転載元:ヤムチャ[プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!]



【前編】【後編】を【その1】から【その4】に変更しました。
コピペミスを修正。


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1: 名無しさん 2015/05/27(水) 22:01:19 ID:B/TeciWA

そして会が終わりーー


サガット「今日はいい一日でしたね。ありがとうございます」

かりん「こちらこそ、感謝しますわ」

ローズ「サガット君、おばさんの相談に乗ってくれてありがとうね。本当、私の方がキャリア長いのに……何やってるのかしら……」

サガット「女子部は、状況が状況ですからね。こういう時は、年齢……キャリア……それに、男子部と女子部……関係なしですよ」

ローズ「サガット君は、本当に頼りになるわね……ファッションセンス意外は」クスッ

サガット「今日の会で、ファッションセンスは鍛えられました……もう、大丈夫ですよ」

さくら「じゃあ、第三回は『サガットさんの磨かれたファッションセンスを確認してみる会』とかに、してみませんか?」

キャミィ「あっ、それいいですね」クスクス

サガット「それは……しばらくはいいんじゃないかなぁ……? 今日、沢山買ったからなぁ……俺は、しばらくはいいと思う……」

ローズ「……じゃあ、第三回はさぁ?」

バイソン「おっ、なんだなんだ……何か、提案あるのか……? おばさんよぉ……?」

ローズ「春麗のお見舞い……『春麗を励ます会』ってのは、どうかな……?」







ディーラー「納車だよ。保護シートとるからね」 アルト「えっ」
【マジキチ注意】女「すいません…」モジモジ 膣内洗浄師俺「なんだ股患者か」
男「よりによって最後の村に生まれてしまった」
医者「こりゃアレだね、一日30回くらいはオーガズム感じちゃう奇病だね」 俺「うわーん…やったぜ!!」
【胸糞注意】女「痴漢です!」 男「えっ」 私服警察「えっ」

3: 名無しさん 2015/05/27(水) 22:11:42 ID:B/TeciWA

さくら「……春麗さんの、お見舞いっすか」

キャミィ「……今、リハビリの最中ですからね」

サガット「そうだな……アイツも、戻ってくる為に、戦っている……」

ローズ「皆揃って、行ったらさ……? 春麗も頑張ろうって、思うんじゃないかな?」

かりん「……そうですわよね」

バルログ「皆で、行きましょうか……ねっ……?」

バイソン「おばさんにしては、いい提案するじゃねぇかっ! 決まりだな! 第三回は『春麗を励ます会』だっ!」

ローズ「オホホ、ねっ? いい提案でしょ? ちょっとぐらい、私も頼りになる所見せたかったのよ……バ〜イソンちゃん?」ムギュッ

バイソン「あだだだだっ……! 痛いよぉ……! ほっぺをつねられると……痛いよぉ……!」




4: 名無しさん 2015/05/27(水) 22:21:10 ID:B/TeciWA

さくら「全く、バイソンさんは最後の最後まで……これじゃあ、締まらないっすよ……」

バイソン「まぁ、アレだ! 今日は、綺麗な女性陣が集まったから、テンション上がっちまったんだよ! 無論、ローズさんを含めてだ……!」

ローズ「……あ〜ら、今更おべっか使ったって、遅いわよ?」

バイソン「……ケッ、使ったら使ったらでコレだよ」

かりん「この二人は、仲がいいのか悪いのか、わかりませんねぇ……」

キャミィ「多分、いい方だと思いますよ。ホラ、言うじゃないですか? 喧嘩する程仲がいいって」

サガット「では、第三回については……おいおい決めていくとして……今日の所は……」

さくら「解散っすね! じゃあ、また明日……よろしくっす!」

キャミィ「サガットさん、素敵になりましたよ。では、また明日」

かりん「楽しい一日でしたわ。こういう会も……悪くないものですわね?」

ローズ「皆、ありがとね。じゃあ、また明日」

サガット「おう、道場でな」




5: 名無しさん 2015/05/27(水) 22:32:10 ID:B/TeciWA

バイソン「あ〜、いやぁ……終わった終わった……うん、終わった……」

バルログ「全く、バイソンは……ローズさんの事、弄りすぎですよ……?」

バイソン「ローズさんは、弄っても絶対美味しく返してくれるの……それ、わかっててバイソンちゃんは、やってるの……」

バルログ「まぁ、キャリアも長いですしね……その辺は、ローズさんもわかってるでしょう」

バイソン「おばさんには、ハッキリおばさんと言ってやる……これも、一つの愛である……」

バルログ「自分は、醜男って言われたら、結構怒る癖に……それで、これからどうします……? 飲みに行きますか……?」

バイソン「……あ〜、ちょっと今日はねぇ、掃除したいんだよなぁ」

バルログ「……また、掃除ですか?」

バイソン「……休日ぐらい掃除させてくれよ。頑固な汚れがコビりついてるんだって」

バルログ「まぁ、今日ぐらい、お酒を控えるのもいいでしょうね……今日は、特に反省点もありませんでしたし……」

バイソン「うんにゃ、解散だ。解散……解散……」


サガット「……おい、待て。お前ら」ワナワナ

バルログ「あれ……? どうしました、サガット……?」




6: 名無しさん 2015/05/27(水) 22:42:27 ID:B/TeciWA

サガット「どうしたも、こうしたもないだろうがっ! 反省点はあるぞ……!? あるだろうが……!?」

バイソン「反省点……何か、あるっけ……?」

バルログ「う〜ん……わかりませんねぇ……」

サガット「何だ、この荷物は……この荷物の量は……!? お前達は、俺にどれだけ金使わせる気なんだ……!?」

バイソン「どれだけってよぉ……? そもそも、今日はそういう会だったんじゃねぇかよ?」

サガット「限度ってもんが、あるだろう! 限度ってもんがっ! 俺は、何着服を買えばいいんだ!?」

バルログ「給料もらってる癖に、大して使ってないんでしょう? だったら、いいじゃないですか、貴方が沢山買う事で、皆が盛り上がったんだから……」

サガット「そりゃ、そういう事はダンさんだってやってくるれてるさ……飲み会で、多めに出してくれてるよ……だけど、この量はやりすぎだろう……いくらなんでも、やりすぎだろう……?」

バイソン「……服は飯と違って、手元に残るぜ?」




7: 名無しさん 2015/05/27(水) 22:48:39 ID:B/TeciWA

サガット「俺が言っているのは、限度の話だ……限度の話……中古のジェットモモンガぐらいだったら、買えるぞ、オイっ……!」

バルログ「サガット、あのねぇ……? 服ってのは、皆、それくらいお金かけているんですよ……私のこの服……いくらだと、思います……?」

サガット「……知らんよ、そんな物」

バルログ「……8万」

サガット「……冗談だろ?」

バルログ「本当ですよ、本当、本当……貴方の買った服の、何倍もするんですよ……ローズさんだって、それくらい掛けてますよ……バイソンだって、ねぇ……?」

バイソン「いやいや……俺は、そこまで高くはねぇよ……そもそも、高いもん着たら格好よくなれるって、考えは気に食わなねぇ……」

サガット「そうだ、そうだ……バイソンの言う通りだ……バイソンの言う通りだ……」

バルログ「……バイソン、今日のコーディネートに、いくらぐらいかけてるんですか?」

サガット「そんな、高いものを着てるのはバルログだけだよな……? バイソン、お前はいくらなんだ……?」

バイソン「う〜ん……多分、210万ぐらい……」




9: 名無しさん 2015/05/27(水) 22:53:17 ID:B/TeciWA

バルログ「バイソン、そんなにかけてるんですか!?」

サガット「バイソン……お前は、間違ってる……高いものを着ればいいって、ワケではない……」

バイソン「まぁまぁ……落ち着け、落ち着け……! 210万って言ってもさぁ……? 大半が腕時計ですよ、腕時計……この腕時計が、大半持っていってるからさぁ……?」

バルログ「……その腕時計は、いくらなんですか?」

バイソン「これは、200だ……腕時計には、それくらいかけるだろう……? だから、服自体はそんなに高くねぇ……バルログちゃんみたいな、8万とか、そういうもんには流石に手は出せねぇよ……」

バルログ「あ〜、なるほどね……ビックリしましたよ……まぁ、時計にはそれくらい掛けますもんね……」

サガット(それでも、服には10万かけているのか……マジかよ、オイ……)

バルログ「流石に、ホームセンターの五着セット着てるのなんて、貴方ぐらいですよ、サガット……? 私程、いいの着ろとは言いませんよ……でも、ちょっとぐらいは考えましょうよ……?」

サガット「……ちなみにヤムチャ君は、いくらぐらい掛けているんだ、ソレ?」




10: 名無しさん 2015/05/27(水) 23:00:07 ID:B/TeciWA

ヤムチャ「……あ〜、今日もダメだった。ダメだったなぁ」ブツブツ

サガット「……ん?」

ヤムチャ「遊びとして……大成功……じゃ、ダメなんだよ……プラスαしていかねぇとねぇ……ダメなんだよ……」ブツブツ

サガット「……お〜い?」

ヤムチャ「ああいう話になっちまうと……俺、何にも言えなくなっちまうねぇ……そりゃ、知識ねぇから当然なんだけどさぁ……?」ブツブツ

サガット「ヤムチャ君〜? 聞いているのか〜?」

ヤムチャ「あ〜、くそぉ、夢が遠い……! 夢が遠いぜ、コンチクショウめ……!」ブツブツ


サガット「お、おい……ヤムチャ君は、一体どうしたっていうんだ……?」

バルログ「……さぁ?」

バイソン「結構、今日ローズさんとも話してたからな。マイクアピールのシミレーションでもしてんじゃねぇか? ヤムチャ君も勉強熱心だな!」




12: 名無しさん 2015/05/27(水) 23:08:40 ID:B/TeciWA

ーーー


プーアル「そろそろ、ヤムチャ様も帰ってきますかね……? 今日こそは、上手くいってほしいけど……そこは、天下のヤムチャ様……さぁ、どうなるか……?」

ヤムチャ「……お〜う、プーアル。ただいま〜。今、帰ったよ〜」

プーアル(あっ、コリャ、ダメな顔だ)

ヤムチャ「いや〜、楽しい一日だったね……実に楽しい一日だった……明日から、頑張ろう……明日から……今日から、頑張っても良かったかもしれねぇな……?」

プーアル「おかえりなさい、ヤムチャ様。どうしたんですか? 帰って早々、落ち込んじゃって……また、何かヘマしちゃったんですか?」

ヤムチャ「今日はねぇ……ヘマはしてない、ヘマは……」

プーアル「じゃあ、なんでそんなに落ち込んでるんですか? あっ、ビール飲みますか? 今日、買い出し行っておきましたよ?」

ヤムチャ「お〜う、プーアルありがとね……じゃあ、ビール一本、開けてくれるかな……?」

プーアル「は〜い、どうぞ〜。僕はプーアル茶です〜」

ヤムチャ「……おっ、グラスも冷やしておいてくれてたのか。プーアルは気が効くねぇ」




13: 名無しさん 2015/05/27(水) 23:16:15 ID:B/TeciWA

プーアル「……それで? 今日は、どんな感じだったんですか?」

ヤムチャ「う〜ん、やっぱりね……世の中、金……そう思った一日だったね……」

プーアル「……なんですか、それ?」

ヤムチャ「男子部と、女子部の交流会としては、大成功の一日だったと思うよ……皆でワイワイガヤガヤ盛り上がってね……?」

プーアル「……よかったじゃないですか?」

ヤムチャ「ただね……結局、今日の会って、サガットさんが服を買って……皆でコーディネートするって会だったからさぁ……? 結局、服買って、金使うサガットさんが、ずっとずっと中心になってるワケですよ」

プーアル「……なるほど!」

ヤムチャ「男子部と女子部との交流会としては、大成功だったよ。だけど、俺はそうじゃねぇんだってっ……! その間に、夢へのプランを進めていかなきゃいけねぇんだって……!」

プーアル「……そこは、できなかったと」

ヤムチャ「女は服屋に行くと、魔物になっちまうね……それは、さくらちゃんも例外じゃなかったよ……あの子もモンスターだよ、おい」

プーアル「テンションの上がり具合についていけなかった、と……」

ヤムチャ「仕方ねぇだろ……そうなっちまうよ……圧倒されちまうよ……」




14: 名無しさん 2015/05/27(水) 23:24:22 ID:B/TeciWA

プーアル「夢へのプランは保留になっちゃいましたが……交流会が成功したんだったら……それはそれでヨシとしましょうか?」

ヤムチャ「……そうだね。まぁ、面白い情報も聞けたしね。ヨシとしよう」

プーアル「……面白い情報って、何ですか?」

ヤムチャ「え〜っとねぇ……俺と、さくらちゃん……二人の関係はね……」

プーアル「……ん? 何かあったんですか?」

ヤムチャ「叔父と姪なの」

プーアル「……はぁ?」

ヤムチャ「それで、ダンさんが……おれの従兄弟……そういう関係……」

プーアル「ヤムチャ様……? ついにボケちゃいました……?」

ヤムチャ「ボケてねぇよっ! そういう関係なんだってっ! 今日、知っちまったんだよ!」

プーアル「叔父と姪って、結婚できましたっけ……? どっちにしろ、そういう関係で結婚しちゃったら、血が濃い子供生まれちゃいますよ……? ホラ、ヤムチャ様、目を覚まして下さいっ! 上手くいかなくて、トチ狂っちゃいましたか?」

ヤムチャ「だから、そういう事じゃねぇって……あぁ、俺も説明省きすぎたな……ちゃんと説明するから……とりあえず、聞いてくれ……なっ……?」




15: 名無しさん 2015/05/27(水) 23:29:14 ID:B/TeciWA

ーーー


プーアル「へぇ〜、ダンさんも……その剛拳さんって人のお弟子さんで……さくらさんは、ダンさんのお弟子さんなんですか……」

ヤムチャ「まぁ、俺は非公認だけどね? 空手軍団の隠し子みたいな人って、結構いるんだね」

プーアル「さくらさんも、結構空手スタイルに近いもので、やってますもんね」

ヤムチャ「そうだね。さくらちゃんって、そういう感じだね」

プーアル「……あっ! 閃いたっ!」

ヤムチャ「んっ……? どうした、プーアル……?」

プーアル「ヤムチャ様……ダンさんに、弟子入りしてみたらどうですか? プロレス教えて下さいって、頼んでみましょうよ?」

ヤムチャ「えっ……!? 俺、あの人に教わるの……? だったら、サガットさんのままでいいんじゃないかなぁ? サガットさんのままで」




16: 名無しさん 2015/05/27(水) 23:33:58 ID:B/TeciWA

プーアル「ホラ、リュウさんとサガットさんが、言ってたじゃないですか? 『昇竜拳は、師匠の技だから勝手にあげる事は出来ない』って……」

ヤムチャ「あぁ、言ってたねぇ……」

プーアル「そのせいで、ヤムチャ様は空手軍団なのに……リュウさんとケンさんが使ってる昇龍拳使えないんでしょ?」

ヤムチャ「勝手に使ったら、門が立ちそうな感じだったしね……サガットさんも、言われてたみたいだし……」

プーアル「だから、そこを……ダンさんに、弟子入りして……昇龍拳、教えてもらうんですよ!?」

ヤムチャ「でも、それ……ダンさんは、許可出していいのかね……? だって、元々は剛拳さんって人の技なんだろ?」

プーアル「……ダンさんのは『昇龍拳もどき』でしょ? バッタもんですよ。多分、大丈夫です」

ヤムチャ「俺、バッタもん使うのかよ……? オイオイ、勘弁してくれよ……?」

プーアル「それ言ったら、現状の存在そのものがバッタもんですよ! なんたって、非公認なんですから」

ヤムチャ「……まぁ、そりゃそうだけど」

プーアル「血を入れましょう、血を……ヤムチャ様に、本家の空手軍団の血筋を……」




17: 名無しさん 2015/05/27(水) 23:37:10 ID:B/TeciWA

ヤムチャ「なぁ〜んか、一番入れちゃいけねぇ所から入れてる気がするけどな……だったら、ケンさんでいいんじゃねぇか?」

プーアル「ケンさんのは『昇龍拳』ですよ。変にアレンジしたら、怒られますし……そのまま使ったら、またリュウさんに門が立ちそうです……」

ヤムチャ「まぁ、そりゃそうだけど……だからって、最初から『もどき』の方を覚えるのもなぁ……」

プーアル「……でも、さくらさんとペアルックになりますよ?」

ヤムチャ「……ん?」

プーアル「新しい技の昇龍拳も、覚えられる……さくらさんと、距離も縮まる……これ、どうですか……? 一石二鳥のプランじゃないですかねぇ?」

ヤムチャ「……アリかも知れねぇなぁ」

プーアル「……でしょ?」

ヤムチャ「正当な空手軍団の血筋も入れれる……そして、技が増えて強くなれる……さくらちゃんとも、ペアルック……アリだよ、アリかも知れねぇなぁ……オイオイ……」

プーアル「声掛けるだけ、掛けてみましょうよ。ダンさんに」

ヤムチャ「おう! 声、掛けてみよう!」




59: 名無しさん 2015/05/29(金) 22:02:08 ID:FH7Pomd.

ヤムチャ「いやぁ、いい案が出たな。これで、新技も一つ増えるんじゃねぇか……?」

プーアル「よかったですね、ヤムチャ様」

ヤムチャ「ほら、言っただろ……? プーアル……結局、新技ってのは感性を磨いていく所から始まるんだ。今日、一日羽伸ばすしたのも役に立っただろ?」

プーアル「……なぁ〜に、言ってるんですか。僕が言わなかったら、何にも思い浮かばずに『進展なかったなぁ……』なんて、落ち込んでただけでしょう?」

ヤムチャ「アハハ、まぁ結果オーライ、オーライ……」

プーアル「さくらさんとの方は……上手くはいきませんでしたが……本題の方に進展があってよかったです」

ヤムチャ「……俺にとっては、どっちも本題だぜ?」

プーアル「まぁまぁ……遊びだけの一日にならなくて、よかったって事ですよ……」

ヤムチャ「あっ、そう言えば……今日、もう一つ思った事があるんだけどさぁ……?」

プーアル「……何ですか?」




60: 名無しさん 2015/05/29(金) 22:09:09 ID:FH7Pomd.

ヤムチャ「今日は、遊びとしてはよかった一日なんだけどさぁ? だったら、そこにディージェイのヤツも呼んでやってもよかったんじゃねぇか? なんて思ったりしたんだけどさ……?」

プーアル「……ディージェイさんをですか」

ヤムチャ「今日、俺はローズさんとか、かりんさんとかとね、新しく交友関係気づけたんだし……それに、さくらちゃんとかりんさん……この二人は同期なんだけどね?」

プーアル「……はいはい」

ヤムチャ「や〜っぱり、こう気兼ねなく話せる仲って言うの……? ちょっと、違う部分があったりするわけだね……?」

プーアル「はいはい、わかりますわかります」

ヤムチャ「サガットさんだって、バイソンさんと同期……リュウさんだって、ケンさんと同期だ……やっぱり、同期の人達ってのは、仲がいいもんなんだね?」

プーアル「同じレベルで始まり……同じ時間を過ごしますからねぇ」

ヤムチャ「それで……俺の同期は、ディージェイになるらしい……だったら、俺も……ねぇ? そういう関係になった方が、いいのかな? なんて思ったりしてさ?」

プーアル「ディージェイさんは、半年先輩になりますが……同じ年に入団って事ですからね」

ヤムチャ「プーアルは、ディージェイの野郎が孤立してる……って、言ってたじゃん? だったら、こういう会にも誘ってやるべきなのかなぁ……?」




61: 名無しさん 2015/05/29(金) 22:15:53 ID:FH7Pomd.

プーアル「……そもそも、どうして今日誘わなかったんですか? ディージェイの事」

ヤムチャ「いやぁ、その辺はね……? サガットさんに任せてるからさ……?」

プーアル「人任せですか……らしくないですよ、ヤムチャ様っ! あの時のディージェイさんを心配してあげてたヤムチャ様は何処に行っちゃったんですか!?」

ヤムチャ「そんな事言ったって、昨日の今日じゃねぇか……! あの日、俺はサガットさんとちょっと揉めかけちまったんだぞ……? また、勝手に動くワケにはいかねぇだろうが?」

プーアル「……えっ、揉めたんですか!? 大丈夫だったんですか、ヤムチャ様?」

ヤムチャ「そこは、大丈夫だったよ……サガットさんも、これからは協力してくれるって言ってたから……」

プーアル「……あっ、大丈夫だったんですね。それならよかったです」

ヤムチャ「それで……その日の内に、今日の話が決まっちまっただろ……? 俺も、浮かれてた部分はあるけど……流石に話題には出せないだろ……?」

プーアル「……ごめんなさいね。口やかましく言っちゃいまして」

ヤムチャ「一応、俺だって考えてるんだよ……? でも、次の会はねぇ……なんとかディージェイを誘えるようにしておいた方がいいだろ……?」

プーアル「そうですね。次の会にはディージェイさんも誘ってあげた方がいいですね!」




62: 名無しさん 2015/05/29(金) 22:21:34 ID:FH7Pomd.

ヤムチャ「って事は、第三回……その辺の事をサガットさんに相談してみるか……」

プーアル「もう、第三回する事は決まってるんですか?」

ヤムチャ「あっ、決まってるよ。ローズさんがねぇ……提案して決めてくれたよ」

プーアル「第三回のテーマは……なんなんですか……?」

ヤムチャ「え〜、『春麗さんを励ます会』だね」

プーアル「……春麗さんを励ます会?」

ヤムチャ「ほら今、女子部の春麗さんは入院中だろ……? だから、そこに皆んで行って……見舞いだよ、見舞い……」

プーアル「……ヤムチャ様?」

ヤムチャ「おう、どうした? プーアル」

プーアル「やめましょう……ディージェイさんを誘うのは、やめましょう……」

ヤムチャ「……はぁ?」




63: 名無しさん 2015/05/29(金) 22:30:55 ID:FH7Pomd.

プーアル「ディージェイさんは第四回でいいじゃないですか、ヤムチャ様」

ヤムチャ「おい、プーアル! お前、さっきと言ってる事、違ってねぇか!?」

プーアル「だって、病院でしょ? お見舞いでしょ? そんな所にディージェイさんなんて連れて行ったって、邪魔なだけじゃないですか! ま〜た、あの人、余計な事ベラベラベラベラ言っちゃいますよ!」

ヤムチャ「……プーアル、ちょっとボロカスすぎねぇか? おい」

プーアル「下手したら、治るものも治らなくなっちゃいますよ。第三回がそういう会なら……ディージェイさんの事は、見送りましょう」

ヤムチャ「う〜ん……確かに、アイツが余計な事言っちまうって……想像がつく……なんだよ、話が進まねぇじゃねぇか……」

プーアル「……あの人は、特殊な人なんですから。そういう会に誘うのは、いい事ですが、TPOをわきまえる事も大切です」

ヤムチャ「ちくしょう……面倒臭ぇヤツだな、ディージェイの野郎は……」

プーアル「……そうです、ディージェイさんは面倒臭い人なんです。だけど、きっとそこをなんとか出来るのはヤムチャ様だけです。僕は信じています」

ヤムチャ「なんとか出来るって……連れてったらダメなんだろ……? じゃあ、どうすればいいんだよ……?」

プーアル「小さな事からでいいんですよ……『よぉ』とか『最近、調子はどうだ?』とか、声掛ける所からでいいんです。その気になれば、毎日顔を合わせる事だって出来るんですから……」

ヤムチャ「ローズさんやかりんさん相手なら初対面でも話は弾むのにね……アイツはそういう所からか……まぁ、挨拶程度なら勝手にやっても、文句は言われねぇだろ……とにかく、顔を合わせたら、何か声掛けるよ……」

プーアル「そうですそうです。明日からも頑張りましょう、ヤムチャ様」




66: 名無しさん 2015/05/29(金) 22:45:12 ID:FH7Pomd.

翌日ーー


バイソン「お〜しっ……! いっち、にっ……! いっち、にっ……! っと!」グイグイ

バルログ「……本当、バイソンは身体柔らかいですよねぇ。感心しますよ」

バイソン「基本だ……基本っ……! さぁ、今日も元気よく頑張りましょう……!」


サガット「……おい」

バルログ「あっ、サガット……どうかしたんですか?」

サガット「ヤムチャ君の姿が、見えないが……どうした、トイレか?」

バルログ「あぁ、ヤムチャ君ならダンさんを呼んでくるって、ついさっき……」

サガット「ダンさんを……? どうして、また……」

バイソン「新技がどうのこうのって、言ってたけど……う〜ん、よくわかんね……」




68: 名無しさん 2015/05/29(金) 22:52:02 ID:FH7Pomd.

サガット「ダンさんを使って新技……? つまり、それはダンさんに教わるという事か……?」

バルログ「……そういう事なんじゃないですかねぇ?」

サガット「……なんで、ダンさんなんだ? 俺、教え方悪いか?」

バルログ「いやぁ、そんな事ないと思いますよ?」

バイソン「空手軍団の血を入れる……とか、なんとか言ってたぞ……」

サガット「あぁ、なるほど……確かに、俺は空手軍団ではない……」

バルログ「……でも、ダンさんでしょ?」


ヤムチャ「ダンさん、ホラっ……! 何、やってんすか……! こっちっすよ、こっちこっちっ……!」グイグイ

ダン「服が伸びんだろが、バカっ……! なんだよ、お前どうしちまったんだよっ……!」


サガット「……おっ、来たか」

バルログ「服と言えば……サガット、昨日の服は今日着てきたんですか……?」

サガット「着て来たに決まってるだろう……あれだけ使ったんだ……なんの為に買ったんだと言う話になるさ……」




70: 名無しさん 2015/05/29(金) 23:04:01 ID:FH7Pomd.

ダン「なんだよ、こんな所に連れて来やがって……」

サガット「おはようございます、ダンさん」

バルログ「おはようございます」

バイソン「今日も、よろしくお願いしますっ! 面倒見て下さいっ!」

ダン「お、おう……おはようさん……あ〜、なるほどなるほど……なんか、打ち合わせでもあるのかね……?」

ヤムチャ「ダンさん、ダンさんっ! 俺に昇龍拳教えて下さいよ! 昇龍拳っ!」

ダン「……はぁ?」

ヤムチャ「俺も、昇龍拳覚えたいんっすよっ! だから、教えて下さいっ! ねっ、お願いしますっ!」

ダン「……なんで、俺なんだよ? サガットでいいじゃねぇかよ? なぁ?」

サガット「……自分のヤツは別物ですからねぇ」




71: 名無しさん 2015/05/29(金) 23:09:31 ID:FH7Pomd.

