桜田ジュンのくそみそノーサイド
- § 主な登場ドール紹介
【真紅】 ローゼンメイデン第5ドール。気品と情熱を兼ね備えた非の打ち所の無い究極の聖少女アリス。
【雛苺】 食欲全開な第6ドール。お腹が空くと庭の雑草にマヨネーズをかけて食べる。
【翠星石】 いたずら好きな第3ドール。この世に存在するインターホンは全て自分が押すと豪語する。
【蒼星石】 ポエム庭師の第4ドール。薔薇乙女一の常識人だがたまに自分に酔ってしまうことがある。
【水銀燈】 最凶の逆十字な第1ドール。日夜、真紅と自販機のつり銭口のカパカパ権争いをしている。
【金糸雀】 忘れ去られがちな第2ドール。日夜、ドローンと制空権争いをしている。
【珪孔雀】 天然おっとり系第8ドール。無数の水色のリボンを操る。目からは出ないが鼻と耳の穴からは出る。
【雪華綺晶】 ゆるふわ愛され系第7ドール。いくら食べても太らない体質。
【薔薇水晶】 エンジュメイデン。最近ばらっしーの格好をしていても不審者扱いされる事が多くなった。
- § 桜田ジュンの部屋
真紅「ラグビーをやろう」
ジュン「……」
真紅「ねぇジュン、ラグビーやりましょうよ。ほら、ボールもちゃんと用意したわ」
ジュン「あのさぁ…、真紅お前日本ラグビーの歴史的勝利のニュースに影響されすぎ」
翠星石「いっそ清々しいまでのにわかっぷりですね真紅」
雛苺「ラグビーのルールとか知ってるのよ?」
真紅「まあっ! 私をそんじょそこらの量産型ラガールと一緒にしないで頂戴!」
ジュン「一緒だろうが」
真紅「ふざけないで! 私はもっと以前からラグビーに情熱を燃やしていたのだわだわ!」
ジュン「ほう? いつからだよ? 真紅がラグビーボールを持っている姿ですら今日初めて見たわ」
真紅「ふっ、これだからラグビーのラの字も知らない貧弱ボーイは。ラガールがボールを持てるように
なるまでは串打ち三年捌き八年の修行が必要。それを経て初めてボールに触れる事が許される」
ジュン「はいはい。本当のこと言いましょうね~」
真紅「ちっ、冗談が通じないわね。けれども私がラグビーに
興味を持ち始めたのはニュースからではない。それだけは真実よ」
翠星石「そこだけは譲れないんですか?」
雛苺「じゃあ、いつから興味持っていたのか正確に教えてほしいの」
真紅「ウルトラマンXでラグビー回あったじゃない。あれで私のハートにトライされたのだわだわ」
ジュン「日本歴史的勝利のニュースとほぼ同時期じゃねぇか」
真紅「けれども一日の長はある」
ジュン「むむむ…」
翠星石「そこまで情熱燃やしてるなら、翠星石もラグビー協力に『やぶへび』ではないです」
ジュン「やぶさか」
真紅「ありがとう翠星石。これで人数は揃ったわ」
ジュン「え? 揃った…? お前ラグビー何人でやるか分かってんのか?」
真紅「4~5人でしょ」
ジュン「違うわ! 大体4~5人て何だ! 4~5人て! そのフワフワした人数は!」
真紅「いいのいいの。実際フットサル感覚でやるから」
ジュン「フットサルのルールもよく知らないくせに…」
