「塩爺」(しおじい)の呼び名で親しまれた塩川正十郎(しおかわまさじゅうろう)元財務

大臣が死去しました。

画像:【塩川正十郎】
塩川正十郎
NHK

19日、「肺炎」のため、大阪市内の病院で亡くなったとのこと。

享年93才でした。

塩川氏は大正10年に大阪府で生まれ、旧布施市市長だった父親・正三氏の薦めで慶応大学・経

済学部に進学。

卒業後、青年会議所や信用組合の幹部、市役所の助役を経て1967年の総選挙で旧大阪4区より

当選し、衆議院議員に。

11期つとめた議員生活では自民党総務会長(第1次橋本内閣時代)、運輸大臣(第52代)、文部

大臣(第108代)、内閣官房長官(第50代)、自治大臣(第42代)、国家公安委員会委員長(第52

代)、財務大臣(第2代)などを歴任。

小泉内閣では、政権発足当初の平成13年4月から財務大臣を務め、公共事業費の削減など歳出

の見直しに取り組みました。

国会答弁で見せる歯に衣着せぬ率直な発言や、その風貌から「塩爺」と親しまれ、2003年10月

に政界を引退後は東洋大学の総長などをつとめ、産経新聞でコラムを掲載していました。

エピソードに

特別会計「母屋でおかゆをすすっているときに、離れですき焼きを食べている」
(一般会計が赤字を削っているのに特別会計で浪費していることを揶揄した表現)

国民年金「国民年金だけで議員は生活できると思うか?」と質問された際に「ほんなん、できるかいな。ぼくら(議員)はあんたら(国民)と生活のレベルが違うやないか!(毎月)100万かかるよ。みんな、人間平等だと思っていたらとんでもない間違いだ。」と発言

などがあります。

官邸で訃報を聞いた安倍総理は

「塩川先生は、私の父、安倍晋太郎とともに、福田赳夫先生の門下生でした。
そんな関係から、いろいろと親切に、私も指導していただきました。
財務大臣時代、私は官房副長官でしたが、あれほど財政の重要性について、分かりやすくお話をされた財務大臣は、いなかったのではないかと思います。
本当に残念です。心からご冥福をお祈りしたいと思います」

と語っています。

大往生ですね。

塩川正十郎氏のご冥福をお祈りいたします。