ダン「じゃあ、リュウか……ケン……どっちかに教えて貰え……なんで、俺なんだよ……」

バルログ「リュウ君は、剛拳さんの許可が出てない……なんて、言ってね……この前、お流れになったんですよ……」

ダン「律儀な野郎だなぁ、オイ……だからって俺か……?」

ヤムチャ「さくらちゃんから聞きましたよ。ダンさんは、剛拳さんの弟子で……ダンさんの昇龍拳は『昇龍拳もどき』で、別技なんでしょ?」

ダン「さくらの奴……余計な事を……」

ヤムチャ「それだったら、俺にも空手軍団の血を受け継ぐ事が出来るし……許可は剛拳さんの無しで、ダンさんの許可だけでいけますよねぇ? なんたって『昇龍拳もどき』なんですから!」

ダン「『昇龍拳もどき』って言うんじゃねぇっ! 『晃龍拳』だっ!」

バイソン「タイガーアッパーカットじゃなくて……晃龍拳を覚える事で、間接的にだが、剛拳さんの弟子になる……なるほど、考えたなヤムチャ君も……」

サガット「……その辺の事も気にしていたのか。確かに、剛拳さんと面識ないのに、三番弟子になっているんだからな」




72: 名無しさん 2015/05/29(金) 23:15:35 ID:FH7Pomd.

ヤムチャ「昨日、さくらちゃんから、そういう話聞いてね? 俺も新技覚えないといけないし、いい案だと思ったんですよ!」

ダン「おめぇは閃いたら一直線なんだな……? 狼じゃなくて猪だよ……ワイルド・ボア風風拳だ……」

ヤムチャ「そんな事いいから……その『晃龍拳』教えて下さいよ……!? ダンさんは第一試合から、出番があるんでしょ? だから、ちょこっと教えてもらって……後は、サガットさん達に、手伝ってもらいますから!」

ダン「おいおい、こいつ止まんねぇぞ……? サガット、なんとかしてくれよ……?」

サガット「……どうでしょう? 一度、ヤムチャ君に『晃龍拳』を見せてみるというのは」

ダン「……あぁ?」

サガット「おそらく、それが一番手っ取り早いと思います。後は、こっちでなんとかします……」

ダン「オイオイ、サガットまで……なんだよなんだよ……」

ヤムチャ「ホラ、サガットさんも言ってる事だし……お願いしますよ、ダンさんっ!」




73: 名無しさん 2015/05/29(金) 23:23:24 ID:FH7Pomd.

バルログ「ダンさん、お願いしますよ」

バイソン「まぁ、たまにはダンさんも、身体動かすのもいいんじゃないですか?」

ダン「……あ〜の〜な? レフェリーってのは、あっち行ったりこっち行ったり、動き回ってんだよ」

ヤムチャ「も〜う……何、渋ってんですよ、ダンさん……? ホラ、皆さんも言ってるじゃないですか? 教えて下さいっ!」

ダン「ったく、しつけぇ奴だな、おめぇはよぉ……! それじゃあ……」

ヤムチャ「……おっ?」

ダン「一回こっきりだぞ……? 一回こっきり……一回だけ見せてやる……」

ヤムチャ「……一回きりで、覚えろって事ですね!? 大丈夫ですっ! やってみせますっ!」

ダン「……なんで、おめぇそんなに気合入ってるんだよ」

ヤムチャ(そりゃ、さくらちゃんとお揃いの技で……夢への第一歩に近づくからでしょう……うまくいけば、俺も完全な空手軍団の一員になって……リュウさんとの信頼関係も生まれるんじゃねぇか……?)




75: 名無しさん 2015/05/29(金) 23:27:29 ID:FH7Pomd.

ダン「よし、それじゃあ……いくぜっ! サイキョー流奥義……!」ググッ

ヤムチャ「……お願いしますっ!」

ダン「晃龍拳っ……! とりゃぁ〜!」ピョコンッ

ヤムチャ「……えっ?」

ダン「……以上だ」

ヤムチャ「えっ、いや……あの……ダンさん……?」

ダン「なんだなんだ……なんだ、その目は……?」

ヤムチャ「本気でお願いしますよ……俺、結構マジで頼んでるんですから……」

ダン「だから、俺も本気でやったよ。今のが俺の必殺技の晃龍拳だ」

ヤムチャ「いやいやっ……! ダンさん、コレ……昇龍拳と全然違うじゃないですか!?」

ダン「だから、晃龍拳だっての!」




76: 名無しさん 2015/05/29(金) 23:32:10 ID:FH7Pomd.

バルログ「なんでしょうね。この拭えない偽物感……」

バイソン「ある意味、完成されてるんだよ……2ランク下ぐらいで、すんげぇ小さく纏まった昇龍拳……って、感じ……」

サガット「……まぁ、これがダンさんの晃龍拳だ」

ダン「ほら、見ろ……散々じゃねぇか……だから、やりたくなかったんだよぉ……」

ヤムチャ「ダンさん……いや、兄さん……冗談は困りますよ……こんなダサいのが昇龍拳なワケないじゃないですか……? 前の俺のボディスラムより酷いじゃないですか……?」

ダン「おめぇが、やれって言ったからやったんだよっ! だせぇのは自覚してるよ! うるせぇ!」

ヤムチャ「逆ギレですか……? だ、だって……ダンさんは、剛拳さんって人の弟子なんでしょ……? それなのにこんな技じゃ……」

ダン「……あのなぁ? おめぇ、なんか勘違いしてるみたいだから言っておくぞ?」

ヤムチャ「……ん?」




77: 名無しさん 2015/05/29(金) 23:36:59 ID:FH7Pomd.

ダン「俺ぁ、昔な……剛拳さんに、憧れて……見様見真似で、剛拳さんのファイトスタイルの真似……まぁ、言わばコピーだな……それを我流でやってたの……」

ヤムチャ「……我流?」

ダン「それで、弟子入りさせて下さいって、頼みに行ったんだよ。そしたら、面白がってオッケー貰えたんだよ」

ヤムチャ「……えっ?」

ダン「弟子入りこそしたが……俺の技は、我流の……剛拳さんのコピーだよ。結局、その後すぐにレフェリー業の方をやる事にしたしよ……? 俺と剛拳さんの師弟関係なんて、ほとんどねぇぞ……?」

ヤムチャ「だ、だから……こんなにダサいんだ……」

ダン「うるせぇな、バカ野郎っ! というか、そもそも……我流で、ダサいコピーレスラーの俺でも、弟子入りさせてくれるような人なんだよ、剛拳さんは」

ヤムチャ「あぁ……は、はい……」

ダン「おめぇが、勝手に弟子名乗ろうが……技パクろうが、気にするような人じゃねぇんだよ……! おめぇもリュウも、ちょっと気にしすぎなんだよ」


サガット「……まぁ、という事だ。晃龍拳をコピーしたいのなら、手伝ってやってもいいが、それなら俺はタイガーアッパーカットを覚えてもらいたいね」

ダン「サラっと自分の方が格上だって言ってんじゃねぇぞ、サガット……?」

サガット「そういう事じゃありませんよ、ダンさん……ダンさんの本職はレフェリーでしょう? レフェリー業なら、自分は足元にも及ばない存在です」




78: 名無しさん 2015/05/29(金) 23:40:57 ID:FH7Pomd.

バルログ「でも、この技……よく、さくらさん、アレンジして魅せれるレベルまで持っていきましたねぇ……」

ダン「その辺は、さくらの才能だな! 流石、我が一番弟子! ナハハハ!」

バイソン「アレンジ次第では、なんとかなりそうなモンだけど……まぁ、殆ど零から作るのと大差ねぇな。いや、原型残さねぇといけねぇ分……零から作るより、タチが悪いんじゃねぇか……?」

ヤムチャ「……ですよねぇ。元がこれじゃ、いくら頑張った所で」

ダン「……お前らは酷い。本当に酷い。バカにしてるよ、俺の事」

バイソン「レフェリーとしては、バカにしてませんよ……? 尊敬してますよ、尊敬してます! ただ、同じレスラーとしては……って、話です!」

ダン「カァ〜、さくらは文句の一つも言わずに、真剣にアレンジを考えてたってのに……お前らと言ったら、グダグダグダグダ……」

ヤムチャ「これなら、アレンジよりサガットさんに、新技教えてもらった方が早そうだからな……ちょっと予想外だった……」

サガット「まぁ、新技の事をそれだけ考えていてくれたのは、ありがたいよ……どうする? 前の飲み会で言っていた、関節技を教えようか?」

ヤムチャ「非公認の空手軍団……ってのには、変わりないままですが……そっちの方が、良さそうっすね!」

サガット「ダンさんも言っているが、剛拳さんは器が広い。そんな事、気にしたりしないさ。俺だって、技を盗んだのに何も言われてないんだから……そうやって、申し訳ないと思う気持ちがあれば十分さ。それでも足りないと思うなら、もっといいレスラーになればいい」




97: 名無しさん 2015/05/30(土) 22:01:27 ID:SALajkmY

ヤムチャ「じゃあ、サガットさん……今日の所は、その関節技を……なんか、お騒がせしてすいませんねぇ……?」

サガット「なぁ〜に、構わないさ。じゃあ、早速教えようか……今回教えるのは……」

ダン「オイオイ、ちょっと待て……ちょっと待ちやがれ、この野郎……」

ヤムチャ「あっ、ダンさんもありがとうございました。俺は、後はサガットさんに教えてもらうんで……今日の所は……」

ダン「うるせぇっ! 今日の所は……じゃねぇよっ! 人を無理矢理呼び出しておきやがって……それで、ダサいなんだのなんだの、貶しやがって……」

ヤムチャ「いや〜、もうちょっと……格好いいと思ってたもんっすから……」

ダン「これじゃあ、俺は恥かいただけじゃねぇかよっ!」

バイソン「まぁまぁ……技が技でしたからね……?」

ダン「さくらは、上手くアレンジしたっての! 俺だけの責任じゃねぇだろがっ! 寧ろ、俺は被害者だっ!」

ヤムチャ「いやぁ、すいません……本当にすいません……」




98: 名無しさん 2015/05/30(土) 22:07:28 ID:SALajkmY

ダン「ここまでバカにされちゃあ、俺だって黙ってられねぇよ……俺だって、一応剛拳さんの弟子だ……おめぇごときに舐められてちゃ、我慢ならねぇ……」

ヤムチャ「舐めてるワケじゃありませんよ……それに、ダンさんの本職はレフェリーでしょ……?」

ダン「俺には、まだとっておきの技がある……晃龍拳は、昇龍拳の、劣化コピーだが……こっちは、完全に正真正銘俺のオリジナル……」

ヤムチャ「……オリジナル?」

ダン「さくらさえ、コピー出来なかったオリジナル技だ……そいつをおめぇに譲ってやるよ」

ヤムチャ「さくらちゃんさえ、コピー出来なかったって……難易度高いんですか……?」

ダン「あぁ、俺のとっておきだ……超ウルトラド級の難易度Sクラス技だ……」

ヤムチャ「おぉ……なんだか、凄そうな技ですねぇ……」

ダン「そいつをおめぇに譲ってやるよ……兄弟子の俺様が……おめぇに、伝授してやる……」

ヤムチャ「それ……なんて技なんですか……?」

ダン「『断空脚』だっ!」

ヤムチャ「断空脚……蹴り技ですね……?」




99: 名無しさん 2015/05/30(土) 22:17:00 ID:SALajkmY

バイソン「……名前は格好いいんすけどね? それで、それってどういう技なんすか?」

ダン「聞いてビビんなよ……? これは相手に向かって、飛び込み……そして、蹴りを繰り出す技だ……」

バルログ「……聞く限りでは、いたって普通ですねぇ」

ダン「馬鹿野郎っ! 凄いのはここからだっ! この技はなぁ……三発繰り出すんだ、三発っ! 空中での連続蹴りってワケだ!」

ヤムチャ「ほ〜う、そりゃ凄ぇや!」

ダン「この三発繰り出すって所が、ミソなワケだな! だから、さくらもコピー出来なかったってワケだ! あまりの難易度によぉ?」

サガット「……う〜ん、三発か」

ダン「おめぇ、コレ、コピーして使え。ちったぁ、兄弟子を敬いやがれ」

ヤムチャ「面白そうな技じゃないっすか! どんな感じか……早速、見せて下さいよダンさんっ!」




101: 名無しさん 2015/05/30(土) 22:23:54 ID:SALajkmY

ダン「よ〜し、見せて野郎じゃねぇか……蹴りを繰り出す順番は……右・左・右だ……」

ヤムチャ「右・左・右……ですね……?」

ダン「蹴りを繰り出すと同時に……魂の叫びを挙げろっ! 掛け声は『ダンっ! ダンっ! せやぁっ!』だっ! 言ってみろっ!」

ヤムチャ「ダン、ダン、せやぁっ……! ですね……?」

ダン「声が小さいっ! もう一度っ!」

ヤムチャ「あっ、はいっ……! ダンっ! ダンっ! せいやぁ!」

ダン「そうだっ! その叫びだっ! よ〜し、それじゃあ、見せてやるぜ……先ずはロープに走るっ……! そして勢いをつけるっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ

ヤムチャ「見せて下さいっ……! ダンさんっ……!」

ダン「そして、飛び込み……蹴りを繰り出すっ……! いくぜ、断空脚っ……! うおおおぉぉっ!」シュタッ




102: 名無しさん 2015/05/30(土) 22:30:07 ID:SALajkmY

ダン「だ、だ、せあー!」ジタバタ

ヤムチャ「……んあ?」

ダン「……とまぁ、こんな感じだ」

バルログ「ダンさん、魂の叫びは何処いったんですよ……?」

ダン「……言ってただろ? 『ダンっ、ダンっ、せやあっ!』って」

バルログ「いやぁ……もう、なんか必死すぎて何がなんだか……」

ダン「そんなバカな」

バイソン「ダンさん、三発打つんじゃなかったんっすか……?」

ダン「……打ってただろ? 掛け声と共に、空中で蹴りを三発」

バイソン「空中で、ジタバタしてただけじゃないっすか……」

ダン「そんなバカな」

サガット「……そもそも、ジャンプ中に三発蹴りを打つなんてのが無茶な話なんですよ」




106: 名無しさん 2015/05/30(土) 22:42:20 ID:SALajkmY

バイソン「……こりゃ、さくらちゃんもコピーしねぇワケだ」

ダン「お、おいっ……! なんだよ、その言い方っ……!?」

バルログ「……だって、物理的に無理ですもん。空中で、三発蹴りを打つだなんて」

ダン「そこをさ……? なんとかするのが、一流レスラーってもんなんじゃねぇかな……? なっ、なっ……?」

サガット「ダンさん……なんと言えばいいか……まぁ、確かに難易度S級の技ですが……これまた……」

ダン「……こいつの身体能力だったら、使いこなす事、出来ねぇかね?」

サガット「……無理でしょうね」

ダン「ナハハハ……! や〜っぱり、無理か……そりゃ、無理だよなぁ……? 『断空脚』はいくらなんでも無理だよなぁ?」

バイソン「……なぁ〜んで、こんな自分自身で出来ねぇ技を、ヤムチャ君に教えるんっすよ?」

ダン「……おめぇらにバカにされて悔しかったんだよぉ、ちくしょう」

バイソン「だから、レフェリーとしては尊敬してますって……」




107: 名無しさん 2015/05/30(土) 22:50:44 ID:SALajkmY

ダン「それとだ……ちょっと、嬉しい部分も……あったりした……」

バイソン「……ん?」

ダン「いやぁ、俺がさ……? 剛拳さんの弟子だって事なんて……ファンの記憶にはねぇだろ? 俺、すぐレフェリーやる事にしたんだからよぉ?」

バルログ「まぁ、そうですけど……」

ダン「自分自身で選んだ道なんだけどな……や〜っぱり、このまま俺が開発した『断空脚』が、日の目を見ねぇまま……埋もれていくってのはな……ちと、寂しいもんがあったりするんだよ」

サガット「……」

ダン「そんな中……勘違いもあっただろうが……コイツが、俺に弟子入り希望してきたんだよ。レスラーとしては、三流だし……完全に退いてる、俺の元にな……?」

サガット「……レスラーの血が騒ぎましたか?」

ダン「あぁ、騒いだよっ! ひょっとしたら『断空脚』が日の目を見れるんじゃねぇかって、思ったよっ!」




110: 名無しさん 2015/05/30(土) 22:59:17 ID:SALajkmY

ダン「だけど……お前らの反応見る限りでは『断空脚』は、使いもんにならねぇな……や〜っぱり、使いもんになんねぇや、こりゃ……」

サガット「そういう事なら……我々が、形になるよう、何かアイディアを出しましょうか……?」

ダン「……同情はいらねぇよ、サガット」

サガット「いや、同情では……」

ダン「この技、使って……俺を満足させる事は出来るだろうが……ファンを満足させる事は出来ねぇだろ……? さっきのお前らの反応……それと同じような事をファンは、思っちまうだろきっと……」

サガット「……そうかもしれませんが、アレンジ次第では」

ダン「わざわざ、マイナスから作る必要はねぇっての。ひょっとしたら……ひょっとしたら、いい反応してくれるんじゃねぇか……! なぁ〜んて、期待しただけだよ!」

サガット「……申し訳ありません」

ダン「なぁ〜に……おめぇらの反応は当然の事だよっ! それに、さくらが晃龍拳を使ってくれてんだ。俺はそれで満足だよ。弟子入り……だなんて言葉、久しぶりに聞いて、ちっと浮かれただけだよ! ナハハハ!」


ヤムチャ(いや、この技……空中で、三発繰り出す蹴り……俺なら……俺なら出来るっ……!)




111: 名無しさん 2015/05/30(土) 23:12:07 ID:SALajkmY

ダン「まぁ、技に関しては……サガット、おめぇが教えてやってくれや……」

ヤムチャ(ただし、空中で三発打つ……しかも、格好いいフォームで打つ……だなんて、間違いなく武空術を使わなきゃ無理だ……)

サガット「そうですね。わかりました」

ヤムチャ(俺達が一般社会に溶け込むには……武空術や気の存在……そういったものは隠していかなきゃいけねぇ……武空術を使ってもいいなら……格好いい『断空脚』のイメージは出来たんだけどなぁ……ちくしょう……)

ダン「それじゃあ、俺は……そろそろ戻っていいかねぇ……?」

ヤムチャ(でも、少なくても……『晃龍拳』よりかは、この技……可能性感じるぞ……? 武空術を使わなくても、出来るようにするって、大きな問題はあるが……俺には、可能性が感じられる技だぞ……?)

サガット「無理に呼び出して、申し訳ありませんでした。ダンさん」

ヤムチャ(空中で、武空術を使わずに三発……しかも格好良く……あ〜、めちゃくちゃだ……だけど、使いこなせれば……新しい技になるはずだ、きっと……)

ダン「それじゃあ、後は任せるぜ……俺は……」

ヤムチャ「……あ〜、ちょっと待って下さい。ダンさん」

ダン「……あぁ?」




112: 名無しさん 2015/05/30(土) 23:22:31 ID:SALajkmY

ヤムチャ「俺、この技欲しいっす。これ……誰も使ってない技なんですよね? 下さい」

バルログ「誰も、使ってないって言うか……誰も使えない技なんですよ……」

ヤムチャ「俺は、そこに可能性を感じます……誰も使えない技だからこそ、モノにしたら、凄いもんになるんじゃねぇかって」

バイソン「……こんなモン、人間やめなきゃ無理だぞ? どうすんだ、ヤムチャ君?」

ヤムチャ「そこは……まぁ、なんとか……う〜ん、考えてアレンジします……」

サガット「また、妙な技に喰いついたな……だが、言ってる事は、案外的を得てるかもしれんな……」

ヤムチャ「この技、使いこなせたら、凄い事も出来ますし……俺もダンさんの弟子で、ある意味、本当の空手軍団……そうなりますよね……?」

ダン「……」

ヤムチャ「『断空脚』……俺に、譲って下さい……モノにしてみせます……」




117: 名無しさん 2015/05/30(土) 23:35:31 ID:SALajkmY

ダン「浮かれて、変な技教えちまった俺にも責任はあるけどよぉ、ヤムチャ?」

ヤムチャ「……」

ダン「俺ぁ、レスラーとしては三流……だけど、レフェリーとしては一流だ……断空脚の難しさは、俺が一番よく知ってんだ……そもそも、さくらだって、モノに出来なかった技なんだよ……」

ヤムチャ「俺、ミサイルキックのアレンジが課題でしたよね……? 多分、ゴールはそこだと思うんですよ。そこに繋がると思うんですよ……」

ダン「……へぇ、お前には見えてるって、ワケか」

ヤムチャ(もうとっくに見えてる……だけど、それは武空術を使った場合の話だ……武空術を使わないとなると……)

ダン「……断空脚が」

ヤムチャ「……うっすらと」


サガット「やけに、自信を持っているな……しかし、ゴールはミサイルキック……確かに、ヤムチャ君のミサイルキックのフォームはいい……繋げるならソコだな……」




118: 名無しさん 2015/05/30(土) 23:43:25 ID:SALajkmY

ダン「面白ぇ! やってみな、譲ってやるよ! 今日から、おめぇは俺の弟子だ! ただし、俺は放任主義だ! 後は自分で考えな!」

ヤムチャ「うっすっ……! ありがとうございますっ! 師匠っ!」

ダン「断空脚をモノに出来れば……辛うじてだが、おめぇは空手軍団の正当な弟子だ」

ヤムチャ「やってやりますよ」

ダン「クソみっともねぇ状態で披露したら……その場で反則負けにしちまうからな……!? わかってんのか、オイっ!」

ヤムチャ「はいっ……!」

ダン「ったく、返事だけは一人前なんだな、お前は……あ〜、サガット、サガット……?」

サガット「……なんでしょうか?」

ダン「悪いが……アレンジ、付き合ってやってくれ……なっ、頼むよ……?」

サガット「えぇ、ヤムチャ君の為にもなりますし……ダンさんの為にもなります……喜んで付き合いますよ」

ダン「おめぇは、いい奴だよ。今日の飲み会、高いもん食っていいぞ。俺が出してやる……それじゃあ、俺はそろそろ戻るわ……後は任せるぞ〜!」

サガット「お疲れ様でした、ダンさん。今日の試合、よろしくお願いします」

ヤムチャ「断空脚、必ずモノにしてみせます!」


バイソン「ダンさんって、わかりやすいよな……? 顔、ニヤけてらぁ……」

バルログ「……でも、そういう風になるんじゃないですかねぇ。弟子が出来たんですから」




144: 名無しさん 2015/05/31(日) 22:02:30 ID:lcY3c1yE

サガット「さぁ、大変だ。えらい事になったぞ、ヤムチャ君」

ヤムチャ「へへ……やっぱり……?」

サガット「今回は、教えられた事をこなす……それだけでは、無理だからな……教えられた物を、さらに改良して……周りを納得させれるだけのモノにしていかないといけないからな……」

ヤムチャ「さぁ、どうするか……? とりあえず、コーナーポストに昇ってみてもいいですかね……?」

サガット「……もう、出来たのか?」

ヤムチャ「いや、コーナーポストの上で……ちょっと、考えてみます……俺、ジッとしながら考えるって、あまり向いてないんですよ……身体、動かしながら考えてみます……」

サガット「三発蹴りを繰り出すなら……滞空時間が長い方がいいからな……そうだな、打つならソコかもしれないな……昇ってみるがいいさ……」

ヤムチャ「……よしっ、それじゃあ、昇ってみます」ノッソノッソ




145: 名無しさん 2015/05/31(日) 22:07:29 ID:lcY3c1yE

ヤムチャ「う〜ん……高さはある……滞空時間は稼げる……ここからなら、三発いけるか……? ギリギリだな……」キョロキョロ

サガット「……さぁ、どうだ?」

ヤムチャ「だけど、三発繰り出す……ってなると、ギリギリかもしれねぇな……さっきのダンさんみたいに……空中で、足をジタバタさせるだけの結果に終わっちまうかもしれねぇ……」

バイソン「いやぁ、やけに真剣だねぇ……ありゃ、漢の顔だ……悔しいが、今日のヤムチャ君は俺よりイケメンだな……」

バルログ「いつも……ですよ、バイソン……?」

バイソン「ガハハ! これまた、バルログ君、御冗談を!」

ヤムチャ「待てよ……? バイソンさんと、バルログさんのいる方……場外の方に飛んでみるってのは、どうだ……?」クルッ

バイソン「……ん? どうした、ヤムチャ君?」

ヤムチャ「あっちは、リングより低い位置にある……あっちにだったら……三発繰り出す時間の余裕も生まれてくるんじゃねぇか……?」




148: 名無しさん 2015/05/31(日) 22:15:43 ID:lcY3c1yE

ヤムチャ「断空脚……見えたぞ……場外に打つんだったら……三発打つ、時間の余裕が生まれてくる……」

バルログ「……ヤムチャ君は、真剣に考えてるんですから、バイソン茶々いれない」

バイソン「ガハハ! 悪ィ、悪ィ!」

ヤムチャ「ここから三発蹴りを打ちながら、場外まで飛び降りて……んっ……? あれ……? 待てよ……?」

バイソン「んっ……? どうした、また表情が険しくなったな……」

バルログ「……バイソン、黙って見てなさいって」

ヤムチャ「バイソンさんは……あそこにいるだろ……? それで、俺はここ……三発、蹴りを打つ時間はあるかもしれないけど……打つ相手が、いねぇじゃねぇか……」

サガット「……さぁ、どうする?」

ヤムチャ「サガットさん、サガットさん……?」

サガット「……おう、どうした? 何か閃いたのか、ヤムチャ君?」




149: 名無しさん 2015/05/31(日) 22:25:10 ID:lcY3c1yE

ヤムチャ「これって、あまり高さとか、滞空時間とか関係ない気がしますよ。だって、どれだけそういう物があったとしても……相手に蹴りを繰り出せるだけの間合いに入れるのは、一瞬なんですから」

サガット「……そうだな」

ヤムチャ「ここから、場外に飛び降りながら、三発蹴りを打つ……って、方法考えたんですけど、間合いに相手がいないんですよ……だから、ここから一緒に場外まで、飛び降りる……って事は出来ませんかねぇ?」

サガット「つまり、なんだ……? コーナーポスト上にいるヤムチャ君に……相手が攻撃を仕掛け……それの反撃に使う……空中で相手に三発蹴りを繰り出しつつ、共に場外まで落下するという事か……?」

ヤムチャ「言葉にすると……なんだか、危険な香りがする気がしますねぇ……?」

サガット「気がするじゃない……危険だよ。そんな所から、縺れ合う様にしながら落下してみろ……いつか、絶対に事故が起きてしまう」

ヤムチャ「格好いい蹴りを三発打つ時間と……相手との間合い……ダメだ、両立が出来ねぇ……」

サガット「……そうだ。相手との間合いも重要だ。技は相手に当ててなんぼだからな」

ヤムチャ「ここじゃなかったな……降りるか……」




150: 名無しさん 2015/05/31(日) 22:31:54 ID:lcY3c1yE

ヤムチャ「う〜ん……どうすっかねぇ……?」ウロウロ

バイソン「おいおい、今度はリングをウロチョロし始めたぞ……? サガット、何かアドバイスでもしてやれよ……?」

サガット「とは、言ってもだなぁ……? 俺の断空脚の完成形のイメージは、スーパーマンの様に、空を飛びながら……相手を蹴りの連打で押し込んでいく……そういったイメージだ……」

ヤムチャ(そう、俺もそれ……まさにそれ……そして、それなら出来る……だって、俺は武空術使えるんだからよ……)

バイソン「……ダンさんも、そういうイメージで開発したのかね?」

ヤムチャ(こういうのが、師弟関係ってような気がするんだよな……師匠のダンさんが、使えなかった技を……弟子の俺が代わりに使って、ド派手に見せる……こういう事だろ……? 上っ面だけの設定じゃなくて……師弟関係ってのは、こういう事だろ……?)

