ソフトバンクが、9月2日に日本でサービスを開始する動画ストリーミング大手 Netflix との業務提携を発表しました。
ソフトバンクは店頭での Netflix 加入受け付け業務を引受け、ソフトバンクの携帯電話ユーザーもしくはブロードバンドサービス「SoftBank 光」ユーザーを対象に、申し込み手続きから料金請求までを一貫して提供します。また、ソフトバンクと Netflix は再生画質によって異なる複数の料金体系もあわせて発表しています。
Netflix といえば、もともと米国で郵送による DVD レンタルサービスを展開していた企業。当初は DVD 1枚あたりのレンタル料金制だったものの、1999年に定額制の借り放題プランを始めたところこれが大ヒット。2007年以降はネットを通じた定額制動画ストリーミングサービスを各国で順次展開し、現在では大予算の独自ドラマシリーズを複数抱えるほどの一大勢力となりました。
Netflix が日本でのサービス開始を発表したのは今年2月のことでした。そして6月にはフジテレビとのコンテンツ制作提携を発表。さらに人気オリジナルドラマ『テラスハウス』では新シーズンの舞台を東京に設定するなど、着々と日本市場参入への準備を進めています。アニメ『シドニアの騎士』(と『マルコ・ポーロ』)を大きくフィーチャーしたCM動画もごく一部で話題となりました。
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ソフトバンクは、今回の発表で Netflix の店頭受け付けサービスを"独占提供"することを強調しています。実店舗だけでなく、コールセンターやソフトバンクの製品を扱う量販店でも Netflix の申し込みから請求に至るまで既存のソフトバンクサービスと同様に取り扱うため、ユーザーは支払先の一元化といったメリットを享受できます。
またソフトバンクは再生画質と同時ストリーミング数によって変わるプランごとの月額料金も発表しました。
もっとも安価なのは SD 画質で1ストリーミングのみのベーシックプランで、月額650円。3種類あるうちの中間となるスタンダードプランは月額950円、HD 画質で同時に2ストリーミングまで対応します。そして、4K(UHD)画質で同時に4ストリーミングまで可能なプレミアムプランは月額1450円。このうち、ソフトバンク店頭で契約手続きを受け付けるのは HD 画質のスタンダードプランのみです。
ソフトバンクは、こうした契約受け付け業務のほか、10月以降販売のAndroid スマートフォンやタブレットを対象に Netflix 視聴アプリのプリインストールを実施する予定。さらに Netflix と共同でオリジナルコンテンツの制作も検討しているとのこと。
なお、今回の発表はあくまでソフトバンクの携帯電話ユーザー、または「Softbank 光」ユーザーを対象とした話。かといってソフトバンクユーザー以外の人が Netflix を利用できないわけではありません。 Netflix のウェブサイトで登録をすれば誰でも普通にコンテンツを楽しむことが可能です。
日本市場への参入は Hulu に先を越されたものの、世界50か国以上でサービスを展開する Netflix が日本市場にどのように浸透していくのか、またフジテレビとの共同制作コンテンツやソフトバンクとの業務提携が日本での契約数増加をどのように「斜め加速」していくのか、今後に注目したいところです。
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ちなみに、ソフトバンクは Netflix の視聴にも「ソフトバンクのネットワークで快適に」と自社の 4G /4G LTE 回線をアピールしています。しかしそんなことをすればあっという間に通信量制限に引っかかってしまいそう。せっかくの業務提携なら、たとえば「Netflix 視聴だけ通信量無制限プラン」なんかがあってもいいかもしれません。