10月2日、秋葉原のジャンク通りに、歴戦のEngadget読者であれば大注目なレトロPCとゲームの店舗が開店しました。店名は『BEEP@秋葉原』。住所は東京都千代田区外神田3-9-8 中栄ビルB1F。営業時間は午前11時から午後8時。定休日は水曜日と木曜日です。
特徴は、品揃えが非常に包括的、かつマニアックな点。NECやシャープ、MSX陣営などの8ビット、16ビット機PC本体とゲームや周辺機器を中心に、レトロゲームソフトや本体、アーケードゲーム基板、果ては中古雑誌や書籍、同人ソフトまでを揃えます。
取り扱うアイテムを改めて紹介すると、中心となっているのはレトロPC(主に8ビットと16ビット機)、PCゲーム、家庭用ゲームとハード。さらにアーケードゲーム基版や、ゲーム筐体、筐体メンテナンス用のブラウン管までも販売します。
レトロPC本体とゲームは、NECのPC-8800や9800シリーズ、シャープのX68000シリーズなどが中心。ゲームタイトルの棚は本体メーカーごとに分かれており、たとえばシャープですとX68000シリーズ、X1シリーズ、MZシリーズが隣接しています。
各メーカーごとにレアタイトルコーナーも設けられており、たとえばPC-8800シリーズでは日本ファルコム幻の作品『ぱのらま島』、PC-6000シリーズであれば堀井雄二氏作の『ラブマッチテニス』、PCエンジンであれば初版バージョン『マジカルチェイス』、メガドライブであれば『スラップファイトMD』といった、コレクターであればぜひ押さえたいタイトルが陳列されています。
合わせて、入り口付近には今どき珍しく、PCゲームの試遊コーナーも設けられています。が、そのタイトルもX68000であれば(X68版)スター・ウォーズ、MSXはグラディウス2、PC-8801mkIISRはファイアーホーク(テグザー2)......といった具合に、ハードを代表するタイトルが並ぶという具合。
店内キャラクターのイラストも、マイコンBASICマガジンの挿絵を描かれていた「くりひろし」先生によるものです。
また隠れた注目ポイントとして、レトロゲーム関係の雑誌や書籍、果ては同人誌までを一括して取り扱う点が挙げられます。中古ゲームショップの場合、攻略本まで扱うことはありますが、当時の雑誌や書籍、果ては同人アイテムまで扱うショップはかなり珍しいところ。
取材時にはマイコンBASICマガジンやログイン、テクノポリスなどが陳列されていました。
そしてマニアックという点では、いくつかの品に付けられた店内POPも見所。たとえば東芝のMSX『パソピアIQ』には、CMを担当した横山やすしと木村一八親子に関するネタが入っています。
なお、店内は18歳未満立ち入り禁止となっていますが、それはアダルトゲームも取り扱うため。『レモンちっくコーナー』という、当時の情勢を知らなければまったく意味がわからないPOPも見所です。
ちょっとお高いものの、紙袋は@takaflo 先生にデザインしていただきました!弊店ホームページやロゴなどでお世話になっており、ゲームに大変理解が深い方です。ありがとうございます^ ^ pic.twitter.com/Gd6KnVqDRI
— BEEP@秋葉原 (@BEEP_akihabara) 2015, 10月 2
そうしたスタッフのマニアックさは紙袋に至るまで発揮されており、漫画家の五月雨せつな氏によるレトロPCやゲーム機をアイコン化したオリジナルデザインのものを用意します。
もともと同店は、埼玉県羽生市で営業を開始し、今回の秋葉原で2店目。スタッフの理解度の高さやメンテナンスの腕の良さ、バイヤーのレベルの高さから、Twitterのレトロゲーム愛好家の間などで支持を広げたショップです。
開店初日となる2日は開店を知った愛好家が並び、整理券方式での入場に。ショップ側の店舗内をゆったり見てもらいたいとの配慮から数人のみを入店させるという方針もあり、11時の開店から8時の閉店まで、一日通しで整理券での入店となりました。
店舗スタッフに聞いたところ、「現在は倉庫から品出しをしつつ営業しています」とのことで、3日(土)や4日(日)にはさらなるレアアイテムが並ぶことも期待できそうな感じです。
レトロPCはもともと扱うショップが多くなく、またメンテナンスなどの技術も高いレベルが必要とされることから、秋葉原でも取り扱い店がじょじょに減少しつつあります。そうした中で評価の高いショップが秋葉原に進出してきたという話は、嬉しいニュースと思う愛好家も多いのではないでしょうか。