こんにちは、ライターのギャラクシーです。
今回は僕が中学生の頃、友達の松ちゃんが学校一のヤンキーに絡まれた時のお話をしたいと思います。
すべて実話です。
中学2年の夏休み、陸上部の練習が午前中で終わり、僕と友人の松ちゃんと原田は、三人で下校していました。
松ちゃんは陸上部で棒高跳びのレギュラーをやっていて、イケメンでおしゃれだったため、すごくモテる男子でした。
同じ団地の9階に住んでいたので、いつも一緒に帰っていました。
原田に関してはあまり憶えていません。
龍の手が玉を握っているチョーカーをいつもつけていました。本当に、それ以外の記憶が一切ありません。
このあとも特に活躍することはないので、みなさんも忘れて頂いて構いません。
そんな僕らが家に向かって歩き続けていると、向こうから不良少年たちが歩いてきました。
嘘だと思うでしょうが、ビーバップハイスクールや湘南爆走族が全盛の頃だったので、この時代はホントにこういう人がいたんです。
僕は、マズイな…と思いました。
真ん中にいるのは学校で一番気合いの入ったヤンキー、山上くんだったからです。
しかも運の悪いことに、松ちゃんが現在付き合っている彼女は、先月山上くんと別れたばかりのY美ちゃんだったのです。
思った通り、こちらに気づいた山上くんが因縁をつけてきました。
「おまえY美と付き合っとるそうやのぉ~。なに勝手にちょっかい出してくれとるんじゃ、オウ?」
「い、いやそれは向こうから…」
「あのヤリマンと二人で俺のことバカにしとるんやろコラ」
付き合ってる女性をヤリマン呼ばわりされれば、誰だって怒って当然です。
いや、確かにY美ちゃんは正真正銘めちゃめちゃヤリマンだったので山上くんは何ひとつ間違ったことは言っていないのですが、それでも怒るのは仕方ありません。
ヤリマンじゃねぇよ、いやヤリマンだという感じでケンカになってしまいました。
その場に居た全員…松ちゃんですら「そうだよヤリマンだよ」と思っていたので、世界で一番足場の不確かなケンカです。
といっても、空手の経験がありケンカ慣れした山上くんと、棒高跳びが得意な松ちゃんでは勝負になるべくもなく、一方的に松ちゃんが殴られる展開になりました。
このままでは松ちゃんが死んでしまう! よし、親友を助けに行こう!
僕は原田に目配せしました。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
目配せ終了。
想像の中なら誰だって、友人のピンチは命をかけても救う!と考えていると思いますが、いざ目の前で圧倒的な暴力を見せつけられると、足がすくんでまったく動けませんでした。
このままだと本当に松ちゃんが死んでしまうかもしれない、でも怖くて動けない、やばいやばいやばい、早く助けなきゃ…
その時、突如何者かが、山上くんと松ちゃんの間に割って入ったのです。