狙われた珪孔雀
- § 主な登場施設紹介
『桜田家』
真紅と雛苺と翠星石が巣食う魔窟。事件は大体ここから始まる。週一で窓ガラスが割れる。
『薔薇屋敷』
蒼星石がブルジョワ庭師ポエマー生活を満喫しているお屋敷。
マスターが一葉からジュンに変わっても蒼星石はここから引っ越そうとしない。
『柏葉家』
渋めの数寄屋住宅っぽいお家。オディールがホームステイしている。
『草笛宅』
みっちゃんのアパート。真紅曰く、いつも何故かタクアン臭い。
『大ジュンの部屋』
巻かなかった世界の大学生ジュンのアパートの一室。雪華綺晶は基本ここでダラダラしている。
『箱庭』
nのフィールド内にローゼンが作った特殊なエリア。薔薇乙女関係者以外立ち入り禁止。
アリスゲーム事情により荒れ放題だったが薔薇乙女達の手により再建された。
以降、水銀燈とめぐ(幽霊)の拠点ともなる。しれっと第8ドール珪孔雀もいる。
『ローゼンハウス』
お父様ことローゼンが住んでいるレストハウス風のアトリエ。
カブト虫のような6本の足が付いていてnフィー内をフラフラとうろついている。
『EnjuDoll』
槐の店。ゆるキャラ「ばらっしー」で一発当てたため最近は羽振りがいい。
- § ある日、箱庭で暮らしている珪孔雀に手紙が届きました。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
/ ./
/ 来ますか? ./
/ ./
/ 来ませんか? /
.ゝ- - - - - - - - - - - - - - /
/ .r‐rァZ´~"ヾ /
./ rヘi !〃 ̄ ヽ.} って言うか /
/ 7b!リノノリ))》 来い /
./ /ノヘ.!}!^ω^ノ /
/ .(( .く_ヒ|卯i7ヾト ./
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
珪孔雀「お、お姉様! 水銀燈お姉様! どうしましょう! こんなの来ちゃいましたぁ!」
水銀燈「なぁにこれぇ…? くだらない、単なる真紅からの桜田家への招待状じゃない」
珪孔雀「そ、そうなんですか? この文面ってば真紅お姉様が何か怒ってらしてるんじゃないですか?」
水銀燈「あの子の書く手紙は大概そんなもんよ。まともに取りあう必要ない」
めぐ「流石、水銀燈。真紅ちゃんの事なら何でも分かってるのね!」
水銀燈「何か含みのある言い方ねぇ、めぐ?」
めぐ「えぇ~? そんな事ないな~い」
水銀燈「ふんっ…」
珪孔雀「はぁ~、びっくりした…。この間、真紅お姉様とお会いした時に粗相でもしたのかと…」
めぐ「取りあえず何事もなくて良かったわね珪孔雀。でも、お呼ばれしたからには、早く行った方がいいんじゃない?」
珪孔雀「ふぇっ!!? い、今すぐにですか?」
めぐ「ええ。確か今回の珪孔雀みたいに、以前に金糸雀が真紅から呼び出しくらったんだけど
無視し続けていたら、家のポストにセミやヘビの抜け殻を大量に詰め込まれたんですって」
珪孔雀「ほ、本当ですかーっ?」
水銀燈「気持ち悪いわね、本当に真紅ってば気持ち悪いわ。どうしてあんな子がアリスに…」
珪孔雀「どうしましょう!!? 水銀燈お姉様!」
水銀燈「行けばぁ?」
珪孔雀「そんな薄情な。いつも私やめぐさんには、外は危ないから無闇に出歩くなって…」
水銀燈「姉に呼ばれて出かけるんだから、無闇にではないでしょ」
珪孔雀「うっ…」
水銀燈「真紅の機嫌を損ねると後々面倒よ。どうせろくな用事じゃぁないでしょうけど
あんたもぼちぼち現世馴れしとくためにも、たまには一人で行って来たら?」
めぐ「あら、今日の水銀燈はスパルタね。いつもは珪孔雀に対して過保護なのに」
水銀燈「最低限の躾は済んだって事よ」
珪孔雀「わ、分かりました! 珪孔雀、初めてのお使い、頑張ってきます。ティアドロップ、来て!」
ティア「…っ!」フヨフヨ
珪孔雀「お出かけよティアドロップ! 行き先は桜田家。
私ももう一人で大丈夫だってところを見せて、水銀燈お姉様に安心してもらうんだから」タタッ
ティア「…っ!」ピュ~ン
めぐ「さぁて、珪孔雀は元気に出て行ったけど無事に帰って来れるかしらねぇ水銀燈」
水銀燈「出自からして不安定な第8ドールだけど、それでもローゼンメイデン、大丈夫でしょ」ソワソワ
めぐ「背中の羽がソワソワしてるけどぉ?」
水銀燈「こ、これは背中がちょっと痒いだけっ…!」
- § とある街通り
珪孔雀「えぇと、もうすぐ真紅お姉様達がいる桜田ジュンさんのお家に…」テクテク
金糸雀「あら? 珪孔雀じゃないかしら?」
珪孔雀「えひゃいっ!!?」ビクッ
金糸雀「び、びっくりし過ぎよ。声かけられただけで。それより、どうしたのかしら? こんな所を一人で? お散歩?」
珪孔雀「いや、その…えーとっ!」
金糸雀「特に急ぎじゃないんだったら、カナにお付き合いしてくれないかしら?
