英国のカメラ情報サイトdpreviewのユーザーフォーラムにおいて、ペンタックスブランドの35mmフルサイズセンサー搭載デジタル一眼レフカメラが10月6日に発表されるとの情報が投稿されました。
当該機種は今年2月に横浜で開催した
カメラ映像機器の総合イベントCP+2015で開発発表され、2015年中の発売を目指して開発中とのアナウンスがされているモデル。ペンタックスブランドとして初の35mmフルサイズセンサー搭載機種として、一部のペンタックスファンが待望している製品です。
リコー-ペンタックス 35mmフルサイズデジタル一眼とDFAレンズ2本
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リコー - ペンタックス 35mmフルサイズセンサー機参考出展
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投稿者の
asahi man氏(フィリピン在住)は過去にも新機種の発表時期を高い精度で示唆した実績があり、ある程度の信頼性が見込める情報と判断できます。
ペンタックスブランドのレンズ交換式カメラとしては、645判の『645Z』と、APS-Cサイズの『K-3 II』をはじめとするKシリーズ、小型ミラーレス『Q-S1』をラインナップしています。ここに35mmフルサイズを加えると4つのフォーマットを抱えることになります。
カメラのフォーマットが増えることでユーザーの利便性を損ねる根拠となるのは交換レンズのラインナップ不足ですが、ペンタックスの場合は旭光学工業時代から抱えている豊富なレンズ資産があることから、フィルム時代の画角そのままで古いレンズを使えるようになるため、フルサイズ機の登場はむしろ歓迎されるという図式が成り立っています。
フォーマットとレンズの関係について補足すると、レンズにはそれぞれ撮像面に結像できるイメージサークルという円形の範囲があり、カメラは一般的にこの円形の中心部を四角く切り取って画像として記録しています。
35mm判はかつて一般的に広く使われていたフィルムのサイズであり、APS-Cはそれよりも小さいサイズの比較的新しいフォーマットです。当然、切り取る四角形のサイズは35mm判の方が大きいので、35mm判のカメラ用に作られたレンズはイメージサークルが大きく、逆にAPS-C用のレンズは小さくなります。
さて、ペンタックスブランドのレンズにはAPS-Cフォーマットの"デジタル専用"として作られたDAレンズと、35mm判のフィルムカメラでも支障なく使えるFAレンズ、両方で使えるDFAレンズの3種類があります。
APS-CフォーマットのカメラでFAレンズを使う分には問題ありませんが、35mmフルサイズのカメラでDAレンズを使う場合は、レンズのイメージサークルの関係から、四角形の角の内側にイメージサークルの円周部がかかる場合があります。この状態で写真を撮ると、写真の四隅の光量が落ちて見えるか、あるいは完全にけられた写真になってしまいます。
ペンタックスブランドのデジタル一眼レフカメラは長いことAPS-Cフォーマットのセンサーを採用してきたので、DAレンズの数も相当数にのぼります。35mmフルサイズ機の登場に伴い、今後は現行のDAレンズをDFAレンズに置き換えていく流れが予想されます。既に現行機種の中には『HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW』や『HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW』といった望遠ズームから置き換えが始まってきています。
リコーが公開しているロードマップによれば、今年以降にも広角ズームや標準ズームでDFAレンズの発表が予定されており、これはおそらく開発中の35mmフルサイズ機と同時期の発表となることが予想できます。
肝心の35mmフルサイズ機については信頼できる情報がほとんどなく"画期的なAF機能が搭載される"などの噂が飛び交っていますが、確実な情報はまだありません。この件については、動きがあり次第またお伝えします。
CP+ 2015:リコーがペンタックス フルサイズ機を参考展示。本体の小ささに驚き