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インターネットのおかげで、猫の動画や画像はいつでもすぐに手に取るように見ることができるようになった。だがこれは悠久の時を隔てて続いてきた異種生物同士の壮大な愛の絆の延長にすぎない。猫は昔から一部の地域において偶像めいた崇拝をされてきたのだ。
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10. 人類初のペットネコ
キプロスの新石器時代の埋葬地から、9500年前のネコが発掘された。これは人類とネコの数千年前に渡る時間の流れをさかのぼるものかもしれない。ネコはその土地固有のものではなく、古代の定住者によって連れてこられたに違いない。
最初は、4000年前くらいにエジプトで人間が野生のネコを家ネコ化したと考えられていた。しかし、最近の研究では、それよりも1000年早く中国でネコが飼いならされていたことがわかった。さらにその後、もっと古い標本が北アフリカで見つかったが、キプロスのシルロカンボス遺跡で見つかったこのネコは紛れもなく1万年近く前のものだった。
このネコはわずか30センチ隔てて人間と共に埋葬されていた。この人間はさまざまな副葬品からからすると、かなり重要な人物だったと思われる。墓からは装飾用の貝や翡翠でできた小さな儀式用の斧など、珍しいものが一緒に出てきたのだ。
なぜ、ネコが人間と一緒に埋葬されたのだろう? 考古学者にもはっきりとはわからないが、生まれて8ヶ月ほどのこのネコは、明らかに生贄のように無理やり殺されて埋められたわけではなく、少なくとも穏やかな統治状況で埋葬を指示されたネコだという説が有力だ。
9. アメリカ先住民による儀式的埋葬
人間がいつ、ネコを単なるネズミ退治の道具としてではなく、抱いてかわいがるペットとして見るようになったのかはわからない。最近の考古学的発見はその答えを一部おしえてくれる。
イリノイ州西部にあるアメリカ先住民の埋葬塚で、考古学者が2000年前のボブキャットを発掘した。このケースが特別なのは、考古学の歴史の中で後にも先にもボブキャットの埋葬の記録は初めてだったことだ。さらに、その遺骸は22人の人間の遺体の真ん中に置かれていた。ネコの首には貝やクマの歯でできた首輪がつけられていたという。
ホープウェル期のアメリカ先住民が、本当にボブキャットを飼い慣らそうとしていたかどうかは、残念ながらわからない。このネコが現在安置されているイリノイ州立博物館は、財政難に陥っていて現在閉鎖されている。できれば、なんとか奇跡的に資金を投じて、この博物館を救って欲しい。博物館がつぶれてしまうと、所蔵されている骨はばかげた官僚主義のあおりをくって、手が届かないものになってしまうだろうから。
2000 Year Old Collar on Bobcat a Strange Finding for Archaeologists
8. 東京のネコ寺
日本人はネコをこよなく愛す。18世紀、商人や麺職人に繁盛をもたらすとして、前足を上げている小さな白いネコの人形、招き猫が作られた。このかわいらしい日本のキャラクターは、次第にアジア大陸にも広がっていった。
しかし、その圧倒的な数でいったら、東京の世田谷区にある豪徳寺の右に出る場所はない。ひっそりとした小さな寺で、表向きは招き猫のまの字もないが、一歩中に入ると、おびただしい数の小さな陶製のネコが出迎えてくれる。
招き猫発祥の地としての豪徳寺の伝説は魅力的だが、歴史的な出所は疑わしい。かつて、ある領主が突然の雨を避けて木の下で雨宿りをしていると、近くの寺の前でネコが前足を上げて手招きしているのが見えた。そこで、ネコについて寺に入ると、まもなく雨宿りしていた木に雷が落ちた。命を救ってくれたネコを称え、領主が前足を上げている招き猫を作ったのが始まりだという。
Tokyo Gotokuji Temple / Maneki Neko - 豪徳寺 - 4K Ultra HD
7. ネコに救われた村 ホウトン(台湾)
台湾の北海岸にあるこの村は、文字通りネコに救われた村だ。1970年代、かつて炭坑で栄えたこの地域は、石油やガスなどのよりクリーンなエネルギー源の出現のせいで、崩壊の危機にあった。
6000人いた人口も数百人まで減り、小さな炭坑村は死の苦しみに喘いでいた。人間がいなくなるとネコの数が増え、そのうちたくさんのネコが通りをぶらぶらするようになった。たまたまひとりのネコ好きがネットでこのことを知ったことから、ネコの写真撮り放題スポットとして、たちまち有名になり、世界中からこのネコ村に観光客が大挙して押し寄せるようになった。くしくもこの小さな炭坑村をネコが救うことになったのだ。
猴硐貓村 Houtong Cat Village
6. バイキングは猫が好き。ネコと結婚信仰
バイキングがネコ好きだったなどと信じられるだろうか? 彼らはネズミ退治のために自分の家や船にネコをおいていた。その血統でもっとも有名な大型のノルウェイジャン・フォレスト・キャットは、今でもスカンディナビアやレディットで生息している。
女神フレイヤとの関わりから、ネコは神秘的なものとして扱われ、バイキングはネコに関連する出来事を実り多い結婚の前兆としてみなしていた。例えば、新婚祝いに黒ネコを贈ると、必ず幸せになれるいうし、ネコを何匹も飼っているようなネコフェチ女性は、必ず結婚できると言われている。
おもしろいことに、フランス人やイギリス人も、ネコは結婚を占う水晶玉の役目も兼ねていると信じ込んでいる。ネコの鳴き声やくしゃみのような要素でさえ、来たる結婚に影響するらしい。ユーラシア大陸の半分を占めるアジアの仏教国地域でも、同じような信仰が広がっていて、黒毛のネコは未来の富の前兆と考えられている。多指症または親指のあるネコは、幸運を呼ぶネコとされ、かわいがれる。
5. クチンのネコ博物館(マレーシア)
マレーシアのサラワク州にあるネコ博物館は、ネコに関することはなんでもござれの世界最大の博物館だ。クチンという名前自体が、ネコシティの意味。世界中から集めたさまざまな文化や時代のネコの美術品や歴史的工芸品が2000点以上展示されていて、これほどの場所はほかにはない。
ここは、クチンのノース・シティ・ホールの後援で運営されていて、単に通俗的な観光名所になっているだけでなく、世界のネコの歴史や神話にひたることができる、きちんとした学術的な場でもある。3500年前のエジプトのミイラのような歴史的に珍しい逸品や、希少種ボルネオヤマネコの剥製などがある。また、町中のいたるところにネコの像が建っている。
Kuching - Cat City!
