約5万点の標本。昆虫黄金期を築いた天才昆虫学者・加藤正世の世界「蝉類博物館」

蝉類
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2015/10/1(木)〜11/29(日)の期間に練馬区立石神井公園ふるさと文化館にて加藤正世博士の標本・資料等のコレクションを展示する「蝉類博物館」が開催されます。

加藤正世博士(1898~1967年)とは大正から昭和初期にかけて活躍した新種・新亜種を含む多くの論文や著書を世に輩出した稀代の昆虫学者です。

加藤博士の死後、標本・資料等のコレクションは、長年のご遺族による管理を経て、現在では東京大学総合研究博物館にて大切に保管されています。石神井公園に隣接した自宅に加藤昆蟲研究所と併設した「蟬類博物館」を開館しましたが、「蟬類博物館」の閉館以降、これらのコレクションの大々的な展示は成されていませんでした。今回の展示では、加藤博士の約5万点の昆虫コレクションから選りすぐりの標本・資料を多数出展しています。

セミ、ツノゼミはもちろんのこと、チョウ、ガ、トンボ、クワガタ、コガネムシ、ハチ、アブ、アリ、バッタ、ナナフシ、カメムシ、ガロアムシなどの昆虫、両生・爬虫類、鳥、クモ、セミタケなどの標本も展示されます。本展の目玉ともいえる貴重なクマゼミやエゾゼミのホロタイプ標本は見逃せないでしょう。「ホロタイプ標本」とは「完模式標本」とも言われる新種、新亜種の学名の基準となる標本のことです。

これらに加え、加藤博士が残した器具・機材、直筆の描画・資料、著書、虫玩具、写真なども必見です。観覧料は一般300円/高校・大学生200円/65歳~74歳150円/中学生以下・75歳以上無料となっています。

東京大学総合研究博物館ならではの展示デザインと映像技術により、一層引き立てられた演出がなされています。
まるで加藤博士の時代に舞い戻ったかのような、大正~昭和初期のレトロ調な雰囲気を、再び甦った「蟬類博物館」の標本・資料の中に覚えながら、昆虫学の研究と教育・普及の両面に尽力した加藤博士の世界を体感いただけると幸いです。






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【講演会情報】
① 10月11日(日)14:00~15:30「日本の昆虫文化を築いた加藤正世博士のコレクション」   講師:矢後勝也(東京大学総合研究博物館助教)
② 10月18日(日)14:00~15:30「加藤正世と日本の昆虫学」   講師:大野正男(東洋大学名誉教授)
③ 11月7日(土)14:00~15:30「加藤正世が眺めたカメムシ ~昔の東京に想いを馳せる~」   講師:石川 忠(東京農業大学助教)
④ 11月15日(日)14:00~15:30「地図に見る蟬類博物館周辺の今昔」   講師:須田孫七(東京大学総合研究博物館研究事業協力者)
⑤ 11月22日(日)14:00~15:30「加藤正世博士が命名した日本のセミ」   講師:林 正美(埼玉大学名誉教授・東京農業大学客員教授)
会場:練馬区立石神井公園ふるさと文化館 多目的会議室
定員:各100名/参加費:無料/申込方法:9月21日(月・祝)より電話申込受付 03-3996-4060 定員になり次第受付終了

「蝉類博物館」









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