サガット「そうかも、しれないな……」

ヤムチャ(あ〜、ちくしょう……どうする……? いっそ、武空術が使えるって事……皆に言っちまうか……!? ひょっとしたらさぁ……案外大丈夫なんじゃねぇの!? ブルマが考えすぎって事もあるだろ……!?)イライラ

バルログ「フッ、ヤムチャ君……少し、イライラしすぎじゃありませんかね……? 美しい顔が台無しですよ……醜いです……」




151: 名無しさん 2015/05/31(日) 22:40:47 ID:lcY3c1yE

ヤムチャ「いやぁ、別にイラついているワケじゃないですよ……それだけ、真剣……って事です……」

バルログ「ヤムチャ君は、基本的な事を忘れてますね。自分が、ただただ技を打って……華やかに見せたい……それじゃあ、ルチャドールは務まりませんよ……」

ヤムチャ「基本的な事……俺、何を忘れてますっけ……?」

バルログ「……プロレスとは、チームプレイだという事です」

ヤムチャ「……チームプレイ?」

バルログ「私はロープから飛び、相手に組みつく……そして投げる……そういった華やかな技を得意にしていますが……ルチャ・リブレは、私だけの力じゃ務まりません」

ヤムチャ「……」

バルログ「私がロープから、飛べば……丁度良い位置に相手がいるからこそ……組みつく事が出来るのです……相手をホイップさせて投げるのも、私だけの力ではありません……私のタイミングに合わせて……相手が協力してくれているから、こそ……なのです……」

ヤムチャ「それは、つまり……」

バルログ「相手の動きをコントロールする事を考えましょう……三発、連続で打つ……だなんて、不可能です……一撃目を打った後、二撃目を打つ為にどういった状態になって欲しいか……そして、二撃目を打った後、三撃目を打つ為にどういった状態になって欲しいか……」




155: 名無しさん 2015/05/31(日) 22:58:04 ID:lcY3c1yE

バルログ「少し、試してみましょうか……ヤムチャ君、私に蹴りを打ってみて下さい……前蹴りで、順番は右・左・右……の順です……」

ヤムチャ「右・左・右……の順……」

バルログ「掛け声は勿論、『ダンっ、ダンっ、せやぁっ』です」

ヤムチャ「ダンさんが言ってた、掛け声ですね……」

バルログ「私は、ヤムチャ君の蹴りを喰らうと、倒れ込みます……しかし、すぐに起き上がります……二撃目三撃目……すぐに繰り出して、下さいね……? そうでないと、私は何の為に起き上がったんだ……って、話になりますから……」

ヤムチャ「あっ、はい……わかりました……」

バルログ「それでは、どうぞ……? 先ずは、右の蹴りからです……」




156: 名無しさん 2015/05/31(日) 23:06:33 ID:lcY3c1yE

ヤムチャ「……ダンっ!」ドスッ

バルログ「……うぐっ!」バターンッ

ヤムチャ(一発目で、バルログさんが……ダウンして……)

バルログ「くそっ……だが、しかしっ……!」シュタッ

ヤムチャ「う、うおっ……! ダ、ダンっ……!」ドスッ

バルログ「……ぐえっ!」バターンッ

ヤムチャ(うおっ……! 何だ何だ……そのまま、流れるような動きで起き上がってきた……! いや、最初にそう言ってたけどね……?)

バルログ「……まだまだぁっ!」シュタッ

ヤムチャ「う、うおっ……! せやあっ!」ドスッ

バルログ「……ぐええええぇぇっ!」バターンッ




159: 名無しさん 2015/05/31(日) 23:12:42 ID:lcY3c1yE

サガット「少しは形になったかな……? だが、これじゃあ、まだまだだ……」

バイソン「ただ、バルログの起き上がりに合わせて、ヤムチャ君が前蹴り繰り返してるだけだからな……」

バルログ「まぁ、一例ですよ……こういう方法もあると、いう事です……」ムクッ

ヤムチャ「ちょっと、バルログさんのやられっぷりに圧倒されてましたよ……これじゃあ、技をしてるのはバルログさんみたいです」

バルログ「一回のジャンプ中に三発蹴りを出すのは難しいですが……今のだったら、私がダウンして、起き上がるまでのタイムラグに……着地して、もう一度、飛び上がるだけの準備の時間が生まれます……」

ヤムチャ「あぁ、確かに……」

バルログ「ステップのような、ジャンプキックを仕掛けつつ……相手を押し込んでいく……なんて方法も出来るんじゃないですかねぇ? 勿論、私はそれに合わせて、後退しつつ起き上がりますよ?」

サガット「上手くいけば、フィニッシュはロープ際で……なんて、感じにも出来るな……」

ヤムチャ「そうか、一人で当てる事ばかり考えてたな……バルログさんがそういう動きしてくれるのなら……別に蹴りは、分けちまってもいいのか……短時間で仕掛けないといけねぇのには、変わりはねぇけど……」




160: 名無しさん 2015/05/31(日) 23:23:44 ID:lcY3c1yE

ヤムチャ「って事は、格好いいステップジャンプキックを考えて……ステップジャンプキック三連発が、断空脚に……う〜ん……」

バルログ「どうですかね……? 私の発想で膨らましていくなら、こんな感じになりますけど……何か、不満点でも……」

ヤムチャ「いやぁ、え〜っとね……不満ってワケじゃないんですけど……」

サガット「言いたい事があるなら、言えばいい。遠慮する必要なんてない。俺達の仲だろう?」

ヤムチャ「不満じゃないんですよ……不満じゃないですよ……? ただ、これって……なんか、バルログさんの起き上がりの方が……格好良く見えません……?」

サガット「ハハハ、案外いい線をついてるかもしれないなぁ?」

バイソン「それ、越えるだけの格好いいステップジャンプキックをしたらいいんじゃねぇかよ!」

ヤムチャ「いや〜、半端な技にしちまったら……ダンさんに反則負けにされちまいますからねぇ……コレは俺の新技……ってだけじゃありませんからね? もうちょっと、格好よくする事が出来ると思うんですよ、コレ……」

バルログ「……お役に立てなくて、申しワケありませんね」

ヤムチャ「いえいえ、そんな事ありません……大ヒントになったような気がしますよ! 相手の動きをコントロールする……コレは、使えます!」




162: 名無しさん 2015/05/31(日) 23:34:36 ID:lcY3c1yE

ヤムチャ「だから、これって……今のバルログさんは、ダウンしてすぐ起き上がるって感じでしたけど……逆に、ダウンせずに蹲る……みたいな事もありですよね?」

サガット「あぁ、アリだ」

ヤムチャ「俺に蹴られた反動で……よろけてロープに行って……その反動で、返ってくる……ってのも、アリ?」

バルログ「勿論ありです」

ヤムチャ「ダウンして、そのまま場外に転がり落ちて……でも、すぐに起き上がって、その場で俺の攻撃受けるのを待つ……なんてのも、勿論……」

バイソン「アリだ! アリアリっ! 何でもアリだ!」

ヤムチャ「これねぇ……いけます……! 多分、いけます……!」

サガット「……おっ?」

ヤムチャ「これだけ、相手が俺の為に協力してくれるんでしょ? だったら、絶対いけますよっ! そうか、技ってのは自分の一人でやるもんじゃねぇんだな……不思議なもんで、技喰らう方との協力があったりするんだなぁ……」

バルログ「そういった物が……プロレスです……」

ヤムチャ「ちょっと、俺も柔軟な発想力が身についてきたんじゃねぇか、おい……よしよし、ダンさん待ってて下さいよ……! 俺が『断空脚』……日の目見させてやりますよ、オイっ!」




185: 名無しさん 2015/06/01(月) 22:02:10 ID:wbAq92QQ

そしてーー


ヤムチャ「よ、よしっ……こんな物で、どうだっ……!?」

バイソン「おうっ! いい感じに決まってるじゃねぇかっ!」

バルログ「えぇ、これならきっと……ダンさんも喜んでくれます」

ヤムチャ「よ、よしっ……!」

サガット「安心するのはまだ早いぞ、ヤムチャ君? 本番で披露して……場内のハートを掴む必要がある……こういう真技は、初回のインパクトが重要だ」

ヤムチャ「出すタイミングと……そこに持っていくまでの、試合の持っていきかた……ですね……?」

サガット「そうだ。今日の試合……期待してるぞ……?」

ヤムチャ「うっすっ!」


プーアル「皆さ〜ん! ザンギエフさんから、今日の予定試合表、貰ってきましたよ〜!」

ケン「よ〜、今日も来てやったぞ……茶出せ……茶……」

ヤムチャ「おっ、プーアルが来たみたいだな……それに、ケンさんも……おはようございますっ!」

サガット「プーアル君、いつもありがとうな。それに、ケンも……打ち合わせに来てくれてありがとう……」




186: 名無しさん 2015/06/01(月) 22:11:15 ID:wbAq92QQ

ケン「お前に、礼を言われたら言われたで気持ち悪ぃなぁ……」

サガット「打ち合わせに来るのは当然の事……なんて、言ってたら文句を言っているだろう……? だから、変えてみたんだ……」

ケン「おめぇは極端なんだよ。『おう』ぐらいで済ましておけ。それで……お前ら、何やってんだ……?」

ヤムチャ「ちょっと、新技開発してました」

ケン「はぁ、リュウだけじゃなくておめぇもか……? 朝から頑張るねぇ……」

バイソン「おめぇも見習え、この野郎っ!」

ケン「そこは、俺も否定出来ないね……俺も新技作ろうかね……? これからは俺もメインに抜擢されていくのかな……? よくわかんねぇけど……」

バルログ「前のメインは良かったですよ。ところでリュウ君は……?」

ケン「多分、もうちょっと後で来ると思う……とりあえず、試合表確認しろよ……? プーアル君に毎回雑用やらせてるんじゃねぇ、試合表ぐらい自分で取りに行け!」

プーアル「まぁまぁ、これがマネージャーの僕の仕事です」


ヤムチャ「よしっ、それじゃあ試合表を確認するか……さぁ、今日の内容はっと……」




187: 名無しさん 2015/06/01(月) 22:23:09 ID:wbAq92QQ

本日の予定試合


第一試合(10分決着)
× ダルシム ー ディージェイ ◯

第二試合(15分決着)
◯ コーディ ー ガイ ×
E.本田 ブランカ

第三試合(15分決着)
× ローズ ー さくら◯

第四試合(20分決着)
◯ ナッシュ ー T.ホーク ×
ガイル フェイロン

第五試合(20分決着)
◯ ヤムチャ バイソン ×
ケン ー バルログ
リュウ サガット

第六試合(25分決着)
◯ ベガ ー ザンギエフ ×




191: 名無しさん 2015/06/01(月) 22:33:22 ID:wbAq92QQ

ヤムチャ「え〜っと、今日の試合は……う、うおっ……!」

ケン「なぁ、ヤムチャ……? お前、最後に勝ったのって、いつだったっけ……?」

ヤムチャ「今日、俺が決めるのか……え〜っと、最後に勝ったのは、この前の三人の時でしたね……ほら、サガットさんがいなくて、ベガさんとバルログさんとバイソンさんの三人の時……」

ケン「あの試合は、決めたのはリュウだろ……? 違うよ、お前自身が決めて……勝った試合って意味だよ……」

ヤムチャ「俺自身が決めたってなると……え〜っと、最後はいつだ……? いつだったけなぁ……負けは、一昨日……一つ前の試合なんですけどね……?」

ケン「……負けはいいよ」

ヤムチャ「おい、プーアル……いつだったっけ……? 俺が最後に勝ったのって……」

プーアル「最後にヤムチャ様が勝ったのは、ディージェイさんとの試合ですね!」

ヤムチャ「あ〜、最後はアレになるのか……なんだか、随分前の事に感じちまうな……」

ケン「そうだよなぁ? あの第二試合の派手なヤツだったよなぁ……? うんうん、そうそう……」




194: 名無しさん 2015/06/01(月) 22:39:47 ID:wbAq92QQ

ケン「って事は……こっちで勝つのは、初めてだよな……?」

ヤムチャ「そうなりますね。第五試合では、初めてです」

ケン「よかったじゃねぇか。まぁ、頑張れよ」

サガット「これは……本格的に、俺達の抗争にヤムチャ君を加えていこうという考えなのかな……?」

ケン「案外、テストの可能性もあるんだよ……そこは、何とも言えん……ただ、どっちにしろ結果を残せば……次に繋がるだろう……」

サガット「……そうだな」

バイソン「前の試合は良かったからな! やっぱり、見る所はちゃんと見てくれてるんだって。ヤムチャ君、今日結果を残して……これから、バンバン俺とやり合っていこうぜ、三番手同士な……?」

ヤムチャ「そうですね……昨日の負けの借りをバイソンさんに返して……そしたら、またバイソンさんが借りを返しに来て……第五試合安泰だ……って、ん……? アレ……?」

バイソン「ん……?どうした、ヤムチャ君……?」




196: 名無しさん 2015/06/01(月) 22:47:03 ID:wbAq92QQ

ヤムチャ「ねぇねぇ、サガットさんサガットさん……?」

サガット「おう、どうしたヤムチャ君……?」

ヤムチャ「……ディージェイの野郎が、第一試合に落ちてます」

ケン「自業自得だ……自業自得……」

ヤムチャ「えっ……? ケンさん、言い方冷たくないっすか……?」

ケン「おめぇがお人好しすぎるんだよ。第一、お前は他人の事に構ってる場合か。自分の事やれ、自分の事をよぉ……」

ヤムチャ「まぁそりゃ、ごもっともですけど……」

ケン「ガイとコーディだって、育ってるんだから……お前、ウカウカしてたら、第二試合に戻る事になるぞ……? わかってんのか……?」

ヤムチャ「でも、ホラ……? 俺、今日勝ちですし……なんだかんだで、評価されてませんか……? 第五試合の地盤固まってきてませんか……?」

ケン「……おめぇは、すぐ調子に乗るんだな?」

サガット「脅すワケではないが……それも、案外わからんぞヤムチャ君……?」




197: 名無しさん 2015/06/01(月) 22:57:19 ID:wbAq92QQ

サガット「今日のコーディ君と、ガイ君の試合は……まぁ、タッグマッチの経験を積ませてあげようという事だろうな……本田さんと、ジミーさんは、何かあった時の為のフォローだ」

ヤムチャ「そうですね……ブランカさんは、なんだかんだで、いざって時に頼りになります」

サガット「今日、ディージェイ君が第二試合から、第一試合にいったのは……若手二人を纏めるだけの能力がない……という事だからだろう……流石に、若手二人とディージェイ君の面倒を試合中、全部こなさなきゃいけないなんて……」

バイソン「……俺がジミーさんの立場だったら、キレるな。暴れる暴れる」

バルログ「私も、私も」

サガット「タッグマッチというのは、選手が四人必要な試合だ……コーディ君とガイ君を育てたいのなら、残り二人……誰かを選ばないといけないな……現状なら、ジミーさん・ダルシムさん・本田さん・そしてディージェイ君の四人だ」

ヤムチャ「でも、ディージェイは使えないんでしょ……? フォローする人間の負担が大きくなるから……」

サガット「そうだ。実質三人だ……」




198: 名無しさん 2015/06/01(月) 23:07:26 ID:wbAq92QQ

ケン「……結構、お前その四人目のポジションにハマるぞ?」

ヤムチャ「えっ……!?」

ケン「一回、第二試合に落ちた時もそうだっただろ……ちょっと、修行の為にベテランの方々と戦ってきますって……そんな感じで落ちただろ……? まぁ、ありゃ当然の事だと思うけどね」

ヤムチャ「いやぁ、あの時は迷惑かけました……申し訳ありません……」

ケン「ガイやコーディにだって都合があるんだ……格上のちょっと手頃な相手に負け覚悟で挑んでみる……なんて、試合があってもおかしくねぇ……」

サガット「本来なら、ディージェイ君をぶつけるのが、いいのだろうが……少しディージェイ君をぶつけるのは、危険な所もあるからな……」

ヤムチャ「そうなってくると……そこに選ばれるのは……」

ケン「なんだかんだで、お前だって若手なんだよ。この位置でやってるが……経験って意味では行ってもおかしくねぇよ。そこで、もしも『ガイとヤムチャの試合が面白いな』なんて、思われてみろよ? どうなるよ?」

ヤムチャ「……ガイ君が、シャドルー入隊って事ですね?」

ケン「……バカか、お前は」

ヤムチャ「ア、アハハ……俺が、第二試合にお呼ばれする回数が増えるって事ですね……?」




199: 名無しさん 2015/06/01(月) 23:13:24 ID:wbAq92QQ

ヤムチャ「なんだよ……折角、第五試合に戻って地盤も固まって来たのに……ディージェイのヤツがしっかりしねぇから……も〜う……」

ケン「固まりきってねぇから、そうなるんだよ。今日、勝ちなんだろ……? だったら、もう今日で完全に固めちまえ。 塗装しろ、塗装! コンクリで!」

ヤムチャ「なぁ〜んか、サガットさんとケンさんの脅し……効きましたよ……最近、上手くいってきたと思ってましたが……まだまだ、安泰じゃなかったんですねぇ、俺……」

サガット「いやぁ、すまんすまん……少し、脅しすぎたようだ……」

プーアル「大丈夫ですよ! ヤムチャ様には、これくらいキツい事言っておいた方がいいんですからっ!」

ヤムチャ「も〜う、プーアルまで……皆して、酷いよ……」

ケン「お前は、ナイーブな奴だなっ! 褒めたら、図に乗って……脅したらヘコむ……どうしたら、いいんだよ?」

ヤムチャ「いや、俺が頑張れば済むだけの話です。大丈夫です、大丈夫……今日、頑張りますよ……」

サガット「脅しただけだから、大丈夫だよ、ヤムチャ君。こういう事は、誰にだって付き物だ……俺にだって、ある……ケンにも、バルログにも、バイソンにもあるよ……」

バイソン「それに、コーディ達の相手の候補はヤムチャ君だけじゃねぇからな……ホラ、言っちゃ悪いがタッグのロレント・ソドム組は、パッとしねぇし……」

バルログ「今日で防衛記録は途切れますが……最近、ホーク君とフェイロン君が勢いづいてるだけに、そう感じる部分もあるかもしれませんねぇ……それに、ソドムさんは最近まで第二試合でやってましたしね……」




204: 名無しさん 2015/06/01(月) 23:21:12 ID:wbAq92QQ

ヤムチャ「候補は……俺と、ロレントさんと、ソドムさんか……他には、誰かいませんか……誰か……ねぇねぇ……?」

ケン「……しつけぇよ、バカ」

サガット「とにかく……ディージェイ君の心配より、自分の心配だ……今日の試合で、これ以上ないチャンスが来たんだ……完全に地盤を固めてしまおう……」

ヤムチャ「まっ、腹くくりますかっ! それしかないみたいですからね!」

ケン「さぁ、どうする……? 今日のプランは……? おめぇも切羽詰まってるみたいだし、多少は大目に見てやるよ……」

ヤムチャ「俺が勝つだなんて、数少ないチャンスだから、とにかく……第五試合で再び俺の試合を見たい……なんて思われるような、格好良い所を見せたいってのは、あります……」

ケン「……うん、そうだな」

ヤムチャ「だけど、そこばかりで……ケンさんと、リュウさんに格好いい所が一切ない……そうなるのが、一番駄目なパターンですよね……?」

ケン「おめぇはわかんねぇ奴だな……!? さっき、切羽詰まって必死だったじゃねぇかっ! なんで、そんなに冷静なんだよ!?」ゲラゲラ

ヤムチャ「性格的なもんでしょうね、多分……」

サガット「兄弟子想いなんだよ。いい事じゃないか」




206: 名無しさん 2015/06/01(月) 23:31:33 ID:wbAq92QQ

ヤムチャ「でもねぇ……? 俺、なんだかんだで、今日は自信ありますよ……?」

ケン「……なんでだ?」

ヤムチャ「新技作ったんですよ、新技……だから、それを格好良く披露して……それで、俺が勝つ……そうすれば、結構いけると思うんですよねぇ……?」

ケン「どんな技か……わかんねぇが……あまり、自惚れすぎんなよ……?」

ヤムチャ「だから……今日の試合は、足引っ張る回数を少なくしてみたいですね……やっぱり、いい部分はあったけど、役に立たない部分が多すぎてプラマイ零ってのは、嫌ですからね……」

ケン「うん、それでどうするの……?」

ヤムチャ「今日は、俺達の勝ちですし……空手軍団、三人の息がピッタリあってたから、勝利に繋がった……そういう感じにしたいです……」

ケン「まぁ、そういう事なら、リュウも……俺も……見せ場を作りやすいかもしれないね……」

ヤムチャ「皆で仲良くやりたいです! 皆で!」




207: 名無しさん 2015/06/01(月) 23:36:41 ID:wbAq92QQ

リュウ「……遅れたな、すまない」

プーアル「あっ、リュウさん、おはようございますっ!」

ヤムチャ「おはようございますっ!」

サガット(今日は、リュウも来たか……)

リュウ「今日は、ヤムチャが勝ちみたいだな……それで、もう始まってるのか……?」

ケン「いんや、今始まったばかりだ……な〜んにも、決まっちゃいねぇよ……」

リュウ「そうか。それじゃあ、今日はどうするかな……?」

ケン「……おい、リュウ。俺は、思うんだけどよぉ?」

リュウ「……どうした?」

ケン「ここらで、新しい空手軍団ってのを……ビシッと見せてみないか……?」

リュウ「……新しい?」




208: 名無しさん 2015/06/01(月) 23:42:05 ID:wbAq92QQ

ケン「俺とお前のコンビネーションは……まぁ、阿吽の呼吸でピッタリじゃん? 空手軍団ってのは、最高のチームだよ」

リュウ「そうだな」

ケン「だけど、こいつはそうでもねぇじゃん……ポッと出で、ここに飛び込んで来て……それで、俺達のチームに加わったワケじゃん……?」

リュウ「……」

ケン「……もういいだろ? こいつも、結構出来るように、なってきただろ? そろそろコイツ加えてさぁ? ニューバージョンの空手軍団、作り出してみねぇか?」

リュウ「おいおい……いきなり、どうしたんだよ……?」

ケン「いや、今ね……ガイとコーディの奴が、上がってきてるから……コイツがまた、第二試合に行っちまうんじゃねぇかって、話をしてたんだよ……なっ……?」

ヤムチャ「あっ、はい……そうっす……」

ケン「それで……コイツの勝ちだなんて、なかなか来ねぇだろ……? だから、今日は、それキッカケに違った試みしてもいいんじゃねぇかって、思ったワケだな……うん……」




209: 名無しさん 2015/06/01(月) 23:49:43 ID:wbAq92QQ

リュウ「……今日は、ヤムチャが主役になるって事か?」

ヤムチャ「いやいや、主役なんて……滅相もない……滅相もございません……!」

リュウ「あぁ……? お前ら、言ってる事違わねぇか……?」

ケン「いやぁ……だから、なんつうか……その、う〜ん……」

リュウ「……ハッキリしないなぁ」

ケン「汚れをさ……コイツに押し付けるの……もうやめね……?」

リュウ「……」

ケン「俺も、お前も……二人で、協力しあってさ……? かばい合ってさ……? ここまで、来たじゃん……? コイツみたいに、一晩で……って、ワケじゃなくて……年月はかけたけどな……?」

リュウ「……あぁ」

ケン「そこに、コイツを加えたら……俺も、お前も……そして、コイツも……もっと高みに行ける……そう思うんだよ……現に俺は、先日メインだったよ……ちょっとだけ、上がれた……」

リュウ「……」

ケン「今日は、お前と……俺と……そして、コイツの三人で新しい空手軍団……コイツの勝利は、そのお披露目……そういう感じにしてみねぇかな……? どうかな……?」




247: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:00:20 ID:napt3fFY

ヤムチャ「……ケンさん」

サガット「……ケン」

ケン「空手軍団の頭は、リュウ……お前だ……だから、決定権はお前にある……お前が嫌なら、この話は流れだ……」

リュウ「……」

ケン「どうする……? 決めてくれ……」

リュウ「……正直なところ」

ケン「……あぁ」

リュウ「現状のまま、満足しているようでは、ダメだ……俺も、そう感じていた……何か変えていかなきゃいけない……何か変えていけないってな……」




248: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:05:20 ID:napt3fFY

リュウ「コイツが入団してきてから、数試合……一緒にやって、自分にはまだまだ足りないものがある……そう気づいたよ……」

サガット「……」

リュウ「このままじゃ、高みには行けない……ザンギエフやベガを超える事は出来ない……何か、変えていかなければいけない……」

ケン「……うん」

リュウ「新しい、空手軍団……作ろうか……? なっ、ヤムチャ?」

ヤムチャ「は、はいっ……!」

リュウ「今日はそういう試合にしよう。キャリアなんて、小さな事に拘っていちゃ……いい試合は作れねぇ……ようやく、気づいたよ……」

ケン「あぁっ!」

リュウ「サガット、バルログ、バイソン……悪いが、協力してくれ……」

サガット「……構わんよ。今日は徹底的にやるがいい」

リュウ「よしっ……! じゃあ、打ち合わせ始めようか!」




249: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:10:34 ID:napt3fFY

そしてーー


ヤムチャ「そろそろ、決着かな……? 次は、俺達の出番ですね……?」

ケン「今日は、とことんやっちまえ。ザンギエフやベガの試合を喰っちまっても許してやるよ。本当の敵は、リングにはいねぇ、あの二人だ……」

ヤムチャ「……第六試合より、第五試合の方が派手でいいんですか?」

ケン「だから、細かい事を気にしてんじゃねぇっての……! いいんだよ、今日は特別だよ、特別……今日、見せなきゃお前の勝ちなんて、次いつ来るかわかんねぇぞ……?」

ヤムチャ「そ、そうっすよね……! まぁ、今日はガッチリ打ち合わせもしたんだし……その通りに……」

リュウ「……打ち合わせだけが、全てじゃない。臨機応変に対応しよう」

ヤムチャ「……ん?」

リュウ「会場の空気次第では……何か、アドリブ……展開を変えたりしていく事だってあるさ……」

ヤムチャ「会場の反応は……実際やってみるまで、わかんねぇからなぁ……そこはちょっと怖いですねぇ……」

リュウ「三人いりゃ、なんとかなるさ……いや、六人だな……」

ケン「とにかく、今日の試合の中で……俺達の試合が一番だって思われるような、インパクトを残そう……フォローは任せておけ……お前は、とにかく自分に出来る限りの事をしろ」

ヤムチャ「う、うっすっ……! インパクトっすね……!」




251: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:15:37 ID:napt3fFY

ーーー


ガイル「ヘイっ……! ヘイっ……! カモンっ……!」バシバシ

ホーク「うっ……! ぐっ……! ぐあぁっ……!」


実況「さぁ、ガイルが打ち込む打ち込む打ち込むっ! 独特の拳を前に突き出し、多少腰を引いたフォームから打ち出していくベア・ナックルっ!」

元「ラッシュ仕掛けてますね!」

実況「どうやらここで、一気にスパートを掛けてきたようだっ! ホークはもうフラフラだぁ! どうだっ! 決めるかっ!」


ガイル「……寝てなっ!」クルッ

ホーク「くっ、くそっ……!」


実況「おっと、そしてそのまま身体をクルッと回転させての……!」


ガイル「……うおおおぉぉっ!」ゴスッ

ホーク「……ぐわあああぁぁ!」


実況「裏拳をぶち当てていったぁ! 鈍い音が鳴り響くっ! コイツは効いたかっ!?」




252: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:20:28 ID:napt3fFY

ガイル「ヘイ、ナッシュっ……! 同時にいくぞっ!」

ナッシュ「……OK!」


実況「おっと、そしてここでガイルはナッシュに一声掛けて……」


ガイル「……フィニュッシュだっ! フンっ!」シュルッ

ホーク「……う、うおっ!」


実況「そのまま、正面からフラついたホークに、飛びつくように組みかかっていったぁ! そして、ホークの腕を取り……自身の足を首に引っ掛け……三角締めだぁっ! 飛びついての三角締めっ!」

元「……ここで決めにきたねっ!」


ナッシュ「……君の動きも止める。はぁっ!」シュルッ

フェイロン「くっ、ホークっ……! くそぉぉっ……!」


実況「おっと、ナッシュも同じように、フェイロンへと飛びついての三角締めっ! フェイロンの動きを止めていくっ!」

元「二人同時に仕掛けてきましたね。タイミングバッチリです」




253: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:25:59 ID:napt3fFY

ワー! ワーワー!

