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nanapiとオモコロがコラボ広告をはじめました - 株式会社バーグハンバーグバーグ
ハウツーサイトのnanapiとおもしろメディアのオモコロがタッグを組んでコラボ広告をはじめました。それを記念して、nanapi代表のけんすうとバーグハンバーグバーグ代表のシモダが「メディアの未来」について対談いたしました。

5割ぐらいの力で。協業始めます。

シモダ

よろしくお願いします。

けんすう

はい。よろしくお願いします。

シモダ

けんすう君とは元々、大仏殿の鬼瓦を作る時に会いまして。2人が作る鬼瓦のどちらがデキがいいかで争ったんです。

けんすう

そんな「火の鳥 鳳凰編」みたいな状況ではなかったと思いますけど、今回はそんな2人が協業ということで。

シモダ

はい、協業ね。

けんすう

今、広告の仕事ってやっぱりインバウンドでくるものが多い?

シモダ

そうねえ…

けんすう

シモダ

ごめん、インバウンドってなに?

けんすう

なんで一瞬インバウンドわかってる風な感じ出したの?

シモダ

時間稼いでる間にわかるかと思って。

けんすう

インバウンドっていうのはつまり、自分たちから営業かけるわけじゃなくて、お問い合わせとかで直接仕事の依頼がくる形。

シモダ

あーそうね。インバウンドだわ。うちは完全に100%インバウンド!

けんすう

なるほど。

シモダ

もうインバウンドでずっとやらせてもらってますね。延々と。言うなれば柱ですね、インバウンドは弊社の柱です。

けんすう

言葉の覚えたて感がすごい。

シモダ

で、そんなインバウンドなバーグハンバーグバーグと、nanapiが手を組むってことになったけど、これどうなってくの? 「IT業界の知恵の神」と言われたけんすう君は、弊社と組んだ後の動きをどう見てるんですか?

けんすう

正直な話をすれば、nanapiで記事広告をやると結構ね、真面目になりすぎるっていう部分はあるんですよ。

シモダ

ほう。

けんすう

で、バーグさんもバーグさんで「アクが強い」っていうか。

シモダ

やめてくださいよ、悪口は。

けんすう

い、いい意味のね。そんなnanapiとバーグの中間というか、いい感じに中和された企画ができるとなると、売れるか売れないかはさておき、売りやすいんじゃないかっていう予感はするんですよね。

シモダ

確かに。さっきけんすう君が言ってた「アクが強い」っていうのは、うちが背負っていかないといけない十字架だと思ってるんですけど、本当にバーグってふざけブランディングやりすぎちゃって、やれることの幅が狭いんですよ。「できること、少なっ!」っていう。結構そこに苦しめられる部分っていうのはあるんだけど、nanapiさんとのタッグだったらその辺りのバランスは取れそうだなと。

けんすう

ちょっと聞こえは悪いかもしれないんですけど、お互い5割ぐらいの力でやるとちょうどいいってことはあると思うんですよ。

シモダ

わかる! これ、言葉に出すとめちゃくちゃイメージ悪いけど。決して手抜きって意味じゃなくてね。

けんすう

そう。手抜きじゃなくて、無駄な力を入れないというか……どう言えばいいんだろ。

シモダ

やっぱりそんなに鼻息荒くしても仕方ないんでね。出稿するクライアントさんも5割ぐらいの力で、「気楽にやってください」っていう会社さんがいいですよね。ギャラは5割増で。

けんすう

割引じゃないんだ。

やってみたい記事広告とは。

けんすう

今後、こういうクライアントさんとやりたいっていう希望はありますか?

シモダ

うん、やりやすさから言うと、やっぱり「商材に武器がある」っていうことですよね。参入障壁が低くて、競合もめっちゃ多いっていう業種はやっぱりそもそも個性がないので難しいというか……。

けんすう

「これ!」っていう得意分野を持ってる会社さんの方が、記事としては作りやすいというのはありますね。

シモダ

あとは「これでモテる」「彼女できる」「痩せる」とか、コンプレックス商材的なのはどうしても商品をよく言おうよく言おうとするんで、あれもちょっと苦手かなぁという印象がありますね。「効かない!」って言えないじゃないですか。言った方が面白いんですけど。

けんすう

それ正直に言ったら売れないからね。

シモダ

けんすう君はどんなクライアントさんとやりたいですか?

けんすう

僕は最近「IGNITION」の関係で、日本政府観光局とかにも行ってお話を聞いたりしてるんですけど、外国人向けの記事っていうのはやってみたくないですか?

