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黒ジャンヌ「どうして私の下着が白なの!」|エレファント速報:SSまとめブログ

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黒ジャンヌ「どうして私の下着が白なの!」

2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:20:50.82 ID:wjtjgQad0

 城内・ジャンヌの私室


黒ジャンヌ「ついにこの時が来たわ……」

黒ジャンヌ「私を裏切ったフランスに血の報いを与える時が……」

黒ジャンヌ「私はジャンヌ・ダルク! 地獄より蘇った竜の聖女! 愚昧なるフランス国民よ、私の怒りを思い知るがいい!」

黒ジャンヌ「前口上はこんな感じでいいわよね……後でジルに聞いてもらわないと」

黒ジャンヌ「まずは私を異端認定した教会の豚ども……それと、親愛なるピエール・コーション司教をお呼びしなくてはいけないわ」

黒ジャンヌ「ふふふ、これから私が愛した……愛していた祖国フランスを、邪悪と悪徳をもって陵辱するなんて、数日前の私が聞いたらなんて思うのかしら」



3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:21:20.59 ID:wjtjgQad0

黒ジャンヌ「では行くとしましょうか」

黒ジャンヌ「…………そういえば、気がついた時にはこの格好でしたが、下着はどうなっているのかしら」ペラッ

黒ジャンヌ「なっ……!? そ、そんな……ジル! ちょっと来て!」

ジル「お呼びですかな、ジャンヌ」ガチャリ

黒ジャンヌ「ずいぶん早かったわね……じゃなくて、女性用の下着の替えはないかしら?」

ジル「下着の替え、ですか。サーヴァントである貴女には生理現象そのものが起こりえない。従って、着替えの類を持つ必要などないと思いますが」

黒ジャンヌ「そういう問題じゃないの! 見なさいよこれ!」バサッ

ジル「ふむ、実によく似合っておりますぞジャンヌ。して、何か問題でもありましたかな?」

黒ジャンヌ「見れば分かるじゃない! この私が、悪徳に身をやつしたジャンヌ・ダルクの下着が白って! しかもレースつきの上品なの! こんなの最低よ!」



5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:22:03.17 ID:wjtjgQad0

ジル「やはり乗馬用のズロースなどの方がお好みでしたか。でしたら早急に用意させましょう」

黒ジャンヌ「もっとダメ。こんな大胆なスリットからだぼっとしたズロースが覗いてるなんてそれこそ最悪です。イメージに関わります」

ジル「イメージですか?」

黒ジャンヌ「そう、イメージですイメージ。これから私は破壊と暴力の化身、邪悪と悪徳の象徴としてこのフランスを席巻しなくてはなりません」

ジル「そうですとも」

黒ジャンヌ「泣く子も黙る恐怖の代名詞、姿を見ただけで命乞いをしたくなるような圧倒的存在。それが私の目指すもの」

ジル「私も貴方がそうあれるよう全力を尽くす所存でございます」

黒ジャンヌ「なのに、そいつの穿いている下着が生娘みたいな白? いい笑い者じゃないの」



6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:25:04.47 ID:wjtjgQad0

ジル「杞憂ではありませんかな? 第一、恐慌する民にわざわざ貴女の下着を確認するような余裕があるはずがない」

黒ジャンヌ「見える見えないの話じゃなくて、私は『見えたら』の話をしているんだけど?」

ジル「ふむ、貴方のご不満も分からないではありません。ですがないものねだりをされても困ります」

ジル「その件については、また後ほどということでお許しを」

黒ジャンヌ「……分かりました」



 オルレアン 某所上空


黒ジャンヌ「(とは言ったものの、やはり気になりますね……)」

ワイバーン「ギャオー」バッサバッサ

黒ジャンヌ「(今日は風が強いですし、初めに降り立つのは村で一番高い教会の尖塔。おまけにこの服装ではほぼ下から丸見え状態ではないですか)」



8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:26:16.87 ID:wjtjgQad0

ジル「ジャンヌよ、準備はよろしいか!?」

黒ジャンヌ「はい、問題はありません! というか、念話で話しかければよいではないですか!」

