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3種のXperia Z5やNexusなど「選べるラインナップ」で多彩なニーズに対応、ドコモ冬春モデル(石野純也) - Engadget Japanese


9月30日に開催されたドコモの発表会では、13機種のスマホ、タブレット、ケータイ、Wi-Fiルーターが発表されました。冬春は、キャリアにとって最も重要な商戦期。天王山とも言える2月、3月に向けたラインナップなだけに、ドコモの気合もうかがえます。ここでは、その全体像を振り返るとともに、筆者の主観も交えた印象をお届けしていきます。

ドコモ Xperia Z5 Premium SO-03H 実機写真

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4 枚

ドコモの冬春モデルの特徴は、一言であらわすと"選べるラインナップ"。たとえば、XperiaシリーズはIFAで発表された「Xperia Z5 Premium」「Xperia Z5」「Xperia Z5 Compact」のすべてを取り扱っており、大中小と好きなサイズを選ぶことができます。同社代表取締役社長の加藤薫氏も、「3つのXperiaをそろえた。これはドコモだけ」と胸を張ります。

4K対応の「Xperia Z5 Premium」
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5.2インチ、ど真ん中の「Xperia Z5」
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小型で持ちやすい「Xperia Z5 Compact」
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ドコモ Xperia Z5 Compact 実機写真

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もちろん、選べるラインナップはXperiaだけではありません。シャープのAQUOSには「AQUOS ZETA」と「AQUOS Comapct」が、富士通のarrowsにも「arrows NX」と「arrows Fit」が用意されており、それぞれフラグシップモデルとコンパクトモデルという風に位置づけられています。arrows Fitのように、チップセットにミッドレンジ向けの「Snapdragon 410」を採用するモデルもあり、ハイエンド一辺倒に偏っていないのも特徴だ。すでに、スマホはミッドレンジ以下でも十分な性能を持っています。パフォーマンスが必要とされるゲームなどをしないというのであれば、こうしたミッドレンジモデルでも事足ります。むしろ、価格が安い方がうれしいという人もいるでしょう。

AQUOS、arrowsにもコンパクトモデルを用意

ドコモの冬春モデルは、こうしたニーズに応えた品ぞろえと言えます。加藤氏も「各機種に特徴を持たせた。ハイスペックのものや、価格、機能、サイズ的にお手軽なものを含めた」と、全方位にラインナップをそろえたことを語っています。MNP開始以降、他社に差を詰められているとはいえ、ドコモにはまだ5000万人を超える契約者がいます。ユーザーが多いだけに、要望も多岐にわたります。また、フラグシップモデルばかりだと、価格はどうしても割高になります。賛否はありますが、安倍晋三総理大臣が携帯電話料金の見直しを指示しているような状況もある中、通信料収入が下がってくれば、端末購入に対する割引、ドコモでいえば「月々サポート」を減らさざるをえなくなることも想定されます。その時に求められるのが、比較的買いやすいミッドレンジモデル。バリエーションを増やした背景には、こうした変化に対応していこうとする、ドコモの思惑も見え隠れします。

プレゼンでも、選べることが強調される

この全方位には、いわゆるスマホ好き、Android好きというユーザーも含まれます。「One more thing」として加藤氏が発表したのが、日本時間の同日未明に発表された、Googleのリードデバイス「Nexus 5X」。例年通り、ワイモバイルが独占販売すると思われていただけに、大きなサプライズとして受け止められました。

ドコモがNexusシリーズを取り扱うのは、2011年に発売された「Galaxy Nexus」以来。以前は中途半端にドコモ仕様が入っており、最新のOSが適用されるNexusにも関わらず、アップデートが遅れることもありましたが、Nexus 5Xではその反省も生かされた「ちゃんとしたNexus」(ドコモ関係者)。同モデルは「その他 スマートフォン」に位置づけられ、基本的にはiPhoneと同様、メーカー仕様そのままで販売されることになります。OSのアップデートも、Googleに合わせていく方針。ドコモ向けのカスタマイズはほぼされていないと言います(ただし、SIMロックはかかっています)。

「ちゃんとしたNexus」の「Nexus 5X」

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ドコモNexus 5X 実機写真

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Nexus 5Xの発表と同時に、Androidのバージョンアップにも積極的に対応していくことを宣言しました。加藤氏は「Android 6.0へのバージョンアップをがんばってやっていく」と宣言。発表会後に行われた囲み取材でも、「以前からお客様の声があった。ようやく私たちにも力がついてきた」としながら、決意を語りました。

AndroidはiPhoneと違い、キャリアがバージョンアップの可否を判断するため、機種によっては最新バージョンが適用されないことがあります。コストがかけられない、キャリアアプリを動かすのに十分なスペックがないなど、理由はさまざま。会社としての事情はある程度わかるところもありますが、事前に予想がつかないだけに、ユーザーとして自分の機種のアップデートが見送られてしまうと、残念な気持ちになります。この点、少なくともドコモの冬春モデルなら、アップデートの確率が高そうで、安心できます。具体的な機種名や時期は明言されませんでしたが、スペック的にはどの機種もAndroid 6.0に十分耐えうるものです。

アップデートへの決意表明を行う加藤氏

幅広いラインナップで、スマホ初心者層からギーク層まで、多彩なニーズに応えるドコモですが、筆者にとっては残念なこともありました。それは、「Galaxy Note」シリーズの導入が見送られてしまったこと。例年、冬春モデルのラインナップに入っていただけに、最新モデルがまさかの不採用という事態になるとは思っていませんでした。Galaxyシリーズは、耐衝撃性能を備えた「Galaxy Active neo」のみ。夏モデルの「Galaxy S6 edge」「Galaxy S6」と併売するという意味では、スペックも抑えめで特徴もあるとは思いつつも、「Galaxy Note 5」がないのは、やはり寂しいものがあります。

8月に発表された「Galaxy Note 5」
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一般的に、スマホは2年程度で乗り換えるもの。このサイクルを踏まえると、「GALAXY Note 3」のユーザーには、最新の後継機が用意されていないことになります。サムスン関係者によると、Galaxy Noteシリーズは特にユーザーの満足度が高く、継続利用意向も高いといいます。実は、加藤社長もそんなGALAXY Note 3ユーザーの1人だった人物で、2014年にスペイン・バルセロナでインタビューしたときは、同じ端末のユーザーとして話が弾んだことを思い出します。

そのようなモデルにも関わらず、後継機がないのは非常に残念。加藤氏は「いわゆるファブレットやタブレットとして、今シーズンはdtabに焦点を当てた」と述べていましたが、残念ながらdtabではGalaxy Noteの代わりにはなりません。片手で使えつつ、必要なときはサッとSペンを取り出してメモが取れ、しかも大画面で使いやすい。こうした特徴を備えるGalaxy Noteシリーズは、決してタブレットで代替できるものではないでしょう。

大画面モデルはdtabがあるというものの......
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ドコモとしても、以前は力を入れて販売していたモデルだけに、なぜ導入を見送ったのか、もう少し具体的な説明がほしかったのが率直な感想です。ただし、加藤氏は「タイミングを見ながら、そのもの(Galaxy Note)も入れていきたい」と語っており、今後もずっと出ないというわけではなさそう。この発言に、一縷の望みを託したいと思います。
3種のXperia Z5やNexusなど「選べるラインナップ」で多彩なニーズに対応、ドコモ冬春モデル(石野純也)

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