母校・多摩美術大学(東京都世田谷区)のポスターを手がけたアートディレクター・
佐野研二郎(43才)氏が、同作品でも盗作疑惑が浮上する中、論争が起きています。
画像:【佐野研二郎氏】
http://dentsu-ho.com/articles/2849
同大学が最近まで公式サイトに掲載していた作品・雑誌広告シリーズ「MADE BY HANDS.」。
佐野氏が手がけたポスター作品ですが、こちらにも盗作疑惑が浮上。
画像:【佐野研二郎氏が手がけた多摩美大のポスター】
http://www2.tamabi.ac.jp/news/?p=3111
http://www.tamabi.ac.jp/prof/pr/adv.htm
次は2010年8月に個人の男性が、自分の手を使ってブログに掲載した「影絵遊び」の画像。
犬を手の形で表現したものとなっています。
http://ameblo.jp/jun-guttokitazeyo/entry-10626212476.html
次は2012年2月ごろにメガネ紹介サイトに掲載されたメガネブランド「ゾフ・スマート」の画像。
http://www.glafas.com/news/flame_news/120224zoff_zoffsmart.html
多摩美術大学のポスターと上記2点の画像を重ね合わせてみたものが、下の画像。
画像:【重ね合わせてみた】
こちらも多摩美術大学で、同じく佐野氏が手がけたポスター。
2012年5月に開催された中国の芸術展のポスター。(※左のイラストに注目)
http://ent.enorth.com.cn/system/2012/05/07/009179238.shtml
その後、「影絵遊び」を公開したブログ管理人はこの件につき、次のようにコメント。
使用許諾を取られた覚えはないですよ。
結構な騒ぎになってるみたいでびっくりです。
被害を受けた感じはありません。
家族や友達の顔をまんま使われたらさすがに「ムムム!?」と思いますが。
それよりあの人が心配です。
あの人にも家族がいるのに…大丈夫かなと思います
一から出直しで頑張ってほしいですね。
(引用元:http://ameblo.jp/jun-guttokitazeyo/entry-10626212476.html)
またメガネ紹介サイトGLAFAS(グラファス)の管理人も同様にコメントしました。
この写真は、GLAFAS(グラファス)を運営するさくらヒロシが、私物を撮影し掲載したものです。
情報を提供いただいた方から、「これは商用許可でているのでしょうか?」とご質問いただきましたが、現在までに多摩美術大学および佐野研二郎氏からの連絡は来ておりません。GLAFAS(グラファス)のものと思われる写真が使用されたことにより、「ネットで拾った写真を使ってコラージュする」という安易な手法が、デザイン・広告の世界に存在することを身をもって知りました。また、佐野研二郎氏がデザインした2020年東京オリンピックのエンブレムが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴに似ているとされる問題についても、深く考えさせられました。
多摩美術大学のホームページによりますと、「MADE BY HANDS.」シリーズは、「ニューヨークADC金賞」「ロンドンD&AD金賞/イエローペンシル」「ONE SHOW DESIGN金賞」「カンヌライオンズ金賞」を受賞しているとのことです。
【2015年9月3日(木)追記】
多摩美術大学のホームページから「MADE BY HANDS.」シリーズが削除されました。
(引用元:http://www.glafas.com/news/info/150831sanokenjiro_tamaartuniv_ad.html)
しかし、意外にも佐野氏のデザイン事務所はこのポスター作品にかかった盗作疑惑について、
次のように反論。
ご指摘の画像を無断流用したというのは事実無根です。
(影絵の)犬の画像については、紙で切り絵を制作しMR_DESIGNで撮影したものです。
メガネの画像については、この作品を担当したスタッフが実際使っていたメガネを撮影し制作したものです。
このシリーズは2011年8月1日より制作を開始しておりまして、開始当初より佐野本人と共に複数のスタッフが関わっております
(引用元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150903-00000004-jct-soci)
5日、GLAFASの管理人は佐野氏側の反論に対し、次のように再反論しました。
GLAFAS(グラファス)でも、佐野研二郎氏が手がけた多摩美術大学の広告と GLAFAS(グラファス)の写真との類似性を比較・検証してみたい。
メガネは左右対称とは限らない
メガネフレームは、顔の形、掛け心地の好み、見た目のバランス、レンズを通した際の見え具合などに配慮し、メガネ店のスタッフの手により、掛けるひと一人一人に合わせて調整される。
GLAFAS(グラファス)を運営するさくらヒロシは、メガネ店で16年間働き、数多くのメガネフレームを調整してきた。その経験から、顔の形は本当に人さまざまで、左右対称とは限らないことを身をもって知っている。
この写真のメガネは、鼻パッド(鼻あて)やテンプル(つる)、レンズのウズが左右対称ではない。さくらヒロシの顔が左右非対称で、右と左で視力(度数)がかなり異なるからだ。
佐野研二郎氏が手がけた多摩美術大学の広告と GLAFAS(グラファス)の写真は、鼻パッド(鼻あて)やテンプル(つる)の形状、レンズのウズの出方が一致しているように見える。
さくらヒロシの顔立ちや視力(度数)は、多摩美術大学の広告を撮影したとされるスタッフとよく似ているのだろうか?
筆者は GLAFAS(グラファス)というメガネの情報サイトをひとりで運営しているため、メガネの写真を数多く撮影・掲載してきた。その経験から、同じメガネでも撮影環境が異なれば写りが大きく変わることを身をもって知っている。
メガネの写真を撮る上で、特に難しいと感じていることが「パース」(パースペクティブ、遠近感)だ。広角と望遠といったレンズの焦点距離、被写体に向けるカメラの角度や距離などで「パース」が異なれば、同じものも違う形に写ってしまう。
そのため、「あのときと同じようにメガネを撮影したい」と思っても、微妙な「パース」の違いで“同じ写真”を撮ることは本当に難しい。三脚にカメラを固定し、同じ型番の色ちがいを立て続けに撮影する際でさえ、メガネを置く位置に細心の注意を払わないと“同じ写真”にならないのだ。
佐野研二郎氏が手がけた多摩美術大学の広告と GLAFAS(グラファス)の写真は、左右非対称に写っている部分まで一致しているように見える。
また「パース」とは無関係だが、リム(ふち)にある白い小さなホコリ(※)やバリ、レンズのウズまでもが同じように見えるのは、果たして筆者だけだろうか?
※ネット上で「キズ」という指摘があるが、実際は「ホコリ」。
黒いフレームの場合、取り切れなかったホコリが特に目立ちやすい。メガネは”オンリーワン”、“同じメガネ”は存在しない
フレームにレンズを入れ、掛け心地と見え具合を最大限に引き出すべく調整が施され、メガネはできあがる。
そうして顧客の手に渡ったメガネは、レンズの度数やレイアウト、調整可能なバーツの形状が、それぞれ異なる。
たとえ同じ型番のフレームであっても、“同じメガネ”は1つたりとも存在しない。
(引用元:http://www.glafas.com/news/topics/150904sanokenjiro_tamaartuniv_ad_validation.html)
今回の件に【ネットの声】は