真紅「私がルールブックよ。どうせラグビーのルールも知らないボンクラメイデン達に
合わせるための特別ルールのラグビー…『真紅ラグビー』をこの私が考案したわ!」
雛苺「真紅ラグビー!?」
真紅「ええ、このルールであればワオキツネザルでも理解できるはず」
翠星石「何か急にすっげぇ不安になってきたですよ」
ジュン「同じく」
真紅「特にジュンは私が書いたこのルールブックをよく読んでおいてね。あなたが審判だから」
ジュン「審判!? 僕がぁ?」
- § 後日・とあるラグビー場
真紅「ふふふ、ついにこの日が来たわね水銀燈!」
水銀燈「負けないわよぉ、真紅!」
真紅チーム 『真紅、雛苺、翠星石、珪孔雀、柏葉巴』
水銀燈チーム 『水銀燈、金糸雀、蒼星石、雪華綺晶、薔薇水晶』
ジュン「え? 何このメンバー分け? 何で柏葉がいるの?」
巴「私も何が何だか…。自分の部屋にいたはずなんだけど、急に眠くなって…気が付いたらここに」
真紅「直前になって私のチームに一人足りないことが分かってね」
翠星石「スィドリームに頼んでチョッパヤで夢の扉開いてもらったですよ」
ジュン「人工精霊を悪用するな。完全に誘拐じゃねーか…」
雛苺「とぅもえ~! 一緒に頑張るのー!」
巴「う、うん。ヒナが喜んでくれるなら私がんばるわ。そして珪孔雀ちゃんも、よろしく」
珪孔雀「こちらこそよろしくお願いします巴さん」
真紅「ふふふ、見ての通り柏葉巴はやる気よ?」
ジュン「柏葉ぁ…」
真紅「まあ、そもそもは『ドキッ、ローゼンメイデンだらけのラグビー大会! ポロリもあるよ』の
ハズだったのに、しれっと偽者が混ざり込んでいるから、こんなことになったのだわ…ッ!」
薔薇水晶「…うっ」
金糸雀「薔薇水晶、気に病むことは無いかしら!」
蒼星石「そうそう、だいたい君のところ宛てにも真紅からラグビー招待状が届いてたんだろ?」
薔薇水晶「そ、そうではありますが…」
水銀燈「呼びつけておいて邪魔者扱いとか、性根が腐りきってるようねぇ…真紅?」
真紅「まあ、それはさておき」
蒼星石「さておかないで」
翠星石「っつーか、カナチビはともかくとして何で蒼星石まで水銀燈チームなのですか!?」
蒼星石「え? ダメかな?」
翠星石「ダメに決まってるですよ! 蒼星石が翠星石の敵になるとかありえんですぅ!」
蒼星石「確かに。僕が君の敵になることで君を悲しませてしまうことは、僕にとっても悲しい」
翠星石「そうそうそうそうそうそうそうですぅ! 今からでも遅くはないです!
ほら、チビ苺なり、ケンドーカシワバとトレードですぅ!」
雛苺「うにゃにゃっ、勝手なことしないでなの! ヒナはトモエと一緒なのー!」
翠星石「じゃあ、珪孔雀です! 珪孔雀と蒼星石を交換ですよ! いいですね珪孔雀も!」
珪孔雀「え、はい。私は別にどっちのチームでも…」
翠星石「よしっ、珪孔雀も同意の上です。同意の上でなら合法ですよ蒼星石!」
蒼星石「いや翠星石、本当に悪いんだけど、その…何て言うか」
翠星石「おいおいおいおいおいおいおいですぅ! そこまでして翠星石に敵対するのですか!?