みっちゃんも一度、珪孔雀とじっくり話がしたいって言ってたの」
珪孔雀「えっ…?」
金糸雀「ウチに来れば、みっちゃんがお菓子とか一杯くれるかしら。確か珪孔雀はマシュマロが好きだったのよね?」
珪孔雀「すっ、すいません! 知らない人から『お菓子あげる』って言われても
ついて行っちゃあいけないって水銀燈お姉様から教えられてますので! し、失礼します!」ダダッ
金糸雀「ふわっ!!? け、珪孔雀ぅ…!」
珪孔雀「ぎゃんっ」ビターン
金糸雀「こ、こけた? 大丈夫かしら珪孔雀! 急に走り出すから…っ」
珪孔雀「平気です! こんなのプラセンタ塗っとけば治りますから。ご、御心配なく!」ムクッ
金糸雀「でも…」
珪孔雀「と、とにかく失礼します! ごめんなさ~い」バビューン
金糸雀「行っちゃった…。と言うかカナってば珪孔雀にとって知らない人扱いなのかしら? いや、いやいや!
それは有りえないかしら。きっとカナが急に喋りかけたせいで珪孔雀はパニくっただけに違いないわ。
うん、そうね。そうに決まってる。カナは知能指数が高いから分かるかしら。次はもっとゆっくり話せば…」
- § 十分後
珪孔雀「はぁはぁ…、び、びっくりして逃げ出してきちゃった。でもさっきの人、見覚えのある顔と声だったような?
ううん、そんな事ない! お菓子を餌に誘うような人はみんな人攫いだから、すぐに逃げなさいって
水銀燈お姉様からいつも言われてたんだから! 私、あれで正しかったんだよねティアドロップ?」
ティア「っ!」コクコク
珪孔雀「ありがとうティアドロップ。でも、ここは何処かしら?
夢中でさっきの人攫いから逃げたせいで道が分からなくなっちゃったわ。あなた分かる?」
ティア「……」しょぼーん
珪孔雀「うっ…、あなたでも分からないのね。どうしよう、私ってば本当にドジ…」
雪華綺晶「おや、そこにいるのはひょっとして珪孔雀…ですか?」
薔薇水晶「珪孔雀…?」
珪孔雀「へひっ!!?」ビクゥ
雪華綺晶「ああ、やっぱり珪孔雀ですわね。何をしているのです、こんなところで」
薔薇水晶「……」
珪孔雀「き、雪華綺晶お姉様! それに薔薇水晶お姉様…じゃなくてすいません! ば、薔薇水晶さん」
薔薇水晶「……」ピクッ
珪孔雀「ああっ! ごめんなさい! つ、つい! うっかりお姉様って呼んじゃって! 次から気をつけますから…」
薔薇水晶「いえ、気にしないで珪孔雀。私は全然、怒ったりはしていません。ただ…」
珪孔雀「ただ…」
薔薇水晶「……」
珪孔雀「ば、薔薇水晶…さん?」
薔薇水晶「雪華綺晶、お耳を拝借」
雪華綺晶「なんです? 急に? 面識が少ないとはいえ、知らぬ仲ではないでしょう、珪孔雀とあなたは」
薔薇水晶「そうです。ですが…」ゴニョゴニョ
雪華綺晶「ふんふん…。なるほど」
薔薇水晶「…ですから、どうかお願いします」
雪華綺晶「ダメです」
薔薇水晶「ダメですか…」ガッカリ
珪孔雀「き、雪華綺晶お姉様? 薔薇水晶さんは何と…? 何かすごいガッカリしていますけど」
雪華綺晶「珪孔雀あなたを自分の妹にしたいから、譲ってくれと薔薇水晶は言ってきました」
珪孔雀「えっ? えええっ!!? な、なんでです?」
雪華綺晶「どうも、先ほどのお姉様と呼ばれたのが嬉しかったようで」
薔薇水晶「き、雪華綺晶! それは言わないでくださいと…」
雪華綺晶「隠すほどの事でもないでしょう。あなたが妹を欲しがったのは今に始まった事ではない」
薔薇水晶「…っ」
珪孔雀「あ、あのっ! 薔薇水晶さん! お気持ちは嬉しいですが
こんな私でもローゼンメイデンで! か、勝手に他所様の妹になっては、お父様がっ、その…!」
薔薇水晶「…いえ、無礼は私の方です珪孔雀。変な事を言ってしまいました」
雪華綺晶「全くですわ。珪孔雀は私のたった一人の妹ですよ?」
薔薇水晶「……」
珪孔雀「本当にすいません薔薇水晶さん」
薔薇水晶「…では、一つだけ頼まれてくれませんか?」
珪孔雀「はい…?」
薔薇水晶「わ、私の事も雪華綺晶達と同じように…、その…『薔薇水晶お姉様』と呼んで欲しいのですが」