シモダ

あー、観光客向けの?

けんすう

そう、外国人が読んで日本に来たくなるようなやつ。

シモダ

それはやってみたいね。

けんすう

海外における日本の紹介って、すぐ芸者とかの写真使ったりするけど、芸者さんなんて普通はいないわけじゃん? あれってちょっと違うよなと思っていて。で、それの対極としてアニメとかアイドルとかサブカル寄りな情報に行きがちなんだけど、それだって限定的なことじゃない?

シモダ

確かにね。もっと一般的な日本の良さみたいな。

けんすう

ちゃんとした、ジャパン。

シモダ

いいね、「ちゃんとしたジャパン」。今、外国人観光客ってめっちゃ増えてるよね?

けんすう

すっごい増えてる。今は年間1,300万人ぐらいきてますね。

シモダ

中国からの観光客とか最近良く目にするもんね。そういう人たちに日本の良さを伝えつつ、面白い記事になってるような。

けんすう

僕が昔からずっとやりたいのは「ヴィジョンのない人に聞く」っていうやつで。例えばデジカメの性能がこうで、価格がこうでって色々調べてから買う人向けの情報っていうのはすでにネット上にあると思うんですけど、「何となく電気屋行ったらデジカメ買っちゃった」って人も多いと思うんですよ。 だから外国人観光客の中でも何となく日本にきちゃった、特に深く考えないで日本に住んでるとか、そうい人たちの話って面白いんじゃないかなって。

シモダ

なるほどー、それは面白そう。それと似たようなので、専門の人に専門外の話を聞くっていうのはどうですか?「脳科学者の茂木健一郎さんに腸の話を聞く」とか。

けんすう

僕たちとあんまり知識レベル変わらないよね、多分。

シモダ

専門的な知識がある人のもったいない使い方っていうのはしてみたいですね。そう言えば、消防士って熱い風呂に入るのかな?

けんすう

何の話?

シモダ

いや、消防士って火事場に行くじゃない?じゃあ熱さに結構耐えられるのかなって。50℃ぐらいまではいけそうな気がしません?

けんすう

それは普通に熱いんじゃないの? 「バブ」とかからPRのお仕事がきたらやってみてください。

ネイティブアドのPR表記はするべき?しないべき?

シモダ

PR記事と言えば、今年はネイティブアドにPR表記をつけるのかつけないのかみたいな話がメディア関係者の間で盛り上がったね。

けんすう

あれに関しては、僕はPR表記あったほうがいいと思うんですよね。というのも、普通の記事で商品を紹介した時にも、「ステマだ」って言われることがあるんですよ。「やるわけねーじゃんそんなつまらないこと!」ってこっちが思っても、ユーザーにとってはわからないわけですよね。だから、PRをつけていない広告記事は厳しく指摘される、という状態はやはり必要かなと。

シモダ

ふむふむ。僕は、あくまで個人的になんですけど、「そんなガチガチにする必要はないんじゃないかなあ」と感じてるかなぁ。世の中、多少騙される要素がないと楽しくなくなっちゃうんじゃないかって気持ちがあるんだよね。

けんすう

なるほど。

シモダ

ただ、逆に入れたほうがいいなって思う表現もあって。例えば、心霊番組とかUFO番組に、PR表記で「Adobe」って入ってたら笑うなとか。

けんすう

それは面白いね。

シモダ

ひろゆきさんが昔、噓を噓と見抜けない人は2ちゃんねる使っちゃダメみたいなこと言ってたけど、広告にもそういう要素があるんじゃないかなって。もちろん悪意があって、本当に世の中に迷惑かけてるようなのは消滅すべきだけど、それが本当にアリなのかナシなのか判断するルールを明確に作る前に、先んじて発信側で規制規制ってなったり、感情論でナシにしちゃったりっていうのは、演出として楽しめる部分まで捨てちゃう感じがしてちょっともったいないなって。

けんすう

確かにテレビでもそうなんだけど、PRが明記されるようになったら逆にステマやる人が増えるんじゃないかっていう意見もあって、それもそれでわかるんだよね。ただ現状だと「PR表記なしの記事」が、メディアが高いお金をとるための理由に使われていたりして、それはさすがにルール違反だろと。

シモダ

それって具体的にはどういう仕事なの?

