かつて有人宇宙飛行を実現させるために、ソ連(現ロシア)では犬による宇宙飛行実験が繰り返されていた。ウィキペディアによれば、1950〜60年代にかけて有人宇宙飛行の可否を判断するための犬を使った実験が、少なくとも57回実施されているという。
1960年8月19日、軌道飛行を達成し、地上に生還した歴史上初めての生物となったのが、雑種犬ベルカとストレルカだ。その旅路は8ヶ月後のユーリイ・ガガーリンによる人類初の有人宇宙飛行への道を切り拓くことになった。
Belka and Strelka Russian space dogs
犬が実験動物に選ばれたのは、人間と強い絆を育むことができると考えられたからだ。また、犬はメスでなければなかった。宇宙服とトイレ開発が容易だったからだ。
当時の実験機は非常に狭かったことから、7kg以下の小型犬であることも条件だった。さらに、カメラ写りがいいように明るい色の被毛である必要もあった。
犬用に開発された宇宙服や射出座席
1960年8月19日、2匹を乗せたスプートニク5号は地球を18周周回した。
モスクワで暮らす野良犬だった2匹は、上記の条件を満たしたうえに、「サバイバルへの気概」が見えたとしてロシアの科学者によって選び出された。そして、ウサギ1匹、ネズミ42匹、ラット2匹、ハエ、植物、菌類とともにスプートニク5号に乗った2匹は、軌道へ到達し地球を18周した後、無事帰還を果たした。
船内が狭かったため、7kg以下の小型犬であることも条件だった。さらに、カメラ写りがいいように明るい色の被毛の犬が選ばれた。
アメリカのピアニスト、ヴァン・クライバーンに抱かれたベルカとストレルカ
ベルカとストレルカは帰還後、記者会見でお披露目され、世界中から喝采が寄せられた。また、ストレルカは6匹の子犬を出産し、そのうちの1匹は、ケネディ大統領の娘、現駐日米国大使キャロライン・ケネディに贈られている。2007年の時点でその子孫は生きている。
Soviet Space Dog, " The Reluctant Tailor " BBC, Part. 1
2匹の偉業は、9月18日から来年3月12日までロンドン科学博物館の『バース・オブ・ザ・スペース・エイジ』展で展示予定だ。
via:dailymail・原文翻訳:hiroching
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コメント
1. 匿名処理班
地球に帰れなかったライカちゃんたちのことも忘れないであげて (;;)
2. 匿名処理班
初めて宇宙へ旅だった動物はライカ(犬)が最初だっけか
その他にも何十匹と宇宙へ行ったけど、無事に戻ってきたのは半数以下なんだよなぁ
宇宙開拓に必要な実験だったとはいえ、なんだかやるせないね
3. 匿名処理班
ベルカ&ストレルカ「おそロシア(ワン!)」
4. 匿名処理班
どっちがベルカでどっちがストレルカなんだろう?
5. 匿名処理班
「ベルカ、吠えないのか?」を思い出した
6. 匿名処理班
わふー(>ω<)/
7. 匿名処理班
クドリャフカのことも忘れないであげてください
8. 匿名処理班
同じく「ベルカ、吠えないのか?」を思い出した。
あれは、ベルカとストレルカだけじゃなくライカ(クドリャフカ)も重要な登場人物だよね。
9. 匿名処理班
ロベルト・カルロスかと思った
10. 匿名処理班
リトバスやん
11. 匿名処理班
スペインのバンドMECANOがライカって曲名でこの犬の歌を歌ってる。それが言いたくて書き込んだ。
12. 匿名処理班
ライカが実は生きてるってアニメあったけどタイトル忘れた
スペースダンディーだったかな
13. 匿名処理班
※2
宇宙に飛ぶまでの飛行機ですら多くの人命を失い
同じく宇宙計画でもソ連やアメリカでも尊い人命を
神にささげてしまった
そう考えると普段見る天気予報やGPS、旅行で使う飛行機には
その人らの心が生きているのかもしれない
14. 匿名処理班
酷い話。さぞや恐ろしかっただろう。
15. 匿名処理班
ライカ犬は星になりました(´;ω;`)
16.
17. 匿名処理班
ライカの本当の名前はクドリャフカだったのが、報道機関の混乱でソ連国外ではライカって名前で報道されて、紛らわしいからソ連国内の関連機関でもライカって呼ばれるようになっちゃったんだっけ?この辺いまいちはっきりしないけど。
もしそうだとすると、死ぬ前提で打ち上げられて、本当の名前すら忘れ去られつつあるクドリャフカにはかける言葉が見つからんわ。
18.
19. 匿名処理班
美化すんなよ。
ライカをはじめ、たくさんの動物が犠牲になってるんだぞ。
20. 匿名処理班
ひどい虐待だ
人間を飛ばせ
21. 匿名処理班
※19
人に感情や思考というものがある以上、どんなに非難しようともどうすることもできんだろ
でも、振り回されないようにコントロールしていくことは大事だと思う
22. 匿名処理班
※20
まあ人類初だったガガーリン氏も人体実験的な境遇だったんだが、彼が英雄視されたせいか、打ち上げ計画の危険性については注目度が低いまま54年が経過したってわけ。彼は無事生還したものの34歳で謎の事故死を遂げてしまった。意外に宇宙の闇は深いのさ。
23. 匿名処理班
※20
火星に「ヒト」を飛ばす計画の実験台の募集があったが、君は立候補しなかったのかい?
24. 匿名処理班
犬キチと言われようが愛誤と言われようが
動物を実験に使うのは許せないぞー(キ`д´)
25. 匿名処理班
まぁ現実の宇宙空間は、致死的宇宙線が充満しているので、クマムシとか一部の菌類以外は生存不可能。
26. 匿名処理班
行きたくないという意思表示が出来ない動物に行かせるのはどうかと思うよね…必要な実験だとしても
27. 匿名処理班
米17
ロシアでは本名をちょっと言い換えて読んだりする風習があるんだよ
鈴木さんをスーさんとかリンちゃんてあだ名で呼ぶような感じ
28. 匿名処理班
※20
虐待と実験は全く別だよ
虐待で得られるのは加害者の自己満足だが、実験は多くの人々の未来の為に役立てる
科学実験、薬剤製造等で使われる実験用マウスも然り
我々が安心して暮らせる世の中は、数多の見えない犠牲の上にある
それに感謝するべきだよ
29. 匿名処理班
こいつらは生きて帰れたんだな。ロシアのだから「またどうせ命を打ち捨てたんだろ?」と思ったから心底ホッとしたわ。
30. 匿名処理班
人類の夢と科学の発展のために死んだ戦士の魂、ここに眠る
31.
32.
33. 匿名処理班
※28
数多の犠牲が全部ないって世界のほうが、犠牲に感謝する世界よりよっぽど安心する。この世界を作った神様がいるとしたら何考えてるんだと言いたい。
34.
35.