珪孔雀「ええええっ!!?」
雪華綺晶「薔薇水晶…」
薔薇水晶「い、いいじゃないですか! 私だってお姉様って呼んでもらいたいんです。雪華綺晶だけずるいです」
雪華綺晶「ずるい…と言われましても」
珪孔雀「ば、薔薇水晶お姉様…? こ、こうですか」
雪華綺晶「珪孔雀、無理せずとも…」
薔薇水晶「も、もうちょっと間延びした声で出来ますか?」
珪孔雀「薔薇水晶お姉様ぁ~…」
薔薇水晶「もっと猫なで声で」
珪孔雀「ば、薔薇水晶お姉様ぁ~ん」
薔薇水晶「もっと甘えた感じで! もっと迫真に…っ!」
珪孔雀「や、やっぱり恥ずかしくて無理ですぅ! ごめんなさい薔薇水晶さん!」タタタッ
薔薇水晶「ああっ! 逃げないでください珪孔雀!」
珪孔雀「本当、無理ですぅ~! 許してくださぁーい!」タタタタッ
薔薇水晶「…嗚呼」
雪華綺晶「『嗚呼』じゃないでしょう薔薇水晶。あなた、そんなキャラでしたか? それじゃぁ珪孔雀も逃げ出します」
薔薇水晶「どうにも珪孔雀にお姉様と呼ばれた瞬間に、私の中で新たな世界の扉が開いたようでして」
雪華綺晶「……」
珪孔雀「ハァハァ…っ! 恥ずかしすぎて、また逃げ出してきちゃった。で、でも…仕方ないわよね。
先生のことをお母さんって呼ぶのの十倍くらい恥ずかしかったんだから」
ティア「っ!」
珪孔雀「えっ? 何? ティアドロップ? あっ、本当だわ! ここ、見覚えのある道よ!
ここからだったら、真紅お姉様達が待っている桜田家までもうすぐ!」
- § ようやく桜田ジュンの部屋に到着
珪孔雀「ほ、ほほ、本日
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- :-:2015/08/30(日) 19:47:09
- 知らない人どころか人攫い扱いか、カナリアの扱いがカス化してきたな。
- :-:2015/08/30(日) 20:24:50
- 誰だよ金糸雀って
- :-:2015/08/30(日) 20:41:03
- 金糸雀に救いはないんですか
- :-:2015/08/30(日) 20:55:14
- >アイスティーしかなかった
>三人に勝てるわけない
>何を言っても気取っているようで
混ぜすぎだろwwww
- :-:2015/08/30(日) 21:13:27
- 帰り道タクアン臭い女性に発見され水銀燈も保護しに行けない
終わらない今日…とか
- :-:2015/08/30(日) 21:20:02
- そういえばいつだったか蒼星石も乙女ゲープレイしてたりしてたな
流石双子
- :-:2015/08/30(日) 21:25:38
- 以前ならば珪孔雀の膝の件はnフィーウサギ跳びの仕業になっていたかもしれん。
- :-:2015/08/30(日) 21:31:12
- ばらしーだけだと思ったら翠も美少年のちちくりあう本が好きだったのか・・・たまげたなぁ・・・
- :-:2015/08/30(日) 21:33:25
- 真紅とかいうアリス?に汚されていない未知のミスティカと
ドールマニアとかいう好奇の目に汚されていないみっちゃん未知未知未知の体のドール
- :-:2015/08/30(日) 21:42:36
- 翠は腐っていたんですか幻滅しました蒼の子のファンになります
銀ちゃんの面倒見の良さがくっそ可愛いんですが
珪が読者にも好意的に受け入れられて良かったですね
- :-:2015/08/30(日) 22:11:07
- お姉様呼びしてほしいばらしーがカワイイヤッター!
というより、妹が欲しい設定は生きてたんですね
庭師の心理テストでそんなことはないと思ってたが…
- :-:2015/08/30(日) 22:19:58
- 翠星石に田亀源五郎のエクストリーム級ゲイ漫画を見せよう(提案)
- :名無し++:2015/08/30(日) 22:39:16
- 何の話題か皆目見当が付かないが、亡くなられた桂枝雀師匠とは関係ないことだけは解った