実況「流石は、元・王者組っ! ここで息のあった攻撃を見せていきますっ! さぁさぁ、どうだっ! ここで決めるのかっ!?」


ガイル「……ギブアップしちまいなっ!」ググッ

ダン「おいっ、どうする、ホークっ!? ギブアップか? ギブアップするのか……!?」

ホーク「折角、フェイロンとここまで来たんだ……防衛し続けてきたんだ……負けんっ……! 負けんっ……!」


実況「さぁ、ホークは前のめりの体勢になりながら……ガイルに締め付けられているっ! コイツは苦しいっ……! コイツは苦しいぞっ!」

元「いやぁ、でも現王者組の意地を見せてるね……しっかりきまってるけど……ホーク君、頑張ってますよっ!」




254: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:30:40 ID:napt3fFY

ホーク「う、うおおぉぉっ……! 負けんぞおおおぉぉっ………!」ググッ

ガイル「……何っ!?」


オー! オーオー!

実況「おっと、ホークはそのまま締め付けられながらも……ガイルの身体を持ち上げようとしているのでしょうか!? 力を振り絞りますっ!」

元「強引に返そうって魂胆か……確かにパワーはあるからね……」

実況「さぁ、どうだっ……!? ホークも返す事が出来るか!? 現王者の底力を見せる事が出来るか!?」


ホーク「必ず……勝つっ……! う、うおおおぉぉっ……!」

ガイル「熱い男は嫌いじゃない……だが、もうお終いだ……うおおおぉぉっ……!」ググッ

ホーク「……ぐわあああぁぁっ!」


実況「おっと、だがここでガイルの渾身の力で、ホークを腕を引き延ばしにかかったぁ! ホークの身体から、ガックリと力が抜けてしまったぞ!? どうだっ!?」




255: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:35:39 ID:napt3fFY

ワー! ワーワー!

ダン「ホーク、どうすんだっ!? ギブアップすんのか、あぁ!?」

ホーク「く、くそぉ……今ここで、腕を失ったら……元も子もない……悔しいが……ギブアップだっ……!」

ガイル「……懸命な判断だな。よしっ!」

ダン「ギブアップだっ! ギブアップっ! ゴング鳴らせ、ゴングをよぉ!」


カンカンカーン


実況「お〜っと、ここで試合は決着っ! 試合は決着ですっ! ホークが……最後に意地を見せましたが……結果は無念っ! ギブアップですっ!」

元「う〜ん……ここで、防衛記録が途切れちゃったか……惜しかったっ!」

実況「この瞬間……王者が移動しますっ! 新チャンピオンは、ガイル・ナッシュ組! ガイル・ナッシュ組でありますっ! ベルトの奪還に成功しましたっ!」




256: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:41:15 ID:napt3fFY

ナッシュ「強くなったね……? また、戦おう……明日にでも、戦いたい気分だ……」

フェイロン「……それは、こっちも同じです」

ガイル「結局、今日の試合、まともに投げられなかった……こんなもんじゃいかねぇ。次は必ずぶん投げてやる。また来な……」

ホーク「今日の結果は、悔しいが……そういった言葉が貰えるのはありがたいよ……必ずまた来る……次もいいファイトをしよう……」


実況「お〜っと、そしてリング上で……両軍の選手が、言葉を交わしているようですっ! これは、互いの検討を讃える……と言っても、いいのでしょうかね、元さん?」

元「そうだね。本当にどっちが勝つか、わからないような試合だったからね……ホーク君とフェイロン君が、ここまでガイル君とナッシュ君を追い詰めるとは思わなかった……」

実況「そうですねぇ!? 今日の試合……何度も、何度も惜しい場面はありましたっ!」

元「やっぱり、来てるね? ホーク君とフェイロン君は……今、勢いが凄いよ」




257: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:45:42 ID:napt3fFY

プーアル「どうやら、終わったみたいですね。ヤムチャ様! ガイルさんが関節技で決めましたよ! しかも、ナッシュさんと同時にです!」

ヤムチャ「同時に関節技か……俺も、ああいう事やっていかなきゃいけないんですかねぇ、ケンさん……?」

ケン「……そもそも、おめぇ関節技、何使えるんだ?」

ヤムチャ「あっ、そういや結局教わってねぇや……今の所あるのは、コブラツイストだけですね……」

ケン「……同時に、コブラツイスト掛けて盛り上がるのかよ?」

ヤムチャ「また、サガットさんに習っておきますよ! また、新技覚えます、新技っ!」

ケン「……お前は、ポンカラポンカラ覚えるんだな?」

リュウ「はは、元が少ないからな……」

ヤムチャ「そうっす……元が少ないんですよ……でも、増えて来ましたよ……? 両指使って、数え切れないぐらいは、今俺技持ってるんじゃないですかねぇ……?」

ケン「……じゃあ、次は足の指だな」


プーアル「……ねぇねぇ、ヤムチャ様、ヤムチャ様?」

ヤムチャ「んっ……? どうした、プーアル……?」

プーアル「リング見て下さい……リング……試合、まだ終わってないです……そんな気がします……」

ヤムチャ「何言ってだよ……ホークさんがギブアップしたじゃねぇか……どれどれっと……」




259: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:51:03 ID:napt3fFY

実況「コイツは、ガイル・ナッシュ組も……かなりの脅威な存在に……んっ……?」

元「……どうしたの?」

実況「元さん、元さん……花道から、何者かがやってきてますよ……!?」

元「どれどれ……? あっ……!」


ロレント「……ソドム、奴らに軍の規律を叩き込む。行くぞっ!」ダダッ

ソドム「HAHAHA ! Yes. My master ! 」ダダッ


実況「ロレントですっ! 花道から、ロレントがやって来ましたっ! ソドムもいます!」

元「ロレント君……あれ、手に何持ってるの……?」

実況「ロレントは何やら、棒っきれのような物を手にしておりますっ! おいおい、何する気だ……何する気なんだ……?」




260: 名無しさん 2015/06/02(火) 22:55:37 ID:napt3fFY

ザワ……ザワ……

ロレント「さぁ、いくぞ! ソドムっ!」

ソドム「HAHAHA ! 」


実況「そして、ロレントとソドムが……リングインして……これは挑戦表明をするのかっ!? いや、そんな雰囲気ではないぞっ……!?」


ロレント「……ベルト奪還おめでとう、ガイル二等兵っ!」ググッ

ガイル「……んっ?」

ロレント「しかし、試合内容は……よろしくない……! カツを入れてやろうっ! フンっ……!」ブンッ

ガイル「えっ……!? う、うおおっ……!」


実況「ロレントは、そのまま……手に持った棒っきれで、ガイルの顔面へとフルスイングをかましていったぁ!」




261: 名無しさん 2015/06/02(火) 23:00:32 ID:napt3fFY

ガイル「ガッ……ぐわあああぁぁ……」バターンッ


ザワ……ザワ……

実況「顔面を撃ち抜かれたガイルは、倒れこみますっ! 大きく倒れこみますっ! なんだ、なんだ……!? 何が、起きているんだっ!?」


ダン「な、何やってるんだよ……お前……!?」

ロレント「ダン中尉……マイクを寄越せ……頂くぞ……」バシッ

ダン「あっ、コラ! おめぇ……!」


実況「おっと、そして……ロレントは、ひったくるようにマイクを奪ったっ!」

元「……何か、言うんだろうね!?」


ロレント「軍の規則、その一ィィィィっ! 不甲斐ない試合を、行った者は……制裁されるゥゥゥゥっ!」




263: 名無しさん 2015/06/02(火) 23:05:44 ID:napt3fFY

ザワ……ザワ……

実況「なんだなんだ……? 何を言ってるんだ、ロレントは……?」

元「制裁だって……制裁……?」

実況「制裁……!? どうして、彼がまたそんな事を……」

元「いやぁ、僕に聞かれても、わかんないよ……」


ソドム「HAHAHA ! SEI-SAI ! SEI-SAI ! 」ググッ

ホーク「……ううっ、なんだなんだっ!?」


実況「おっと、そしてソドムも……ホークの身体を引き起こしていくっ! コイツも何か、しでかそうというのか!?」

元「……そんな気がする」




265: 名無しさん 2015/06/02(火) 23:10:31 ID:napt3fFY

ソドム「HAHAHA ! HAHAHA ! 」グイッ

ホーク「な、なんだコイツ……!? 何をする気だっ……!?」


実況「そして、ソドムは、ホークの頭部を股下に押し込んで……パワーボムの体勢っ! パワーボムの体勢だっ!」


ソドム「Fuuuuuuuuuuu !」ググッ

ホーク「なんだとっ……!? この俺をっ……!?」


ザワ……ザワ……

実況「おぉ〜っと! そして、なんとソドムは巨体のホークを……いとも容易く頭上まで持ち上げていくっ! なんだコイツは!? なんだコイツは!?」


ソドム「Go to heeeeeeeeell ! 」ズドーンッ

ホーク「……ぐわあああぁぁ!」


実況「そして、ホークをマットへと、激しく叩きつけたぁっ! 巨体ホーク相手に高角度のパワーボムを仕掛けていったぁ!」




267: 名無しさん 2015/06/02(火) 23:16:17 ID:napt3fFY

ナッシュ「な、何をやってるんだ、お前らっ……!」

ロレント「おぉ〜っと、規則には従ってもらうぞ……ナッシュ二等兵っ……!」

ナッシュ「……んっ?」

ロレント「うおおおぉぉっ……! フンっ……!」バキィ

ナッシュ「……うぐああぁぁっ!」バターンッ


実況「ロレントは、棒っきれでナッシュの顔面をもフルスイングっ! ナッシュをなぎ倒していきますっ!」


ロレント「お前もだっ……! フェイロン軍曹っ……!」バキッ

フェイロン「……うぐああぁぁっ!」バターンッ


実況「そして、続けざまにフェイロンへも仕掛けていったぁ! なんだなんだ、リング上が滅茶苦茶だっ! 滅茶苦茶だぞ、おいっ!」




281: 名無しさん 2015/06/03(水) 22:01:46 ID:JeBvV8UY

ロレント「ヒャーッハッハッ! 軟弱、軟弱ゥ! どいつもこいつも……鍛え方が足らんぞっ!」


ガイル「……うっ、くっ」

ナッシュ「……ううっ」

フェイロン「あぁっ……くそっ……」


実況「あっと言う間ですっ! あっ言う間に、ロレントが乱入してきて、手にした棒っきれで、三人をなぎ倒しましたっ!」

元「それに、ソドム君も……」


ホーク「ううっ……く、くそっ……」

ソドム「HAHAHAHA ! I'm strong. 」


実況「おぉ〜っと、そうでした。ソドムも……豪快に、ホークをマットへと叩きつけたっ! これは、リングはどうなってしまうんでしょうかねぇ……?」

元「どうなるんだろ……ねぇ……?」

実況「……おっと、ここでソドムがリング上から、場外へと降りるっ! リング上には、ロレントのみっ! マイクを手にしたぞっ!? また何か、言い出すのか!?」




282: 名無しさん 2015/06/03(水) 22:09:56 ID:JeBvV8UY

ロレント「軍の規則、その二ィィィィっ! 制裁を受けた者が、ベルトの保有者だった場合ィィィィっ!」


実況「おっと、ここでロレントが再びマイクで叫んだっ!」

元「軍の規則だって。軍の規則……」

実況「軍の規則……? 何を言ってるんだ、ロレントはっ!」


ロレント「そのベルトは剥奪されるゥゥゥゥっ!」


ザワ……ザワ……

実況「ロレントが、何やらワケのわからない事を言っておりますっ? 軍の規則……? 剥奪……? なんだなんだ、何を言っているんだ、コイツは!?」




283: 名無しさん 2015/06/03(水) 22:14:54 ID:JeBvV8UY

ソドム「HAHAHA ! HAKU-DATSU ! HAKU-DATSU ! 」ノッソノッソ


実況「コイツは、少々状況を整理する時間がありそう……うおおっ! なんだなんだっ!? ソドムが来たぞっ!? 我々の放送席の元に、ソドムがやって来ましたっ!」

元「……何考えるんだろうね」

実況「元さん、怖いっ……! 助けてっ! 私を守って下さいっ!」

元「まぁまぁ、とにかく落ち着きなよ……」


ソドム「HAHAHA ! HAHAHA ! 」グイッ

実況「おっと、そしてソドムは我々の本部席にあるベルトを奪い取ろうとしていますっ! ダメだぞ、ソレはっ! まだ、贈呈式も終わってないんだから! この泥棒っ! その手を離せっ!」

ソドム「Shut up !!」

実況「ヒィィっ……! ハ、ハイっ……!」

元「……君も簡単に引かないの」




284: 名無しさん 2015/06/03(水) 22:20:10 ID:JeBvV8UY

ロレント「ソドムっ! 何をしているっ! 早くベルトを持って来いっ!」


ザワ……ザワ……


ソドム「HAHAHA ! HAKU-DATSU ! HAKU-DATSU ! 」グイグイ

元「こらこら、ソドム君……落ち着きなって……これは、君の物じゃないから……君にそんな権限はないから……」

実況「あぁっ、情けないっ……! 自分が情けないっ……! 今、私の代わりに元さんが制止して下さっていますっ……! しかし、私は妻も子もある身……これも致し方ない事っ……! どうか、許して下さいっ……!」

ソドム「HAHAHA ! NIP ON DIE SKI ! (訳:嫌いじゃねぇよアンタ!) But……」

元「ほらほら……いい加減にしなさいってソドム君……」

実況「さぁ、元さんっ! 私の代わりに頑張ってくれっ! 私は背一杯応援しますっ! フレフレ元さん! フレフレ元さんっ!」




285: 名無しさん 2015/06/03(水) 22:25:16 ID:JeBvV8UY

ソドム「……Elderly stay.」ニヤニヤ

元「あぁ……?」ガタッ

実況「おぉ〜っと! 突然、元さんが立ち上がりましたっ! 元さん、どうなされましたか!? 落ち着きましょうっ!」

元「おい……誰に向かって口利いてるんだ、この野郎……? 若僧が舐めてんじゃねぇぞ、コラ……?」

ソドム「HAHAHA ! Elderly live long ! 」ググッ

実況「あっ……! しまったっ! ソドムにベルトを取られたっ! やめろ、この泥棒っ……!」

元「自惚れてんじゃねぇぞ、糞ガキ……ちったぁ、身の程考えろ……えぇっ!?」

実況「元さんも何やってんですか、落ち着いて下さい……とにかく、座りましょうっ……! あぁっ! 今、ソドムが我々の本日席から、ベルトを強奪していきましたっ!」




286: 名無しさん 2015/06/03(水) 22:31:28 ID:JeBvV8UY

ザワ……ザワ……


実況「元さん、貴方まで一体どうしたって言うんですかっ!?」

元「あ〜、くそっ……『ジジイは引っ込んでろ』だって……誰に口利いてるんだ、この野郎……」

実況「そのくらいの事で、元さんまで……あ〜、もう大人気ないっ……!」

元「『長生きしろよ、ジジイ』だってさぁ……? 面白い餓鬼じゃない……? 僕に向かって、そんな口をきける奴がいただなんて……?」

実況「落ち着きましょうっ……! と、とにかく落ち着きましょうっ! 元さんっ!」

元「いいよいいよ……僕がリングの騒動、止めて来てあげるよ……そっちがその気だったら、こっちもとことんやってやるよ……?」

実況「元さんっ……! 目が殺人者……暗殺者だった頃へと戻っていますっ! 改心したんじゃなかったのですか!? 落ち着きましょうっ!」




289: 名無しさん 2015/06/03(水) 22:41:02 ID:JeBvV8UY

ブー、ブーブー

ソドム「HAHAHA ! HAHAHA ! 」

ロレント「何をやっている、時間厳守だぞ、ソドムっ……!」

ソドム「I'm sorry.」

ロレント「まぁ、実況席にはな……元中佐という、厄介な人物がいるからな……ちゃ〜んと、トラブルなど起こさず、ベルトを頂いて来たんだろうな……?」

ソドム「Yes !! 」ニコニコ


実況「さぁ、我々の元からベルトを強奪していったソドムが……リング上に、再び戻るっ! そして、ロレントと合流します!」

元「……」

実況「さぁさぁ、場内も状況を理解し始めてきた……と、言った所か? リング上のロレントとソドムへブーイングが飛ばされますっ! それも当然だっ!」

元「……」

実況「……元さん? お気持ちはわかりますが、実況と解説はしていきましょう。私、暗殺者のお隣で実況させて頂くのは、とても恐ろしいですっ!」

元「あっ、ハイ……ごめんなさいごめんなさい……うん、ちょっとやりたい放題やってる二人に……僕もイラっとしちゃったみたいだね……」




292: 名無しさん 2015/06/03(水) 22:46:34 ID:JeBvV8UY

ロレント「さぁ、説明させて頂こう、諸君。このベルトは……先程、説明させて頂いた規則によって、剥奪されたっ!」


ブー、ブーブー

実況「さぁ、ロレントが我々の放送席から奪い取ったベルトをかがげて再び、マイクアピールを始めますっ!」


ロレント「さぁ、ここで一つ問題が起きる……この剥奪されたベルトが……誰の物になるのか……!? 諸君も気になるだろう……? そういった問題が……一つ出てくるというワケだな……」


ザワ……ザワ……

実況「あぁ、確かに……剥奪されたのならば……コレ、ベルトの所有者が誰になるのか……これ、非常に気になりますねぇ? 王者不在という事になるんでしょうか?」

元「いやいや……それは、ロレント君が言ってるだけじゃない……? そもそも剥奪がおかしいんだよ……ナッシュ君と、ガイル君のチームでしょ?」


ロレント「……安心しろ。そこも規則によって、しっかりと決まっている。それでは説明させて頂こうっ!」




293: 名無しさん 2015/06/03(水) 22:55:38 ID:JeBvV8UY

ロレント「軍の規則、その三ンンンンっ! ベルトの所有者が、剥奪によって不在になった場合ィィィィっ!」

ザワ……ザワ……

ロレント「その所有者は、自動的にこのロレント・ソドム組となるゥゥゥゥっ!」

ソドム「Yeahhhhhhhhh !! We're a champion !!」


実況「ちょっと待てちょっと待て、なんて言った!? ロレントはなんて言ったんだ!?」

元「……凄まじい規則があったもんだ。何処の規則なんだよ」


ロレント「新チャンピオンが、ここに誕生だっ! 軟弱な者にベルトは任せられんからな……ヒャーッハッハッ!」

ソドム「Yeahhhhhhhh !! 」


ブー! ブーブー!

実況「ここに新チャンピオンが誕生……? いやっ、そうではないっ! それはこのブーイングが物語っているではないかっ!? なんだなんだ、ロレントどうしたっ!?」

元「……だから、いちゃもんつけて、ベルト奪いに来たんだよ。もう、ここまで来ると清々しいよ。滅茶苦茶すぎるじゃない。言葉が出ないよ」




294: 名無しさん 2015/06/03(水) 23:00:27 ID:JeBvV8UY

ロレント「そこに倒れている軟弱者共……腕立て伏せ1000回ィィィィ! 一からやり直して来いっ!」ビシィッ

ナッシュ「……くっ、この」

ガイル「盗人野郎がっ……! 舐めやがってっ……!」


実況「ロレントは、手に持った棒っきれでダウンしている正当な王者を指し……軟弱者……そういった言葉を浴びせていきましたっ! 不当な新王者が、正当な新王者に軟弱者という言葉……こいつはどうでしょう、元さん……?」

元「試合終わりに……凶器使って……奇襲して……もう、笑うしかないね」


ロレント「それでは、退場させて頂こうか……ダン中尉……マイクをありがとう……これからも、規則を破った愚か者が現れた時には、また来るよ……」

ダン「……一番の愚か者はおめぇだよ。ぶっ飛びすぎてて、何言っていいかわかんねぇよ」

ロレント「ヒャーッハッハッ! 新王者、ここに誕生だっ! 王者はこのロレント・ソドム組だっ!」

ソドム「HAHAHA ! HAHAHA ! 」


ブー!ブーブー!

実況「おぉ〜っと、そしてロレントとソドムは……退場していきますっ! ベルトを奪い去って退場していきますっ! これでいいのでしょうか!? これでいいのでしょうか、元さんっ!?」

元「……まぁ、よかないね。それはこのブーイングが物語ってるでしょ」




295: 名無しさん 2015/06/03(水) 23:07:05 ID:JeBvV8UY

ーーー


ヤムチャ「お、おいおい……なんだありゃ……滅茶苦茶じゃねぇか……! 滅茶苦茶すぎるだろうがっ!」

ケン「……くそっ、ロレントの奴、ヒールターンしやがったか!」

ヤムチャ「ヒールターンって言うのは……その、正義の味方から……悪者になるって事ですよね……?」

ケン「あぁ……本田さんから、ソドムさんにパートナーが変わったからな……そりゃ、タイミングとしちゃ、悪くねぇ……寧ろ、最高だと思う……だけど……」

ヤムチャ「……これ、インパクト残ってますよねぇ?」

ケン「これやべぇぞ……喰われたかもしんねぇ……凄まじいインパクトだ……くそっ、第四試合組……何処まで、打ち合わせしてたんだ……? 流石に、ロレントとソドムの二人だけじゃ、この騒動成立しねぇだろ……」

ヤムチャ「……これ、俺達も試合内容変えていった方がいいっすかねぇ?」

ケン「時間もねぇしよぉ……? おいおい、どうするよ……? くそっ、完全にやられたなぁ……」




296: 名無しさん 2015/06/03(水) 23:15:52 ID:JeBvV8UY

リュウ「……落ち着けっ! 二人共っ!」

ヤムチャ「……んっ?」

ケン「おっ……リュウ……」

リュウ「確かに、ロレントのヒールターンは……インパクトを残した……それだけのインパクトがある……」

ヤムチャ「そうっすよねぇ……これ、凄まじいっすよねぇ……」

リュウ「だが、俺達にだって、インパクトを残すだけの材料がある……そうじゃないのか……?」

ヤムチャ「材料……? それって……」

プーアル「そうかっ! こっちにはヤムチャ様の勝利がありますね!」

リュウ「そうだ! ヤムチャの勝利だ! これは、大事件だ!」

ヤムチャ「俺の勝利は……大事件レベルなんですかね……?」

リュウ「……結構、大事件レベルじゃねぇのかな? うん」




298: 名無しさん 2015/06/03(水) 23:19:45 ID:JeBvV8UY

ケン「だから……こういう騒動が起きるからこそ……今日はヤムチャの勝利なんだな……ちくしょう、ザンギエフの野郎……そういう事だったのね……」

ヤムチャ「えっ、ちょっと待って下さい……冗談じゃなくて、本気で言ってるんですか!?」

ケン「そりゃそうだろ……あれだけ普通じゃねぇ事されたら……こっちも普通じゃねぇ事しねぇといけねぇ……」

ヤムチャ「俺の勝利は……普通じゃないんですかね……?」

ケン「普通じゃないでしょ……? 今までに、勝った事あるの……?」

ヤムチャ「な、ないです……」

ケン「……でも、流石に材料少なすぎないかねぇ? 結構、やりやがったぞ、ロレントの奴」

ヤムチャ「あ、あの〜、ケンさん……一つ質問が……」

ケン「……どうした?」




299: 名無しさん 2015/06/03(水) 23:26:05 ID:JeBvV8UY

ヤムチャ「第二試合に、落ちる候補は……俺か、パッとしないロレントさんか、ソドムさんって言ってたじゃないっすか……?」

ケン「うん……ロレントとソドム……パッとしちまったねぇ……?」

ヤムチャ「って事はですよ……? 俺、今日試合で結果残さないと……あの二人よりインパクトある事しないと……」

リュウ「折角、人がポジティブな方向に持っていこうとしたのに……結局、ネガティブな方向に辿りついちまった……」

プーアル「……リュウさん、すいません。ヤムチャ様はこういう人なんですよ」

ケン「候補は……お前一人になっちまうねぇ……?」

ヤムチャ「や、やっぱり……」

リュウ「いい加減にしろっ! やる前から負ける事考えるバカがいるか! 新しい空手軍団誕生させるってのは、何処行ったんだ? ロレント一人にバラバラにさせられてるじゃねぇか!」




320: 名無しさん 2015/06/04(木) 22:00:41 ID:OMnbnMDo

ガイル「オイ、コラ! ロレントっ! 何考えてやがるっ! ベルトは俺達のものだっ……! 置いてけっ!」ガバッ

ナッシュ「……う、ううっ」ムクッ


実況「さぁ、ロレント・ソドム組の暴挙……とでも、言えばいいんですかねぇ? アッと言う間にベルトを奪って去っていきました。元さん、コレはどう思いますか!?」

元「まぁね……うん。僕自身言いたい事もあるし……お見苦しい所見せちゃった事もあるからね……」

実況「ガイルは、去っていくロレント・ソドム組に向かって……か〜なり、叫んでいますっ! しかし、ロレント・ソドム組は気にも止めないっ!」

元「リングの上で起きた出来事は……リングにいる人達になんとかしてもらいましょう。ほら、ナッシュ君も……何か、言いたい事、あるんじゃないかな……?」


ナッシュ「レフェリー。マイクを……それとだ、ガイル……落ち着こう……」

ガイル「……あぁ?」

ダン「ほれ、マイクだ……お前らも、言いたいことの1つや2つぐらいあるだろう……手短に済ませな……」


実況「おぉ〜っと、ここでナッシュがマイクを手にしました。これは当然、言いたいこともあるでしょう! さぁさぁ、場内が静まり帰ります! こいつは、嵐の前の静けさか!?」




321: 名無しさん 2015/06/04(木) 22:07:23 ID:OMnbnMDo

ナッシュ「いやぁ、参ったね……まさかこんなことが起きるなんて……参った参った……」

ザワ……ザワ……

ナッシュ「素晴らしかった試合も壊された……それに、権威のあるベルトも奪われてしまった……本当に参ったよ……」


実況「熱くなっている、ガイルに対して……ナッシュの方は冷静な口調で語り出します……ファイトスタイルは、非常に似ているが……この辺りは、対極的! 実に対極的ですっ!」


ナッシュ「ふざけてんじゃねぇぞっ! クソったれがっ! バカにしてんのかっ! あの低脳野郎がっ!」

ガイル「へ、ヘイっ……! ナッシュ……落ち着けって……!」アセアセ


実況「お〜っとっ! 落ち着いていたと思っていたナッシュですが……どうやら、かなりのご立腹のようだっ!」

元「ハハハ、そりゃそうだ」

実況「これには、熱い男のガイルの方が……ナッシュを止める始末っ! クールな男がキレたっ! クールな男がキレたぞ!?」




322: 名無しさん 2015/06/04(木) 22:22:03 ID:OMnbnMDo

ナッシュ「足りない脳ミソ使って、捻り出した手段がソレか!? 試合終わりに……奇襲して……ベルト奪って逃亡してよぉ……!?」

ガイル「落ち着けって……! 落ち着けって、ナッシュっ……!」

ナッシュ「挙句の果てには自分達が、チャンピオンだぁ……? 寝言は、寝て言いやがれ、チンピラ風情がっ!」


ソウダー! ソウダー!

