐屯部隊を襲撃。
日本軍は一旦応戦するも、翌日、部隊員300名が日本人民間人100名と共に投降。
日本人らは4ヶ月間投獄され、赤痢と栄養失調で多数が死亡しました。
898: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:28:04 ID:nmC
[ジャワ島中部・スマラン]
10月3日
(●゚◇゚●)「最近、付近の治安が悪いんだ」
(●゚◇゚●)「ぼくたちが治安回復活動をするから、武器を貸してよ」
(・日・)「……いいだろう、少しだが武器を貸してやる」
その夜、飛行場の弾薬が略奪されました。
899: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:28:55 ID:nmC
10月12日
(●゚◇゚●)「治安活動にはもっと武器が必要だ」
(●゚◇゚●)「武器を貸してくれよ」
(・日・)「………お前たちは信用ならん」
(・日・)「武器を貸すことはできない」
900: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:29:26 ID:nmC
10月14日
(●゚◇゚●)「武器を貸してくれよ」
(・日・)「無理だ」
(・日・)「そもそも、武器の引き渡しは命令で禁じられている」
(・日・)「残念だけど、諦めてくれ」
901: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:30:18 ID:nmC
(・日・)「……ここ最近、この辺りの治安は急速に悪化している」
(・日・)「やはり奴らが何かをしていると見るべきか…」
('ω`)「大変です!」
('ω`)「インドネシア人が日本人の軍人、軍属、民間人を無差別に拉致しました!」
('ω`)「彼らはすぐにでも人質を処刑する、とのことです!」
(・日・)「なんだって!?」
902: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:31:17 ID:nmC
10月12日。
スマラン製鉄所にて。日本の軍人や作業員339名が、現地人警察隊によって拘束、監禁されます。
10月13日。
市街での外国人狩りにより、日本人を含む2000名の外国人が刑務所に監禁。
更にマゲランでは、駐屯日本軍が包囲されます。
司令官・中村少将が応戦を禁じたため、司令部全員が拉致され、憲兵隊10名が殺害されました。
10月14日夜。
監禁されていた製鉄所関係者が見張りを撲殺して脱出。
この際、日本人13名が射殺されます。
これらの事件が現地指揮者・城戸少佐の耳に入ったのは、10月14日の夜でした。
(・日・)「今すぐ現場に向かうぞ!」
(・日・)「なんとしてでも、彼らを救出するんだ!」
903: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:32:18 ID:nmC
10月15日未明
[ブル刑務所]
(ターン)
(・日・)「よし、入口の民兵を倒した!」
(・日・)「すぐさま刑務所内に突入するぞ!」
(ギャァア゛ア゛ア゛ア゛ァァアアァアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッッ!!!!!!!)
(・日・)「な、なんだ!?」
904: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:33:09 ID:nmC
(・日・)「こ、これは!!」
彡()() 彡()() 彡()() 彡()() 彡()() 彡()() 彡()()
(・日・)「な、なんてことだ、既に殺されている…」
民間人が殺されたから日本軍が出撃したのか。日本軍が出撃したから民間人が殺されたのか。
それは今でも定かではありません。
しかし、彼らが突入した時には既に、牢獄は血の海。
日本人149名は、虐殺されていたのでした。
905: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:34:06 ID:nmC
このスマランは、オランダ植民地時代から社会主義勢力の強い場所でした。
”赤い都市”と呼ばれたスマラン。
そこは終戦と共に、無法地帯と化していたのでした。
今まで必死に耐えてきた、精鋭・城戸部隊。
しかしそれは最早、限界でした。
(・日・)「………絶対に許さん、皆殺しだ!!!!」
『スマラン事件』。
5日間に渡って続く、インドネシアで”五日間戦争”と呼ばれる事件。
捕らわれていたオランダ系市民900人は救出されたものの、
日本人460名、インドネシア人2000名の犠牲者を出す惨事となりました。
906: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:34:49 ID:nmC
戦後の武器引き渡しによる混乱。
それによる日本人犠牲者は、戦死者562名、自殺60名、病死・事故死456名。合計1078名に及びました。
日本軍は”ラングーン協定”に基づき、現地の治安戦闘任務を任されていました。
しかし、この時点の日本軍は、実質的には捕虜に相当します。
にも関わらず、このような危険な治安任務を任されていたこと。
これは捕虜虐待であり、重大な国際法違反ではないか、とも指摘されています。
