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急速充電もOK? 100円ショップで買えるUSB-AC充電器の実力を探る(ウェブ情報実験室) - Engadget Japanese

はじめまして、フリーライターの宮里と申します。

100円ショップの品揃えってメチャメチャ幅広いですよね。最近では200円で買えるUSB-AC充電器なんてのも登場しています。でも、安い充電器ってちゃんと動くのか少し不安に感じるのも事実です。この記事は、そんな身近にある「不思議」を実験して検証する『ウェブ情報実験室』です。

さっそく実験開始! 実験の目的
100円ショップで売られているUSB-AC充電器が、本体に書かれている仕様どおり1A出力できるのか調べる。

動機
100円ショップのスマホ関連グッズは驚くほど充実していて、充電ケーブルや液晶保護シート、防水ケース、ペン、イヤホン、マイク、スタンドなど、ちょっとした小物であればほとんどが揃ってしまうほど。そんな中、目に止まったのが200円で売られていたUSB-AC充電器です。最初は「充電できても遅くて使いものにならないでしょ?」と思ってスルーしてたのですが、実際にパッケージで仕様を確認してみたところ、なんと1A出力。タブレットは難しいですが、スマホの充電には十分です。

とはいえ、本当に1A出力できるのかは怪しい......。実は以前、台湾で2A出力のUSB-AC充電器(ノーブランド、中国製)を購入したことがあるのですが、電流を計ってみたら0.8Aくらいしか出力できなかったという苦い経験があります。ウェブで検索してみると、この200円の充電器は意外と使えるという話がチラホラ......。さて、実際はどうなのでしょうか。

実験対象
今回試したのは、100円ショップの「ダイソー」で購入した3製品と、秋葉原で手に入れた安い3製品、比較用としてiPhone付属品の合計7製品。すべて出力は、5V 1Aの仕様です。
ちなみにダイソー以外の100円ショップでも売ってないか、大型店舗を中心に探して回ったのですが、他に見つけることはできませんでした。

・T362(左) ダイソー 200円
他と比べ薄型ですが、少しサイズが大きめとなる製品。プラグは折りたためず、飛び出したままです。

・G208(中央) ダイソー 200円
コンパクトなキューブ型の製品。Android用とiPhone/iPod用の2種類ありますが、今回はAndroid用で実験。

・D106(右) ダイソー 200円
同じくキューブ型の製品。「YUAN SOUND」とか「藤田光学(株)」という表示はありましたが、関係は不明。


・ADKJ-UD(左) AIR'S JAPAN 185円
ACコンセントだけでなく、車のシガーソケットにも対応した製品。古い商品だからか安く売られていました。

・R05ACLIGHT(中央) Rise 380円
USB充電器の出始めによくあった四角いタイプ。今回実験する製品の中では、いちばんサイズが大きくなります。

・A1385(右) Apple(?) 580円
純正品との表記がありましたが、ジャンク屋で買ったのでコピー品かもしれません。

これ以外に、比較用としてiPhone 5sに付属していた間違いなく純正品の「A1265」も実験しています。

実験方法
ShopUさんのUSB電子負荷「UEL001」をつなぎ、電流を0.1A刻みで上昇させていったときの電圧を測り、その変化から出力性能を見るという実験方法を選びました。

UEL001」ShopU USB用の電子負荷装置で、ボリュームで負荷を変更できるのが強み


KCX-017 ShopU USB電源チェッカー。詳細までは計測できませんが比較に使うぶんには十分

どちらの製品も、個人的な趣味で昨年入手していたものです。

実験結果
まずは、今回の主目的となるダイソー3製品の結果を見てみましょう。

D106は開始電圧が高めですが、その後負荷が増えると電圧が急激に落ち、0.5A流した時点で5Vを切ることになりました。最終的に数値が安定しない所まで計りましたが、その時で0.73A。最初は不良品をつかんだのかと思ったのですが、同じものをもう1つ購入して試したところ、ほぼ同じ結果となりました。どうやら実質0.5A出力だと考えた方がよさそうです。

T362とG208は負荷を増やすと電圧が上がるという謎の動作をしていましたが、どちらも1Aまで5V以上をキープしていました。ただし、1Aを超えると保護回路が動作するのか、急激に電圧が落ちます。マージンはほぼありませんでした。

次に、秋葉原で購入した3製品とiPhone付属品を加えた7製品の結果を見てみましょう。

1Aに到達するまでに5Vを切ったのは、ADKJ-UDとR05ACLIGHTの2つです。ADKJ-UDは0.3Aですでに5Vとなっていますが出力電圧は安定していて、0.9Aまでは電圧が低いものの出力できました。R05ACLIGHTは0.9Aまで5V以上を守っていますが、これ以上は電圧が不安定に。一応1.1Aまでは出力できましたが、あまりに電圧が不安定なのでデータには入れていません。

最も安定していたのは、ジャンク屋から購入した自称純正品のA1385。負荷が増えると緩やかに電圧は下がっていきますが、仕様上の最大出力である1Aを超えても安定しており、1.2Aまで5Vを切ることがありませんでした。

ちなみに比較対象のA1265ですが、A1385と挙動がほとんど同じで、差があっても0.01~0.02Vと極わずか。実験結果からみる限り、どうやらA1385は純正品にかなり近いつくりのようです。

結論
秋葉原で入手した製品を含めてもダイソーのT362とG208の結果はかなりよく、予想をいい意味で裏切ってくれました。D106は大変残念な結果でしたが、電圧は低いものの0.7Aまではどうにか出力できますし、仕様を満たしていないとはいえ、まったく使えないわけではありません。

今回試した100円ショップの3製品の中で1つ選べといわれれば、ダイソーのT362でしょうか。少し電圧が高いのは気になりますが、そのぶんわずかですが出力が高いともいえます。また、ちょっと分解してみたのですが、中の基板のレイアウトや部品の配置に無理がなく、キレイな作りだったことも付け加えておきます。

ということで、今回の結論。
100円ショップのUSB ACは結構使える!
とはいえ、普段からメインで使うのであれば2A以上のちゃんとした製品をおすすめします。タブレットも充電できますしね。
急速充電もOK? 100円ショップで買えるUSB-AC充電器の実力を探る(ウェブ情報実験室)

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