ナッシュ「育ちの悪さが、隠せてねぇんだよ! 半端者がよぉっ!」

ワー! ワーワー!

ナッシュ「Know your role !! 」


実況「ナッシュは、か〜なり興奮しているのでしょうかっ!? まるでマシンガンのように捲し立てますっ! え〜っと……ラストは何といったのですかねぇ、元さん?」

元「『身の程を知れ』……そう言ってますねぇ……」




324: 名無しさん 2015/06/04(木) 22:31:55 ID:OMnbnMDo

ガイル「ナッシュっ……! ヘイ、ナッシュっ……! 落ち着こう……!」ユサユサ


実況「なんと言いますか……ベルトを持っていく事に成功したロレント・ソドム組ですが……これ、他にも余計な物まで持って行ってしまったのではないでしょうかねぇ、元さん……? 具体的に言うと、ナッシュの怒りとか……?」

元「アハハ、いいじゃない……面白くなってきたじゃない……」

実況「あらら……元さんまで、これはこれは……」


ナッシュ「おぉ〜っと、失礼……興奮しすぎちゃったようだ……僕らしくなかったかな……?」

ガイル「……はぁ、しっかりしてくれ。ナッシュ」

ナッシュ「よしっ、オーケーっ! それじゃあ、こうしようっ……!」パチンッ


実況「ナッシュの怒りも、収まってきたのか……? 今度は落ち着いた口調で……そして、指をパチンと鳴らしながら、何かの提案でしょうかね……?」




325: 名無しさん 2015/06/04(木) 22:40:11 ID:OMnbnMDo

ナッシュ「今日の所は、彼らの規則に従ってあげよう……ベルトは彼らに渡してあげよう……彼らの物だ……」

エー? エー?

ナッシュ「ただし……一日だけだっ……!」


オー、オーオー

実況「おっと、ナッシュはベルトをロレント・ソドム組に差し出す……という発言っ! しかし、その後についてきた言葉っ! 『一日だけ』という言葉っ!」


ナッシュ「僕達は、ここでチャンピオンに挑戦表明をするっ……! いや、正確には、逆使命という形になるのかな……? まぁ、どっちでもいいさ、そんな事は……」

オー! オーオー!

ナッシュ「次のタッグベルト選手権は、ナッシュ・ガイル組対ロレント・ソドム組だ!」


ワー! ワーワー!

実況「おぉ〜っと、そしてここで挑戦表明っ! いや、逆指名という形なのかぁ!? そして、『一日だけ』という言葉の意味は勿論っ……!」

元「次の試合で取り返すっ……! そうです、やられた事は、やり返しましょうっ!」




327: 名無しさん 2015/06/04(木) 22:47:20 ID:OMnbnMDo

ナッシュ「今日の試合……皆も見ていただろう……? こういった死線を潜り抜けて、歴史を重ねていくのが、本物のチャンピオンだ……」

ホーク「そうだ……これじゃあ、ベルトを取られた俺達が惨めなだけじゃないか……」

フェイロン「ベルトを……取り返してくれっ……!」

ナッシュ「あんな、紛い物のチャンピオンに……僕達が負けるワケがないっ……!」

ワー! ワーワー!

ナッシュ「首を洗って待っていろよっ! ロレントっ! ソドムっ!」

ワー! ワーワー!


実況「次の試合が決定だっ! ここで次の試合が決定したぁ! 次は、ナッシュ・ガイル組対ロレント・ソドム組っ! 本物のチャンピオンと紛い物のチャンピオン……どちらがベルトに相応しいかは……次の試合で明らかになるっ!」


ナッシュ「僕達は、必ず勝つっ……! ホークとフェイロンの想いをも背負ってっ!」


実況「さぁさぁ、ロレントの乱入によって、予想外の展開となってしまいました! タッグ王者選手権っ! そして、あまりもバタバタしてたので、なんとなんとそろそろ纏めないといけないと! 本日の試合振り返ってるお時間がありませんよ、元さんっ!?」

元「まぁまぁまぁ……その事も含めて……次回の試合だね。うん」

実況「さぁ、次回のタッグ王者選手権……目が離せませんっ! そして、次回の試合には、私の隣に暗殺者が現れない事を祈るばかりだっ!」

元「ごめんない。もうしません。解説の改心した、元でした」

実況「さぁ、残念ながらここらでお時間となってしまいましたっ! CMの後は第五試合っ! いざ、我らが空手軍団が行かんっ!」




328: 名無しさん 2015/06/04(木) 22:53:02 ID:OMnbnMDo

ーーー


プーアル「い、いやぁ……終わりましたけど……終わりましたけど……凄まじかったですねぇ、ヤムチャ様?」

ヤムチャ「腹くくんなきゃいけねぇぞ……こりゃ、オイ……ちょっと腹痛くなってきたよ……」

プーアル「も〜う、ヤムチャ様はプレッシャーに弱いんだから……気負いすぎないで下さいね? リュウさんとケンさんだっているんですから。ヤムチャ様一人が無茶する必要はありません」

リュウ「ハハハ!」

プーアル「んっ……? アレ……? リュウさん、どうしたんですか……?」

リュウ「あ〜、いやいや……悪い悪い……何でもない、プーアル君……」

ケン「……何でもねぇなら、笑うなよ。言っちゃ悪ィが、気持ち悪いぞ?」

リュウ「あ〜、え〜っとな……? ヤムチャ、ヤムチャ……?」

ヤムチャ「あっ、リュウさん……大丈夫っす! もう、大丈夫っす! 腹はくくりましたよ!? 絶対、アレ越えてみせます!」




330: 名無しさん 2015/06/04(木) 23:03:10 ID:OMnbnMDo

リュウ「いやぁ〜、別にそこまで、気負わなくていいぞ……? プーアル君の言う通り……俺もいるし……ケンだっているんだからな……?」

ヤムチャ「はい、それもわかってます……」

リュウ「お前さ……? ここに来て……まだまだ、時間は経ってねぇけど……入団したばかりの時に、あの騒動見てたら、どう思った……? 何を感じた……?」

ヤムチャ「……えっ?」

リュウ「多分、なぁ〜んにも感じなかっただろ……だって、何にも、わかんねぇんだから……」

ケン「まぁ、確かに……そうかもしれねぇな、うん……」

リュウ「あの騒動見て……プレッシャー感じるって事は……それだけ、プロレスがわかってきたって事じゃねぇか……なっ? そうじゃねぇのか?」

ヤムチャ「そうですね……言えてます……」

リュウ「そこに……技術が追いついてないワケだな……だから、余計にプレッシャーに感じちまう……やりたい事はあるけど……そこに、持っていく術がない……」




331: 名無しさん 2015/06/04(木) 23:08:31 ID:OMnbnMDo

リュウ「それで……俺の経験上……」

ヤムチャ「……はい」

リュウ「そういう時に、何か一人で行動起こそうとするのは……危険……上手くやったつもりでも……絶対に、何か上手くいっていない……」

ヤムチャ「……」

リュウ「……何故なら、ここ最近の俺はずっとそうだったから!」

ケン「……へへ」

リュウ「……笑うなよ?」

ケン「……悪ィ」

リュウ「今のお前を見てると、嫌になる……そんなんじゃ、成功するワケねぇだろ……なんて、ぶん殴りたくなっちまう……」ゲラゲラ

ヤムチャ「……気負いすぎてました、すいません」




333: 名無しさん 2015/06/04(木) 23:13:49 ID:OMnbnMDo

リュウ「もう一度、言う……俺もいる……ケンもいる……」

ヤムチャ「……はい」

リュウ「俺はその事に気づかず……足踏みしていたが……お前はするな……」

ヤムチャ「……はいっ!」

リュウ「なぁ〜んてな? 一番最初の……兄弟子の教えがこんなんだなんて……いいもんなのかねぇ……?」

ヤムチャ「いや、これ以上なく……為になりましたよ……! ありがとうございますっ!」

ケン「……ハハハ」


リュウ「よしっ……! じゃあ、そろそろ……」

ケン「行くかっ……! 入場だっ!」

ヤムチャ「お腹痛いの治ってきましたよっ! よっしゃっ! 今日はとことんやってやりましょうっ!」

リュウ「空手軍団は元々最強なんだよ……! シャドルー・ロレント・ザンギエフ……纏めてぶっ飛ばすっ!」


プーアル「リュウさん、ケンさん、ヤムチャ様っ! 頑張って下さいっ! 今日は僕も期待してますよ!」




335: 名無しさん 2015/06/04(木) 23:21:40 ID:OMnbnMDo

ーーー


ダン「さぁ、試合はいよいよ第五試合……空手軍団対シャドルー軍団……因縁のスペシャルマッチでございますっ!」


ワー、ワーワー


ダン「女性の皆さん、お待たせしましたっ! 我らがヒーロー空手軍団っ……!」


キャー、キャーキャー


ダン「リュウ選手! ケン選手! ヤムチャ選手の入場ですっ!」


キャー、キャーキャー


リュウ「いくぞっ! ケン、ヤムチャっ……! 舐められっぱなしでたまるかっ……! シャドルーによぉ!」

ケン「どいつもこいつも、纏めてぶっ飛ばすっ! この最強の空手軍団がよぉっ!」

ヤムチャ「うっしゃああっ! やってやるっ! やってやるぜ、オイッ!」


ワー、ワーワー




336: 名無しさん 2015/06/04(木) 23:26:15 ID:OMnbnMDo

実況「先日、バイソンは言いました……何も変わらない……何も変わらないと……」

リュウ「やってやるっ……! シャドルーっ……! 今日こそはやってやるっ!」

実況「しかし、それにリュウは応えました……空手軍団はもう変わっている……変わってきているんだと……!」

ケン「ド派手にやってやるぜっ! 誰にも真似できないような事をなっ!」

実況「そうっ……! シャドルーに対抗する為、空手軍団も変わり始めてきたぁ!」

ヤムチャ(もう、修行は十分だろ……俺も、空手軍団だ……技はダンさんに……志はリュウさんに……!)

実況「一番の変化はここだぁ! 三番弟子、ヤムチャの合流っ! これで、シャドルーに対抗する駒が揃ったぁ!」

ヤムチャ(今日は、俺が真の空手軍団の一員になる日……誕生日だっ! はっぴーばーすでぃ、ヤムチャ君っ!)

実況「ならば、後は結果を残すだけだぁ! さぁ、空手軍団っ! 今日こそはシャドルーを壊滅させてくれっ!」

ヤムチャ「よっしゃあああっ! いってやるぜええぇぇっ!」

実況「今日は三人……空手軍団、勢揃いっ! 三人揃って……今、リングイ〜ンっ!」


ワー、ワーワー




366: 名無しさん 2015/06/06(土) 21:59:10 ID:jT0dQSWI

ダン「続きましては……プロレス界から世界征服を狙う……シャドルー軍団……」

ダン「サガット選手! バルログ選手! バイソン選手の入場ですっ!」


サガット「……」

バルログ「……」

バイソン「うるああぁぁっ!」


ブー、ブーブー

実況「さぁ、そしてシャドルーの三人っ! サガット、バルログ、バイソンの入場だぁっ! 空手軍団の目の前に立ち塞がる壁っ! このストリートプロレスを独裁っ! 征服っ! 奴らはその野望の為に、今日も動き出してきたぁ! 大ブーイングの中、今入場ですっ!」




367: 名無しさん 2015/06/06(土) 22:06:28 ID:jT0dQSWI

ブー、ブーブー


バイソン「オイ、コラっ! うるせぇんだよっ! 毎回、毎回ブーイングしやがってよっ! おめぇらもぶちのめされてぇのかっ!?」

ブー、ブーブー

バイソン「うるせぇって、言ってんだよっ! 黙りやがれ、ゴルァっ!」ガシャーンッ


実況「さぁ、今シャドルーが大ブーイングの中、歩みを進めていますっ……! 今日も、バイソンは客席に噛みつきながらの入場……おぉ〜っと、危ないっ! 鉄柵を蹴飛ばしたぞっ!? お気をつけ下さいっ! お気をつけ下さいっ!」


サガット「ビビって、ブーイングやめるぐらいだったら、最初から黙ってろ、このゴミ共がっ!」

バイソン「ガハハ、そうだそうだっ!」

サガット「お前らのブーイング如き、シャドルーにとっては、返上運転なんだよっ! オラ、どうしたっ! もっと言ってみろやっ……! 空手軍団のゴミの共の応援してんだろうが……! やってみろや、この糞カス共っ!」


ブー、ブーブー

実況「おぉ〜っと、今日はサガットも荒れていますっ! バイソンが鉄柵を蹴飛ばし……サガットが威嚇するっ! 何だ、この極悪コンビネーションはっ!? お客さん、気をつけて下さいっ! 気をつけて下さいっ!」




368: 名無しさん 2015/06/06(土) 22:13:11 ID:jT0dQSWI

バルログ「フッ、醜いですよ……二人とも……さぁ、今日も美しく勝利を頂きましょうっ……!」シュタッ


実況「おっと、荒れているサガットとバイソンの二人に対して……バルログは、マイペースっ! 素早く、エプロンサイドに飛び乗り……そして、そこからコーナーポストへと昇っていきますっ!」


バルログ「さぁさぁ……鮮血のショーの幕開けですよ……このリングを、奴らの血で……真っ赤に染めてさしあげましょうっ……!」シュバッ


実況「そして、バルログはコーナーポストの上で両腕を大きく開いて、決めているっ! これでもかと言わんばかりのナルシストっぷりを発揮だっ!」


バルログ「……勿論、最初の犠牲者は貴方ですよ。ケン」ビシッ

ケン「……ケッ、格好つけてんじゃねぇよ。返り討ちにしてやらぁ」


実況「さぁ、そしてコーナーポストの上から……空手軍団に向けて挑発だぁっ! いや、相手は……ケンかっ!? バルログの狙いはケンか!?」




369: 名無しさん 2015/06/06(土) 22:19:57 ID:jT0dQSWI

サガット「よ〜しっ……」

バイソン「うっしゃあっ!」

バルログ「フッ、二人とも遅いですよ……ゴミに構いすぎですよ……」シュタッ


実況「さぁ、そしてここでサガットとバイソンもリングインっ! コーナーポストから、バルログも飛び降りるっ!」


サガット「シャドルー、ここに集結だっ! うおおおぉぉっ!」

バルログ「今日が空手軍団最後の日です……! しっかり、その目に焼き付けて下さいっ! 我々シャドルーの勇姿を!」

バイソン「ヤ・ム・チャ・は・ 雑・魚・だ ! ヤ・ム・チャ・は・雑・魚・だ! ヘイっ!」


リュウ「……煽られてんぞ、お前。どうする?」

ヤムチャ「……決まってますよ、ちょっと行ってきます」




370: 名無しさん 2015/06/06(土) 22:25:52 ID:jT0dQSWI

実況「それでは、解説の元さん、よろしくお願いしますっ!」

元「はい、よろしくお願いします」

実況「さて今回の試合、元さんは……おっとおっとぉ!? 少々、お待ち下さいっ!」

元「はい」


ヤムチャ「毎回、毎回、俺に突っかかってくるんじゃねぇよ……この野郎……」ズガズガ

バイソン「ワーオっ! 雑魚が絡みに来た〜! この人、怖〜い! 完全にチンピラじゃ〜ん?」ニヤニヤ

ヤムチャ「一々、挑発してくるんじゃねぇよっ! 鬱陶しいんだよっ! この野郎っ!」

バイソン「前に言われた事、もう忘れたのか……? お前は、今日も俺にボコボコにされる為だけに、ここにやって来たってワケだ……ンナハハハっ! 惨めだねぇ〜」


実況「おぉ〜っと、ヤムチャがバイソンにつっかかっていったぁ! しかし、バイソンは小馬鹿にしたような態度で、ヤムチャを軽く往なしていきますっ!」




371: 名無しさん 2015/06/06(土) 22:33:15 ID:jT0dQSWI

ヤムチャ「……バカにしてんじゃねぇぞ、この野郎っ!」

バイソン「バカをバカにして何が悪いっ! 雑魚に雑魚と言って何が悪いっ!」

ヤムチャ「この野郎っ……! もう、勘弁ならねぇっ……!」


オー、イケー、ヤムチャー!

実況「おぉ〜っと! ここでヤムチャがバイソンにつっかかる! バイソンの性格ですっ! 何か挑発でもされたのでしょうっ! そして、トサカにきたのでしょうっ!」


ケン「待て待て、ヤムチャ……落ち着け……」ググッ

リュウ「……試合は、まだ始まってねぇだろ」ググッ

ヤムチャ「あっ、リュウさん……ケンさん……」


実況「おぉ〜っと、しかしそんなヤムチャを……リュウとケンの二人が、制しますっ! ここは、ヤムチャを抑えていく!」

元「まぁ、まだ試合も始まってないからね、うん」




372: 名無しさん 2015/06/06(土) 22:41:05 ID:jT0dQSWI

バイソン「お兄ちゃんの言う事には、ちゃ〜んと従うんだね〜!? ヤムチャ君って素敵だな〜!」

ヤムチャ「……あぁ?」

バイソン「その典型的な末っ子気質……いいよなぁ〜、羨ましいよなぁ〜! 困った事は……全部、お兄ちゃんが何とかしてくれるんだもん! 自分は、な〜んにもしなくていい……!」

ヤムチャ「お前、本当に……いい加減にしておけよ……? あぁ……!?」

ケン「……落ち着け、落ち着け。気にするな」ググッ

リュウ「言わせておけば、いいんだ……」ググッ

バイソン「お兄ちゃんが止めてるから、僕バイソンに向かっていけな〜い! そもそも向かって行った所で勝てないし〜! ガハハ、見てられねぇよ! 仲良し倶楽部なんだな、空手軍団って所はよぉ!?」

ヤムチャ「あぁっ……! この野郎っ……! 何だコイツは……一々、イラつかせる事ばかり言いやがってよぉ!」


ヤムチャ、モウヤッチマエー!

実況「さぁ、リュウとケンの二人に止められているヤムチャを……さらにさらに、バイソンは何やら煽っていますっ! 今にも取っ組み合って殴り合いを始めそうだっ! しかし、まだゴングも鳴っていないんだぞっ!?」

元「本当に、性格が悪いんだね……試合前から、こんな騒ぎだ……」




374: 名無しさん 2015/06/06(土) 22:47:06 ID:jT0dQSWI

ダン「何時まで、口喧嘩やってんだ、オイ……ほれ、とっとと試合始めるぞ。先発はリングに残って……余計な奴らは、控えてろ……早くしろ……」


実況「おぉ〜っと、ここでレフェリーが仲裁に入りますっ!」

元「そうです。試合の中で……やりましょうよ……」


バイソン「よ〜し、先発はこのバイソンちゃんだっ! 今日も元気よく、イケメンをぶっ飛ばしていきましょうっ!」

サガット「……任せるぞ、バイソン」

バルログ「期待しています」


実況「シャドルーは、バイソンを残し、サガットとバルログは自軍コーナーへと引き下がりますっ! どうやら、先発はバイソンっ! バイソンの様だっ!」




375: 名無しさん 2015/06/06(土) 22:54:45 ID:jT0dQSWI

ヤムチャ「バイソンが出てくるなら、相手は俺でしょうっ! リュウさん、ケンさん、行ってきますよっ!」


オー、オーオー

実況「さぁ、一方空手軍団の先発は……ヤムチャが意気揚々と、リュウとケンの手を振り払い……」


リュウ「レフェリー、こっちの先発はケンだ……」

ダン「ケンが先発か……じゃあ、リュウとヤムチャ……お前らは下がれ……」

リュウ「わかってる……ヤムチャ、下がろう……」

ヤムチャ「……えっ? えっ?」キョロキョロ

ケン「よ〜しっ! 俺が一番手だっ! いってやるぜっ!」ググッ


実況「おっと、おっと……空手軍団の先発は……ケンでしょうか!? 私、てっきり、ヤムチャが出てくるものだと、思っていたのですが……これ、私だけでしょうかねぇ……?」




376: 名無しさん 2015/06/06(土) 23:03:49 ID:jT0dQSWI

エー? エー?

実況「あ〜っと、いやいや……どうやら、場内も私と同じような反応のようです。やはり、ここはヤムチャの登場を待ち望んいたのではないでしょうか? 今日のヤムチャは気合が入ってるように感じますしねぇ?」

元「うん、そうだね」

実況「それに……ですよ……これ、ヤムチャも自分が行く気満々だったんじゃないですかね……?」


ヤムチャ「いやいや……相手がバイソンなら……俺でしょう……! 俺が行くべきでしょうっ……!」

リュウ「いいからいいから……ケンに任せて、俺達は下がろう……」


実況「リュウに連れられて、コーナーに引き下がって行くヤムチャですが……やはり何処か納得がいっていないとでも言えばいいのか……呆気にとられているような部分もある気がします」

元「うん、そうだね」




377: 名無しさん 2015/06/06(土) 23:09:30 ID:jT0dQSWI

実況「この辺りの空手軍団の意図……そいつは、どういったものなんでしょうかねぇ、元さん?」

元「やっぱり、試合の立ち上がりってのは、ケン君の方が安定している所があるからねぇ……ヤムチャ君はケン君に比べると、不安定……そこじゃないかな……?」

実況「……ほうほう」

元「あくまで、チーム戦だからね……自分が流れを作って……その流れで他の人に繋いで……そういった事をしていかないと……一人相撲だったら、勝てる試合も勝てないからね……」

実況「確かに、気合の空回り……なんて事もありますからね!? ここは、熱くなっているヤムチャより、冷静なケンを選んだ……と言った所でしょうか!?」

元「でもねぇ……? 意外と今日の試合……ヤムチャ君もアリだったんじゃないかな……? と、僕は思う」

実況「……ほ〜う」

元「リュウ君は、安定してるケン君を選んだみたいだけど……なんか、今日はやってくれそうな気がしない? ホラ、場内もそれは感じてるんじゃないのかな……?」




378: 名無しさん 2015/06/06(土) 23:15:04 ID:jT0dQSWI

エー? エー?

ケン「おいおい、なんだよなんだよ……この俺が先発って事に不満だってのか……? 俺よりヤムチャの方が見たいのか……?」


実況「場内の、ヤムチャを求める声……とでも言えばいいのでしょうか? 先発で出てきたケンも、少々困っている……と、いった印象ですかねぇ?」


ケン「安心しろよ……この俺が、必ず満足させてやるからよぉ……! 特に、レディーはなっ!」ファサッ

バイソン「……ケッ、コイツもナルシストの気がありやがる」


実況「おっと、ここでケンが髪をかきあげ……色男振りを発揮っ! ちくしょうっ! 羨ましいぞ、オイっ!」


ケン「ホラホラ、一番手は俺だよ……ド派手に決めてやるから……俺を応援してくれよっ……!」パチパチ


ケーン! ケーン!

実況「そして、ケンは二度三度、大きく手を叩きアピールしていきますっ! どうやら、ここはケンが行くようですね! 場内も納得したようです!」

元「まだ、ヤムチャ君にも出番はあるからね。いい所で決めればいいんですよ」




379: 名無しさん 2015/06/06(土) 23:20:17 ID:jT0dQSWI

ダン「よ〜し、それじゃあ、準備はいいな……? ケン……バイソン……」

ケン「……あぁっ! いつでも初めてくれっ!」

バイソン「……このクソったれを、ボッコボッコにして、モッテモッテだ。俺の踏み台にしてやるよ!」

ダン「よ〜しっ! それじゃあ、ゴングを鳴らせ! ゴングをよぉっ!」


カーンッ

実況「さぁ、そしてここでゴングが鳴らされたぁ! 戦いの鐘の音が場内に響き渡ったぁっ!」

ワー! ワーワー!

実況「空手軍団対シャドルーのスペシャルマッチっ! 先ずはケン対バイソンっ! ケン対バイソンで試合は始まったぁ!」




380: 名無しさん 2015/06/06(土) 23:26:39 ID:jT0dQSWI

ケン「先制攻撃だっ……何もやらせねぇよっ! いくぜっ……!」シュタッ

バイソン「……んあ?」

ケン「ドロップキックだっ! うおおおぉぉっ!」ドスッ

バイソン「……う、うおっ!」バターンッ


実況「おっとおっと! ゴングと同時に打ち出したっ! ゴングと同時にケンが打ち出したいったぁ!」

元「おっ……? 先制攻撃……だね……?」

実況「ケンの先制攻撃、ドロップキックっ! バイソンの胸元に打ち込み、バイソン身体を大きくダウンさせていきますっ!」


バイソン「あぁっ、くそっ……今は、不意打ちだったんじゃねぇの……? ゴングが鳴る前に、攻撃しやがったぜコイツ……」ムクッ

ケン「大して効いてねぇみたいだね……へへ、そうでないと、こっちもやりがいがねぇぜっ……!」


実況「しかし、バイソンも簡単にはやられないっ! すぐ様、大勢を立て直し起き上がるっ!」




381: 名無しさん 2015/06/06(土) 23:31:08 ID:jT0dQSWI

バイソン「くそっ、こんにゃろ……」

ケン「もう一発っ! おらあああぁぁっ!」ドスッ

バイソン「う、うぐううぅぅっ!」バターンッ


実況「おぉ〜っと、しかしケンは起き上がりのバイソンに合わせて……再びドロップキックだっ! 再びドロップキックっ! バイソンの身体を再びダウンさせるっ!」

元「お〜、試合の頭から、積極的に動いていってるねぇ……」


バイソン「だああぁぁっ……! ポンカラポンカラやりやがって……鬱陶しいんだよ、てめぇはよぉ……!」ムクッ

ケン「そうだそうだ……起きて来い、起きて来い……バイソン……」


実況「二発連続でいったが……バイソンもすぐに立ち上がってくるっ! 大勢を立て直し、すぐ様起き上がってくるっ!」

元「……いや、ケン君はもう狙ってるよ」




393: 名無しさん 2015/06/07(日) 22:01:01 ID:VLWcKfG.

