連載『孤独のイングレス』は、大型ミッション『歴史と文化の散歩道を歩く』をクリアして、66個からなるメダルアートの完成を目指す趣旨の連載です。
第2回となる今回より、本格的にメダルアートの完成を目指します。全長約45kmに及ぶコースのうち、今回は新宿中央公園から千駄ヶ谷にいたるルートのプレイレポートをお送りします。
本連載の主な方針などについては、前回の『孤独のIngress 第一回』記事をご参照ください。
午前8時、本ミッションのスタート地点となる新宿中央公園に到着し、人影もまばらな公園内を回り始めます。新宿西口ビル街界隈は元々ポータルの密集地だということもあって、Hack数を稼ぐのに重宝しました。ポータルをキャプチャーするときは、できるだけ団子(レゾネーターが密集すること)にならないように位置を調整しつつ、指定ポータルをハックしていきます。
『歴史と文化の散歩道を歩く』は指定のポータルをハックするだけで進められるタイプのミッションですが、単にポータルをハックしてサクサク進めるだけではつまらないので、今回はキャプチャーやレゾネーターの設置、リチャージ、Modの追加などは積極的に行いました。また、レゾネーターやバースターの在庫にも余裕があったので、リンクやCFを壊してキャプチャをしながら進めていくことにします。
相手ファクションのCFは壊す。
ポータルのキャプチャを狙い始めると立ち止まっている時間が長くなり、ミッションの進行がちょくちょく滞ります。ただ、そのときは相手ファクションの多重CFや長距離リンクが目立ったので、ひとまずキャプチャして繋がりを断ち切っておくことにしました。この辺りはポータルの取り合いが激しいのか白ポータルが目立ち、高レベルポータルも見かけなかったので、両ファクションとも補給はできなさそうな感じでした。
新宿西口中央通りの都庁横にひっそりと佇む金属製の案内板
埃をかぶっており、あまり顧みられていないように見えました
誰もが知るランドマークをはじめ、街中の史跡やなんだかよくわからないアート作品、個人商店のただの看板にいたるまで、あらゆるものがポータルたりえます。イングレスの面白さの1つは、普段通り掛かるだけでは意識の外にあるようなオブジェクトに注目することで、その土地やオブジェクトそのものが持つ歴史を発見するきっかけにもなるところだと思います。地元でポータルを探す時にも「これってそんな謂れがあったの?」と思うことは少なくありません。
高層ビル街のど真ん中にある"出雲大社東京分祀"
戦国武将・太田道灌の命を救ったとされる猫"玉ちゃん"。説明板の文章が味わい深いポータルです。西落合にはこの猫を猫地蔵として祀ったお寺があります
"お父さん"という名前のポータルキーが落ちていたので何かと思って探したら、確かに『お父さん』でした。シャッターの絵が変わっても、お父さんポータルとして存続するのだろうか...
新宿駅西口換気口。以前から存在は知っていましたが、恥ずかしながら現代アートか何かかと思っていました
さて、新宿西口のビル街から大ガードをくぐり東口方面へ抜けて、新宿通りを進みます。途中まで進んだところで一旦靖国通りへ向かうように指定ポータルが続きました。地図上では新宿二丁目にあたる部分です。時刻は午前11時を回ったところで、ここにいたるまでに散々バースターをぶっ放したり、CFの要になるポータルを補強したり、高レベルポータルで補給したり、リチャージしたりを続けていたので、移動距離のわりには時間がかかっています。
"Panel Map of Nishi-Shinjuku 1st-2"。新宿大ガードそばの思い出横丁脇にひっそりとあります
アルタ前の交差点にある"旧青梅街道(西口方面)"。ここから四谷方面に進みます
大通りから一本入った通りに入ることも。
お昼も近かったので、この辺りで少し早めの昼食を摂ることにしました。新宿二丁目周辺は繁華街なので食べるところには困らないのですが、ウロウロ探し回るのも面倒だったので、ミッションのルート上で見かけたお店で済ませました。
二丁目つけめん GACHIのつけ麺 RED DX(990円)。鶏白湯スープをベースにトマトなどで味付けした辛めの一品。おいしくいただきました。そういえば揚げメンマってあまりよそでは見かけませんね。
内藤町の案内板。どうやら寺院を巡る目的で新宿通りから靖国通りに一時移動させたようです
新宿一丁目交差点から新宿通りへ戻る途中、通りから一本入ったところにある太宗寺の銅造地蔵菩薩坐像。急に出てくるので少し驚きます
文字通り、ビルとビルの谷間に現れる社のたぐいも都内には結構あります。写真は"秋葉神社"
靖国通りから新宿通りへ戻り、新宿御苑を横目に四谷方面へ歩を進めます。四谷四丁目交差点を右に折れて内藤町に入ると、新宿の華やかさは鳴りを潜め、住宅街が続きました。ポータルの配置も大通りの外苑西通り沿いではなく、一本横に入った通りを歩く形になりました。いつものことですが、スマホを見ながら知らない住宅街を歩くのは、やっぱり傍目からはどう見ても不審なので、どうにかしたいです。
外苑西通りを歩きます。先には東京体育館の屋根が見えました
イングレスをやっていると、ポータルをハックするために元々歩いていた道からちょっと逸れてみることが頻繁にあります。逆に言えば、イングレスをやっていなければ、無用な脇道にわざわざ入り込むこともないわけです。レベルアップに必要なメダルというアチーブメントと、ポータルハックという動機によって、日々、ちょっとした新体験を提供してくれるところが、やりこんでも飽きない要因なのかなという気がしています。
住宅街を抜けて、新宿御苑の裏門から少し進んだ先にぽつんとある石碑『歴史と文化の散歩道』をハックしてひとまず今回は一区切りとしました。時刻は13時過ぎ。JR千駄ヶ谷駅にほど近く、目前に東京体育館を臨みます。今回は全66個中6個のミッションを完了し、メダルアートのちょうど1列分、全体の11分の1まで進捗したことになります。
"歴史と文化の散歩道"。意識して見ないと普通にスルーしかねない存在感のなさです
Argusの記録を見てみると、所要時間は約5時間5分で歩行距離は9.57km。同じ数のミッションをクリアするにしても、本来歩く距離はもっと短く済んだはずですが、地図を読み間違えたり、レゾネーターを挿す位置を調整するために同じ所を行き来したりすることがあったので、結果的に歩く距離は伸びました。この位置調整はIngress特有の動きなので、今後も移動距離が伸びる傾向は変わらないでしょう。消費カロリーの値は709と出ていますが、お昼にかなりヘビーなものを完食してしまったので、カロリー的にはむしろプラスでフィニッシュです。
Best Paceは29.7km/hとありえない速度になっていますが、これはGPS測距が詰まって一気に移動したように認識された結果だと思います
今回辿ったルート。ミッション指定のポータルだけをハックして回っていたわけではないので、同じ道を何往復かしています。本ミッションの全体ルートは、ingressmm.comで確認できます。
初回ということで色々手探りで進めているとはいえ、このペースだとまだまだ先は長そう。調べたところでは1日で本ミッションをクリアされた方もいらっしゃるようで、その行動力には頭が下がる思いです。次回はもう少し時間を取って、今回よりは先に進めたらと考えています。
さて、次回は千駄ヶ谷・国立競技場から明治神宮外苑を通って信濃町へ抜け、四谷方面へ向かうルートを進みます。掲載時期は9月中~下旬予定です。
今回のプレイで、Explorerメダルがシルバーになりました