ジル「失礼! ですが、せっかくまたこうして貴方と相見えたというのに、意思の疎通を念話などで済ませてしまってはあまりにも味気ない!」

ジル「貴方のお声を、地獄に堕ちる前に、今一度このジル・ド・レェの耳に染み込ませておきたいのです!」

ジル「ああ……ジャンヌよ! よくぞ、よくぞ蘇ってくださった……!」

黒ジャンヌ「ジル……」

黒ジャンヌ「(そうです、こうして私を信じてついてきてくれる者たちのためにも、私は立ち止まっている暇などありません)」

黒ジャンヌ「(たかが下着のことをくよくよといつまでも気にしているなんて、私はどうかしていたのかしら?)」

黒ジャンヌ「(私が懸念すべきはただ一つ。このフランスを蹂躙し尽くすことのみ!)」

黒ジャンヌ「皆の者! 私についてきなさい!」



9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:26:52.14 ID:wjtjgQad0

 同所・教会


町人1「な、何だ!? 空から馬鹿でかいトカゲが飛んできたぞ!」

町人2「しかも凄い数だ!」

町人3「お、おい! 見ろ! 教会の上に誰か降ってきたぞ……!」

黒ジャンヌ「ふんっ!」ボキッ

町人1「ああっ、十字架が!」

町人2「なんて不敬な……!」

黒ジャンヌ「フランス国民よ! 私を覚えているか!」

黒ジャンヌ「救国の聖女と祭り上げられ、ほんの三日前に、人としての全てを奪い尽くされて死んだちっぽけな田舎娘を!」



10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:27:33.53 ID:wjtjgQad0

町人1「救国の聖女……三日前に死んだって、まさか」

町人2「ジャ、ジャンヌ様! ジャンヌ・ダルク様が復活なされたのか!?」

黒ジャンヌ「私が蘇った理由はただ一つ! この国を、フランスを、フランスという過ちをこの地上から一掃する!」

黒ジャンヌ「行きなさい、ワイバーンと海魔たちよ! この街から、生命という生命を消し去るのです!」

ワイバーン「ギャオー!」

海魔「」ヌルヌル

町人たち「う、うわああああああ!!」



11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:28:20.10 ID:wjtjgQad0

 城


黒ジャンヌ「……ふう。初陣にしては中々でした」

ジル「損耗の少ない死体はゾンビとして再利用いたしましょう」

黒ジャンヌ「ええ、そうしてください」

デオン「主よ、ただいま帰還いたしました」

黒ジャンヌ「お帰りなさい、バーサーク・セイバー。務めは果たせましたか?」

デオン「はい」

黒ジャンヌ「それはよかった。……他の者はどこへ?」

デオン「バーサーク・アサシンとバーサーク・ランサーは未だ現地に残っているようですが、それ以外の者については存じ上げません」



12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:29:07.15 ID:wjtjgQad0

黒ジャンヌ「そうですか。では早速次の街へ向かってもらいましょう」

デオン「…………」

黒ジャンヌ「どうしました、何か言いたいことでも?」

デオン「いえ、何も。私に主の趣味に口を出す権利はない」

デオン「ただ――――身も心も闇に染まった貴方には、やはり黒が似合う」

黒ジャンヌ「は?」

デオン「必要とあらば、このシュヴァリエ・デオンが微力ながらお力添えを差し上げます」

デオン「では、行って参ります、主よ」スタスタ

黒ジャンヌ「……待ちなさい、バーサーク・セイバー」

デオン「はっ、何でしょう」

黒ジャンヌ「少し、貴方の意見を聞きたいんだけど――――」



14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:30:25.62 ID:wjtjgQad0

黒ジャンヌ「――――というわけで、バーサーク・セイバーに選んでもらいました。どうです? 何故ドレスまで着替える必要があったのかは分かりませんが」

ジル「お、おお……! なんと、なんと美しい……! まさに美の化身! 芸術そのもの! このジル・ド・レェ、感涙を抑えられませぬ……!」

黒ジャンヌ「な、何も泣かなくてもいいではないですか……」

ジル「しかし、貴方にはそのような可憐な衣装を纏うことさえ許されなかった。戦いが終わった暁には、ジャンヌよ。貴方にも歳相応の少女としての生が約束されていたはずだったと思うと……」