ケン「そぉ〜れっ! 強めにいくぜっ……! だああぁぁっ……!」バッチーンッ

バイソン「……ふ、ふぐううぅぅっ!」


実況「ケンはバイソンの起き上がりに合わせて……強烈な、逆水平チョップを打ち込んでいくっ! 激しい音が場内になり響くっ!」


バイソン「う、うおっ……いってぇ……」ヨロヨロ

ケン「そ〜れっ! もう一発っ!」


実況「強烈な一撃を貰い、バイソンはフラフラと後退っ! しかし、ケンはそんなバイソンへと容赦なく……!」


ケン「だああぁぁっ!」バッチーンッ

バイソン「……うぐおおぉぉっ!」


実況「連続でその胸元へと打ち込んでいくっ! 熱い熱い逆水平チョップでバイソンの身体を、コーナー間際へと押し込んでいくっ!」




394: 名無しさん 2015/06/07(日) 22:08:46 ID:VLWcKfG.

イイゾー! ケーン!

実況「試合開始と同時に、積極的にケンが攻め立てていっています! この辺り、どうですか、元さん?」

元「今日、ケン君も気合入ってるみたいですね。いいですよ」


バイソン「あぁっ……なんだなんだ……? ちょいとハッスルしすぎじゃねぇのか……ケン……?」

ケン「……今日は気合が入ってんだよ。色々あったからな。よっとっ!」ググッ

バイソン「……んあっ?」


実況「さぁ、チョップの連打でバイソンをコーナーまで追い込んだケンは……そのまま、バイソンの片腕を掴んだっ!」


ケン「てめぇの居場所はそっちじゃねぇ……! うおおおぉぉっ……! あっちだっ!」ブンッ

バイソン「おっ、おおっ……!」


実況「そしてバイソンの身体を……そのまま対角線コーナーの方へと振っていったぁ! ケンが試合の頭から攻め立てるっ! 先制攻撃からの破竹の勢いっ! もう、エンジンはフル・スロットル! 」




396: 名無しさん 2015/06/07(日) 22:13:44 ID:VLWcKfG.

バイソン「うおおぉぉっ……ぐっ……!」ドスッ


実況「さぁ、バイソンの身体が激しくコーナーマットへと突き刺さったっ!」


バイソン「あぁっ、ちくしょう……舐めやがって……」モガモガ

ヤムチャ「……オイ、動くな。ジッとしてろ」ググッ

バイソン「んあっ……? 何だ、てめぇっ……!?」


実況「おっとおっと、そしてヤムチャが自軍コーナーのエプロンサイドから、コーナーに振られたバイソンの首筋に腕を回して掴み、そのまま動きを止めていくっ!」


リュウ「……ヤムチャ、今はケンの出番だぞ?」

バイソン「おい……! お兄ちゃんが離せって言ってんぞ……? いう事聞いておけよ!」

ヤムチャ「……黙ってろ、バーカ」ググッ




397: 名無しさん 2015/06/07(日) 22:17:57 ID:VLWcKfG.

ケン「そのまま、抑えてな……ヤムチャっ……! いくぜっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「そして、ケンはコーナーにいるバイソンの元へと……勢いよく突っ込んでいったぁ!」


バイソン「ケンが仕掛けてくるんだよっ! バカがっ……! 離せよ、この糞がっ……!」モガモガ

ヤムチャ「……だからこそ、抑えているんだろが。バカが」

ケン「いっくぜええぇぇっ! バイソンっ……! うるあぁっ!」フワッ


実況「さぁ、ケンが勢いよく、バイソンへと突っ込んでいき……そのまま踏み切って、高く跳躍したぁ!」


ワー! ワーワー!

ケン「その顔面にブチ込んでやるっ! フライング・フォアアームだっ! だああぁぁっ!」ガスッ

バイソン「……う、うぐおおぉぉっ!」


実況「高い跳躍力を見せつつ……そのままバイソンの顔面へと、肘を打ち込んでいったぁ! ケンのフライング・フォアアームだっ! フライング・フォアアームっ!」




398: 名無しさん 2015/06/07(日) 22:22:14 ID:VLWcKfG.

サガット「オイッ、今の反則だぞっ! 反則だっ!」

バルログ「レフェリーっ! 反則ですよ! 反則っ!」

ヤムチャ「……ちょっと、抑えてただけですよ、こっちは」


バイソン「うっ、ううっ……いってぇ……」フラッ

ケン「よ〜しよし……いい感じだ……そのままそのまま……」ガシッ


実況「ケンのフライング・フォアアームを喰らったバイソンは……そのままよろけて、前のめりに一歩二歩と……しかし、ケンはまだまだいくっ! そんなバイソンの頭部を脇に抱えて……」


ケン「そ〜らっ! 背中から……マットに打ち付けられなっ!」ドスーンッ

バイソン「……うぐううぅぅっ!」


実況「そのまま高速ブレーンバスターっ! バイソンの身体を後方に投げていくっ!」




399: 名無しさん 2015/06/07(日) 22:27:24 ID:VLWcKfG.

ケン「出足好調……って所だなっ! 完全にこっちのペースだぜっ!」ググッ


イイゾー! ケーン!

実況「ケンはそのまま、立ち上がり……そして、ガッツポーズっ! 右腕を突き上げますっ! 最初にリズムを掴んだのは空手軍団……空手軍団かぁ!?」

元「うんうん。勢いがあるねぇ」


サガット「調子に乗ってんじゃねぇぞ、オイっ! レフェリー、聞けよ! 話聞けよっ!」バンバン

ダン「……んあ?」


実況「おっと、おっと……!? だが、ここで何やらサガットが騒ぎたてておりますっ! 自軍コーナーのコーナーポストをバンバンと叩き……何やら、騒ぎたてておりますっ!」


サガット「今の反則じゃねぇのか……!? 反則だろっ! 試合権のない奴は、大人しくしておかねぇといけねぇんじゃねぇのか……!?」

バルログ「アイツですよ……アイツ……! 今、あのヤムチャって奴は、バイソンの事掴んでましたよねぇ? 反則じゃないんですか?」




400: 名無しさん 2015/06/07(日) 22:33:04 ID:VLWcKfG.

実況「おぉ〜っと、おぉ〜っと! サガットとバルログは……何やらヤムチャを指差し、騒ぎたてている模様ですっ! コイツは、どういった事だ!?」

元「ちょっと、エプロンサイドから……ヤムチャ君が、バイソン君に手を出してたからね……でも、あそこまで騒ぎ立てる事かなぁ?」


サガット「アイツ、反則したぞ反則っ! 退場させろよ、退場っ!」

バイソン「ルールを守らない人間など、必要ありませんっ! ここは神聖な空間です!」


実況「なんと言いますか……普段の自分達は、ルール無用の極悪非道な行為を行っている癖に……こういう時に限って……と、言いますかねぇ……?」

元「……そういう人達なんだよ」


サガット「何で、お前は見逃してるんだよ!? お前、アイツらに肩入れしてんのか! あぁ!?」

バルログ「レフェリーが、アンフェアだったら試合が成立しないでしょうが! 仕事をしなさい、仕事を!」




402: 名無しさん 2015/06/07(日) 22:43:02 ID:VLWcKfG.

ブー、ブーブー

サガット「うるせぇぞ、この野郎っ! ルールは守る……小学生でもわかる事じゃねぇか! これは、正当な要求だっ! てめぇらは黙ってろっ!」


実況「しかし、なんと言うか……あまりにも、騒ぎ立てるものですから、試合の流れが止まってしまったような、感じもしますねぇ……?」

元「せっかく、ケン君が勢いよく攻めていたのに……ねぇ……?」


ダン「ったく、これじゃあ、試合が進まねぇじゃねぇかよ……わかったわかった……」


実況「おっと、おっとここで……レフェリーがヤムチャの方へと近づいていきます!」

元「……まぁ、型式上だけでも、警告しておきましょう」


ダン「おい、ヤムチャ……? あまり、ややこしい事はするな……試合が進まねぇからな……」


実況「レフェリーは……軽くヤムチャに警告して……さぁ、そしてこれで、試合再開という所でしょうかね!?」




404: 名無しさん 2015/06/07(日) 22:51:19 ID:VLWcKfG.

ヤムチャ「俺は何もしてませんよ……知りません……」

ダン「……あぁ?」

ヤムチャ「無実ですよ……無実……知りません……」


オー、オーオー

実況「おぉ〜っとっ! おっとおっと! なんとなんとなんと! ヤムチャが挑発的な態度! 我知らぬ存知ぬという感じで……両腕を大きく開いて……無罪をアピールしておりますっ!」

元「いやいやいやいや……気持ちはわかるけどさぁ……?」


サガット「なんだ、その舐めた態度は……! アイツ、すっとぼけてやがるぞ!」

バルログ「……もう、退場させましょう、退場っ! レフェリーっ! 退場させなさい!」


実況「このヤムチャの態度には……コーナーにいる、サガットとバルログもヒートアップっ! またまた騒ぎたてていきますっ!」

元「……あまり、レフェリーに目をつけられるような事はしちゃマズいんじゃないかなぁ?」




405: 名無しさん 2015/06/07(日) 23:03:31 ID:VLWcKfG.

ダン「あのなぁ……ヤムチャ……おめぇ、型式上だけでも従うって事は……」

ヤムチャ「知りませんよ、知りません……無実無実……」

リュウ「オイ、もうやめておけ、ヤムチャっ……! レフェリーには、礼儀をわきまえろっ……!」


イイゾー! ヤムチャー!

実況「今日のヤムチャは……結構、バイソンにきているモノでもあるのでしょうかねぇ!? リュウが止める始末ですっ!」

元「レフェリーには、あまり挑発的な態度は取らない方がいいと思うよ? まぁ、リュウ君が……何とかフォローしてあげてるね……?」


リュウ「すまんっ……! すまん、レフェリーっ……! 俺が言い聞かせておくっ……! 本当にすまんっ……!」

ダン「……あまり、舐めた態度取ってるんじゃねぇぞ。おめぇらもシャドルーもよぉ!」

リュウ「すまんっ……! 本当にすまんっ……!」

ヤムチャ「無罪っすよ……無罪……俺は無罪無罪……」


ケン「おいおい、いつまでそっちでやってんだよ……今の主役はこのケンだぜ? 仕方ねぇ……行動で示してやるかっ……!」




406: 名無しさん 2015/06/07(日) 23:10:34 ID:VLWcKfG.

ケン「お〜いっ! 何処見てんだよっ! 主役は俺だぜっ……!」


実況「おぉ〜っと、ここでケンが叫んだっ! 大きく叫んだっ!」

元「そうだね……もう、試合進めちゃった方がいいよ……あまり、ゴタゴタしてるのばかりみるのも……ねぇ……?」


ケン「そ〜れっ! バイソン、いくぜっ……!」ピョンッ

バイソン「うっ……ううっ……」


実況「ケンはダウンしているバイソンの上半身へと近づいていき……その場で飛び上がったぁ!」


ケン「喰らえっ! バイソンっ……! ギロチン・ドロップだっ!」ドスッ

バイソン「……うぐううぅぅっ!」


実況「そして、そのままバイソンの喉元へと自身の太腿を落としていくっ! ギロチン・ドロップっ! ギロチン・ドロップが炸裂だぁ!」




407: 名無しさん 2015/06/07(日) 23:19:38 ID:VLWcKfG.

サガット「今、試合は中断してただろがっ! 今のも反則だっ! 反則っ!」

バルログ「もう、纏めて退場させましょうっ!」


実況「あ〜っと、あ〜っとっ! またもコーナーでサガットとバルログが騒ぎたてておりますっ!」

元「もう、放っておきましょう……やる事なす事、全部に突っかかってきてるじゃん。キリないよ」


ケン「バカは、放っておけっ! ヘイヘイっ! もう一発いくぜ、オイっ!」パチパチ


イイゾー! ケーン!

実況「おぉ〜っと、どうやらケンも、もうそのつもりらしいですね? 素早く起き上がり……そして、大きく手を叩きながら、アピールしていきますっ!」

元「うん、流れを壊されちゃ、たまんないからね。いきましょう」


ケン「そぉ〜らっ! もう一丁だっ!」ピョンッ

バイソン「うっ……ううっ……」

ケン「ギロチン・ドロップだっ! 喰らいやがれええぇっ!」ドスッ

バイソン「……ふぐうううぅぅっ!」


実況「そして、もう一撃落としていくっ! ギロチン・ドロップっ! ギロチン・ドロップ二連発っ!」




409: 名無しさん 2015/06/07(日) 23:26:10 ID:VLWcKfG.

イイゾー! ケーン!

実況「この辺り……積極的に試合の流れをモノにしようといったような……ケンの意気込みが感じられますねぇ?」

元「うん、そうだね」


ケン「さぁさぁ、もう一発だっ! うおおおぉぉっ!」ピョンッ


実況「さぁ、ケンはまだまだいくっ! 再びその場で跳び上がり……」


ケン「ギロチン・ドロップだっ! うおおおぉぉっ!」

バイソン「バカがっ! いい加減、しつけぇんだよっ! この糞がっ!」クルッ

ケン「……何っ!?」


実況「そして、三度落としていく、ギロチン……おっと、おっとぉ! いやっ、ここはバイソンが動いたっ! クルリと身体を反転させて……落ちてくるケンから、その身を避わしていくっ!」

元「う、う〜ん……流石に、三発は多いよ……うん、うん……」




410: 名無しさん 2015/06/07(日) 23:34:37 ID:VLWcKfG.

バイソン「……自爆しろ、ボケがっ!」

ケン「しまった……くそっ……うおおおぉぉっ……!」ドシーンッ


実況「あるはずのバイソンの姿がそこにはないっ! ケンのギロチン・ドロップは不発に終わるっ!」

元「……ちょっと、単調だったね。うん」

実況「ケンはそのまま、大きく大きく尻餅をつくっ! ここは、自爆になってしまったぁ!」


ケン「あっ……い、痛ぇ……しくじったか……」

バイソン「……ったく、さっきからボコスカボコスカやりやがってよぉ? 全然効いてねぇけどね」ムクッ


実況「そして、そんなケンを尻目に……バイソンは立ち上がるっ!」


バイソン「ストレスだけは溜まったよ……おめぇらは、ルール違反ばかりしてるんだし……お仕置きしなきゃいけねぇな……? あぁ……?」

ケン「……普段のおめぇらに比べりゃ、可愛いもんだろ」




429: 名無しさん 2015/06/08(月) 22:01:25 ID:diiDomPk

バイソン「そぉ〜らっ! 生意気なカス野郎めっ! オラァっ!」ドゴォ

ケン「……うぐぅぅっ!」


実況「ギロチン・ドロップが不発に終わり、尻餅をついているケンに対して……バイソン正面から、膝蹴りィ! 強烈な膝を胸元へとお見舞いしていったぁ!」

元「……おっ、蹴りだ」


バイソン「てめぇが、そこで座ってたらこうするしかねぇからな……だが、俺の本業はこっちだよ……」

ケン「う、うぐっ……! いってぇ……」

バイソン「ホラホラ……ぶん殴ってやるから、早く立てよ……カマン、カマーン……」クイクイ


実況「おっと、そして……バイソンは、ケンの正面で早く立ち上がって来いと言わんばかりに、不敵に手招きをしておりますっ! ここはバイソンが挑発的していくっ!」


サガット「ハハハ! いいぞ、バイソンっ! やっちまえっ!」

バルログ「舐められては困りますっ! いきましょうっ!」




430: 名無しさん 2015/06/08(月) 22:07:51 ID:diiDomPk

ケーン、ガンバレー

ケン「くっ、わかってるよ……こんな奴に、舐められてたまるかっ……!」ググッ


実況「さぁ、ここでケンが立ち上がっていきますっ! まだまだ、闘志は十分だっ!」


バイソン「お利口さんっ……! これで、ぶん殴れるぜっ! いくぜ、うおおおぉぉ……!」ググッ

ケン「……んあっ?」

バイソン「ボディがお留守だぜっ……! うおおおぉぉっ!」ドゴォ

ケン「……うぐうううぅぅっ!」


実況「しかし、間髪に入れずにバイソンが仕掛けていくっ! ケンの腹部へと、強烈なボディブローっ!」


ケン「あっ……ぐっ……」

バイソン「まだまだぁ! いくぜっ……!」ググッ


実況「強烈なボディブローを喰らい、ケンの身体が前のめりになるっ! おっと、そしてここでバイソンが両腕を振り被ったぁ!」




431: 名無しさん 2015/06/08(月) 22:12:58 ID:diiDomPk

バイソン「背中に……喰らいなっ……!」ドゴォ

ケン「……う、うぐぅぅっ!」


実況「そして、背中に両腕を落としていくっ! スレッジ・ハンマーっ!」


ケン「……う、うわああぁぁっ!」

バイソン「そぉ〜れっ! まだまだいくぜっ! フンッ!」ググッ

ケン「う、うおっ……!」


実況「さらに、バイソンはケンの股下へと自身の手を差し込み……そのまま、持ち上げたぁ!」


バイソン「そぉ〜ら! マットに……打ち付けられなっ……!」ドシーンッ

ケン「……ぐわあああぁぁ!」


実況「そのまま、ケンの身体を投げていったぁ! ここは、ボディスラム! バイソンがボディスラムで投げていきますっ!」

元「……やっぱり、バイソン君もやるねぇ。じっくり自分のペースに戻そうとしてるね」




432: 名無しさん 2015/06/08(月) 22:19:19 ID:diiDomPk

バイソン「どうした、どうしたぁ! 相手にならねぇぞ、オイっ!」ググッ


実況「さぁ、ケンの身体をボディスラムでマットに叩きつけたバイソンは、右手をググッと掲げますっ!」


バイソン「空手軍団ってのは、こんなもんなのか!? 容赦はしてやらねぇぞ!? うおおおぉぉっ!」

ケン「……くっ!」


実況「おぉ〜っと、そして……バイソンはそのまま、ダウンしているケンに向かって、倒れ込んでいくっ!」


バイソン「俺の石頭を喰らいなっ……! うおおおぉぉっ……!」ドスーンッ

ケン「……うぐううぅぅっ!」


実況「この辺りは、流れるような攻防っ! バイソンはそのままケンへと、ヘッドドロップっ! 自身の石頭を突き刺していくっ!」




433: 名無しさん 2015/06/08(月) 22:25:31 ID:diiDomPk

ヤムチャ「ケンさんっ……! 頑張って下さいっ!」

リュウ「ケンっ! しっかりしろっ!」


ケーン! ガンバレー!

実況「さぁさぁ、少しケンがやられているか……? コーナーサイドのリュウとヤムチャも、必死に声を張り上げてケンへとエールを送るっ!」

元「うん、そうだね」

実況「これ、流れ的には……どうでしょう、元さん……?」

元「ちょっと、バイソン君優勢って所かな……? でも、まだまだ僅差僅差……」


ケーン! ガンバレー!

ケン「あぁ……いってぇ……だが、こっちもまだまだだぜ……! てめぇの、チンケな攻撃なんて効かねぇよ……!」

バイソン「やかましい、声援だなぁ……イケメンばかりよぉ……これだったら、まだブーイングの方がマシだぜ……」




434: 名無しさん 2015/06/08(月) 22:31:43 ID:diiDomPk

バイソン「よ〜しっ! 閃いたっと!」ムクッ


実況「さぁ、ここでバイソンが立ち上がるっ! 少し流れが傾きかけてきたこの状況で……どう攻めていくか!?」


バイソン「ほ〜ら、起きろっ……! このクソ馬鹿っ……! いつまでも寝てんじゃねぇよ!」ググッ

ケン「うっ、ううっ……」


実況「さぁさぁ、バイソンは……そのままケンの身体を、引き起こしていったぁ!」


バイソン「よしっ……! 先ずはコイツを掴んで……っと……!」ガシッ

ケン「……くっ!」

バイソン「こっちだっ……! ケンっ……! いくぞっ……!」グイグイ

ケン「う、うおっ……! 押すんじゃねぇよ、てめぇっ……!」


実況「バイソンはそのままケンに組みかかり……おっとおっと、そのままケンの身体を押し込んでいくっ! 縺れ合うようにしながら、ケンの身体を押していくっ!」




435: 名無しさん 2015/06/08(月) 22:36:55 ID:diiDomPk

バイソン「オラッ……! てめぇは、そこで控えてろっ!」

ケン「……ぐっ!」ドスッ


実況「バイソンはそのまま、ケンの身体を……コーナーまでへと押しやっていったぁ!」


バイソン「……サガットちゃん、バイソンちゃん! わかってんな!?」

サガット「あぁ、勿論だ……わかってるよ……」グイッ

ケン「……うぐっ!」


実況「おぉ〜っとっ! ここでエプロンサイドのサガットが、ケンの首筋に手を回したっ! エプロンサイドから、ケンの身体を掴むっ!」


バルログ「サガットが首なら……私は、腕を抑えておきましょう……!」ガシッ

ケン「お、おいっ……! てめぇらっ……!」


実況「お〜っと、そしてバルログも加わってきたっ! バルログもエプロンサイドから、ケンの腕を掴んでいくっ!」




436: 名無しさん 2015/06/08(月) 22:42:36 ID:diiDomPk

ケン「……くっ、くそっ! 離しやがれっ!」モガモガ

バイソン「こんなに素敵な状況で……離すわけねぇだろがっ! おめぇはオツム、パープリンなのかぁ!? あぁ!?」


実況「バイソンがケンの身体を押し込んだのは……シャドルー側のコーナーサイドっ! そして、そこはシャドルーの巣窟っ! リングで一番一番危険な地域ィ! ここぞと言わんばかりに、サガットとバルログも加わってきますっ!」


バイソン「オラッ! いくぞっ! 喰らいなっ……!」ドスッ

ケン「……うぐっ!」


実況「サガットとバルログが動きを止めて……そして身動きの取れないケンに対してバイソンいったぁ! ボディブローっ! 腹部に打ち込んでいくっ!」


バルログ「私も参加しましょう……ヒャオっ……!」ガシッ

ケン「……ガッ!」


実況「おっと、そしてエプロンサイドのバルログも仕掛けていったぁっ! エプロンサイドから、ケンの腕を掴みつつ……エルボーバットっ! 側頭部辺りへと打ち込んでいくっ!」


サガット「いいぞ、いいぞ……俺は、動きを止めておいてやる……首を絞めつつな……お前達は、気が済むまでやれ……」ググッ

ケン「ガッ……ゴ、ゴホっ……」


実況「サガットがケンの動きを封じて……バイソンとバルログがケンへと、打ち込んでいくっ!」

元「……いや、サガット君もね、仕掛けてるよ。首絞めてる。スリーパーホールドだね」




437: 名無しさん 2015/06/08(月) 22:49:03 ID:diiDomPk

バイソン「……オラッ!」ドスッ

バルログ「……ヒャオっ!」ガスッ

サガット「……フフフ」ググッ

ケン「ガッ……グッ……ゴホっ……」


ブー、ブーブー

実況「ここは、シャドルーのコンビネーションとでも言えばいいでしょうか!? 悪のコンビネーションとでも言えばいいでしょうか!? ケンの身体をコーナーまで押しやり……三人がかりで仕掛けていくっ!」

元「……あまり、試合権がない人が参加するのは、僕は好かないねぇ」

実況「どうやら、会場全体も元さんと同じ考えのようでしょうかねぇ? シャドルーに対して、ブーイングが浴びせられています!」


リュウ「アイツら……くそっ……!」

ヤムチャ「リュウさんっ……! ケンさんを助けにいきましょうっ! アレじゃあ、三体一ですっ!」




438: 名無しさん 2015/06/08(月) 22:55:19 ID:diiDomPk

リュウ「よし、そうだな……ここは、助けに行こう……!」

ヤムチャ「よし、ケンさん……今、助けに行きますから……」

ダン「……控えてろっ!」

リュウ「……ん?」

ヤムチャ「ケンさんがピンチなんすよっ!」

ダン「試合権のない奴が、勝手に参加すんな……また、試合が止まっちまうだろが! アイツらは確かに、反則はしてやがるが……」


実況「さぁ、これにはコーナーのリュウとヤムチャも慌てて、リングインして……あぁ、おっと、おっと……! そんな二人をレフェリーが制しました!」

元「……あちゃぁ。ちょっと目、つけられちゃったかもね」


ダン「……こういうのは、俺の仕事なんだよ、バカが。おめぇらはそこで控えてろ!」ズガズガ


実況「ここは、レフェリーが行きますっ! レフェリーが今……コーナーでシャドルーの三人に掴まっている、ケンの元へと向かっていきます!」




439: 名無しさん 2015/06/08(月) 23:03:30 ID:diiDomPk

バイソン「……オラオラっ!」ドスッ

バルログ「……ヒャオっ!」ガスッ

サガット「ハハハ、いい様だなぁ……ケンよ……」ググッ

ケン「ぐっ……ちくしょうっ……!」


ブー、ブーブー

ダン「オイっ、てめぇら! いい加減にしねぇかっ! バイソン、オラッ! やめろっ!」グイッ

バイソン「う、うおっ……! オイっ! なんで邪魔するんだよぉ、オイっ!」

ダン「うるせぇ、黙ってろ!」

バイソン「……う、うおっ」ビクッ


実況「さぁ、そしてここでレフェリーがやってきましたっ! おぉ〜っと! かなり強引にバイソンとケンの身体の間に割って入り……先ずは、バイソンを制する!」




440: 名無しさん 2015/06/08(月) 23:10:32 ID:diiDomPk

ダン「てめぇらもだよ、この野郎っ……! サガット、バルログっ……! とっとと離しやがれっ!」

サガット「……」

バルログ「……」

ダン「聞いてんのか、コラっ! とっとと手を離せって言ってんだよっ!」


実況「さぁ、そしてそしてレフェリーはかなりキツい口調でサガットとバルログに、警告しておりますっ!」

元「……うん。レフェリーも大変だね」


サガット「……フン」ニヤニヤ

バルログ「……フフ」ニヤニヤ

ダン「……あぁ? 何ニヤついてやがる?」


実況「なんとか、サガットとバルログの動きも止まりましたかね? 今、ケンの身体をからその手を離します!」




441: 名無しさん 2015/06/08(月) 23:16:32 ID:diiDomPk

サガット「何を言ってるか、わかりませんなぁ……なぁ、バルログ……?」

バルログ「えぇ、我々は無罪ですよ……無罪、無罪……」

ダン「……あぁ!?」


ザワ……ザワ……

実況「おっとおっとおっとっ! ここで、サガットとバルログは、両腕を大きく広げて挑発的な態度っ! まるで『何が悪いんだ!? シャドルーとってはこの程度の事、日常茶飯事だ!』なんて、言っているようです!」

