「はあちゅうインタビュー・ジェネレーター」で話題のPARTYとバーグハンバーグバーグを取材してみた
柳内啓司 | メディア・プロデューサー
ブロガーで作家のはあちゅうが、アナタがいかにモテるか、ベタ褒めしてくれる企画「2015年下半期 こんな男は絶対にモテる!」が、ネット上で話題だ。この企画をしたPARTY橋口氏・村上氏とバーグハンバーグバーグ・シモダ氏を訪ね、この企画がどのように生まれたか、そして、ウケるネットコンテンツとはどのようなものか、を取材した。
今回の企画について
- 今回のはあちゅうインタビュー企画、僕の周りでも話題になってて、リリース当日は、タイムラインがはあちゅうのインタビューでいっぱいになってました。実際の反応はいかがでしたか?
PARTY村上氏(以下、村上):初日だけで15万PV、4日間で27万PV記録するなど、非常に大 きな反応をもらいました。ありがとうございます。
- 今回の企画のアイデアはどうやって生まれたんですか?
村上:元々、Facebookからユーザーの情報を利用した、「ジェネレーターもの」をつくること が決まっており、別のアイディアがありました。ところがバーグハンバーグバーグさんとブレス トするうちに「はあちゅうでインタビュー記事をやろう!」というアイディアになり、そこか ら一気にアイディアが爆発しました。その場で中村(クリエイティブディレクター:中村洋基 氏)がはあちゅうに電話して。もう翌日にはインタビューと撮影をしていました。
- すごいスピード感ですね。
村上:中村とはあちゅうが仲よかったってこともあったんですが、早かったですね。
バーグハンバーグバーグ・シモダ氏(以下、シモダ):このスピード感はPARTYさすがだな!って思いましたね。
- ネタ出し会議は順調でしたか?
シモダ:はあちゅうでやるって決めてからは、アイデア出まくりでしたね。とどまることを知りませんでした。あと、橋口さんが過去のはあちゅうインタビューをたくさん集めてきてくれて。そこから、はあちゅうらしいコメントたくさん考えてくれたのもよかったですね。
PARTY橋口氏(以下、橋口):例えば、はあちゅうのインタビューで「ラブホよりシティホテルに連れていく男の方がイケてる」みたいな話があって、これは使えると思いました。そういう言葉を集めていったんです。はあちゅうの言葉って基本反感を覚えるんですけど、「確かにそうなのかも」って思える部分、「少しの共感」があるんですよね。「シティホテルじゃないとイケてないかも」って。だからネットでツッコミが起きて、拡散するんですよね。
シモダ:はあちゅうはそうやって極論を言い切るのがスゴイですよね。あとこんなメチャクチャな企画に文句一つ言わずにOKを出す男気にファンになってしまいました。
橋口:あと「社会人とは」とか「東京とは」みたいな発言もポイントで、ものすごくデフォルメした上で使いました。はあちゅうの記事は、本当に色々読み込んだので、はあちゅうのゴーストライターやれると思います(笑)
シモダ:もはや「はあちゅう学」の研究者(笑)
橋口:これだけムチャクチャやっても、はあちゅうからは一文字も訂正は無くて、すべてOKしてくれました。これはスゴイことだと思うし、僕もファンになっちゃいましたね。
- 他に制作にあたって気をつけたポイントはありますか?
シモダ:グラフの表現とかは気を配りましたね。「ここは棒グラフがいい」とか「ここは円グラフ」にしようとか。グラフって説得力があるじゃないですか。そういうものを入れて、リアリティを高めていきました。
村上:あと、シェアされるサムネイル画像やタイトルにも工夫しました。サムネイル画像に「断言します。いま一番モテるのは○○歳のあの人です。」ってその人の年齢が出るようにして、タイトルには『はあちゅうが激白「いま一番モテる男は、○○」』とその人の名前が入るようにしました。これがシェアされた時に強いヒキになったんだと思います。
ネットでウケるコンテンツとは?
シモダ:基本、調子に乗らないというのは大事だと思います。「俺リア充!」とか言っちゃダメ。某IT企業の友人のFacebookとか見てるとめちゃ「リア充」で、羨ましい限りなんですが、こういう身内でイケイケしてるコンテンツはネットではバズらないですね。
橋口:広告コピーも書いてきた立場で言うと、ネットは「反感」が大事かもと思います。テレビやポスターのコピーだと、「共感が大切」って言われているんです。「貞子3D」という映画の仕事で「世界で一番、3Dが似合う女」というコピーを書いたんですが、これは「共感型」ですよね。
一方で「アベンジャーズ」の映画のコピーで「日本よ、これが映画だ」というものがあって、これは上から目線で「反感型」のコピーですよね。反感を覚えるんだけど、真実をついているかもと少し思わせる絶妙さがある。ネットの世界は、そういう「反感」がツッコミを生み、拡散していくという特徴がある気がしてます。
- なるほどー共感して終わりではなく、反感というか、ツッコミどころがあるもの。そういうのがネットでウケるのかもしれませんね。
※後編に続く
プロフィール
シモダ テツヤ
株式会社バーグハンバーグバーグ代表取締役。
タイの安宿でみんなが小便をするところを洗面所と間違えて毎日顔を洗っていたことがある。
橋口幸生
コピーライター。電通よりPARTYに出向中。主な仕事に「のどごし夢のドリーム」「貞子3D」「スカパー!」「UFC JAPAN」など。TCC賞、ACC賞など受賞多数。
村上守
DeNAにてエンジニアとして新卒入社後、2014年PARTYへ参画。
アイディエーションからインフラ構築までこなす。
主な仕事に、「SHARE」「EN ROUTE THE SNAP UP」など。