蒼星石だって、それは悲しくて辛いことだと言ったばかりじゃあないですか!」
蒼星石「だから気に入った」
翠星石「…は?」
蒼星石「不本意ながらも愛しい双子の姉と敵として運命的な邂逅をする僕…、嗚呼」プルプル
ジュン「そ、蒼星石…?」
蒼星石「身を裂くばかりの悲しみが、僕にもっと輝けと囁いている…」フルフル
翠星石「蒼星石さーん…?」
水銀燈「どうやら蒼星石は完全に自分の世界に入ってしまっているようねぇ」
雪華綺晶「こうなってしまった蒼薔薇のお姉様はもう誰の言葉にも耳を貸しませんわ」
真紅「ふふふ、面白くなってきた」
薔薇水晶「…蒼星石ってあんな性格でしたっけ?」
金糸雀「あの子、患ってるから気にしないでかしら薔薇水晶」
ジュン「ローゼンメイデンって全員、何かしら精神に欠陥あるよな」
雪華綺晶「そもそも私達の魂は、お父様の心を7(+1)に砕いた物ですから…」
巴「完璧であるわけがない、か。それは私達人間も同じだけど」
真紅「ともかく、少しごたついたけどメンバー分けには誰も異論ないわね」
翠星石「くっ…」
雛苺「うぃー! 早くラグビー始めるの!」
真紅「それじゃあ、まずは私からのキックオフで行くわよ! さあ、みんな散って散って!」
巴「ラグビーってキックオフで始まるんだったっけ桜田君? 私も詳しくないけど」
ジュン「一応そうみたいだが、これはラグビーじゃない、真紅ラグビーだ。気をつけろよ柏葉」
真紅「一球入魂! 真紅ちゃんダイナマイトキーーーーック!」ばこーん
水銀燈「そっちに飛んだわよ! 金糸雀ぁ!」
金糸雀「オーライ! オーライかしら~! よしっ」パシッ
薔薇水晶「ナイスキャッチ…金糸雀」
金糸雀「さあ、ここからカナが華麗な走りでトライを決めて…」タタタッ
雛苺「カナリアに良い恰好はさせないの! ヒナスライディング!」ずざざー
金糸雀「ぐわーっ」
雛苺「よいしょっ! これでボールはヒナの物なのよね!」ヒョイ
真紅「マーベラス雛苺! 見事に金糸雀からボールを奪ったわ!」
水銀燈「ちょっ! あれ反則でしょう! 思いっきり金糸雀の足をけったわよ雛苺が!」
雪華綺晶「そうです。一発レッドですよ、どう考えても」
真紅「ふんっ、何を生温いことを! ラグビーは格闘技! 闘球と書いてラグビーと読むのよ!」
翠星石「そうですそうです! 真紅ラグビーではボールを持っている相手に対しては何をしてもいいんですぅ!」
珪孔雀「ええっ? そうなんですか!?」
ジュン「一応、ルールブックにはそう書いてある」
雛苺「にょほほほほ! 勝てばよかろうなのー!」
雪華綺晶「そっちがその気なら私も容赦しません、苺のお姉様!」ザッ
蒼星石「雪華綺晶が雛苺の進路を完全にふさいで立ちはだかっている!」
巴「ヒナ! 無理しないでボールをこっちにバックパスして…」
雛苺「トモエ! ヒナは逃げないのよ! 雪華綺晶相手にも真正面からぶつかっていくのー!」
真紅「その意気や良しだわ雛苺! あなたの魂の突撃で白薔薇を散華させなさい!」
雛苺「うにゅにゅにゅにゅーーー!」ドドド
雪華綺晶「突っ込んでくる気ですかお姉様。通すわけにはいきませんよ…!」
雛苺「うにょらー!」バチコーン
雪華綺晶「とっぴろきぃー!?」
金糸雀「あーっと、しかし雪華綺晶ふっ飛ばされたー!」
水銀燈「ちぃっ! 情けない! 雛苺ごときにふっ飛ばされるなんて!」
蒼星石「実体化しても、まだ体が軽いみたいだからね雪華綺晶。ちゃんと食べてるんだろうか」
雛苺「トラァーーーーーイ!」ばしぃっ
ジュン「♪ピピーッ! 雛苺トライ! 真紅チーム5点先取!」
雛苺「やったのー!」
真紅「よくやったわ雛苺。トライした選手にはボーナスキックが与えられる!」
薔薇水晶「ゴールバーの間にボールが飛べば+2点というやつですね」
真紅「ええ。けど、真紅ラグビーでは代わりに嫌いな敵のケツに対して一発タイキックもできるわ」
ジュン「ラグビーのノーサイドの精神どこいったよ」
翠星石「どうするですチビ苺? ボーナスキックですか? 水銀燈にタイキックですか?」
水銀燈「何でもう対象が私になってるのよぉ!」
雛苺「ヒナは手堅くボーナスキックを決めるの」ポコーン
ジュン「♪ピイーッ! ゴール! 真紅チーム更に2点! 計7点!」
蒼星石「先制されてしまったね。けど、僕達のソウルはこういう逆境をこそ求めていた!」
水銀燈「別に私は求めてなかったけどね。しかし、負けっぱなしは私も嫌」
ジュン「はい水銀燈、ボール。次はおたくからのキックオフね」
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- :-:2015/09/23(水) 18:25:32
- 試合が始まったとたんやる気出すローゼンメイデン達ほんとすき
真紅サンはまともに試合終えた事がないんじゃ…?