元「……まぁ、皆ふてぶてしい事だねぇ」

実況「反省する気など、一切ないと言った所か!? このサガットとバルログも、悪ぶれる素振りすらない態度っ! なんという事だ!」


サガット「……そもそも、俺達はあのヤムチャとかいう奴の真似事をしただけだ」

バルログ「えぇ……先程、同じ事をしていましたよね……? コーナーで動きを止めて……ヤムチャ君の時は、貴方はそこまで警告してませんでしたよねぇ? どうして我々の時だけ……?」




442: 名無しさん 2015/06/08(月) 23:22:49 ID:diiDomPk

実況「これはこれは……なんと言えばいいのやら……」


ブー、ブーブー

サガット「……何で、俺達の時だけブーイングするんだ? お前ら、さっきと態度違うんじゃねぇのか? あぁ?」

バルログ「我々の行いは正当な行為です……それは、あなた方から学んだ事なんですよ……」


実況「この場内のブーイングが全てを物語っている……そんな感じがしますねぇ、元さん?」

元「……そうだね」

実況「しかし、なんと言えばいいのか……先程は、あんなに騒ぎ立てていたのに……自分達の時には打って変わってこの態度です!」

元「……そういう人達なんだよ」

実況「それとも、これは先程の行為に対しての、シャドルーの報復……と言った所ですかねぇ?」

元「まぁ、あの態度見る限りでは……やり返してやろうとか、考えてたんだろうね……しかし、度がすぎるよ……ここまで、やってなかったよ? ねぇ?」

実況「やられた事は10倍、20倍にして返してやる……とでも言えばいいのでしょうかねぇ!? この辺り、非常にシャドルーも挑発的ですっ!」




452: 名無しさん 2015/06/09(火) 22:02:50 ID:fVLWNhCs

バイソン「まっ、そういうこった! 問題はねぇんだよ! おめぇも邪魔だから……退いてなっ……! あまり、しゃしゃり出て来るんじゃねぇっての!」ドンッ

ダン「……いでっ! 押すんじゃねぇよ!」


実況「おぉ〜っと! そしてここでバイソンも軽くレフェリーの身体を押していき、退けていくっ! コイツも反省の気なしと言った所かっ!?」

元「……まぁ、そうでしょうね」


バイソン「そぉ〜れっ! なんだなんだ、今日は楽勝だなぁ、オイっ!」ググッ

ケン「……ケッ、汚ねぇ手段使って偉そうにしてんじゃねぇよ」


実況「悪のコンビネーションでケンを痛めつけた後……バイソンは、その身体を掴みにかかり、頭部を自身の脇へと抱え込むっ!」


バイソン「身から出た錆……って、言葉知ってるか……? もしくは、自業自得……なんて言葉でもいいぜ、オイっ……?」

ケン「てめぇは、国語の教師か……この野郎……」

バイソン「教師かぁ……そいつも悪くねぇかもなぁ……シャドルーの教育方針を、世の皆様方に知らしめていかねぇといけねぇからなぁ……うおおおぉぉっ! いくぜっ!」ググッ

ケン「う、うおおぉぉっ……!」


実況「そして、そのまま二三歩後退しつつ……ケンの頭部を抱え込んだまま、バイソンは後方へと倒れ込んでいくっ!」




453: 名無しさん 2015/06/09(火) 22:12:09 ID:fVLWNhCs

バイソン「DDTだっ……! 打ち付けられろっ……!」ズドーン

ケン「……ぐわあああぁぁ!」


実況「そして、そのまま後方に倒れ込んで、ケンの頭部をマットへと打ち付けていくっ! DDTっ! DDTだっ!」


ケン「うげっ……うおっ……いってぇ……!」クルッ


実況「おぉ〜っと、コイツは勢いのあるDDTっ! ケンの身体が、そのままクルリと前のめりに一回転っ! そして、尻餅をつくように着地しましたっ!」


ケン「あ〜、いててて……頭が見事に突き刺さったよ……」

ヤムチャ「ケンさんっ! しっかりして下さいっ!」

バイソン「いいねぇいいねぇ、その師弟愛……まさに、負け犬って感じでいいじゃねぇか……」ムクッ


実況「ケンは少々、頭を抑えて苦しんでいるか!? コーナーのヤムチャも、心配そうにエールを送っていますっ! だが……バイソンはそんなケンを尻目に立ち上がっていくっ!」




454: 名無しさん 2015/06/09(火) 22:18:50 ID:fVLWNhCs

バイソン「ガーッハッハッハっ! 一時間目の授業は、イケメンを明るく楽しくボコボコにする方法ですよ! 全国の醜男醜女の皆さん……ノートとペンの用意……今からでも遅くはありませんよ、オイっ!」ググッ

サガット「いいぞ、バイソンっ! もっとコケにしちまえっ!」パチパチ

バルログ「先ずは奴のプライドから、へし折ってやりましょう!」パチパチ


実況「さぁ、そんな空手軍団とは対照的に盛り上がっている悪の軍団シャドルーっ!」

元「うん、ちょっと嫌な流れになってきたかな……? シャドルーが少々、リズム掴んできたね」

実況「ググッと右手をあげて、アピールしていくバイソンっ! サガットとバルログも、大きく手を叩き、そんなバイソンを盛りたてていきますっ!」


バイソン「歌でも、歌いながら楽しくぶん殴っていくのが、ポイントなんだな……楽しく殴らなきゃ、拳を痛めちまうからな……!」

ケン「……チッ、ちょ〜っと、調子に乗られてるなぁ。なんとかしねぇと」

バイソン「むぅわいにち〜、むぅわいにち〜、楽しい事ばかり……ナンパ野郎が……僕のサンドバックさ……」


ブー、ブーブー

実況「バイソンは上機嫌っ! かなりの上機嫌っ! 今にも歌いだしそうな雰囲気だっ! だが、しかし……場内のハートを射止める事は出来てはいないっ! ここ、ポイントにしたいですよねぇ、元さん?」

元「そうだね。やっぱり、いつでもファンの声援ってのは僕達の力になってくるからねぇ。ケン君もね……ここで、簡単に流れ掴まれてるようじゃ、ダメだよ!」




455: 名無しさん 2015/06/09(火) 22:25:06 ID:fVLWNhCs

バイソン「時々〜、リュウに〜、苛められるけど……そんなときゃ……そうさ……反則技なのさ……」グイッ


ケーン! ガンバレー!

実況「さぁ、バイソンはそのままケンの正面へと回り込み……前髪をググッと掴み、引き起こそうとしていきますっ!」

元「……髪とか、あぁいう所が雑だよねぇ?」


ケン「……歌ってんじゃねぇぞ、この野郎っ!」ガスッ

バイソン「うおっ……! なんだ、この野郎っ……!」


オー、イイゾー

実況「おぉ〜っと、しかしここはケンも負けてはいないっ! 片膝をついた状態ながらも……バイソンの腹部へと打ち込んでいくっ! 反撃に転じていくっ!」


ケン「……舐めてんじゃねぇぞ、オイっ!」

バイソン「ヘイヘイ……舐めてんのは、どっちだよ……? そ〜んな大勢で……力のこもったパンチなんて打てるのかい?」




456: 名無しさん 2015/06/09(火) 22:35:07 ID:fVLWNhCs

ケン「へへ、それもそうだな……足の踏ん張りが効かねぇよ……」

バイソン「……だろ?」

ケン「だったら、踏ん張りながら打とうじゃねぇかぁっ! オイっ!」ググッ

バイソン「カモンっ! カモンっ! ヘイ、カモンっ!」


イケー! ケーン!

実況「ケンも負けてはいないっ! ここで反撃に出たっ! 力強く立ち上がりながら……!」


ケン「これでも、喰らってろっ……! だああぁぁっ……!」ガシッ

バイソン「グッ……! ガッ……!」


実況「そのまま、バイソンの顔面へと強いエルボーを打ち込んでいったぁ!」




457: 名無しさん 2015/06/09(火) 22:46:18 ID:fVLWNhCs

ケン「まだまだぁっ! うおおおぉぉっ!」

バイソン「あ〜だだだだだっ……んあっ……?」

ケン「らぁっ……! はぁっ……!」ガスガスッ

バイソン「ガッ……! グッ……!」


実況「お〜っとっ! ケンはまだまだいくっ! 続け様に、左ィ! 右ィ! と、エルボーを連続で打ち込んでいくっ! ワンツー・エルボーっ!」

元「よし、ここから反撃にいきたいね」

実況「バイソンの頭部が左右に揺れるっ! さぁ、ここから流れを引き戻したい場面っ!」


オセー! ケーン!

ケン「オーケーっ! 任せておきなっ……! 次は、強めにいくぜっ!」グルグル

バイソン「あ〜、痛ぇ……ちくしょう、顔面ばかり狙いやがって……」


実況「さぁ、そしてここでケンは、右腕を大きくグルグルと回し……狙っているぞっ! コイツは、強めの一撃を狙っているぞっ!?」




458: 名無しさん 2015/06/09(火) 22:53:53 ID:fVLWNhCs

バイソン「……舐めてんじゃねぇぞ、カスがっ!」スパーンッ

ケン「……うっ!」ヨロッ


実況「おぉ〜っと、しかしここはバイソンも負けてはいないっ! 左手をまるで鞭のようにしならせ……ケンの顔面にジャブを的確に当ててきますっ!」

元「え〜、フリッカージャブですね」


バイソン「強めにいくぜっ……! これでも、食ってろっ……! てめぇは、黙ってなっ……!」ガスッ

ケン「……ぐううっ!」


実況「そして、お次は右腕だっ! 振り抜くようなパンチを顔面に当てていくっ! ケンの頭部がグラつくっ! 強烈な一撃だっ!」


ケン「まぁ〜た、パンチの反則かぁ、オイっ……? だけどなぁ……そんなヘボパンチ……効かねぇんだよっ……!」ググッ

バイソン「うぐぐぐぐっ……! しぶとい野郎め、こんにゃろうっ……!」イライラ


実況「あっとあっとっ! だがしかし、ケンも負けてはいないっ! 負けてはいないぞっ!? ググッと踏ん張り……堪えていきますっ! 体勢を立て直したぁ!」




459: 名無しさん 2015/06/09(火) 22:59:55 ID:fVLWNhCs

ヤムチャ「ケンさんっ! いけぇっ!」

リュウ「ここは、押し勝てっ! ケンっ!」


イケー! ケーン!

ケン「あぁっ、任せておけっ! こんな野郎にゃ……このケン様は負けねぇよっ……! 今度は蹴りだっ! だあああぁぁっ、うるあっ!」シュッ

バイソン「ガッ……! ぐはっ……!」


実況「さぁ、再びいったぁっ! 今度は蹴りィ! 強烈なミドルキックっ! バイソンの腹部に打ち込んでいくっ!」


サガット「バイソンっ! やらせるなっ!」

バルログ「反則でもなんでも、使いなさいっ! ここは押し勝つのですっ!」


バイソン「……わ〜ってるよっ! バイソン様の力を舐めるなっ! うるああぁぁっ!」ガスッ

ケン「グガッ……! くっ……だが、負けねぇっ……!」


実況「少々フラついたバイソンだが……再びいったぁ! ケンの顔面へと容赦ないパンチを振り抜いていくっ!」




460: 名無しさん 2015/06/09(火) 23:04:01 ID:fVLWNhCs

ケン「だあああぁぁぁっ! はああぁぁっ!」シュッ

バイソン「ぐおっ……! な、舐めるなああぁっ……!」ガスッ


実況「さぁ、ここで両者が打ち合っていくっ! ケンは得意の得意の蹴りで……そして、バイソンは得意のパンチ攻撃で!」


ケン「押し勝ってやるっ……! うおおおぉぉっ……!」ガスガス

バイソン「舐めてんじゃねぇぞっ……! 勝つのは……こっちだっ!」ガスガス


ワー、ワーワー

実況「さぁさぁさぁ、打ち合う打ち合う打ち合うっ! ケンは蹴りで、バイソンはパンチで……両者が一歩も引かずに打ち合っているっ! どちらが先に相手を力でねじ伏せるか!?」


ケン「……うおおおぉぉっ!」ガスガス

バイソン「……だあああぁぁぁっ!」ガスガス




461: 名無しさん 2015/06/09(火) 23:11:06 ID:fVLWNhCs

ケン「……うるああぁぁっ!」シュッ

バルログ「……う、うおっ!」フラッ


実況「おっとおっと……! この勝負……押し勝ったのはケンか!? 強烈なミドルキックがバイソンの腹部へと決まり、バイソンの動きが止まったぁ!」


ヤムチャ「よしっ! いいっすよっ! ケンさんっ!」

リュウ「ケンっ! 決めちまえっ!」


イケー! ケーン!

ケン「あぁ、任せておけっ! このチャンス……一気にいくぜっ……! うおおおぉぉっ……!」クルッ

バイソン「ち、ちくしょう……! 腹が……」

ケン「もう一撃……喰らいやがれっ! はあぁっ!」ガスッ

バイソン「……う、うげえぇぇっ!」


実況「ケンはその場でクルリと回転しての……スピンキーックっ! 再びバイソンの腹部へ打ち込むっ!」




462: 名無しさん 2015/06/09(火) 23:16:09 ID:fVLWNhCs

ケン「そして……こいつは……」グルグル

バイソン「あっ、ああっ……」


実況「さぁ、バイソンの動きを止めたケンは……その場で右腕をグルグルと回転させて……」


ケン「さっき、打てなかった分だよっ……! 下から……喰らいなっ……!」

バイソン「く、くそっ……!」

ケン「だあああぁぁぁっ! カチ上げてやるぜっ!」ゴスッ

バイソン「……ゴ、ゴフッ」


実況「そのまま下から、エルボーバーットっ! カチ上げ式だぁ! バイソンの顎へと打ち込んでいったぁ!」




481: 名無しさん 2015/06/11(木) 22:02:41 ID:und9GzmQ

ケン「おぉ〜っと、倒れるにはまだ早いぜっ……! そらっ……!」ガシッ

バイソン「う、うおっ……!」


実況「お〜っとっ! バイソンの顎元に打ち込んでいったケンは……そのまま組みかかっていくっ! まだまだ寝かさないっ!」


ケン「今度は、ぶん投げてやるぜ……! そ〜ら、よっとっ!」ググッ

バイソン「う、うおおっ……! なんだなんだなんだっ……!」


実況「そのまま、バイソンの頭部を脇に抱えて……バイソンの身体を真っ逆さまへと持ち上げていったぁ! そびえ立つ人間トーテムポールっ!」

元「おっ、ブレーンバスターにいきましたね」


ワー、ワーワー

ケン「うおおおぉぉっ……! 落ちろおぉぉっ!」ズドーンッ

バイソン「……うがああぁぁっ!」


実況「そのままバイソンの身体を後方へっ! 背中から叩きつけていくっ! ケンのブレーンバスターっ! ブレーンバスターが炸裂だぁ!」




483: 名無しさん 2015/06/11(木) 22:08:49 ID:und9GzmQ

ケン「へっ、ざまあみろっ! よっとっ!」クルッ


実況「おっとおっと、素早い動き、溲瓶な動きィ! バイソンの身体をブレーンバスターで叩きつけたケンは……そのままクルッと一回転しながら、立ち上がるっ!」


バイソン「あだだだ、背中が……痛ぇ……」

ケン「そのまま、大人しく寝てろよ……うおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「ケンは横目でバイソンの姿を確認して……お〜っと、そのままロープ方向へと走っていったぁ! ロープ目掛けて一直線だ!」

元「いいんじゃない。上手く流れを引き戻せてきたんじゃない?」

実況「狙うはロープの反動を利用しての……んっ……? あっ、違いますねコレは……」


リュウ「……やっちまえっ! ケンっ!」

ケン「あぁっ、任せておけって! ド派手に決めてやるぜっ!」


実況「ケンはリュウと言葉を交わしつつ……そのままロープを潜って、エプロンサイドへ! エプロンサイドへと移動しますっ!」




484: 名無しさん 2015/06/11(木) 22:17:03 ID:und9GzmQ

イケー! ケーン!

ケン「あぁ、任せておけっ……! 起き上がりに合わせて……かましてやるぜっ……!」

バイソン「ううっ……くっ……」


実況「ケンはエプロンサイドから、トップロープをググッと掴み、そのままバイソンに狙いを定めたぁ! どうやら、狙いはスワンダイブ式のようだっ!」


ケン「さぁさぁ、早く起き上がれっ……! 起き上がるんだ、バイソンっ……!」

バイソン「ちっくしょうっ……ケンの野郎め……」ムクッ


実況「さぁさぁ、そんなケンの術中にハマっていくかのように、バイソンが起き上がるっ! フラフラと起き上がっていくっ!」


ケン「よ〜しっ! そのままだ……いくぜ、バイソンっ……!」シュタッ


実況「ググッと腰を屈めてロープを下げつつ……そのロープの反動をも利用して、ケンはトップロープへと飛び乗ったぁ!」




485: 名無しさん 2015/06/11(木) 22:24:57 ID:und9GzmQ

ワー! ワーワー!

ケン「さぁ、いくぜっ! うおおおぉぉっ!」シュタッ

バイソン「あぁっ、なんだって!? もう来てんのか!?」


実況「ケンはトップロープへ飛び乗り、そこからさらにジャーンプっ! ケンが空を舞うっ! そしてバイソン目掛けて急降下っ!」


ケン「くたばりなあぁぁっ! ミサイルキックだあああぁぁっ!」ズガアアァァッ

バイソン「……うげえええぇぇぇっ!」バターンッ


実況「そしてそのまま突き刺していくスワンダイブ式のミサイルキーックっ! バイソンの身体へと両足を突き刺していったぁ!」

元「うん。いいの決まったんじゃないですか、うん」

実況「これを喰らい、再びバイソンはダーウンッ!」




486: 名無しさん 2015/06/11(木) 22:29:15 ID:und9GzmQ

ケン「まだまだいくぜっ! そぉ〜らよっとっ!」クルッ


実況「おぉ〜っと、おぉ〜っとっ! ここは再びケンが素早い動きィ! 俊敏な動きィ! 再び回転しながら起き上がるっ!」

元「早いねぇ。リズム掴んできたんじゃないかな?」


ケン「今度はこっちからだ……うおおおぉぉっ……!」


実況「ケンはそのまま、今度は逆側のロープへと走ったぁ! ケンの身体に活力がみなぎってきたかぁ!? ケンが縦横無尽にリングを走り回っておりますっ!」


バイソン「ガッ……くっ……くそったれめ……」

ケン「……格下のお前がこのケン様に喧嘩売ろうなんざ、百年早ぇんだよっ! てめぇが力尽きるまで打ち続けてやるよ!」


実況「さぁさぁ、ケンが再びロープを潜ってエプロンサイドへと出るっ! 今度は逆側からバイソンの身体を狙うっ! 狙っていくっ!」




487: 名無しさん 2015/06/11(木) 22:38:29 ID:und9GzmQ

ワー! ワーワー!

ケン「さぁさぁ、起き上がるんだ……起き上がるんだ、バイソン……」

バイソン「くっ……くそっ……負けるか……」ググッ


実況「さぁさぁ、エプロンサイドからバイソンの様子伺うケンっ! そして術中にハマるかのように立ち上がるバイソンっ! おっとおっとおっと!? バイソンは足にきてるか!? 足にきてるのか!?」

元「あっ、きてるんねぇ」


バイソン「ち、ちくしょうっ……ケンの野郎め……舐めやがって……」ブルブル

ケン「よ〜し、お利口さんだねぇ。バイソンちゃん……もう一撃……打ち込んでやるから覚悟しろよっ! うおおおぉぉっ!」シュタッ


実況「まるで生まれたての子馬のようにガクガクと足を震わせるバイソンっ! さぁ、ケンはそんなバイソンに狙いを定めて……ロープへと飛び乗ったぁ!」




488: 名無しさん 2015/06/11(木) 22:42:43 ID:und9GzmQ

サガット「……うおおおぉぉっ!」ブンッ

ケン「んっ……? う、うおぉっ……!」ツルッ


元「……危ないっ!」

実況「おっとおっと! なんだなんだっ! ケンが足を踏み外したか……!? トップロープから、滑り落ちますっ!」

元「……サガット君だよ、サガット君」


ケン「この野郎っ……邪魔しやがって……うげええぇぇっ!」ドサッ

サガット「お前らにとっては邪魔かもしらんが……これは俺達シャドルーの連携だっ!」


実況「ケンはそのまま場外へと落下っ! 大事なのか!? 元さん、サガットが……何をしたんでしょうか……!?」

元「ケン君がロープに飛び乗るタイミングで……あそこのロープ揺らして、邪魔したんだよ……」

実況「なぁ〜んと卑劣な……なぁ〜んと卑劣な行いだ、サガットっ! いや、シャドルーっ! ケンは派手に場外へと落ちましたが……大丈夫なんでしょうか!?」




489: 名無しさん 2015/06/11(木) 22:49:37 ID:und9GzmQ

サガット「さぁ、場外戦こそがシャドルーの本領だっ! バルログっ! いくぞっ!」シュタッ

バルログ「えぇ、そうですっ! 場外にはリングと違って、凶器もたらふくありますしね……いきましょうっ!」シュタッ


実況「おぉ〜っと、そしてここぞと言わんばかりに……エプロンサイドのサガットとバルログは場外へと降りるっ! こいつは場外戦か!?」

元「ここぞとばかりに動いて来ましたね」

ケーン! ニゲロー!

実況「このままでは、二対一だ! 二対一! いや、バイソンも場外戦に加わってきたら、三体一だっ! これはケン、ピンチです!」


リュウ「くそっ、ケンがピンチだっ! いくぞ、ヤムチャっ……!」シュタッ

ヤムチャ「はいっ……! いきましょうっ……!」シュタッ


実況「さぁ、慌ててリュウとヤムチャも場外へと降りるっ! 場外へと降りていくっ! 少々距離はあるが……助けにいけぇ!」




490: 名無しさん 2015/06/11(木) 22:54:42 ID:und9GzmQ

バルログ「さぁ、パイプ椅子に……鉄柵……鉄柱なんかもありますね? サガット、凶器はどれにします? なんだか、ウキウキしちゃいますね?」

サガット「……いや、そんなに時間の猶予もなさそうだ。リュウとヤムチャが向かってきている」

バルログ「……あらら、邪魔者めが」

サガット「……奴らにここに来られたら面倒な事になりそうだ。一発でも多く入れておきたい。蹴飛ばすぞ!」

バルログ「わかりました……蹴飛ばしましょうっ……!」

ケン「や、やべぇ……ここは、完全にコイツらの巣窟だ……マズいぞ……こりゃ、マズい……」


実況「さぁさぁ、場外でダウンしているケンに向かっていくサガットとバルログっ! こいつは少々マズい状況だっ! マズい状況だっ!」


サガット「さぁ、ケンっ! 死ねええぇぇっ!」

バルログ「醜く地べたに這いずってなさいっ! さぁ、蹴飛ばして差し上げましょうっ!」

ケン「くっ……! こりゃ、なりふり構ってられねぇよっ……! 一時撤退だっ! 一時撤退っ!」


実況「おっとっ! しかし、ここはケンの動きがいいっ! すぐ様、体勢を立て直し……慌ててリングへと戻るますっ! サードロープの下に身体を潜り込ませるようにしながらリングへと戻るっていったぁ!」

元「うん、戻ろう戻ろう。ここにいてもろくな事ないよ」




491: 名無しさん 2015/06/11(木) 23:02:40 ID:und9GzmQ

リュウ「……どうやら、俺達の助けは必要なかったみたいだな?」

ヤムチャ「ケンさんっ! いいっすよっ!」


ケーン! ナイスファイトー!

サガット「……臆病風に吹かれたか、ケン」

バルログ「……逃げ足だけは早い男です」

ケン「へっ……好きに言ってろ。こちとら場外戦なんざ、興味はねぇんだ……」


実況「ケンはなんとかサガットとバルログの二人から逃れますっ! さぁ、これで……あ〜っと、あ〜っと、あ〜っとっ!」


バイソン「ケン君、おかえりなさぁ〜いっ! そして、いらっしゃいませええぇぇっ! うおおおぉぉっ!」ダダッ

ケン「バイソン……? やべっ、もう来てやがるっ……!」クルッ


実況「バイソンはもう突っ込んでいるっ! ケン目掛けて猛牛のように突っ込んでいっているっ!」

元「う〜ん……リングに上がって、ちょっと無防備な瞬間が出来たからね……でも、バイソン君も見逃さないねぇ……?」

実況「一難去ってまた一難っ! 今度はバイソンがケンを襲いにかかるっ!」




492: 名無しさん 2015/06/11(木) 23:13:31 ID:und9GzmQ

バイソン「うおおおぉぉっ……! そいやぁっ……!」ドスッ

ケン「……ぐげっ」

バイソン「そのまま……ぶっ倒れなっ……! ふんがあああぁぁぁっ!」ズドーンッ

ケン「ぐっ……ぐわあああぁぁ……!」


実況「バイソンはそのまま肩口からケンの腹部へと突っ込んでいき……そしてそのままタックルのようになぎ倒していくっ!」

元「スピアーですね」

実況「バイソンのスピアーっ! 一瞬の隙を見逃さないバイソンのスピアーっ!」


ケン「うっ……いてぇ、ちくしょう……」

バイソン「こんなモンで終わると思うなよ……! オラ、ケンっ! 覚悟しろっ!」ドスッ


実況「ケンをなぎ倒したバイソンは……おっとおっとっ! そのままケンの腹部へと馬乗りになるようにのしかかっていくっ! のしかかっていくっ!」

元「う〜ん、マウントポジション……取られちゃったねぇ……」




493: 名無しさん 2015/06/11(木) 23:20:04 ID:und9GzmQ

バイソン「さぁ〜っ! 張り切っていきましょう〜! ハイパーボコボコタイムで〜すっ!」ググッ

ケン「脱出だっ……なんとか、脱出しねぇと……」モガモガ


実況「さぁ、バイソンは両腕を高々と掲げて大アピールっ!」


バイソン「脱出なんてさせねぇぜ……? いくぜ、オイっ! ハイヤァっ! ハイヤァ!」ガスガス

ケン「ガッ……! ウガッ……!」


実況「そして、いったぁっ! ケンの顔面目掛けて拳を打ち込んでいったぁ!」


ケン「くっ……! くそっ……! ガードだっ! ガードを固めるんだっ!」

バイソン「マウント取っちまえば、芋虫みたいになっちまうのは皆同じなんだぁ、オラっ! ガードなんて無駄だよっ! オラオラオラオラっ!」ガスガス


実況「ケンはガードを固めるのが精一杯と言った所か!? しかし、バイソンは容赦なく! 打ち込む打ち込む打ち込むっ! ガードをこじ開けるかのように打ち込んでいくっ!」




494: 名無しさん 2015/06/11(木) 23:24:33 ID:und9GzmQ

サガット「マウントを取れば、お前のフィールドだっ! やっちまえ、バイソンっ!」

バルログ「ケンを顔を醜く腫れ上がらせてしまうのですっ!」


バイソン「ヒャーッハァッ! わかってるっての! サガットちゃん、バルログちゃんっ!」ガスガス

ケン「くっ……うっ……!」


実況「さぁ、サガットとバルログがエプロンサイドに戻ってきたぁ! これが狙いだったのか、コレが!? バイソンはそれに応えるように、ケンに打ち込む打ち込む打ち込む!」


リュウ「オイ、レフェリーっ! アレ、反則じゃねぇのか!?」

ヤムチャ「拳は反則でしょう! 拳は!」

ダン「あっ、うん……そ、そうだな……うん、拳は反則だ……」


実況「リュウとヤムチャも、エプロンサイドへと戻ってきたぁ! そしてそこからレフェリーに何やらアピールしておりますっ!」

元「拳で殴るのは反則だからね。レフェリーにアピールしてるんですよ。本当はこういう事なしでも、動かなきゃいけないんだよ?」




502: 名無しさん 2015/06/12(金) 22:01:34 ID:giBXtQss

ダン「おいっ! バイソン、何やってんだ! 拳は反則だろうが、拳はよぉ!」


実況「さぁ、今レフェリーが警告にきましたっ! 馬乗りになってケンをタコ殴りにしているバイソンに対して……拳はやめろと言わんばかりに、強い口調で警告しておりますっ!」


バイソン「うるせぇ! コラっ! こ〜んなチャンスの状況に……邪魔しに来てんじゃねぇよ、馬鹿野郎っ……!」ドンッ

ダン「……う、うげっ!」ドテッ


実況「あ〜っと、あ〜っとっ! だがしかし、バイソンはそんなレフェリーを突き飛ばしたっ! レフェリーを突き飛ばしていきますっ!」

元「……いけないですねぇ」


ブー、ブーブー

バイソン「ブーイングなんて知るか、ゴラっ! 戦いってのはノールールが基本なんじゃねぇのか!? シャドルーはいつでも、ノールールだぜ……? オラオラオラオラァ!」ガスガス

ケン「くっ……ううっ……くそっ……」


実況「バイソンに突き飛ばされてリングに倒れこむレフェリーっ! そして、何事もなかったかのように、ケンへと拳を打ち込んでいくバイソンっ! コイツは少々荒れてきたかぁ!? バイソンが少々、暴走気味だっ!」




503: 名無しさん 2015/06/12(金) 22:09:23 ID:giBXtQss

リュウ「……おいっ! レフェリー、大丈夫か!?」

ヤムチャ「あの人は……ここ一番では頼りにならないんですよ……くそぉ! 俺が行きますっ!」

リュウ「……ヤムチャ?」


イケー! ヤムチャー!

