【艦これ】提督「あれはもしや大破した艦娘!?」 ヲ級「ヲ……」
とある鎮守府近海 輸送船甲板-
提督「いよいよ俺も艦隊提督かぁ。艦娘の子達は生で見るとどんな感じなのかな。やっぱかっこいいのかな」ワクワク
提督「士官学校じゃ教科書で見てばっかりだったからなぁ。っていうか実戦経験なしの新米を卒業後すぐ着任させるってどんだけ人手不足なのよ大本営」
ザザーン……ザザーン……
提督「にしても今日は波が荒い。どこか遠くで艦隊戦でもあったのかもわからんね」
ザザー……ン……
ヲ……
提督「……を?」
??『ヲヲ……』ザブッ…
提督「なんだあれは……水上に人影……艦影? まさか……」
??「……ヲ……ヲヲ」ギシッ ゴゴゴ…
提督「あれはもしや大破した艦娘!?」ガタッ
ヲ級「ヲ……」
ーとある鎮守府ー
球磨「――新しい提督がくるって本当かクマ?」クマクマ
那智「あぁ、先ほど伝令が入った。まもなくこの鎮守府に到着するそうだが……」コツコツ
鳳翔「入渠準備は整っていますが……大破漂流した艦娘を見つけた、と?」
那智「うむ……が、我々の艦隊に行方不明の艦はいない。おそらくは別の所属だと思われるのだが」
球磨「球磨たちここ最近、出撃さえしてないクマ。指揮する提督がいないから当たり前クマ」
那智「まぁ、生存者を発見できたなら悪いことではないさ……見えたな、あの輸送船だ」
提督「――よし、到着したぞ! もう少しの辛抱だ!!」
ヲ級「ヲ……」ズル……
「「「!!!???」」」
提督「おお、みんながここの艦娘か! すまんが手を貸してくれ、俺ではこの子を引っ張り上げられん!」
那智「ま、待て! ちょっと待て! なぜそんなものを連れてきた!?」
提督「見りゃわかんだろ! 大破した艦が漂流してたって入電いれたっしょ!?」
球磨「アホかクマ!! それは、そいつは艦娘じゃなくて、その――」
提督「早くしろーーーーっ!!!!! どうなっても知らんぞーーーーっ!!!!!!」ビリビリ
那智「ぐぬ……!(な、なんという気迫だこの提督……!)」
鳳翔「……」ザバァ
球磨「鳳翔!? 何する気クマ!」
鳳翔「まずはこの艦の武装、通信装置をすべて解除しましょう。そうすれば……この子達とてひとまず害あるものではなくなります」
提督「ありがとう!! さぁ早く入渠するんだ!」
ヲ級「ヲヲ……」ギギギ…
那智「ぐ……ええい、どうなってもしらんぞ!」
ー執務室ー
提督「やったぜ。これで一安心だ……俺が通りがからなかったら轟沈していただろうなあいつ」
那智「……」ギロリ
提督「え、なんでそんな怖い顔してるのかな……あ、自己紹介してなかったなそういえば! えー本日は日柄もよく――」
那智「貴様のことは聞いている。この鎮守府に着任する新米提督だろう」
提督「そうだよ(便乗)」
那智「私は那智。この鎮守府における第一艦隊の旗艦を務めている」
提督「へぇ~……通りでねぇ。なんか頼りになる面構えしてんねぇ!」
那智「貴様は……まったく無知な面構えをしているな、新米」
提督「え?」
ガチャ
球磨「クマ~……とりあえずドックは一杯だってことで鳳翔に監視してもらってるクマ。あんなのほかの艦娘がみたら大騒ぎになるクマ」
提督「なんだ? 大破した艦娘がいたらそんな問題なのか?」
球磨「……こいつ本当にわかってないクマ?」
那智「本当にわかっていないらしい……おい、よく聞け提督」
提督「?」
那智「お前がさっきつれてきたアレは……深海棲艦、空母ヲ級。すなわち我々の敵だ」
提督「は?」
提督「またまたご冗談を。深海棲艦ってのはアレだろ? なんか入れ歯みたいな……あの子どうみてもヒト型だし、艦娘だろ」
球磨「あんた教科書しか見ないで学校卒業したクマ? ヒト型の深海棲艦も多数存在するクマ。球磨たちとは肌の色も違うクマ」
提督「はぇ~……」
那智「あれはその中でも驚異的な正規空母に属するヲ級艦だ。よもや艦娘と間違えて拾ってくるなど……とんでもない男だ」
提督「……だって傷ついて苦しそうにしてたし。若干睨まれてたけど」
球磨「那智、本当にこいつが球磨たちの司令官になるクマ?」
那智「信じたくないが、やってしまったものは仕方あるまい……だがこの一件が落着するまでは我々は貴様を提督とは認めん」
提督「ウッソだろお前」
那智「敵艦を本拠地に招き入れたバカ者を信用できるか! まったく……後でドックの様子を見てこい。あのヲ級を処理するまでは貴様らを厳重に監視する」
提督「(やべぇよやべぇよ……着任以前に大変なことになってしまったぞ)」
ー入渠ドックー
コンコン
提督「どうも、こんちゃーす。提督カッコカリですけど、入っても?」
鳳翔「……どうぞ」
提督「おじゃましまーす……はぇーすっごいおっきい風呂場」
ヲ級「……」ブクブク
提督「……あの、この子本当に艦娘じゃないの?」
鳳翔「我々とは異なる出自をもつ存在……であることには違いはありません。確かに姿形は似ていますけど……深海棲艦の秘密に関しては我々にも不明な点がほとんどですから」