907: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:35:51 ID:nmC
数刻前…
彡()() 彡()() 彡()() 彡()() 彡()() 彡()()
彡(゚)(゚)「ア、アカン、血が止まらん…」
彡(゚)(゚)「他の奴らはみんな殺られてもた」
彡(゚)(゚)「残っとるのはワイだけや……」
彡(゚)(゚)「……なんでこんなことになったんやろな…」
彡(゚)(゚)「……一体何が、悪かったんやろな…」
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「………それでもワイは、インドネシアの独立は正しかったと思うで…」
彡(゚)(゚)「…こんな目に遭ってもたけどな……」
彡(゚)(゚)「……この血はきっと、必要な血やったんや………」
908: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:36:52 ID:nmC
彡(-)(-)「………」
彡(-)(-)「…………アカン、ホンマにアカン………」
彡(-)(-)「………せや、最期に何か残そうか」
彡(-)(-)「……幸い、ここには幾らでも”書くもの”がある」
彡(-)(-)「………書き放題、やで…」
彡(-)(-)「………」
彡(-)(-)「……インドネシア語が書ければ良かったんやけどな」
彡(-)(-)「しゃーないからカタカナや…」
909: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:37:55 ID:nmC
彡(-)(-)「………」
彡(-)(-)「………”バハギア・インドネシア・ムルデカ”………」
彡(-)(-)「………………」
彡(-)(-)「………”インドネシアの”……”独立のために”……”喜んで死す”………」
彡(-)(-)「………………………」
彡(-)(-)「………………………”大”………”君”……………」
彡(-)(-)「…………………………………」
彡()()
”バハギア・インドネシア・ムルデカ”。”Bahagia Indonesia Merdeka”。
それはつまり”インドネシア独立万歳”。
雪印乳業・阿部頌二。
彼が牢獄の壁に”血”で記した、最期の言葉でした。
910: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:38:59 ID:nmC
(´・ω・`)「絶対勝つぞ!」
(●゚◇゚●)「おー!」
(*^◯^*)「オランダなんかにインドネシアを渡して堪るもんか!」
( ・`ω・´)「どうか日本兵の皆さんも、この戦争に協力して欲しい!」
( ・`ω・´)「ぼくたちの独立のため、ぼくたちの悲願成就のため」
( ・`ω・´)「どうか、ぼくたちに力を貸して欲しい!」
彡(゚)(゚)「………」
911: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:40:00 ID:nmC
彡(゚)(゚)
(・日・)「…何してるんだい?早く行くよ」
(・日・)「ぼくたちは日本へ引き揚げるんだ」
(・日・)「もうここでやり残したことなんて、何もないんだよ」
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「………」
彡(^)(^)「………すまんな」
(・日・)「え!?…ちょ、どこへ行くのさ!?」
912: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:41:01 ID:nmC
彡(^)(^)「よう、お前ら」
(´・ω・`)「あ、日本兵のお兄ちゃん!」
彡(^)(^)「久しぶりやな、”ペタ”が解散して以来か」
(´・ω・`)「そうだね…」
(´・ω・`)「………」
(´・ω・`)「…今までありがとう、日本兵のお兄ちゃん」
彡(^)(^)「なんや、いきなり?」
913: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:42:01 ID:nmC
(´・ω・`)「ぼくたちは”ペタ”の過酷な訓練で、戦うための力を身に付けた」
(´・ω・`)「オランダを倒すための、力を手に入れた!」
(´・ω・`)「軍政時代はとても辛かったけど…」
(´・ω・`)「もうぼくたちは、かつてのぼくたちじゃない」
(´・ω・`)「ちゃんとオランダと戦えることを、証明してみせるんだ!」
彡(^)(^)「そか……」
彡(^)(^)「………」
彡(^)(^)「………」
彡(゚)(゚)「………けどな」
彡(゚)(゚)「お前らには、決定的に足りないもんがある」
(´・ω・`)「え?」
914: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:42:58 ID:nmC
彡(゚)(゚)「確かにワイらは”ペタ”で、お前らを徹底的に鍛え上げた」
彡(゚)(゚)「武器の扱いももう大丈夫やろ、ワイらが残した武器でちゃんと戦えるはずや」
(´・ω・`)「それなら」
彡(゚)(゚)「でもな」
彡(゚)(゚)「………”実戦経験”、それが圧倒的に足りんのや……」
(´・ω・`)「あっ……」
915: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:43:51 ID:nmC
彡(゚)(゚)「オランダ軍は精鋭揃いや」
