鈴羽「あたしの生まれた日」
- 2015年09月27日 23:10
- SS、シュタインズ・ゲート
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D 1.048596% シュタインズ・ゲート
2035.09.27 (Sat) 12:41
橋田家
鈴羽「今日は♪ たっのしっいな~っと♪」
鈴羽「ただいま~!」ガチャ
鈴羽「ただいま、ただいま、ただいま~ッ!!」
ダル(44)「おぅ、鈴羽。今日は早かったね」
鈴羽「授業は半ドンだし、寄り道しないで帰ってきたからね!」
鈴羽「それより父さん! 母さん何してたー?」
ダル「んお? 買い物とか掃除とか忙しそうだったけど……」
鈴羽「かいものぉ!?」キラキラ
ダル「時間があるなら母さんのこと手伝ってあげるべき」
鈴羽「いーの、いーの! 今日はね!」
ダル「(ちょっと伸び伸びと育て過ぎたかも)」
※ドラえもんのパロ
鈴羽の部屋
鈴羽「学校の友達から、たーっくさんプレゼントもらっちゃった♪」
鈴羽「ラボのみんなからは何がもらえるかな~?」
由季(46)『鈴羽~、鈴羽~!!』
鈴羽「母さんの声だッ♪ 幸せがあたしを呼んでいるッ♪」
由季「鈴羽ッ!!」ガチャ
鈴羽「は~いッ♪」
由季「なんですかあなた! 家に帰って来て靴は脱ぎっぱなし、荷物は投げっぱなし!」
由季「それに庭の花壇の水やりはあなたの仕事でしょ!? 今日の朝も忘れて……」
由季「何度言ったらわかるのかしら!?」
鈴羽「そ、それは……あ、後でやろうと思ってたんだよ!」
由季「すぐやらなきゃやらないのと同じです! お花なんか枯れちゃったらおしまいなのよ!?」
由季「時間は待ってはくれないの!!」
由季「それで、今日の分の勉強はやったのかしら? あなた受験生でしょ?」
鈴羽「後でやるよ……」
由季「ハァ……外で遊ぶのはそろそろ止めて、勉強に打ち込んでほしいのだけど」
由季「将来大変な思いをするのは自分なのよ? 未来はどうなるかわからないんだから」
鈴羽「わかってる……でも、今日ぐらいは!」
由季「昨日も今日も明日も同じです! 今すぐ勉強を始めなさい!」
由季「全く、至さんが甘やかすから私が厳しくしないといけないんですからね!」
鈴羽「……うるさいなぁ」ボソッ
由季「な に か 言 っ た?」
鈴羽「ガミガミガミガミうるさいって言ったんだよ!」
鈴羽「あれやれこれやれって、未来がどうなるかわからないって、いつもそればっかり!」
鈴羽「あたしはね、あたし自身の手で自分の未来くらい決めるよ! 母さんは心配しすぎ!」
鈴羽「あたしなら1人でやれる! どうして信用してくれないのさ!」
由季「まったく反省してないようね……」
鈴羽「もういいよ! 母さんなんて嫌いだ! ついでにセクハラ魔人の父さんも大っ嫌いだ!!」ダッ
由季「鈴羽!! 待ちなさい、どこ行くの!?」
鈴羽「出てく! もう2度とうちには帰らないから! それじゃ!!!」バタン
由季「す、鈴羽……」
橋田家 玄関
ダル「あれ、鈴羽。そんな服装して、また自転車でどっか出掛けるん?」
鈴羽「……ちょっとね」グスッ
鈴羽「……あたしが1人でもやれるっていう証明をしに行くんだ」
ダル「うん? まあ、夕飯までには帰ってくるのだぜ」
鈴羽「……ごめん、父さん。大好きだよ」
バタン
住宅街
鈴羽「取りあえず、大通りまでは手押しで歩こう」
鈴羽「さて、MTBでどこまで行こうかな……」トボトボ
鈴羽「ん、あれは……」
父親「ほーら肩車だぞー!」
女の子「わーい!」
母親「よかったね、《かがり》ちゃん」
鈴羽「……あれ、今耳鳴りが……」
母親「よかったね、○○ちゃん」
女の子「お父さん! お母さん! だーい好き!」
鈴羽「……いいなぁ、仲良さそうで」
鈴羽「な、なに羨ましがってるんだろ、あたし」
グゥゥゥ
鈴羽「って、お昼ご飯食べてから家出すればよかった」
鈴羽「あたしにご飯を奢ってくれる人がいるところ……」
鈴羽「やっぱり、あそこしかないよね!」
秋葉原 大檜山ビル前
鈴羽「取りあえず未来ガジェット研究所に来てみたけど」
鈴羽「ちーっす、もえねえさん」
萌郁(45)「鈴羽さん……いらっしゃい……」
鈴羽「今2階に誰かいる?」
萌郁「岡部くんなら……いると……思う……」
鈴羽「そっか、ありがと!」タッタッタッ
天王寺(57)「おう、今のは橋田の娘か?」
萌郁「…………」コクッ
天王寺「そうか、そういや今日だったな……」
未来ガジェット研究所
鈴羽「おっはー! オカリンおじさん居るー?」
岡部(43)「どうした家出少女。スポーティーな恰好をして。また性懲りもなく遊びに来たのか」
鈴羽「こ、今度は今までの家出と一味違うよ! もう絶対に帰らないから!」
岡部「笑止千万とはこのことだな」クックッ
鈴羽「おじさん、1人でなにしてんの? ボッチ?」
岡部「んぐっ、お、俺は、来るべき聖戦に向けた準備をだな……」
鈴羽「戦争!? あたし、戦うよ! 一人前の戦士だからね!」
岡部「スターップ! お前が戦う必要はないッ!」
岡部「年端もいかぬ女子供を前線に立たせる指揮官など無能極まりないからな」