提督「そーなのかー……あ、ところで俺は新しい提督カッコカリです、はい、よろしくぅ!」
鳳翔「軽空母鳳翔です。第一艦隊の随伴艦を務めております」
提督「艤装も手入れバッチェしてありますもんねぇ……ん、なんで入渠ドックで艤装なんか?」
鳳翔「……万が一に備えて、です」
提督「……あ、そっか」
ヲ級「……ゥ……ヲ、ヲ」ギギギ…
鳳翔「……意識が戻ったようですね」
提督「おっ、そうだな」
ヲ級「……コ、コハ」
提督「よーしもう大丈夫だぞ。俺は提督カッコカリだ。よろしくぅ!」ナデナデ
鳳翔「あの、なぜカッコカリなのです……?」
提督「まだ正式に認めてもらってないから……」
ヲ級「……。!!」ザバァ
提督「オッ大丈夫か、大丈夫か? まだ中破程度の傷が残ってるんだ。じっとしとけよな~」
ヲ級「……ワタシヲドウスルキダ」
提督「ん?」
ヲ級「ナゼ、テキヲタスケタ……ワタシハナニモハナサンゾ……!」
提督「あーうん。敵だとは思わないで助けた。なので別に何も話さなくていいよ。怖いことしないから」
ヲ級「……!?」
鳳翔「……提督、あなたが何をお考えかまだ分かりませんが……このヲ級を解体するかどうか、この場でご判断ください」
提督「え、なんでそんないきなり……って弓引き絞りすぎィ! ストップストップ!」
鳳翔「申し訳ありません、私もこの鎮守府の安全を守る艦娘です……敵である深海棲艦を一時保持したのも情報を得るためです。提督にそのようなご意志がないのでしたら、むやみに脅威の種を残しておくわけには参りません」ギギ…
提督「いやいやいやいやいやいやだって解体とか拷問とかかわいそうじゃん! せっかく助けたのに!」
鳳翔「では敵空母をこの鎮守府にとどめ置くための説得力のある理由をご説明ください。ここは小さくとも戦場の一端……一個人の感情だけでは皆も納得いたしません」
提督「徹底的に正論。はっきりわかんだね」
鳳翔「ご決断を。殺生を避けたいお気持ちはわかりますが、これも戦場指揮官の役目だとお思いください」
ヲ級「……」ギロリ
鳳翔「……十数えた後の暗黙は了承とみなします」ギ…
提督「鳳翔早いっすね! いやその、とりあえず回復してこの子の気持ちを見てからですね」
鳳翔「子供の相手をしているのではありません! それは敵艦です!」
提督「やめてくださいよ、ほんっとに――」
ガラッ
鳳翔「!!」
暁「ふー、遠征ばっかりで嫌になるわ」
雷「早くさっぱりしましょ!」
電「なのです! あれ、鳳翔さん……と……」
響「……男だ。男と……」
提督「……これもうわかんねぇな」
「「「「きゃあああああああああああ!!!!!!!!!」」」」
空母ヲ級
ー執務室ー
高雄「……で、混乱した駆逐隊の子達に」
愛宕「コテンパンにされちゃったんですねぇ。あ、私は愛宕っていいま~す♪」
提督「よろしく、どうぞ」ボロボロ
那智「とにかく、これでほとんどの連中にコイツの存在が認知されてしまったな……もうあの4人が方々に言いふらしているだろう」
ヲ級「……」(←鎖でぐるぐる巻きにされている)
球磨「どうする気クマ? まぁさっさと解体するのが一番だと思うクマ」
提督「そんな殺生なクマ」
球磨「マネするなクマ!」
鳳翔「……」
提督「ん~……あの、俺まだ実戦経験もないし、みんなの常識から明らかにかけ離れた不作法なこと言うかもしれんのだけどさ」
那智「何を言う気だ」
提督「そのー、つまり。どう違うの? みんなとこの子と」
ヲ級「……?」
球磨「アホかクマ? いやアホクマ。こいつは敵で、球磨たちを襲うクマ。球磨たちは――」
提督「深海棲艦を襲うんでしょ?」
「「「!!!」」」
提督「まぁ向こうが先に侵略はじめたのは知ってるんだけど……戦争って大体そうじゃん。個人の事情関係なく、互いが敵対心もってると思い込むから話し合う間もなく殺し合いになるじゃん」
高雄「それは……」
那智「……確かに歴史をさかのぼれば事実はわからん。だが現実には――」
提督「戦場っていう特殊すぎる環境のことは俺だって手に負えんよ。でもここはまだ戦場にはなってないだろぉ?」
球磨「そいつが暴れだしたらすぐ戦地と化すクマ!」
提督「んなもんただの叩き合いですむだろうが。艤装もつけないでどうやって戦争するんだ」
球磨「……ク、マ」
提督「いや、ホントに限定的な話ね? 俺、ただの人間。君たちは兵器。でも非武装状態。今こうして普通に話してるじゃん」
愛宕「深海棲艦と話したことはないけど……そっかぁ。確かにこうやってじっとしてたら見かけはほとんど変わらないものねぇ」ジー
ヲ級「……」プイ
那智「愛宕、貴様っ……」
鳳翔「つまり……『このヲ級は直ちに致命的な戦火をもたらす脅威とはならない。よって早急に解体処分とする必要はない』……そう判断される、ということですね? 提督」
提督「そうだよ(便乗)」
鳳翔「……提督がそう判断されるのであれば。この件はいったん保留としておきませんか、那智さん」
那智「鳳翔……お前まで!」
鳳翔「立場上、上官の意志には従うのが我々の務めです。しかし、進言することはお許しいただけますね?」