彡(゚)(゚)「ワイらかて、正面から勝った訳ではない」
彡(゚)(゚)「幾らお前らが鍛え上げられた兵士やったとしても」
彡(゚)(゚)「………お前らはきっと、負ける」
(´・ω・`)「そ、そんな……」
916: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:44:52 ID:nmC
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「………せや」
(´・ω・`)「……?」
彡(゚)(゚)「お前らはまだまだ頼りない」
彡(゚)(゚)「考えてみたら当たり前や、お前らはまだまだひよっこや」
彡(゚)(゚)「そんなお前らだけを残して、行ける訳がなかったんや」
彡(゚)(゚)「何より、”実戦経験者”が必要やろ?」
彡(^)(^)「………ワイも、お前らと一緒に戦うで」
917: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:45:52 ID:nmC
(´・ω・`)「ほ、ほんとう…?」
彡(^)(^)「ああ、せやで」
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「ワイ一人が残ったところで、戦局が変わるとは思えん」
彡(゚)(゚)「けどな」
彡(゚)(゚)「ワイは見たいんや」
彡(゚)(゚)「ワイらが鍛え上げたお前たちが、どう戦っていくのかを」
彡(゚)(゚)「この国が、どう変わっていくのかを」
彡(゚)(゚)「……だからワイは、お前らのために、戦うんや」
918: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:46:53 ID:nmC
戦中、日本軍は太平洋戦争を”植民地解放の戦い”と謳いました。
それはあくまで表向きのスローガンであり、軍部の考えとは違うものだったのでしょう。
ですが、そのスローガンは内外に発せられました。
インドネシア人は元より、それは日本人にも発せられました。
そして、それに共感した日本人がいました。
軍人にも、民間人にも。
彼らは”インドネシア独立”を心から信じ、そして戦ったのでした。
919: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:47:56 ID:nmC
彼らの理由は様々でした。
920: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:48:26 ID:nmC
彡(^)(^)「スカルノの演説、凄かったなー」
彡(^)(^)「原住民らの熱気も凄かった」
彡(^)(^)「よっしゃ、ワイも男や!」
彡(^)(^)「最後に一花、咲かせたろか!」
スカルノの演説に奮い立った者。
921: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:49:28 ID:nmC
彡(゚)(゚)「噂で聞いたんやが、ワイの故郷は全滅したらしい…」
彡(゚)(゚)「日本兵は全員、米帝の奴隷になったそうだ」
彡(゚)(゚)「ワイ自身も身体を壊して、長くはない」
彡(゚)(゚)「……もうワイには、帰る故郷も、未来もないんや」
彡(゚)(゚)「せやからな」
彡(゚)(゚)「ワイは”インドネシア独立”のために戦って、」
彡(゚)(゚)「そして、死のうと思うんやで」
その境遇から、覚悟を決めた者。
922: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:50:33 ID:nmC
彡(゚)(゚)「陛下…」
彡(゚)(゚)「玉音放送で、陛下はおっしゃった」
彡(゚)(゚)「”東亜解放に協力してくれた、同盟諸国たちに申し訳なく思う”と」
彡(゚)(゚)「ワイは陛下の御心を果たす」
彡(゚)(゚)「同盟諸国のために、インドネシアのために」
彡(゚)(゚)「”独立戦争”に参加するで!」
玉音放送で発せられた昭和天皇の言葉を受け、意思を継ごうとした者。
923: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:51:34 ID:nmC
彡(゚)(゚)「生まれ故郷の台湾にはもう戻れん…」
彡(゚)(゚)「かと言って日本にも……」
彡(゚)(゚)「戦犯裁判で処刑される?そんなのはご免や」
彡(゚)(゚)「ワイはこの戦場で、最期を遂げるで」
戦犯裁判で処刑されることを恐れた者。
924: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:52:38 ID:nmC
(´・ω・`)「”ペタ”教官のお兄ちゃん!」
(´・ω・`)「ぼくたちと一緒に戦って欲しいんだ!」
彡(゚)(゚)「ワイはお前らを裏切るなんて出来へん…」
彡(^)(^)「ええで!お前らのために戦ったるわ!」
彡(^)(^)「ワイらは共に生き、共に死ぬんやで!」
”ペタ”の教え子に懇願され、受け入れた者。
彼らにどのような理由があったとしても、
彼らは皆、”インドネシア独立”に情熱を持っていたのでした。
925: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:53:39 ID:nmC
[スマトラ島]
彡(゚)(゚)「終戦か…」
