マイクロソフトのXbox事業責任者フィル・スペンサーが、Xbox Oneと初代Xboxソフトとの後方互換性の可能性を仄めかしています。もし実現すれば、先に発表されたXbox360との後方互換性と合わせ、過去に積み上げられたゲーム資産が大きな武器になるかもしれません。
そこで、まだ決定もしていない初代 Xbox 互換がもし正式に実装されたらこれが遊びたい、ぜひこれに対応すべきというタイトルを勝手に5本選択してみました。
マイクロソフトXbox代表のフィル・スペンサーが、Xbox Oneの初代Xboxタイトルとの後方互換性について言及したことが話題になっています。ファンからの質問に対して「(後方互換性が)馬鹿げたこととは思わない」とコメント。 互換チームに詳しく尋ねた結果として「当面はXbox 360の後方互換を完了させないといけない」とツイートしています。
@HadleeSimons I don't think it's silly. I ask the BC team this question a lot. Need to finish 360 BC for now.
— Phil Spencer (@XboxP3) 2015, 8月 19
すでにXbox OneとXbox 360との後方互換は一部タイトルのみながらプレビューメンバー向けに提供されており、11月の正式サービス提供時には100タイトルが遊べる予定です。Xbox Oneの発売前は「後方互換は後ろ向きの発想」と表現され、発売後も「実現すれば素晴らしいが、アーキテクチャが違うためエミュレーションは難しい」と渋っていましたが、そこはマイクロソフト驚異の技術力であっさりクリア。
後方互換に公式対応したXbox 360タイトルはXbox Oneゲームとして動作し、動画やスクリーンショットの撮影・共有といったXbox One独自の機能も利用できます。さらに「Xbox 360のエミュレータ」上で動いているため、Xbox 360上でプレイしているフレンドとコミュニケーションを取ったり、マルチプレイもできる充実ぶりです。
今回のコメントは、さらに初代Xboxソフトとの後方互換性も上積みする可能性を示唆しました。初代Xboxといえば日本では2002年に登場し、2005年に後継機種のXbox 360発売をもってリタイアを宣告された懐かしのハード。
当時の覇権ハードPS2を圧倒するパワーを体毛のふさふさ感に惜しげなく注ぎ込んだ『ねずみくす』をローンチタイトルに投入したほか、Xboxのドライブゲームを代表する「Forza Mortorsport」シリーズも、今に続くXboxの看板タイトルHaloシリーズも初代Xboxデビューです。もし後方互換が実現すれば、後輩のヒーローが悪の組織(どことは言いません)に苦戦しているところに、先輩ヒーローが海外から助っ人に駆けつけるようなロマンがあります。
訂正:『アイドルマスター』初移植もXboxとしていましたが、正しくは後継機Xbox 360でした。関係各位およびプロデューサー様方へお詫びして訂正いたします。
まだ可能性が示唆されただけで気が早いのですが、この初代Xboxタイトルを遊ばずには死ねない名作5本を勝手にチョイスしてみました。
『DOUBLE S.T.E.A.L.:THE SECOND CLASH』
一見なんの変哲もないドライブゲームですが、特捜警察と武器密売シンジケートが死闘を演じるミッションモードがメーター振り切れです。最初はミニパトに乗った美女コンビが、悪の組織を逮捕しちゃうための超法規的措置として逃げまどう通行人を轢きまくり。最大多数の正義のためには市民の犠牲を厭わないアツさや、シカゴの街を自由に走り回れるフリードライブモードを『テストドライブ アンリミテッド』に先駆けて実現していたりと、色々な意味でドライブゲームのレジェンドでした。
『メタルウルフカオス』
ジャンルは大統領。ホワイトハウスを留守中に副大統領にクーデターを起こされた大統領閣下がパワードスーツを装着して、政権奪還を物理的に目指すアクションゲームです。日本国外では発売されていないにもかかわらず、なぜか海外で「最も投票したい政治家ランキング」のトップに輝いてしまったことも。
同じくXbox用タイトルだった前作『O・TO・GI ~御伽~』のエンジンを搭載して、ほとんどのオブジェクトを破壊できるシステムはハードの限界に迫っており、Xbox 360が初代との後方互換を実現した際も対象から漏れてしまいました。また、人気に反比例して売上本数はさほど伸びなかったためか、現在はプレミアムのつくレアソフトであり、熱烈な大統領支持者達も本当にソフトの現物を持っているのか?という疑惑あり。仮にXbox Xbox Oneと初代の後方互換が実現しても、悲しい運命が繰り返されるかもしれません。
『鉄騎』
ロボット操作のリアリティを重視して「コマンド入力は甘え。前進や後退のためのフットペダルも付けよう」と志を貫徹して左右2本のジョイスティック+40個のスイッチを実装した結果、売れば売るほど赤字が出る巨大コントローラーを同梱した男気固まりゲーム。
機体大破時に緊急脱出ボタンを押さないとセーブデータが消される鬼仕様の上に、死角からの砲撃や一発で死亡の機銃掃射といった鬼AIが丁寧に逃げ場をなくしていました。もっともXbox 360のKinect専用ソフトさえも後方互換から外されているため、 特殊コントローラー専用である本作がXbox Oneで動く可能性は限りなくゼロでしょう。
『パンツァードラグーン オルタ』
セガサターン用の『パンツァードラグーン』を初代とした3Dアクションシューティングのシリーズ3代目。
ドラゴンに乗る浮遊感や立体機動、主役機のドラゴンが状況に応じて変化するモーフィングといったゲーム本体の奥深さに加え、ラテン語をベースとした架空の言語や、西洋ファンタジーとは一線を画した攻性生物のデザインが織りなす世界観も忘れがたいものがあります。Xbox 360の後方互換機能でも一応は動きましたが、不完全なエミュレーションのため描画が一部崩れたのが惜しまれます。
『ジェットセットラジオフューチャー』
セガ発売のインラインスケートアクションゲームの二作目。架空世界トーキョーをスケートで走り回り、あちこちにグラフティ(落書き)を描くちょっと背徳感のあるプレイがたまりません。トゥーンレンダリングによるポップな表現、主にシブヤっぽい街を滑るように疾走する風景は『スプラトゥーン』のご先祖様でもあります。
一作目のドリームキャスト版はPS3やPS Vita、iPhoneやAndroidにも移植されていますが、本作の移植版は今のところナシ。時間制限なく街を滑り倒せる自由さをXbox Oneでも堪能したいものです。
5本中2本がセガのタイトルになりましたが、もともと同社のドリームキャストはOSにWindowsCEのカスタマイズ版を採用しており、Xbox Zeroとも言えるハード。CSKの大川会長(当時)がXboxにドリームキャスト互換を組み込むようマイクロソフトに持ち掛けたものの、破談に終わった過去もあります。これらが後方互換で動いた暁には、Xbox Oneにドリームキャスト4の称号を贈ることに吝かではありません。