714 名前: あなたのうしろにつのだじろうが・・・ 投稿日: 04/08/05 17:59 ID:dj8KY7rQ
俺が高校生のころシェルのGSでバイトしていた。
そこにYという男がおり、入社早々俺の単車にナンクセをつけてきた。
「なんでKHなんか買ったんだ?2サイならやっぱサンパチだろ!?」
それ以来、俺はそいつがだいっ嫌いになったのは言うまでも無い。

10年後。
突然当時一緒にGSでバイトしていたAから電話が来た。
A「あの頃お前がよく喧嘩してたYさんが、○○市の国道沿いにチューニングショップ開店したんだよ。」
俺「ふ~ん・・・それでよ?」
A「まったく・・・そんな昔の事引っ張ってないでよ、一緒に開店祝い行ってやろうよ。」
確かにちょっと自分が粘着っぽい気もしたので、翌日Aと待ち合わせしてその店へ行ってみることにした。
俺は仕事場からの直行になったので、他のやつらより一足遅れての到着だった。

店に入ってみると、雑然としてはいるもののTRD好きな“彼らしい”佇まいを見せた造りになっている。
久しぶりに彼の顔を見るが、当時と何ら変わらぬ雰囲気で周囲に愛想を振りまいている。
ソレとは裏腹に、なんだか俺の存在をわざと遠巻きにしているような・・・そんな気が・・・
すると突然Yが立ち上がりこういう。
Y「まだ自販機が来てなくてさ、ひとっ走り行って何か飲みもん買ってくるわ。」
他の人間が「俺が行きますよ」と声をかけるも聞き入れず、走って行ってしまった。


715 名前: あなたのうしろにつのだじろうが・・・ 投稿日: 04/08/05 18:00 ID:dj8KY7rQ
「主人のいなくなった店内に居るのも気が引ける」と、全員で外に出る。
それぞれが乗ってきた車を品定め・・・していた時であった。
ほど近くで「ポーーーーンッ!!」という炸裂音と同時に強烈なスキール音!
ハッ!瞬間的に全員が目を向けた先には、空中をグルグルと超高速で縦回転する大きな物体。
・・・即死であった。
道路には買ったばかりのジュースの缶が散乱し、真新しいオーバーオールには
赤黒い大きな柄ができている。
脳漿を路面に撒き散らし、その一部は店の前まで飛散してきていた。
とにかくその匂いとビジュアルとで足がすくみ、(かわいそう)とか(悲しい)とか
そういったタグイの人間らしい感情表現が全くできないでいた。
それはもしかしたら、高校生の頃に受けた意地悪な仕打ちが引きずっていたのかも知れない。

警察署で事情を聞かれ、帰宅したのはその日の夕方であった。
いつものようにキーを所定の位置に置き、リビングに歩を進める。
サイドボードの上に置かれている電話を見ると、留守電のランプが点滅している。
再生>>>>>「あ、もしもし・・・えと、Yだけどわかるかな。昔一緒にGSにいたよね、はは・・・
Aに聞いたと思うんだけど、お店始めてさ。今日来てくれるって・・・あの、待ってるから。
遅くなってもいいからさ、必ず・・・来てよね。」
涙が止まらなかった。