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「ワイらは日本軍主力の近衛師団、”第25軍”や」
彡(゚)(゚)「”蘭印作戦”からずっと、この地を統治してきた」
彡(゚)(゚)「ジャワ島の兵士はその後、各諸島に散らばったらしいけどな」
彡(゚)(゚)「スマトラ島のワイら”第25軍”は、最後までずっと、この地に残っていたんや」
彡(゚)(゚)「せやからな、他所の兵よりもよっぽど、」
彡(゚)(゚)「この”インドネシア”に愛着があるんや」
926: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:54:40 ID:nmC
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「ワイらの師団は、全国から選抜された者が集うエリート師団や」
彡(゚)(゚)「そんじょそこらの兵士とは違う、責任感と使命感を持っとる」
彡(゚)(゚)「そんなワイらが何もせず、ただこの地を離れる、とでも?」
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「ワイらは戦うで」
彡(゚)(゚)「”インドネシアの独立”のために」
戦いに赴いた日本兵は、ジャワ島とスマトラ島の双方にいました。
その中でも特にジャワ島の日本兵が多かったのは、そのような理由があったからと推測されます。
927: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:55:48 ID:nmC
彡(゚)(゚)「敢えて大命に抗い、独自の行動に出ようと思う」
彡(゚)(゚)「敗れた弱者は天下に用無し…そんなことは言わんでくれ」
彡(゚)(゚)「生きて米英の犬となるより、想いに殉じて火に入る虫となろう」
彡(゚)(゚)「天道は正義にあり!」
彡(゚)(゚)「歴史の行く末に正義がなくて、どうするというのか!」
彡(゚)(゚)「…戦友諸君」
彡(゚)(゚)「敢えて不遜の行動に出ることを、どうか許してくれ」
宮山滋夫。
彼を含め、彼らはそのように”遺書”を残して、軍から去っていきました。
彼らの”遺書”は長らく公開されませんでした。
”遺書”に共鳴して軍を離れる者。その増加が恐れられたからでした。
928: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:56:52 ID:nmC
彼らは、その全てが”脱走兵”です。
例え、彼らにどのような理由があったとしても、それが隣人を助けるためだったとしても。
彼らは軍命に背いて軍を離れたのです。
彼らは軍属1000人とも、総数3000人とも言われています。
しかし、正確な実態は未だに分かっていません。
彼らの行動に、政府は「日本の国体維持、天皇の維持に悪影響を与える」と危惧しました。
そのため、彼らは明確に”脱走兵”であると定義され、軍人恩給も支払われません。
その存在が日本国内に伝えられることはほとんど無く。
故に、彼らが日本の歴史で語られることは無く。
929: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:57:55 ID:nmC
彡(゚)(゚)「………ほな、そろそろ行くか」
彡(゚)(゚)「準備はええか?」
(´・ω・`)「うん、日本兵のおにいちゃん!」
彡(゚)(゚)「ワイらは明らかに劣勢や」
彡(゚)(゚)「せやけど、ワイらには独立に懸ける、熱い情熱がある」
彡(゚)(゚)「これさえあれば、インドネシアが真に独立するその日まで、」
彡(゚)(゚)「ワイらはきっと、戦い続けられる」
彡(^)(^)「ワイらの戦いは、これからやで!」
そうやって、彼らは皆。
歴史から消えていきました。
930: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)21:58:30 ID:nmC
本日の更新はここまでです。続きは鋭意執筆中…。
これで日本人の物語はひとまず終着です。
ここから先は、インドネシアとオランダの戦いの歴史になります。
彡(゚)(゚)の出番は減ってしまいますが、最後まで宜しくお願いします…。
932: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)22:01:21 ID:NGw
イッチ乙
不覚にも途中で泣きそうになったわ
こちらこそ、最期までよろしくやで
不覚にも途中で泣きそうになったわ
こちらこそ、最期までよろしくやで
933: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)22:02:52 ID:mhZ
イッチさん乙です。このボリューム感…待った甲斐あったで
954: 名無しさん@おーぷん 2015/05/01(金)09:39:51 ID:Pov
サンイチ
続きを楽しみにするも最終回は辛いです…
続きを楽しみにするも最終回は辛いです…
967: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)20:56:06 ID:kUi
968: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)20:57:43 ID:KRe
来たか!