鈴羽「またそれぇ? そうだ、カップラーメンもらっていい?」
岡部「ああ、いいぞ。戸棚に入っている」
鈴羽「サンキュー♪」
ダル「あー、この歳で階段はきついお……今時こんなレトロな階段を放置してるテナントビルなんかないっつーの」
岡部「おう、ダルか。そろそろ来る頃だと思っていた」
ダル「まったく、俺の嫁がわんわん泣いて大変だったのだぜ?」
ダル「ほら、鈴羽。帰るお」
鈴羽「……嫌だ」
岡部「お前が甘やかしすぎた結果だなぁ」
ダル「そんなこと言っても、オカリンはこんな可愛い女の子を怒ったりできるん?」
岡部「フッ、俺を誰だと思っている。俺は、狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真だッ!!」
岡部「俺ならば、たとえ鈴羽であろうとも、獅子のごとく崖の上から蹴り落とすことなど造作もない……」
鈴羽「うんうん♪ やっぱりオカリンおじさんはわかってるなー!」
岡部「なに、お前Mだったのか?」
鈴羽「いやそうじゃなくて、あたしを1人前の女として見てくれるのはオカリンおじさんしかいないってことだよ!」
鈴羽「今日は絶対帰らないからね! 母さんひどいんだもん!」
ダル「母さんだってお前の将来を考えてのことなのだぜ。わかってやってくれよ」
鈴羽「どうしてあたしの母さんがあの人なんだろう。まゆねえさんだったらよかったのになー」
岡部「お前、生物の授業をまともに聞いてないのではないか」
鈴羽「アトラクタフィールドの収束としてあたしが生まれることは確定してるんだから、肉体的には別でも意識としては存在するってのは高校物理の常識だけど?」
岡部「ぐっ、この時代の超量子力学の話はやめろ……」
ダル「オカリン情けねえっす」
鈴羽「……今日は、あたしが生まれて母さんがガッカリした日なんだ」
ダル「それは言い過ぎなのだぜ、鈴羽」
鈴羽「だって、あたしが生まれてこなかったら母さんはあそこまで怒らなくて済んだんだよ!?」
鈴羽「あたしなんて、母さんにとっては生まれてこなければよかったんだよ」
鈴羽「あたしの人生は、無意味だったんだ……」
岡部「……ふむ」
ダル「じゃあ、行ってみる?」
鈴羽「……え?」
ダル「鈴羽の生まれた日に」
鈴羽「……無駄だよ。そんなことしたって、あたしの気持ちは変わらない」
岡部「どうした、怖気づいたのかバイト戦士よ」
鈴羽「べ、べつに怖くなんかないよ!」
岡部「ならばダルの言う通りにするのだな」
岡部「そんなことも実行できないほど貴様の精神はお子様だった、というのか?」
鈴羽「くっ……煽るのだけは上手いね。いいよ、わかった」
鈴羽「父さん、あたしを過去に送って。どうせあたしは、母さんに嫌われてることに変わりはないけどさ」
岡部「まったく……」
ダル「オーキードーキー。んじゃ、タイムマシンのとこへ行くお」
大檜山ビル 増築階
鈴羽「久しぶりに来たけど、ここはすごいね……まさに秘密基地!」
岡部「この増築部分は天井を高く作らせたのだ。あるモノを作るためにな……」
鈴羽「このFG204型でしょ! いつ見てもかっこいいなー」
ダル「過去にも未来にも行けるお」
鈴羽「しっかしよく作ったよね、ホント尊敬するよ……」
岡部「どこかの天才脳科学者がシュタインズ・ゲート上でタイムマシンを開発しても世界が平和であることを証明しおったからな……」
ダル「出現座標調整は自在だからここからじゃなきゃ跳べない、ってことはないけど」
ダル「2010年頃からこのビルを増築した頃までなら震動が発生しても不審がられないから、やっぱここがベストなんだよね。計算楽だし」
岡部「実験の賜物だな」フゥーン
鈴羽「それ使い方間違ってない?」
ダル「一応トレーサーを改良したから、往路も復路も物理的タイムトラベルによる世界線変動は限りなくゼロ」
ダル「つっても、向こうでの行動は最小限に留めるのだぜ? バタフライ効果だけはどうしようもないっつーか」
鈴羽「わかってるよ。バッチリ頭に叩き込んである」
岡部「その能力を受験勉強に回すつもりはないのか」
鈴羽「模試に"タイムトラベル"って言う科目があれば絶対全国1位になれるのになー」
ダル「ま、鈴羽に物理学研究の素質があるのは父さん知ってるお」
鈴羽「……うん。嬉しいよ、父さん」
ダル「それで、父さんと一緒に行く?」
鈴羽「ううん、あたし1人で行ってくる」
岡部「……可愛い子には旅をさせよ、か。しかし、監視役がいなければ今回のミッションは意味がない」
鈴羽「ぐっ、たしかに」
岡部「仕方ない、ここは久しぶりにアルパカスーツを引っ張り出してくるか……」
鈴羽「え、変装するの?」
岡部「当然だ。2017年の"俺"は俺を見ていないからな、鉢合わせないためにも変装が必要だ」
鈴羽「(意味あるのかな、それ……)」
ダル「鈴羽も僕の昔のキャップを目深に被って行動するといいお。はい」ポフッ
鈴羽「う、うん……えへへ、ありがとっ」
ダル「んじゃオカリン、よろしくなー」
岡部「それではこれよ
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