黒ジャンヌ「……無駄な議論です。歴史にIFなどありえない」

ジル「ええ、ええ。そうですとも。だからこそ、今という奇跡を必ずものにしなければなりませぬ」

ジル「例え、この身が地獄の業火に焼かれようとも……!」



15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:31:11.73 ID:wjtjgQad0

黒ジャンヌ「(……下着なんてどうでもいいと思っていたけれど)」

黒ジャンヌ「(彼を喜ばせることができたのなら、それで……)」

ジル「ところでジャンヌ。何故胸元を抑えているのです? もしや、お怪我でもされましたか?」

黒ジャンヌ「何故と言われても、何もつけていないからに決まっているでしょう。動くと落ち着かないのです」

ジル「ほう、それはいけませんな。ところでジャンヌよ、『ブラ』と呼ばれる女性用下着のことをご存知か?」

黒ジャンヌ「馬鹿にしているの? そのくらい一度でも現代に召喚されたことがあれば知っているわ」

ジル「それは失礼いたしました。では、こちらに件のブラとショーツがございます。どうぞ、お召しになってくださいませ」



16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:31:44.71 ID:wjtjgQad0

黒ジャンヌ「……ねえジル。これ、さっきまで私がつけてた奴じゃありません?」

ジル「そのようなことは断じて! この私がジャンヌに洗濯も済んでいない衣服をご用意するなど、天地がひっくり返ろうともあり得ませぬ! 紛れもないおろしたてですぞ!」

黒ジャンヌ「ふうん。この下着、貴方がおろしてきたの。しかも私が嫌いって言ったはずの白を」

ジル「……こうなっては仕方がない。ここに告白いたしましょう――――貴方の下着を選んだのは私です」

黒ジャンヌ「最初から知ってた! だってこれ完全に貴方の趣味だもの! いつゲロするのかってずっと待ってたんだから!」

ジル「ですがジャンヌ。私とて、単に趣味で貴方のお召し物を決めたわけではありませぬ」



17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:32:25.43 ID:wjtjgQad0

黒ジャンヌ「聞いてあげるわ。話しなさい。貴方への罰はそれから考えます」

ジル「ジャンヌ、貴女は万を超える軍勢を率いる将軍が、肩書通りの勇猛果敢な人物であった場合と、実は小心な臆病者だった場合。どちらが物語の題材としてふさわしいと思いますか?」

黒ジャンヌ「そんなの後者に決まってるわ。だって、そっちの方が意外だもの」

ジル「そういうことなのです、ジャンヌよ。邪悪に落ち果てし竜の聖女が、実は清楚な下着をつけている……」

ジル「『悪女なら下着は絶対に黒だろう』という神と衆生の思い込みに、真っ向から唾を吐く圧倒的裏切り……まさに悪徳、何とも恐るべき神への背信行為です。素晴らしいではありませんか」

黒ジャンヌ「な、なんて妙案なのジル! やっぱり私、貴方がいないと駄目なんだわ!」

ジル「もったいなきお言葉です、ジャンヌ……僭越ながら、まだまだ悪徳のアイデアは豊富にありまして、そちらもぜひお耳に入れておきたいのですが……」



18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/03(土) 22:33:30.22 ID:wjtjgQad0
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月03日 23:15
      • 幸せな世界
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月03日 23:18
      • ジャンヌオルタ実装はよ
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月03日 23:23
      • ジャンヌ・オルタの下着は白
        普通のジャンヌの下着は黒

        素晴らしいですね。
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月03日 23:23
      • これ、面白いか?
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月03日 23:28
      • せーのっ、ヴィヴ・ラ・フランス♪
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月03日 23:30
      • 流石はデオンだ、あっさりとやってのけたぜ!
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月03日 23:36
      • ポンコツジャンヌオルタ狂おしいほど好き
        早くガチャに追加して
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月03日 23:38
      • ※5
        フォウフォーーウ!

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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