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ホラー映画が続編を重ねる度に怖くなくなっていく理由7選 | コタク・ジャパン

中川真知子中川真知子  - ,  11:00 PM

ホラー映画が続編を重ねる度に怖くなくなっていく理由7選

ホラー映画が続編を重ねる度に怖くなくなっていく理由7選

ホラー映画が続編を重ねる度に怖くなくなっていく理由7選


皆さんはホラー映画の続編を見ますか? 訳者は1が好きな作品であれば、ほぼ確実に続編も見ます。回を重ねるごとに内容が陳腐になり、結果「シリーズの面汚し」的な作品が出てきても......です。

それにしても、なぜホラー映画は続編を重ねる度に印象が弱くなっていくのでしょうか?

大体の内容が予測できてしまうから、パターン化するから、オリジナルで大好きだったキャストが一新されるからなど、色々と考えられますが、最も大きな要因は何なのでしょうか?

そこで今回は、io9がまとめた「ホラー映画が続編を重ねる度に怖くなくなっていく理由7選」をご紹介します。


1)オリジナルの監督が作らない

ほとんどのホラー映画は続編を作る前提で構成されています。しかし、ファンタジー映画やスパイ映画といったようなジャンルとは異なり、同じ監督で作ることは計画されていません

製作費が安かろうが、『パラノーマル・アクティビティ』のような多くの続編が作られるヒット作品であろうが、イーサン・ホーク主演で話題になった『フッテージ』のような作品であろうと、これは同じ。

ウェス・クレイヴン監督の『エルム街の悪夢』シリーズも、ほぼ全ての続編を異なる監督が作っています。そのため、オリジナルの怖さが持続されにくいのです。


2)親しみが軽蔑を生む

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同じ監督が作る場合にも工夫は必要


『ホステル』と『ホステル2』、『死霊のはらわた』と『死霊のはらわた2』、この2作品の共通点は、オリジナルの監督が続編を作ったということです。しかし、2つのシリーズの評価は全く異なります。

イーライ・ロス監督はゴアと拷問ポルノを愛しており、その描写には定評がありますが、観客は『ホステル』と拷問ポルノを全面に出した『2』を同列に受け入れられませんでした

一方のサム・ライミ監督は『死霊のはらわた』シリーズを3本とも撮りましたが、そのアプローチの仕方はユニークなものでした。『1』はホラーにダークコメディの要素を入れ、『2』はホラーパロディ、『3』に至ってはコメディにホラーの要素を加えたものとして作ったのです。

サム・ライミ監督は、同じ作り方で観客を3度も怖がらせることはできないとわかっていたのでしょう。ジャンルをコメディにシフトすることで、シリーズの人気を保つことに成功したのです。


3)続編をある程度作ると「良い映画を作りたい」という意欲が失われる

リブート作品は賛否両論ではありますが、製作者は「いい作品に再び注目してもらいたい」という気持ちで製作に挑んでいます。しかし、そうとは言えない場合があるようです。

非常に残念なことではありますが、シリーズが進むにつれ、作り手は「良い」作品を作ろうとする努力をやめ、後戻りできないまでにオリジナルとかけ離れたものにしていってしまう傾向にあります。

シリーズを「芸術」と考える人はいなくなり、どれだけの興行成績が見込めるか? という数字しか気にしなくなってしまうことがあるのです。そして、そんな駄作を衝撃的なポスターやDVDのカバーアートで誤魔化し、観客に売りつけます


4)観客がすでにルールを知っている

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先が読めてしまう


『エイリアン』のゼノモーフは常に謎めいていて、常に新しい形で観客に驚きと恐怖を与えてくれます。私たちは、映画の中のキャラクターと同じ恐怖を感じ続けることができるのです。

その理由は、『エイリアン』シリーズの続編は作り方がスマートだから。前日譚は別として、続編に登場するキャラクターはすでにゼノモーフの存在を観客と同じくらい把握しています。つまり、私たちは作中の人物が観客と同じテーブルにつくまでダラダラと見守る必要がなかったのです。

他のシリーズではなかなかそうもいきません。続編から見始めた人でも楽しめるようにと、キャラクターがワーワーキャーキャーする様子を延々と見せる傾向にあります。そしてオリジナルを知る観客は、その間退屈を紛らわせないといけないのです。


5)ヴィランやモンスターが白昼の下にさらされる

悪役はミステリアスだからこそ魅力的です。思い出してください、ボバ・フェットやハンニバル・レクター、マイケル・マイヤーズ、ノーマン・ベイツがどんな人物で、どんな過去を生きていたのかが知りたかった頃を......。

限られた情報をパズルのように組み合わせ、想像するのはどんなに楽しかったでしょうか!

ホラー映画の続編では、こういった悪役の裏話や過去が明かされることが多々あります。同じパターンで怖がらせるのではなく、ミステリアスなモンスターたちを現実の世界に当てはめ、「出生の秘密」などを語ることで、新たに観客を震え上がらせようという狙いです。

しかし、先にも書いたように、モンスターは謎めいているから怖いのです。モンスターの全てが白昼の下にさらされた瞬間から、怖さは半減してしまいます。

お粗末な衣装に素人が施したようなメイク、陳腐なアニマトロニクス、極め付けが「悪に手を染めてもしょうがない可哀想な過去」。私たちの想像が生み出した恐怖以上のものは、そう簡単に作ることはできないのです。


6)素晴らしいヒーローですら価値を失って観客に共感してもらえなくなる

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キャラへの興味が薄れていく


ホラー映画には何人かの素晴らしいヒーローがいます。例えば『エイリアン』のエレン・リプリーや、『死霊のはらわた』のアッシュです。しかし、回を重ねるごとに、観客は彼らが置かれる危機的状況に慣れてしまいます。

『ハロウィン』の愛されヒロイン、ローリー・ストロードも例外ではありません。彼女に対する同情心が薄れてしまい、いくら絶叫しようがしまいが、私たちはドキドキハラハラすることなく、最終的には単なる肉の塊にしか見えなくなってしまうのです。

そこまでいくと、劇中で例え殺されてしまったとしても、気にならないかもしれません。


7)観客の感覚が麻痺してしまっている

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衝撃を持続させるのは至難の業


上では映画の問題点を指摘してきましたが、この章では人間の感性について触れたいと思います。

人間は何に対しても「慣れ」があるものです。よって、人を怖がらせたり不快にさせたりするには、常に新しさが求められます

幸いにもホラーというジャンルはアプローチの仕方が豊富なので、常に新しい方法で私たちの感情を攻撃し、不安や恐怖、危険を感じさせることが可能です。ところが、どんなに恐ろしいコンセプトでも人間は慣れてしまいます。

その良い例が『ムカデ人間』ではないでしょうか? 本作は、人間の口と肛門を繋いでムカデのようにするという、考えた人の神経を疑わずにはいられないようなおぞましいコンセプトの作品です。

本作は『3』まで作られていますが、観客は続編を見て、オリジナルの存在を知った時のような衝撃を得ることはありません。

ホラー映画で感じた恐怖を引きずってベッドの下を確認したり、車の後部座席を確認したり、寝る前に電気を消すのが怖くなったりしたとしても、それはあくまでも一時的な感覚でしかありません。すぐに私たちは日常へ戻っていきます。

残念ながら、ホラー映画の怖さというのは、私たちの「慣れ」を超えることはできないのです。


[via io9

中川真知子

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