提督「あっはい」
鳳翔「まず一つ。その子が我々に一方的な危害を加えた場合、提
コメント一覧
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- 2015年09月27日 22:43
- 新米といえど上官に対する態度が酷くてワロタ
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- 2015年09月27日 22:56
- 内容は悪くないのに
提督の無理やりな淫夢語録が全てを台無しに
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- 2015年09月27日 22:56
- 早く改出ないかな
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- 2015年09月27日 23:06
- 内容自身は面白いと思うんだけど…
提督のキャラクターどうにかならんかったのか
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- 2015年09月27日 23:13
- なんで淫夢にする必要があったんですか…
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- 2015年09月27日 23:14
- (淫夢要素はいら)ないです。
あ、内容はよかったです。
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- 2015年09月27日 23:18
- ただのウザキャラにしておけばよかったのに、
どうしてその口調を選択してしまうんですかねえ…
つーか那智がチョロ過ぎw
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- 2015年09月27日 23:19
- 無理矢理な淫夢で読む気萎えるわ
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- 2015年09月27日 23:25
- 個人的には淫夢語録を上手く使えてたと思ったけどなぁ・・・。
やっぱり出張先輩は害悪。はっきりわかんだね。
(レスリングもあったけど)
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- 2015年09月27日 23:27
- 匂わせてるけど結局この子はもと何だったのか……
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- 2015年09月27日 23:37
- 曖昧なままな部分もあるし続けようと思えば続けられる感じだな
しかし姉ヲ級eがちょっとかわいそうな気もする
提督のキャラェ……
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- 2015年09月27日 23:40
- ※10
単純だけど、わざわざお姉ちゃんが迎えに来るあたり瑞鶴かなあ?
ヲ級eも説得して守備戦力に引き込むエンドならもっと良かったかも
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- 2015年09月27日 23:41
- 淫夢厨の提督とかワイじゃないですかやだー
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- 2015年09月27日 23:51
- ※12
へぇ、深海化すると胸が大き...(爆撃音)
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- 2015年09月27日 23:52
- 淫夢語録はどうでもいいが、なろう主人公みたいない「上から目線」「異端目線」の「冷静くん」で萎えたわ
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- 2015年09月27日 23:55
- そりゃ深海化して駆逐艦から戦艦になれた娘もいますし
以前のイ級の話もだけど生き死にの差なんて偶然と僅かな気まぐれだからね
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- 2015年09月27日 23:55
- こう言う場合の指揮官は熱いタイプとか、やる気のない飄々としたタイプが良いと思う。
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- 2015年09月28日 00:01
- 提督のキャラウザかったから飛ばしたけど面白かった?
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