4. アメリカ大陸でのジャガー信仰の広がり
大型のネコはサバンナやアフリカというイメージがあるが、品位のあるジャガーはまったくアメリカのものだ。新世界で固有のジャガーは、アメリカのあらゆる伝説と切っても切れない存在だ。
ジャガーは大胆や豪胆といった望ましい美徳と結びつけられ、その名には、"一撃で殺すもの"という意味がある。アステカやマヤ、インカでもジャガーを崇め、神を守るものとして祀られた。ジャガーの荘厳さを称えて寺院が建てられ、マヤ文化はこの獰猛なネコを地底の神とした。
ジャガーはアメリカ原住民の伝説の中にも、導くものとして出てくる。話の中でジャガーは子どものスカンクの名付け親で、狩りの仕方を教えてやったりする。
3. 日本のネコ島
愛媛県の一部である青島は、棲んでいるネコの数が人間の住民の数をかなり上回っている珍しい場所だ。この日本の島には静かな漁村があり、住民の6倍の数のネコがいる。ネコ目当ての観光客で人口が膨れ上がっているのは、ずっと住んでいる数少ない住民にとって皮肉なことだ。
ネコだらけの島は青島だけではない。宮城県の田代島も100人の住民に対して、数百匹とも言われるネコが住んでいる。およそ300年前、住民がネズミ対策としてのネコを崇めて祀ったのが始まりだ。養蚕が盛んな島だったので、貴重な蚕をネズミから守るためにネコを持ち込んだ。のちにネコに惚れこんだ漁師たちが、島の中央にネコの聖堂を建てた。
Japan's Cat Island - Incredible!
2. ネコの聖地になったカエサルの暗殺現場
古代ローマの支配者ガイウス・ユリウス・カエサルは、紀元前44年、仲間の裏切りにあってポンペイウス劇場で暗殺された。現在、ラルゴ・ディ・トッレ・アルジェンティーナとして知られるこの歴史的な場所は、思いがけずネコの聖地になっている。
1929年、ムッソリーニの時代に、経年劣化して崩れたローマの通りの地下6メートルのところから、巨大な寺院建物が発掘された。その後80年の間に、史上もっとも悪名高い殺人現場は、野生のネコに占領されることになった。多重層の建物構造は、町の多くの迷い猫たちにとってたまらなく魅力的だったらしく、彼らは見事に彫刻が施された隠れ家や無傷の柱廊に集まることにしたようだ。
ローマのネコ人口はおよそ30万匹と言われ、ネコが集まる場所は都市の聖域として、市の法律で守られている。数匹のネコがどこにねぐらを作ろうが、それを邪魔する人は誰もいない。
Roman Cats - Torre Argentina, Rome
1. 19世紀のキャットミーム写真
キャットミームは特に目新しいことではない。写真術がある限り、人々は自分のネコに人間のような服を着せて飾りたて、やらせ肖像画のためにカメラの前でポーズをとらせた。
キャットミームの生みの親は、19世紀のイギリス人写真家ハリー・ポインター。最初は自然体のネコ写真を撮り始めたが、彼はさらにネコに人間のような服を着せて擬人化し、人間と同じような仕草をさせて撮影しようとした。ポインターはほかの動物でも試してみたが、若いネコが一番順応性があったという。
それから40年たった1906年、ハリー・ホイッティアー・フリーズが、パーティ用の三角帽子を無造作にかぶらせて撮影したネコの写真で次の革命を起こした。意識しないうちに、息の長い新たなアートの形が生まれたのだ。
via:listverse・Translated konohazuku
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コメント
1. 匿名処理班
猫がいるだけで人間同士の殺伐とした空気が和らぐからね。
本当に猫には感謝してるよ。
2. 匿名処理班
貯蔵してある食糧を狙うネズミを狙って来たのが可愛いといえる見た目猫じゃなくて他の気持ち悪い生き物だったら現代のペット観はどうなっていたんだろう?
3. 匿名処理班
NNNの歴史が五桁に乗る日も近いな
4. 匿名処理班
※2
多分ヘビも来たんだろうけど・・・ね
5. 匿名処理班
我が輩は神である
6. 匿名処理班
日本の廻船には猫を一匹魔除けに乗せていた。大黒屋光太夫の船にも一匹の猫が同乗していたけど7ヶ月の漂流生活を生き延びた。その後寒冷なアムチトカ島で4年を過ごし無事に脱出したがその後の消息はわからない。
7. 匿名処理班
ネコと和解せよ
8. 匿名処理班
なめねこ
9. 匿名処理班
※2
人間は人間の赤ちゃんの顔に近い生き物を可愛いと思うから、
猫が好かれるのは変わらないと思う。
ちなみに人類の天敵ゴキブリを、食べるアシダカグモがいるけど全く好かれてない。
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