- :-:2015/09/23(水) 18:59:38
- 作中はいい。いつものことだ。
しかし、
【真紅】 ローゼンメイデン第5ドール。気品と情熱を兼ね備えた非の打ち所の無い究極の聖少女アリス。
【水銀燈】 最凶の逆十字な第1ドール。日夜、真紅と自販機のつり銭口のカパカパ権争いをしている。
こっから矛盾してんじゃねーか。
- :-:2015/09/23(水) 19:25:25
- 珪孔雀のリボンが出るやつが宝くじのCMやってた西田敏行で再現された
リボンの出る位置も丁度一致してるし
- :-:2015/09/23(水) 19:40:18
- >真紅「ウルトラマンXでラグビー回あったじゃない
本当につい最近じゃなイカ。
あの回は名作だったじゃなイカ。
けど、あの回の敵役のババルウ星人達よりも
真紅=サンの方が悪辣じゃなイカ?
- :-:2015/09/23(水) 19:59:20
- 真紅さんの差し入れを素直に受けるJUMがウカツ
ある意味残当
- :-:2015/09/23(水) 20:02:27
- 真紅さんの差し入れを素直に受け取らなければボコられかねないからね、しょうがないね
- :-:2015/09/23(水) 20:42:04
- ※120303
勇次郎理論で動く人形だから怖いよね
- : :2015/09/23(水) 21:15:06
- そういえばジョジョ第一部でラグビーやってたなーと
- :-:2015/09/23(水) 21:23:35
- 普段なら警戒すべきだが
今回の場合どう考えても審判に毒を盛るメリットがないからなあ
あれ?ドールに下剤って意味あったっけ
- :-:2015/09/23(水) 21:35:40
- 真紅の紹介はもうヤケクソっぽい まぁこんがり焼けたんだけど。
- :-:2015/09/23(水) 22:31:20
- ※120306
一部の毒は薔薇人形にも効果があるけど珍しい毒だし、真紅さんはどこで調達したのか・・・
- :-:2015/09/23(水) 23:11:55
- ジュン君は別の意味でいつぞやの千切れるクラスのアレな事に見舞われたなぁ。
真紅は復活させてもらえるんだろか…
- :-:2015/09/23(水) 23:41:20
- 「ご…ごめん」
「わ、私のリボンはトイレットペーパーじゃないですからぁ~!」
「どうしてもってんなら庭師の如雨露ウォッシュレットで助けてやらんでもないですが」
「た…助けって何だよ そんな奴いないだろ 不トイレットで地面で野グソしかなかった僕に
いったい誰が助けになるっていうんだよ」
「……トイレ用紙、桜田君の家のポストに入れておくから 返さなくていいから… ごちそうさま」
「………くそ 何だよ…」プリッ…
(くそ…何だって言うんだよ くそ…動け!! ……動け… …くそっ……)
「ジュンくん おっかえりぃ~ どうだったデート…じゃないラグビー!」
「別にどうも」
「おやつのかりんとう一緒にどう? 揚げあがったところなの」「いらない」
「じゃあ後でお部屋に運ぶわね 真紅ちゃん達どこにいるかしら…ジュンくん知らない?」
「知らない!!
どいつもこいつも… アイツらは僕の世話係じゃない! 僕には僕の排泄があるんだ
お前みたいにいつもお気楽じゃないんだからな」「………ご…ごめんなさい」