いけさんフロムエル : 「藍の時代一期一会」～ありがとう…そしてバカヤロウ！低迷する人気と血染めのアンケート！！

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週刊少年チャンピオン連載「藍の時代一期一会」第７回です。

友のデビューを喜ぶも二十歳の春を待たずに亡くなってしまったジュン。
葬式でトシと再会した東田はヤクザに身を落とした友に激怒し、殴り合いのケンカの末絶縁してしまう。
一方、編集長から引き出しを持つように指導された東田はボクシングジムでトレーニングする姉弟にインスピレーションを受ける。
ついに「リングにほえろ」が誕生し、連載にたどり着いた東田改め車田正美だったのだが…！？

少年時代の憧れを追い続けそのまま大人になったトシ。
料理屋で食事をしていた不良学生と出会ったトシはかつての憧れの人と同じ様に食事をご馳走する。
そんなトシを見て中学を卒業したら組に入りたいと言うまさる。
「いくらチンケなケンカしたって男にゃなれねえ　でっかいタマをとることだ」
組に入りたければ男を上げろと教えるトシですが、何度も刑務所を出入りする事で自分も男を上げたのかも知れません。

一方、何とか連載をスタートさせた東田だったが、街中で問題の人気漫画家・白鳥ルイに会う事になったらしい。
そんな秋田書店の顔にいきなり「すぐ打ち切りになる」と言われてしまった東田。
「今の読者はハデさを求めてんだから」
姉と弟のボクシングは地味すぎると言う白鳥ルイですけど、この後の展開を考えると結局先生の言う事も間違ってはいなかったという事なのかな？
必殺ブローが登場し、団体戦というくくりになって世界と戦う事になった「リンかけ」ですが、地味だと言われ続けた結果がそれだとすると正しく進化したとも言えます。
これからは「お色気にオーバーなアクション　パンチラにロボットに下ネタだ」と言う白鳥ルイ。
教えてあげるからアシスタントに来いとからかう白鳥ルイですが、どう見ても成功している先輩漫画家の態度ではありません。
そんな人物に相当する先輩が実在したのかは分かりませんが、いたとしても編集長によると「すぐ消える」との事ですから、不快に思っても特に気にする必要もないのかも知れません。

上からの命令で冥王会の沢総長の命をとる事になったトシ。
「さ…沢ぁ　死んでもらうぜぇ！！」
店から出たところを銃で狙ったトシだが、結局彼も銃の取り扱いには慣れていなかったのか？
結局、車を傷つける事しか出来なかったらしいトシ。
そのままいつもの店に入って気を落ち着かせるトシだが、自分では総長の命をとったと思っていたらしい。

今日からヤクザ界のヒーローになったと満足するトシ。
そんな店でトシは「リングにほえろ」が表紙になったチャンピオンを発見する。
その「リンほえ」を読み、親友の連載デビューを喜ぶトシ。
綴じ込みのアンケートはがきを勝手に切り取り勝手に書き込むトシですけど、そういや今のチャンピオンにこういう葉書は無いですね（笑）。

刑務所に行く事になるためか、溜まっていたツケを全部払ったトシ。
シャバには十年は戻って来れないと考えるトシですが、結局誰も傷付けていませんし、刑務所に行っても思い描くような未来は来なかったはずです。

そんな中、トシに憧れる中学生のまさると出会ったトシ。
何と、いきなりナイフで刺して来たまさるだが、今回の件は組同士の話し合いでトシの命でチャラにする事になったのだという。
殺せば組員にしてやると言われ、恩人を刺しに来たらしいまさる。
そんなまさるにまだ誰にも見られていないから警察にも組にも見つからない所に行って真面目に働く様に言うトシだが、後輩に刺されてようやく真面目に働く事の大切さを理解したらしい。

まさるの未来を守るため、事件を握りつぶす事にしたトシ。
その上で自首する前にポストに葉書を出そうとしたトシだが、結局投函する前に力尽きてしまったらしい。
かくして中学生の将来は守ったトシですけど、人を刺し殺したまさるがそれからどうなったのかは気になりますね。
知らずに真面目に働けばトシの思いに答えた事になりますが、もし死んだ事を知ったりしたら真面目になっても一生重荷を背負う事になるのかも知れません。

「リンほえ」の読者アンケートが下がっている事を指摘する編集長。
読者コーナーの「チャンピオン放送局」を下回る２１位に低迷する「リンほえ」ですが、最早打ち切りが決定してもおかしくないレベルです。
一方で、今回ようやくチャンピオン連載陣が明らかになった訳ですが、前回のタイトルの他に「ブラックじゃこ（ブラックジャック）」「いたたきスベエ（いただきヤスベエ）」「烈風（カミカゼ）」「さんごくベビー（ざんこくベビー）」「泣く泣く十円（泣くな！十円）」「ど根性カルビ（ど根性ガエル）」「ドロボーダ１１０（サイボーグ００９？）」「ガッツン（ガッツジュン）」が加わりました。
何と、手塚治虫は「やっぱりのマリ」と「ブラックじゃこ」のダブル連載？
つのだじろうも「今日の新聞」「泣く泣く十円」のダブル連載ですけど、ジャンプとしか思えない「ど根性カルビ」なんてのが入っているところをみるとやっぱテキトーなのかな？（笑）
ウチに１巻だけある「泣くな！十円」が懐かしいです。

もっと読者を惹きつける新しい展開を考える様に編集長に指示される東田。
そんな中、編集部にクレームの電話が入って来たのだが、「リングにほえろ」は殴り合いが多く子供の教育に悪影響を与えるのだという。
そんなクレーム電話に対し、逆に怒鳴りつけてきた壁村編集長。
漫画家を全力で守る姿を見せる編集長ですけど、こんな態度取ったらさすがに火に油なんじゃないのかな？（笑）

漫画家はアイディアを思い切り誌面に叩きつければいいと言う編集長。
そんな編集長に笑みを見せる東田ですが、その結果生まれたのが超人的な必殺ブローなのかも知れません。

社の玄関前にハガキが落ちていたのを届けに来た担当らしき人物。
しかもどこから飛ばされてきたのか、一ヶ月前のものなだという。
「それにしても東田くんの本名で…」
「しかも血と泥に塗れてて…なんだか…」
何やらかなり尋常ではない事からわざわざ持って来た様子。
それを見てトシの字だと理解する東田ですけど、今になって彼が見ていてくれた事を理解したという事は死んでしまった事も知らなかったのかな？
「あ…ありがとうよトシ…そ…そして…」
「そしてバカヤロウ…」
心の中でお礼を言う一方で、不器用な友人に悪態をつく東田。
かくしてまた友人を失った東田ですが、果たしてここから快進撃を続ける事になるのかな？
次回はいよいよ最終回との事ですが、色々史実を歪めた物語だけにどういう着地を見せる事になるのか楽しみにしたいと思います。

ウィキペディア：車田正美

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