ことわざに「一念岩をも通す」(※)という言葉がありますが、それを実現した男性が
話題となっています。
画像:【ダシュラス・マンジ】
【一念岩をも通すの解説】
「一念」は、一途に思いを込めること。
物事をするときに、岩のように堅く大きな障害があったとしても、必死になって取り組めばその壁を乗り越え必ず成就させることができる。
李広が、草の中にいる虎を石と見間違えて弓を射たら、その矢は刺さるはずのない石に突き刺さったという「石に立つ矢」の故事に基づく。
(引用元:http://kotowaza-allguide.com/i/ichineniwawomotoosu.html)
先月21日、インドで映画『マンジ 山の男(原題、Manjhi - The Mountain Man)』が公開されました。
この映画はカースト制度で最下層の労 働者ダシュラス・マンジさんの実話を描いたもの。
マンジさんは25才だった1959年、重病にかかっていた妻を医者に診てもらおうとしたものの、村から
医療機関がある最寄りの街までは、直線ならば13キロですが、実際は79キロもの距離があります。
なぜなら、自宅から街へ行くルートは巨大な岩山によってしゃ断されているため、迂回せねばならな
いからです。
画像:【村の前にそびえたつ岩山(当時)】
マンジさんは急いで往復約160キロの距離を歩き、なんとか医者を自宅に連れてきますが、時すでに
遅し。
妻はあえなく亡くなってしまいました。
マンジさんは無念さと他の人に同じ悲しい目にあって欲しくないとの思いから、大きなチャレンジを始
めます。
それは岩山を削って無くし、道を作って、街までの距離を短くするという途方もないこと。
マンジさんは毎日、昼夜問わず、ノミとハンマーを手に取り、堀削作業に勤しみました。
画像:【当時のノミとハンマー】
村人はマンジさんの無謀といえるチャレンジを笑い、妻を亡くして正気でなくなったと思いましたが、
そのうち、一緒に協力してくれる人たちもあらわれたとのこと。
そして、22年後の1982年。
47才となったマンジさんたちはついに、巨大な岩山に道を作ることに成功。
その結果、街まで79キロの距離を4分の1以下の15キロへと短縮させました。
今では簡易な道路も敷かれ、かつて困難だった街との行き来が容易となっています。
http://www.era.fm/Mobile/Zon-Interaktif/Interaktif/Trending/Lelaki-Belah-Gunung-Untuk-Pendekkan-Jarak-Ke-Hospi
ンジさんは2007年に胆嚢(たんのう)ガンにより、73才で亡くなりましたが、
画像:【晩年のダシュラス・マンジ】
http://www.netcrank.com/manjhi-the-mountain-man-who-carved-mountain-in-22-year-to-make-his-way
http://www.indiatimes.com/news/india/10-lesser-known-inspiring-indians-the-world-needs-to-know-about-228924.html
今でも村人たちの記憶に残り、その勇気と強い忍耐力、意思が称えられ、学校教育でも教訓として
この実話が伝えられています。
画像:【校舎の壁に貼られたマンジさんの功績】
画像:【マンジさんについての講義を聞き入る生徒たち】
画像:【漫画で描かれたマンジさんのストーリ-】
まさに偉人ですね。
全部半端なんだよなぁ