まっとったで~
まっとったで~
969: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:10:11 ID:nH4
予告AAキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
970: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:31:15 ID:kUi
【 Last Episode 】
【 インドネシア独立戦争編 】
971: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:32:33 ID:kUi
[スラバヤ・ヤマトホテル]
(●▲●)
(●▲●)「………よし、誰もいないな?」
(●▲●)「国旗を立てるなら今のうち、やで~」
972: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:33:44 ID:kUi
(´・ω・`)「…なんだ、あれ?」
(´・ω・`)「あれは…オランダ国旗!?」
(´・ω・`)「冗談じゃないぞ!」
(´・ω・`)「オランダ国旗はポイ―で」
973: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:34:55 ID:kUi
(´・ω・`)「さて、この旗はどうしよう」
(´・ω・`)「………」
(´・ω・`)「………そうだ!こうしよう!」
(´・ω・`)「オランダの国旗は、上から順に”赤白青”の三色旗だ」
(´・ω・`)「このうち”青い部分”だけを引き裂いて、取り除いて……」
(ゴソゴソ)
(´・ω・`)「………よし、できた!」
(´・ω・`)「赤と白の紅白旗!」
(´・ω・`)「ぼくたちの国旗”メラ・プティ”の完成だよ!」
974: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:36:09 ID:kUi
・豆知識『国旗”メラ・プティ”』
インドネシア国旗”メラ・プティ”。上から順に”紅白”の二色旗です。
”メラ・プティ”の意味は”紅白”。
”紅白旗”自体は13世紀頃から存在し、代々の王家が使用しました。
彼の”マタラム王国”では、祝祭日には数多くの市で掲揚されたそうです。
1923年。オランダ留学生が連合印として”メラ・プティ”を使用。
その後、インドネシアに帰国した彼らは集結し、スカルノらと共に”インドネシア国民党”を結成。
”メラ・プティ”は”インドネシア国民党”の党旗として使用されました。
やがて、紅白旗は”独立の象徴”としての地位を獲得。
インドネシア独立後。”メラ・プティ”は正式に国旗として採用されたのでした。
”独立宣言の日”。
当時のスカルノ夫人が一晩で縫い上げた”メラ・プティ”。
それはまるで神器の如く、今でもジャカルタで厳重に保管されているとのことです。
975: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:37:20 ID:kUi
(☆●●●●)「正直、オランダとイギリスへの植民地復帰は感心しないな」
(☆●●●●)「我々アメリカは、日本、ドイツ、イタリアから、民主主義を守るために戦ったのだ」
(☆●●●●)「植民地を取り返すために戦ったのではない」
(☆●●●●)「大体、植民地が復活してしまえば、それは大義に反してしまう」
976: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:38:32 ID:kUi
(●▲●)「そんなん言うてもな」
(●▲●)「このまま日本軍に自治を任せるのもな?」
(U・×・U)「ではこうしましょう」
(U・×・U)「東インドをこのまま放置はできません」
(U・×・U)「ひとまず、東インドとは無関係の我々イギリス軍が、彼の地へ向かい、」
(U・×・U)「連合軍代表として、日本軍から占領統治を引き継ぐ、ということで」
(☆●●●●)「…そうだな、それではひとまずそれで」
978: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:39:45 ID:kUi
(●▲●)「………」
(●▲●)「………まぁ正直、ワイらも戦争でボロボロや」
(●▲●)「軍を派遣する余裕なんてないからな」
(●▲●)「イギリスはんがやってくれるんなら、それはそれでありがたいんやけど…」
(●▲●)「………」
(●▲●)「………ま、全てをイギリスなんかに任せてはおけんよな」
(●▲●)「ファン・オイエン少将、分かっとるな?」
(・軍・)「御意」
979: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:41:29 ID:kUi
1945年10月23日
[ジャカルタ]
(・蘭・)「私が”オランダ領東インド政府”、ファン・モーク副総督だ」
(・英・)「私はイギリスの調停役です」
(・英・)「これからは我々イギリスが、インドネシアとオランダの仲介をしますよ」
( ・`ω・´)「…分かりました」
980: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:43:03 ID:kUi
1945年10月26日
[スラバヤ]
(・英・)「原住民のみなさん」
(・英・)「戦争は終わったんです、速やかに武装解除に応じて下さい」
(●゚◇゚●)「オランダ兵メ……コレハ”宣戦布告”ダナ…?」
(●゚◇゚●)「タタカエ……タタカッテ、ドクリツヲカチトルンダ……」
(・英・)「ファッ!?」
スラバヤの住民は”イギリス軍とオランダ軍は同一”とみなしました。
”武装解除の要求”を、”宣戦布告”と受け取ったスラバヤの住民。
彼らは3日間に渡り、イギリス軍を攻撃し続けたのでした。
981: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:44:17 ID:kUi
( ・`ω・´)「おいおい、今は平和的な交渉中だぞ」
( ・`ω・´)「今暴れられると、色々と困るんだけどなぁ」
( ・`ω・´)「すみません、こちらの者が色々と迷惑をかけています」
( ・`ω・´)「我々も今、交渉の場が荒らされるのは困ります」