けんすう

そうだね、例えば「Yahoo!JAPANにニュース配信できるから、何とかPR表記なしでウチの製品についてのステマ記事を書いて、Yahoo!にのるようにしてくれ」みたいな。

シモダ

はー、なるほど。

けんすう

これは未だにやってるところがあって、絶対にメディア名は出せないんだけど。◯◯と◯◯と◯◯と◯◯なんだけど。

シモダ

うん、聞いてない。僕は何も聞いてない。

けんすう

Yahoo!側が、PR表記なしのネイティブアドは配信しないって言ってるのにそういうことやるのは明らかなルール違反だなーと。でもそういうズルは業界が成熟するにしたがって少なくなっていくものなので、だんだん減っていくでしょうね。

※Yahoo!ニュースからのステマ記事排除の流れは、このインタビュー収録後、明確なものになりました。
http://japan.cnet.com/marketers/news/35068103/

シモダ

まぁルールができるなら、ルールの中で知恵を絞っていくしかないって感じですかね。

けんすう

そうだね。まとめると、シモダ君は人を騙したほうがおもしろい派で、僕は人を騙すなんて卑怯なことは絶対にできない!派っていうことですね。

シモダ

なんか僕の聞こえだけ悪い気がするけど、それでいいよ。

メディアは長く続けることに意義がある? 今後の広告業界の動きとは。

シモダ

それにしてもnanapiって、すごいたくさん記事があるよね。今で記事数どれくらいあるんですか?

けんすう

今で12万件くらいかな?

シモダ

すげー!それだけやったら書くこと出尽くしてないですか、もう。

けんすう

だから今は掘り下げる方向に行ってるんですよね。「シャツの洗い方」っていう知識があったとして、それを「高級シャツを家で洗うにはどういう方法がいいか?」っていうところまで掘り下げて、ちゃんと専門家にも取材して書く。そうすると、その分野でネットで一番いい記事ができるんじゃないかという。

シモダ

あ、いいですね。確かに「そこもっと詳しく書いてくれよ!」っていう記事はあるもんね。ネットで拾った情報を切り貼りして作ったようなやつとかさ。

けんすう

あるある。「家系ラーメンの作り方」とかもめっちゃ拡散されたんだよね。豚骨をグツグツ煮込むところから始める記事なんだけど。

シモダ

確かに他のメディアではそこまで書かないもんなー。

けんすう

そう、だから今やるのってここじゃないかなと。

シモダ

はぁーなるほどなー、nanapiさんには頭が上がりませんね。さすが知恵の神けんすう!

けんすう

シモダ君はどうなんですか、今後の広告業界について。

シモダ

うーん、何となくでしかないんですけど、今後スペシャルサイトっていう方向は減ってきそうな予感はするんですよね。

けんすう

お、なるほど。

シモダ

まぁ、なくなることはないとは思うけども、コストの使い方がちょっと変わってきてるのかなと。サイト作るっていうよりも、それこそ記事広告とか、オウンドメディア立ち上げたりとか。今、自社メディアってポコポコできてるじゃないですか。

けんすう

できてますねー。

シモダ

そういうオウンドメディアの記事の編集とか執筆を、「プロモーション会社がやってくれませんか」みたいな依頼がどんどん増えていくんだろうなぁと。うちも最近は編集プロダクション的な動きも多くなってきたからね。でも会社作って5年経つから、ある意味転換期なのかな、と。

けんすう

もう5年になりますか。

シモダ

おかげさまで。会社のベースになったオモコロの設立から数えると今年で10年目かな。

けんすう

nanapiは今年で6年目ですね。最初はこんなに長く続くと思ってなかったけど。

シモダ

僕もですね。

けんすう

これ友達がいってたんだけど、「同じスタイルで3年続けるべきだ」っていうのがあって。1年目は新しいもの好きの人が集まってくるけど、2年目は飽きられる。ただこの期間同じスタイルを続けられたら、3年目からは普通の人も見てくれるようになる、と。僕はこの意見をすごい支持しますね。

シモダ

うん。それ、僕がこの前、一緒に飲んでる時に言ったことだけどね。

けんすう

もうその友達は死んじゃったんだけど、この言葉は生き続けています。

シモダ

その人、もっと生きていたかったと思うな。まぁ「続けてたら結構いいこともあるな」と思えたのは、ようやく最近ですね。

けんすう

僕は近頃、メディアってどんな手を使ってでも長く続けるというのが大事なんじゃないかと思っていて。IGNITIONとか、めっちゃつらいんだけど、3年生き残れば何か起きるかもしれないと思ってます。