実況「暴走モードのバイソンの勢いは止まら……おっとおっとおっと!? いや、ここはヤムチャが動いたっ! 素早くリングに雪崩れ込んできたぁ!」



バイソン「オラオラっ! くたばりやがれ、ケンっ!」ガスガス

ケン「くっ……くそっ……!」

ヤムチャ「好き勝手やってんじゃねぇぞ、バイソンっ……! うおおおぉぉっ!」


実況「ヤムチャがきたぁ! ヤムチャがきたぁ! ケンの救出の為……ヤムチャがバイソン目掛けて一直線っ!」




505: 名無しさん 2015/06/12(金) 22:15:17 ID:giBXtQss

ヤムチャ「拳は反則なんだよっ! ルールにゃ従え、この野郎っ!」スパーンッ

バイソン「うおおおぉぉぉっ……!っでえええぇぇぇっ!」

ケン「お、おぉっ……動きが、止まったぞ……!?」


実況「さぁ、そしてヤムチャは、バイソンの背中へと……熱〜い蹴りを打っていくっ! ここでヤムチャがケンを救出しますっ!」


サガット「まただ……! またアイツが乱入したぞ……! 試合権のない奴は大人しくしておかないといけねぇんじゃねぇのか!? あぁ!?」

バルログ「退場です、退場っ……! こいつを退場させましょうっ!」

ヤムチャ「うるせぇっ! そもそも、お前らはどうなんだこの野郎っ……!」ズガズガ


実況「お〜っと、お〜っとっ! そしてここでヤムチャは……シャドルー陣営の方にいるサガットとバルログへと近づいていくっ!」




506: 名無しさん 2015/06/12(金) 22:21:34 ID:giBXtQss

ヤムチャ「てめぇらの事……!」ガスッ

サガット「……うぐっ!」

ヤムチャ「……棚に上げてんじゃねぇっ!」ガスッ

バルログ「……ガッ!」


イイゾー! ヤムチャー!

実況「そしてヤムチャはシャドルー陣営エプロンサイドにいる、サガットとバルログへ……エルボーバットォ! それぞれ、一発ずつ顎元へとお見舞いしていったぁ!」


サガット「汚ぇ小僧だな……不意打ちかっ……! く、くそっ……!」ボトッ

バルログ「舐めた真似を……くっ……!」ボトッ


実況「これによって、サガットとバルログは……場外へと落下ァっ! 落下していきますっ!」

元「いいねぇいいねぇ、今日のヤムチャ君は勢いがある」


ヤムチャ「さぁ、次はバイソンだ……今日はやってやる……とことん、やってやるぜオイ……」クルッ

リュウ「……ったく、元気が良すぎんだよアイツは」




507: 名無しさん 2015/06/12(金) 22:27:53 ID:giBXtQss

ヤムチャ「今度は、正面からだ……うおおおぉぉっ!」スパーンッ

バイソン「……あぐわああぁぁっ!」バターンッ


実況「ヤムチャはクルっと振り返り、バイソンに近づいて行き……今度は正面からぁ! 胸元に熱〜い蹴りをお見舞いしていくっ!」

元「なんとか、ケン君の救出は出来ましたね」

実況「これを喰らい、バイソンはダーウンっ! ここは早い対応と言えばいいでしょうか!? 積極的にヤムチャが動いていきますっ!」


イイゾー! ヤムチャー!

ヤムチャ「ケンさん、大丈夫でしたか!?」

ケン「お、おうっ……お前のおかげで、なんとか助かったよ……それより、あまりそんな所にいると……また、サガット達にイチャモンつけられんぞ……?」ムクッ

ヤムチャ「大丈夫っすっ! アイツらは蹴散らしましたっ!」

ケン「蹴散らしたって……お前、一人でか……?」

ヤムチャ「……はいっ!」

ケン「……わお」




509: 名無しさん 2015/06/12(金) 22:37:56 ID:giBXtQss

実況「さぁ、そしてここでケンも起き上がる! 起き上がってくるっ! 少々、頭部を抑えている所を見ると……やはり、ダメージも残っているのでしょうかねぇ、元さん?」

元「まぁ、そこまで大きくはないんじゃないかな? なんだかんだで、ガードはしてたし……ヤムチャ君も早めに動いてきたからね」


ケン「おおっ、本当だ……サガットの野郎も……バルログの野郎もいねぇ……おまけにレフェリーは、倒れてやがる……」キョロキョロ

ヤムチャ「それじゃあ、俺は次の出番に備えて……自軍コーナーへ……」

ケン「おいおいおいっ! 待て待て、ヤムチャっ! こんな都合のいい状況、利用しねぇワケにはいかねぇだろ!?」

ヤムチャ「……ん?」

ケン「誰〜も、見てねぇ……文句を言う奴なんて、誰一人いねぇんだ……大チャンスじゃねぇかっ! 合体技だっ! 合体技いくぞオイっ!」

ヤムチャ「おっ……? た、確かに……」




510: 名無しさん 2015/06/12(金) 22:48:31 ID:giBXtQss

ケン「そっち持てそっちをよぉ……! バイソンの野郎を引き起こせっ!」ググッ

ヤムチャ「了解っすっ……! バイソン、起きろっ……!」ググッ

バイソン「う、ううっ……!」


実況「おっとおっと、そして……ここで、ケンとヤムチャは二人掛かりでバイソンの身体を引き起こしていくっ! 引き起こしていくっ!」

元「おっ、何か狙ってるねぇ……」


ケン「ロープに振るぞっ……! せぇ〜のっ!」ブンッ

ヤムチャ「バイソンっ! ロープへ行ってこいっ!」ブンッ

バイソン「くっ、うっ……うおおおっ……!」


実況「さぁ、そしてケンとヤムチャは……二人掛かりでバイソンの身体をロープへと振っていったぁ!」


ケン「よっしゃぁっ! 空手軍団の合体攻撃だっ! その目に焼き付けなっ!」ググッ

ヤムチャ「やってやりましょうっ!」ググッ


ワー、ワーワー

実況「そして、ケンとヤムチャの二人が同時に拳を突き上げるっ! こいつはこいつは……合体技かぁ!?」

元「狙ってますねぇ」




511: 名無しさん 2015/06/12(金) 22:55:34 ID:giBXtQss

バイソン「ち、ちくしょう……!」

ケン「さぁ、いくぞっ……! ヤムチャっ! モタモタすんじゃねぇ、構えろっ!」ググッ

ヤムチャ「……了解っすっ!」ググッ


実況「さぁ、バイソンの身体がロープの反動で返ってきたぁ! そしてそれに狙いを定めるように……ケンとヤムチャは腰を落として構えたぁ!」


ケン「いくぞっ……! ダブルっ……!」

ヤムチャ「トラースキックだあああぁぁぁっ!」


スパーンッ


バイソン「うげえええぇぇぇっ!」バターンッ


オー、オーオー

実況「そして二人掛かりで同時に打ち込んでいったぁ! バイソンに同時に打ち込むっ! これを喰らって、バイソンは大きく大きく大きくダーウンっ!」




512: 名無しさん 2015/06/12(金) 22:59:09 ID:giBXtQss

ヤムチャ「……締めは勿論っ!」ビシッ

ケン「リュウだっ! さぁ、リュウっ! いっちまえっ!」ビシッ


ワー! ワーワー!

実況「ケンとヤムチャのヤムチャの連携攻撃っ! おっと、そしてここでケンとヤムチャは同時にコーナーポストの上へと指差していくっ!」

元「おぉ、おぉ……いいねぇいいねぇ……」


リュウ「全く、ケンに……ヤムチャ……二人ともはしゃぎすぎなんだよ……」


実況「おぉ〜っと、そこにはリュウの姿があったっ! リュウがコーナーポストの上へと昇り、スタンバイ完了していたっ!」


リュウ「俺を除け者にしてんじゃねぇぞっ……! いくぜ、バイソンっ! 連携攻撃はまだ続いているさっ!」シュタッ


ワー! ワーワー!

実況「そしてリュウが飛んだあああぁぁっ! コーナーポスト最上段から……バイソン目掛けて、飛んでいったあああぁぁっ!」




515: 名無しさん 2015/06/12(金) 23:06:10 ID:giBXtQss

リュウ「ダイビング・エルボードロップだっ! うおおおぉぉっ!」ズドーンッ

バイソン「……うぐああああぁぁぁっ!」


実況「そしてバイソンへと肘を突き刺していくっ! リュウのダイビング・エルボードロップっ! ダイビング・エルボードロップだあぁぁっ!」

元「これは大きいね……三人掛かりで仕掛けてきたよ……」

実況「空手軍団軍団が足並み揃え、素早い動きで連携を仕掛けていったぁ! バイソンも大ダメージか!?」


リュウ「よしっ……うまく決まったな……」ムクッ

ケン「あぁ、ざまあみろってんだっ!」

ヤムチャ「……よしっ! いい感じっす!」


実況「リュウも起き上がり……上手くいったなと言わんばかりに、三人顔を見合わせますっ! この辺り……空手軍団軍団の連携プレーというものは、いかがでしょうか、元さん?」

元「いい感じだと思いますよ、うん」

ワー! ワーワー!

実況「おぉ〜っと、そしてここで三人揃って大アピールだぁ!」




516: 名無しさん 2015/06/12(金) 23:10:41 ID:giBXtQss

実況「改めて見ると……ファイトスタイルこそは似ているモノの、それぞれ個性がありますっ!」


ワー! ワーワー!

リュウ「……よし、決まったぜっ!」ググッ


実況「寡黙な表情のまま、ググッと拳を突き上げるリュウっ!」


ワー! ワーワー!

ケン「何気に三人掛かり……ってのは、初めてなんだぜ……? しっかりその目に焼き付けてくれたかな?」


実況「少々、おちゃらけた様子で両手を広げポーズを取りながら、場内へとアピールしていくケンっ!」


ワー! ワーワー!

ヤムチャ「よしっ……! 俺もやったぜっ……!」ググッ


実況「少々控えめながらも……その内に秘めた闘志を表現するかのように、ファイティングポーズを作っていくヤムチャっ!」

元「多種多様な個性が集まって、一つになるのがチームです」

実況「こいつが空手軍団だっ! 空手軍団っ! 我らの正義の味方の空手軍団だぁ!」




524: 名無しさん 2015/06/13(土) 22:00:42 ID:hQ0uVA1w

ダン「うっ、ううっ……おめぇら決めてる所、悪いけどよぉ……」ムクッ

リュウ「おっ、レフェリー……大丈夫だったか……?」

ダン「余計なお世話だ。俺の事なんざ心配する必要ねぇ……それより、試合権がない奴らは下がれ……それがルールだ……」

リュウ「わかりました、下がります。ヤムチャ、戻るぞ……」

ヤムチャ「うっすっ!」


実況「見事な連携を見せていった空手軍団っ! さぁ、ここでリュウとヤムチャは……自軍コーナーへと引き下がり始めます……」


ケン「あ〜、待て待て……ちょっと待ってくれ、リュウにヤムチャ……」

リュウ「どうした、ケン?」

ヤムチャ「レフェリーには……下がれって言われてますよ……?」

ケン「……疲れた。なんだかんだで、あの野郎に結構殴られたりしてるんだよ、こっちは」

リュウ「……そうか」

ケン「俺も戻るよ……俺も……ちょっと休憩だよ、休憩……」




525: 名無しさん 2015/06/13(土) 22:08:26 ID:hQ0uVA1w

実況「おぉ〜っと、ここでケンも二人とも同じように自軍コーナーへと引き下がっていきます! こいつは、交代と見てよろしいですかね?」

元「うん、まぁいいタイミングなんじゃない?」


リュウ「……身体は温まってるだろうな、ヤムチャ?」

ヤムチャ「大丈夫っすよ……結構動きましたからね……もう、温まってますっ……!」


実況「リュウは……ロープを潜り、エプロンサイドへと戻りますっ! そして、ヤムチャはロープに片足だけ掛けたっ!」

元「ここはヤムチャ君かな、うん」


ケン「バイソンは、もうボロボロだぁ……今のアイツなら……お前でも楽勝にいけるぜ……?」

ヤムチャ「いい流れで……ありがとうございますっ……!」

ケン「なぁ〜に、これも兄弟子の仕事だ……よっしゃっ! ヤムチャっ! エンジン全開でいって来いやっ!」パシッ

ヤムチャ「うっすっ! いってきますよ、ケンさんっ!」パシッ


実況「さぁ、ケンはヤムチャにタッチしつつ、そのままエプロンサイドへと引き下がっていくっ! ここで試合権は移ったっ! 今度はヤムチャっ! ヤムチャがいきますっ!」




526: 名無しさん 2015/06/13(土) 22:20:57 ID:hQ0uVA1w

ヤムチャ「さぁ、次は俺の出番だっ! この流れのまま……一気にいくぜええぇぇっ!」ググッ


ヨーシ! イケー! ヤムチャー!

実況「さぁ、ここでヤムチャが向かっていくっ! 両腕をググッと突き上げ……意気揚々とリング中央へと向かっていくっ!」


ヤムチャ「さぁっ! ここから、いい所見せていくかっ……! ウシっ!」パチンッ


実況「ヤムチャは高く突き上げた両手を振り下ろし……そのまま、自身の目の前で大きくひと叩きっ! ポンっと、大きく手を叩いて気合を注入していくっ!」


ヤムチャ「さぁさぁ、いくぜ……へへへっ……!」ピョンピョンッ


オオー! イイゾイイゾー!

実況「ヤムチャはファイティングポーズをとり……おぉ〜っと、そのまま軽快なステップっ! フットワークを見せていくっ! 乗ってますねぇ、元さん?」

元「うんうん、いい感じに乗ってるんじゃない?」

実況「今日のヤムチャは乗っている……乗っているっ! さぁ、ここは手にした流れのまま……一気に攻めていきたいっ!」




527: 名無しさん 2015/06/13(土) 22:33:40 ID:hQ0uVA1w

リュウ「馬鹿野郎っ……! 調子乗り過ぎなんだよ、お前はよぉ!」

ケン「早くしねぇと、バイソンが起きちまうぞ! 何やってんだ!?」

ヤムチャ「ナ、ナハハハ……ちょっと、調子に乗り過ぎちゃいましたかね……?」

リュウ「早くいけ……ほら、ぶっ飛ばしてこい……」

ケン「お前は、しょうがねぇ奴だね……その辺りが、三番弟子たる所以だわ……」


実況「そんなヤムチャにコーナーにいるリュウとケンも、一言二言かけていきますっ! 随分と和やかな表情で話している辺り……やはり、いい流れで来てると言う事でしょうかね?」

元「チームで誰かが乗ってる時って、他の人にも伝染するからね……やっぱり、ムード作りは大切だよ。大切大切。いい流れの傾向が見えるね」


ヤムチャ「よしっ……! それじゃあ、アピールはそろそろお終いだ……いくぜ、バイソンっ……!」

バイソン「くっ……ううっ……」


イケー! ヤムチャー!

実況「さぁ、そしてヤムチャが向かっていくっ! ダウンしているバイソンに向かっていくっ!」




528: 名無しさん 2015/06/13(土) 22:41:02 ID:hQ0uVA1w

ヤムチャ「オラっ! バイソン、起きやがれっ……!」ググッ

バイソン「くっ、ううっ……」


実況「さぁ、そしてそのままヤムチャはバイソンの身体を引き起こしていくっ! 引き起こしていくっ! ここから何を仕掛けるっ!?」


ヤムチャ「へへ、いくぜっ……よっと……ホッ、ホッ……」ピョンピョンッ

バイソン「んっ……? あぁ……こいつ、何してやがる……?」


実況「バイソンを引き起こしたヤムチャは、その目の前で軽くステップっ! 身体を左右に振ってからの……」


ヤムチャ「せいやぁっ! ミドルキックだぁっ!」シュッ

バイソン「……ふぐっ!」


実況「ミドルキィーックっ! バイソンの脇腹へと突き刺していくっ!」




529: 名無しさん 2015/06/13(土) 22:49:35 ID:hQ0uVA1w

ヤムチャ「まだまだ、いくぜっ……! ホッ、ホッ……!」ピョンピョンッ

バイソン「あがが、痛ぇ……脇腹に打ち込みやがって……」

ヤムチャ「……せいやぁ!」シュッ

バイソン「……ふぐっ!」


実況「再びヤムチャは、ステップを見せつつの……ミドルキィーックっ! 今度は逆側へと打ち込んでいったぁ!」


ヤムチャ「いち……にの……さんっ……!」シュッ

バイソン「……うげっ!」

ヤムチャ「いち……にの……さんっ……!」シュッ

バイソン「……ふげっ!」


イイゾー、ヤムチャー

実況「さぁ、ヤムチャが打ち込んでいく打ち込んでいくっ! 軽快なステップを踏みながらの蹴りをバイソンへと打ち込んでいくっ!」

元「うん。今日のヤムチャ君、落ち着いてるね。自分のリズムで戦ってる。焦りがない」




530: 名無しさん 2015/06/13(土) 22:58:32 ID:hQ0uVA1w

ヤムチャ「リズムに合わせて……いち……にの……さんっ……!」シュッ

バイソン「うぐっ……く、くそっ……ちょろちょろ踊りながら蹴りやがって……鬱陶しいぞっ!」

ヤムチャ「……リズム感が良くないと、一流のミュージックファイターにはなれないそうですからね?」

バイソン「ミュージックファイター……? なんじゃそりゃ……?」

ヤムチャ「俺にも、よくわかってないんですけどね……まぁ、とにかく……いち……にの……さんっ……!」シュッ

バイソン「……うげええぇぇっ!」フラッ


実況「リズムに乗ってヤムチャが蹴りを打つ! ダンスをするかのように蹴りを打つ! おぉ〜っと、ここでいいのが決まったかぁ!? バイソン身体がフラついたぞっ!」

元「よしよしっ! いっちゃえいっちゃえ!」


ヤムチャ「よ〜っしっ! そろそろ止めにしちまうかっ!? いくぜっ!」ググッ


イケー! ヤムチャー!

実況「この隙を逃さんとばかりに……ヤムチャは握り拳を作ってアピールだっ!」




531: 名無しさん 2015/06/13(土) 23:05:20 ID:hQ0uVA1w

ヤムチャ「さぁ、これで止めだっ! バイソンっ……! いち……にの……」ピョンピョン

バイソン「……く、くそっ」


実況「さぁ、ここで決めるかっ! ヤムチャがステップをピョンピョンと踏みタイミングを取って!」


ヤムチャ「さんっ……! はいやあああぁぁっ!」シュッ

バイソン「くそっ……! だがしかしタイミングは一定だっ……! こうなりゃ、受け止めてやるっ……!」


実況「そして蹴りを打ち込んでいったああぁぁっ!」


ヤムチャ「……と、見せかけて」ピタッ

バイソン「んあっ……? 打ってこねぇのか……!?」


実況「おっとおっと!? いや、ここはヤムチャの蹴りがストップっ! ストップしますっ! こいつは、フェイクか!?」

元「フェイクでしょうね」




532: 名無しさん 2015/06/13(土) 23:13:40 ID:hQ0uVA1w

ヤムチャ「一旦、ブレイクっ……! そしてっ……!」クルッ

バイソン「ちくしょうっ……! こんな野郎にっ……!」


実況「蹴りをストップさせたヤムチャは、その場で一回転っ! バイソンの目の前でクルリと自身の身体を回転させつつ……」


ヤムチャ「一人時間差だっ……! はいやぁっ……!」ガスッ

バイソン「くそっ、してやられたってワケかっ……! うぐわああぁぁっ!」


実況「そのままバイソンの首筋へとチョップを打ち込んでいったぁ! ここはローリング袈裟斬りチョップっ!」

元「上手くバイソン君の虚をつけましたね」


バイソン「ううっ……くそっ……」クルッ

ヤムチャ「上手く背後を向いてくれたな……よ〜しっ! いくぜっ!」ピョンッ


実況「これを喰らったバイソンの身体はクルっと一回転っ! お〜っとお〜っとっ! そしてヤムチャはまだまだいくぞっ! 間髪入れずにその場で高くジャーンプっ!」




533: 名無しさん 2015/06/13(土) 23:23:44 ID:hQ0uVA1w

ヤムチャ「首筋に……喰らいなっ……! うらあああぁぁっ!」ズガアアァッ

バイソン「ガッ……う、うおっ……!」


実況「そしてそのままバイソンの首筋に打ち込んでいく、延髄蹴りィ! 延髄蹴りだあぁっ!」


イイゾー、ヤムチャー

バイソン「うっ、ううっ……」

ヤムチャ「どうだっ……!? 決まっただろっ……!?」

バイソン「ち、ちく……しょう……」バターンッ

ヤムチャ「……よしっ!」


ワー! ワーワー!

実況「これを喰らいバイソンは前のめりに、大きくダーウンっ!」

元「いいですねぇ、得意の打撃攻撃を仕掛けて……再びダウンを取れました。いい流れは来ていますよ」




534: 名無しさん 2015/06/13(土) 23:31:47 ID:hQ0uVA1w

バルログ「くっ……! バイソンめ……あんな醜い雑魚にいいようにやられて……」ムクッ

サガット「落ち着けバルログ……今だけだ……どうせ今だけだよ……」ムクッ


ヤムチャ「オラオラ、バイソンっ……! 寝てんじゃねぇよ、起きなっ……!」ググッ

バイソン「あがが……ううっ……」


実況「ヤムチャの勢いは止まらないっ! 再びダウンしたバイソンを引き起こしていくっ!」


バルログ「しかし、サガットっ……!」

サガット「バイソンを信じろ、バルログ……あんな雑魚には負けんさ……とりあえず、コーナーには戻っておこう……まだ、そこまで焦る場面ではない……」


実況「さぁ、ここでバイソンを仕留めきれるか……ヤムチャっ!」

元「あっ、でもサガット君とバルログ君が……エプロンサイドに戻ってきたねぇ……」




541: 名無しさん 2015/06/14(日) 22:02:28 ID:8LTzEfFI

ヤムチャ「さぁ、バイソンっ……ロープにいってこいっ……! うおおおぉぉっ!」ブンッ

バイソン「う、うおおっ……!」


実況「さぁ、ヤムチャバイソンを振っていくっ! その身体をロープへと振っていくっ!」


バイソン「ち、ちくしょうっ……!」ダダッ

ヤムチャ「さぁ! ここで決めてやるぜっ!」ググッ


実況「バイソンの身体がロープの反動で返って来たぁ! っと、ここでヤムチャは拳を突き上げ叫んだぁ!」


ヤムチャ「……うおおおぉぉっ、だあっ!」ガシッ

バイソン「……くっ!」


実況「そのままカウンターで潜り込みようにバイソンの懐突っ込んでいき……そして、そのまま両太腿を捉えたっ!」




542: 名無しさん 2015/06/14(日) 22:09:10 ID:8LTzEfFI

ヤムチャ「でえええやあああっ!」ピョンッ


実況「そしてその場でジャーンプっ! バイソンの身体を捉えたまま、ヤムチャは垂直にジャーンプっ! そしてそのまま開脚しながら……」


ヤムチャ「スパイン・ボムだっ! 喰らいなっ!」ズドーンッ

バイソン「……ふぐうううぅぅっ!」


実況「バイソンの身体をマットへと叩きつけていくっ! ここはヤムチャがスパイン・ボムを繰り出していったぁ!」


ヤムチャ「さぁ、レフェリーっ……! フォールの体勢に入ってるぜ……カウントを頼むっ!」

ダン「オーケーっ! 任せておきなっ!」


実況「ヤムチャはフォールの体勢に! そのままフォールの体勢へと入っているっ! さぁ、レフェリーカウントを取りにやってきますっ!」




543: 名無しさん 2015/06/14(日) 22:14:42 ID:8LTzEfFI

バルログ「……助けにいきますか、サガット?」

サガット「なぁ〜に、あの程度なら……決まらないさ……動く必要などない……」


実況「さぁ、どうだ!? 今、レフェリーによってカウントが取られますっ!

元「あ〜、でもサガット君とバルログ君は動かないねぇ……」


ダン「ワンっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「ツーっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「……スリ」

バイソン「……フンっ!」ググッ

ヤムチャ「……チィっ!」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


実況「しかしここはカウント2! カウント2でバイソンの肩が上がりますっ! この辺り……まだバイソンにも余裕はあると言った所でしょうか?」




544: 名無しさん 2015/06/14(日) 22:18:58 ID:8LTzEfFI