( ・`ω・´)「私が”停戦協定”に調印しますので、どうか穏便に済ませてもらえませんか?」
(・英・)「了解しました、我々はその提案を受け入れます」
(●▲●)「ほ~ん、”停戦協定”ね…?」
982: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:45:28 ID:kUi
1945年10月30日
(・英・)「”停戦協定”は無事、調印されました」
( ・`ω・´)「ありがとうございます」
(・英・)「それでは、私はこれで失礼させて頂きます」
983: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:46:39 ID:kUi
(・英・)「………」
(・英・)「……ふぅ、全く」
(・英・)「まさか我々が、オランダの尻拭いをさせられるなんてなぁ」
(・英・)「本当に大変なところに来てしまったよ」
(・英・)「でも、これで暫くは安心だ」
(・英・)「よかったよかった……
(ドンッ)
( 英 )「」
停戦協定の調印から、僅か5時間後。
旅団長マラビー准将は、白昼、乗用車を爆破され、死亡しました。
984: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:47:46 ID:kUi
(U・×・U)「マラビー准将が、暗殺された…!?」
(U・×・U)「絶対に許さんぞ、原住民どもめ!!」
(U・×・U)「我々はインドネシアに武器と犯人の引き渡しを要求する!」
(U・×・U)「要求に従わなければ、報復としてシンガポールから軍を派遣する!」
985: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:48:56 ID:kUi
暗殺事件の真犯人は不明。
”イギリス軍を巻き込むためのオランダによる謀略”という説もあります。
インドネシアへの進駐軍の中には、蘭印軍、陸軍司令官ファン・オイエン少将の”蘭印陸軍七個中隊”が含まれていました。
この部隊は破壊工作を主目的とし、インドネシア人の殺害・誘拐・放火など、数多くの事件を起こしています。
オランダの破壊工作。
それによって、インドネシアと連合国側の交渉環境は、著しく悪化したのでした。
986: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:50:12 ID:kUi
(●゚◇゚●)「暗殺?そんなのは知らないね」
(●゚◇゚●)「それに武器をよこせだって?」
(●゚◇゚●)「そんな要求は断固拒否する!」
(●゚◇゚●)「やっぱりお前らは敵だったんだ!」
(U・×・U)「なんだと!?」
(●゚◇゚●)「死か、独立か!」
(●゚◇゚●)「我々スラバヤ市民は、絶対に屈しないぞ!」
スラバヤには、独立宣言を発したジャカルタへの強い対抗意識もありました。
インドネシア政府の制御も及ばず、スラバヤ市民は戦いに身を投じていきました。
987: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:51:23 ID:kUi
1945年11月10日。
インドネシアとイギリスの両軍は、市街地で全面衝突。
イギリス側は将軍2名が死亡、死傷者1000名。
インドネシア側は艦砲射撃と空襲を受け、一般市民を含む5000人~20000人の犠牲者が出ました。
”100日戦争”、又の名を”スラバヤ血の海戦争”。
独立宣言から100日目に発生した戦争。
988: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:52:34 ID:kUi
「インドネシア独立は、全インドネシア人の願望である」
それを世界に知らしめた、”インドネシア独立戦争”の始まりです。
989: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:53:38 ID:kUi
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1430743980/
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【完結編】
キリが良いので、新スレに移行します…。
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【完結編】
キリが良いので、新スレに移行します…。
990: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)21:59:36 ID:aDf
いちおつ
991: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)22:43:41 ID:JyS
乙です
992: 名無しさん@おーぷん 2015/05/11(月)23:47:58 ID:uPU
乙です、やっと追いついた
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係
http://world-fusigi.net/archives/8113573.html
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【中編】
http://world-fusigi.net/archives/8113575.html
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【完結編】
http://world-fusigi.net/archives/8113577.html
http://world-fusigi.net/archives/8113573.html
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【中編】
http://world-fusigi.net/archives/8113575.html
【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【完結編】
http://world-fusigi.net/archives/8113577.html