Windows 10がリリースされてしばらく経ちましたが、忘れたころに約束を果たすべく、Windows RT 8.1 Update 3が本日未明リリースされました。早速Surface 2にインストールしましたので、簡単にその内容をお伝えします。
約束とは!?
ご存じのようにSurface 2など、10型前後のパネルとARMを搭載したWindows RT機は、Windows 10アップグレード対象外となっています。ただWindows 10でARM非対応になったのではありません。8型未満のパネル搭載機はWindows 10 MobileでIntelとARM両方対応し、8型以上はWindows 10でIntelのみとなったのです。この8型未満/以上という表現が曲者です。Surface 2など機種は少ないものの、10型前後でARMを搭載したWindows RT機はこのどちらにも含まれません。
もちろんハードウェア的にWindows 10が動かないのではなく、政治的に切り捨てられた形となります。おそらく、一旦Windows 10に対応すると当面サポートし続ける必要があるので、それを避けたかったのでしょう(Windows 10はバージョンそのままアップデートし続けます)。
この発表を受けユーザーが反発し、それに対する答えが「Windows 10のいくつかの機能をUpdateで供給する」という約束だったのです。話としては去年からあったのですが、正式な回答は今年の8月でした。
Windows 10関連のQ&A部分に「Windows RT をアップグレードすることはできますか。」とあり、「Windows 10 にアップグレードすることはできませんが、スタート メニューとロック画面が改善された更新プログラムが2015年9月に利用可能になります。」と記述があります。
Update for Windows RT 8.1 feature improvement
Update自体は、Windows Updateで行われ特殊な手順はありません。インストール後、再起動すればスタートメニューが利用可能になっています。詳細は英語ですが、ここにありますので、興味のある方は御覧下さい。
見慣れたWindows 8.1(RT)のスタート画面
Windowsが再起動するとスタートメニュー未設定の状態なので、いつも通りスタート画面が表示されます。
Windows 10風のスタートメニューを追加
「タスクバーとスタートメニューのプロパティ」を開くと「スタート画面ではなくスタートメニューを使用する」が増えていますのでチェックし、一旦ログアウトして、再度ログインすればスタートメニューが表示されます。スタート画面ではなくスタートメニューを使用する(左) 設定後、一度ログアウトする必要があります(右)
Windows RT 8.1にスタートメニューが追加されました
付属のOfficeや標準のデスクトップアプリは従来通りウィンドウ表示ができますので、一見、Windows 10の画面に思えます。またスタートメニューへ登録するアプリが増えると、メニューの高さや幅を変更でき、この点もWindows 10と同じです。違うのは半透明でないことでしょうか。
ストアアプリは全画面表示のみ
しかしストアアプリはWindows 10とは違い全画面での表示となり、ウィンドウサイズの変更はできません。スタートメニューもこの状態だとちぐはぐです。ストアアプリはよく見ると、右上に終了と最小のボタンがあり、ここにウィンドウ表示のボタンさえあれば随分使い勝手が良くなるだけに残念です。
Surface 2は2-in-1なのでキーボードを外すとスタート画面になるかと思いましたが変化無し
更にキーボード着脱で自動的にスタートメニューになったり、スタート画面に切り替わったりせず、どちらか一方固定となります。Surface 2は2-in-1なので、状態に応じて変わって欲しいところです。
壁紙をWindows 10にして、雰囲気だけ味わいたいと思います
このようにWindows RT 8.1 Update 3は、もともと話に出ていた「Windows 10のいくつかの機能」ではなく、スタートメニューのみの対応で、ストアアプリは全画面のまま、2-in-1のキーボード着脱は無反応...と、かなり半端なUpdateでした。自社の都合で切り捨てたのですから、もう少しフォローして欲しいところです。