シモダ

残存者利益っていうのはあるからね。けんすう君は他にあれもやってるよね。「アンサー」。

けんすう

これは面白いんだよねえ。話すとめちゃめちゃ長くなっちゃうんだけど。

シモダ

長くなるならいいかあ。

けんすう

いや、せっかくなんで話させてよ。まず、新聞とかの時代のメディアではさ、コンテンツを作る側と、コンテンツを配る側って同じだったわけじゃない。となると、コンテンツを作る人って自由なのね。でもインターネットになると、コンテンツを作る側と配る側が分かれるわけ。

シモダ

なるほど。

けんすう

コンテンツを作る側はいっぱいいて、配る側はYahoo!だったりスマートニュースだったりTwitterだったりする。そうなると配る側に載るかどうかで収益がガツンと変わってくるから、コンテンツを作る側は、いわばプラットフォームにどうやって載るか?というのを考え始める。今の「バズるコンテンツ」っていうのはつまりそういうことね。

シモダ

うん、その通りだ。

けんすう

するとどうなるか? 作られるコンテンツの内容っていうのが、大まかに言って似てくるんだよね。これはYahoo!ニュースに載るような記事、これはスマニューに載るような記事、みたいに。そうなるとインターネットの多様性っていうのは実はなくなっていっちゃう。

シモダ

うんうん。

けんすう

だから僕は、配る側と作る側が分離したままでは、インターネットがつまらなくなってしまうんじゃないか?と思ったんですよ。そしてさらに言うと、コンテンツを作るという部分も2つに分解できて、これは元ネタ・アイデアっていう企画の部分と、加工とか編集の部分の2つ。

シモダ

うん。

けんすう

Twitterのまとめとか、2chまとめだとか、ぜんぶ元ネタが同じじゃない。そうなると、加工・編集の勝負になるんだけど、結局ここって儲かりそうだと思えばみんながやるから、まとめサイト・キュレーションサイトっていうのは膨大に増えていくわけ。そうすると収益とかユーザーは分散するから、力の弱いサイトがたくさんできちゃう。結果として、思い切ったことができる場所がなくなるんだよね。

シモダ

………。

けんすう

2chまとめが2つの事業者くらいしかやっていなかったら、たぶん月間で10億くらい稼げていて、その内2億くらいを、チャレンジングなコンテンツに使ったり、新しい技術に投資したりできるはずなんだけど、みんなよくて月収1,000万円とかになると、日々のコンテンツを作ることばっかりで精一杯になっちゃう。結果として、インターネットで作られるコンテンツはすごい狭い分野の物に限定されてしまう、というのを僕は解決したいと思っているんですが……って、聞いてる?

シモダ

大丈夫。ちょっと寝てただけ。

けんすう

聞いてないより、寝てたほうが印象悪いよ! これ対談だからね。僕が一人で語ってたらそれは何だ、何なんだ。

シモダ

たいだん!

けんすう

「よつばと!」のよつば風に言うな。つまるところアンサーでは、まずコンテンツの元ネタがアンサーというアプリで、そこを自分たちの手で「アンサー劇場」としてまとめることで、コンテンツの幅を広げたいなって思っているんですよね。

シモダ

それいいよねー。自分のところで生まれたコンテンツだから、愛情もって編集も挑めるし。

けんすう

そうなんですよ。

シモダ

よそで生まれたものをまとめるよりもよっぽど自分ごとでいいと思うよ。メディアってサービスにもよるんだろうけど、作る側が誰かのためにって思いながらやるもんじゃないと思うんだよね。それって全然面白くならないから

けんすう

それはわかる。

シモダ

自分が得しなきゃ、美味しくならなきゃって思ってないと、エンターテイメントにはなりにくいなって。

けんすう

結果として、自分本位でやった方がよかったりするよね。

シモダ

そうそう、エゴって一番のコンテンツなんだよ。

けんすう

わかる。The First Penguinってサイトをやってるんだけど、あれは僕がただ聞きたいことを聞いてるだけだからね。

シモダ

は?ファースト……? そうやって英語で難しいこと言うのやめてよ。

けんすう

別に難しくはない。

シモダ

もう!えいごはやめてっていったでしょ!

けんすう

よつば、ごめん。

シモダ

そっちが英語話すなら、こっちだってアイヌ語話すよ?

けんすう

アイヌ語?

シモダ

オソマ!

そんなこんなでnanapiオモコロ協業やります!