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渋谷凛とストーカー 「凛ちゃんを壊さなければならぬ」|エレファント速報:SSまとめブログ

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渋谷凛とストーカー 「凛ちゃんを壊さなければならぬ」

1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:04:09.61 ID:HWN9e0F40

――渋谷凛 手紙に困る

ありふれた白封筒には「渋谷凛 様へ」と書かれていた。

凛「また手紙来てるよ……」

凛は自宅の郵便受けを調べて溜息をついた。
渋々封筒を開けながら呟く。

凛「これで何通目だろ?」

手紙「愛する 渋谷凛 様へ 今日こそは僕の愛を分かって……」

手紙の主旨は大体一貫していた。
凛への一方的な恋慕をつづった物ばかりだ。

凛「こういうの困るんだけどな」

最初の内は、流し読み程度に内容を見ていたが、
次第に冒頭だけ読んで捨てるようになった。
何度も来る手紙の内容は、大体同じような物だったからだ。

そういう態度を取るようになってからも手紙は来た。
週に数回は投函されてくる。
切手も消印も見当たらないので、どうやら直接投函している様だ。

差出人は分からないし、住所や連絡先も書かれていない。
返事を出そうにも出せない手紙。
やがて、凛は封も切らず捨てるようになった。

それでも手紙は送られ続けた。



2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:04:40.31 ID:HWN9e0F40

ある日、凛は卯月と未央に相談してみた。

凛「ねえ、この手紙どう思う?」

何部が保管した手紙を卯月と未央に渡した。
二人は手紙を読んで顔を引きつらせた。

未央「うわあ……何これ?」

卯月「ちょっと自己陶酔が激しいですね……」

凛「こんなのが頻繁に投函されて来るんだよ」

未央「それは困るね」

卯月「ちょっと気味が悪いですね」

凛「でしょ? ファンの人じゃないよね」

未央「うん、ファンにしちゃ変だよ」

卯月「ファンの人なら事務所へ手紙を出しますよ」

凛「自宅に直接送って来るのは、やっぱりおかしいよね」

未央「差出人の見当はつくの?」

凛「見当もつかない。
  文字はパソコンで打ってあるから筆跡が分からないし、
  こういうの送って来そうな知り合いは思い付かない」

卯月「同じ人なんでしょうか」

凛「文体や内容は同じだから、多分そうだと思う」



3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:05:10.34 ID:HWN9e0F40

――その頃、ストーカーの自宅では

僕は凛ちゃんに手紙を送り続けている。
それなのに、凛ちゃんは僕を無視し続けている。

この間、僕は見てしまった。
僕の手紙をポストから取り出した凛ちゃんが、
封も開けずに丸めて潰した所を!

僕の気持ちを踏みにじって……

僕はこんなにも凛ちゃんを愛しているのに……

僕の何がいけないんだ?

ひょっとして凛ちゃんには彼氏がいるんじゃないか!
そうだ! その可能性があるぞ!
だから凛ちゃんは僕に冷たくするのかもしれない!

凛ちゃんの彼氏はどんな奴だ?
ちくしょう!
そんな奴のツラを確認したい!

そうでなくても、僕は凛ちゃんの事をもっと知りたい。
凛ちゃんの日常をもっと知りたい。
凛ちゃんの日常を自分の物にしたい。

そうだ、凛ちゃんをもっと調べないと!

待っていろ、凛ちゃん。



4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:05:38.49 ID:HWN9e0F40

――渋谷凛が感じるストーカーの陰

手紙は来なくなった。

が、それから感じるようになった。
追跡者の気配と足音を……。
都会の雑踏の中から視線を感じ、
通学路の人気のない道では足音を感じた。
凛はそんな追跡者の兆候を卯月と未央に話した。

卯月「正体は分からないんですか?」

凛「姿は見えない。でも、私を追っているのは分かる。
  気配と足音が分かるから」

未央「おいおい……今度は尾行か~」

卯月「何もしてこないんですか?」

凛「今のところは」

未央「何もして来ない……それはそれで不気味じゃない?」

凛「そりゃあ、気味悪いよ」

未央「正体を突き止めたくない?」

凛「うん、はっきりさせたい。それで気持ちをはっきり伝えたい」

未央「それじゃあ協力するよ! 強力な助っ人も呼んでくる!」

卯月「二人きりで会うより、皆で会った方が安全ですよね」



5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:06:18.83 ID:HWN9e0F40

――ストーカーの視点

僕はバイトを辞めた。
時間はたっぷり作った。
これで一日中追えるぞ、凛ちゃんの行動を!

今日は日曜日、凛ちゃんは犬の散歩に出た。
どうやら、アイドルレッスンに行かない日らしいぞ。

僕は曲がり角に身を潜めた。
ブロック塀に身を寄せて、頬にざらついた感触を感じつつ、
凛ちゃんの後姿を眺める。

今日も凛ちゃんは美しい。
後姿も魅力的だ。
左右に揺れるカラスの濡れ羽色をした長い黒髪……
ジーンズの上からでも分かるヒップ……
艶めかしい細い手足の動き……
ああ、凛ちゃんは美しい。

「ふふーん……つーかまえた!」

誰だ? このフードを被った女は誰だ?
突然僕の腕を掴んでどういうつもりだ?

「みんな! 出て来て!」

フードの女は大声を上げた。

あ、僕はこいつを知っているぞ!
凛ちゃんと同じユニットの本田未央って奴だ!



6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:06:56.63 ID:HWN9e0F40

未央「しぶりーん! しまむー! 早苗さーん!」

本田未央は、声を張り上げ名前を呼んだ。
すると、僕のほうへ新たに女の子が3人寄って来た。
腕を掴まれたまま僕は女の子たちに囲まれた。

凛「あんたか……」

未央「ばっちり捕まえたよ!」

僕「な、な、な、何の話だ!」

未央「とぼけたってダメダメ~!
   あんたがしぶりんを尾行してるって
   あたしは全部御見通し!」

早苗「二重尾行ですよ」

卯月「私たち、みんなで凛ちゃんの周りを見張ったんです。
   そうしたら、あなたが現れたので
未央ちゃんにマークしてもらいました」

僕は彼女たちの術中にまんまとはまってしまった。
なんてことだ、囲まれてしまって逃げられそうもないぞ。

未央「ねえねえ、しぶりんの知ってる人?」

凛「うん。この人、実家の店によく来る人だよ」



7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:07:23.96 ID:HWN9e0F40

未央「あんた! しぶりんに変な手紙出したでしょ!」

僕「う……」

凛「私に付きまとってるでしょ」

僕「うぐ……」

凛「言いたいことがあるならハッキリ言ったら」

僕「そうだ! 僕は手紙も出した! 尾行もしてる!
  でも、それは凛ちゃんが好きで仕方がないんだ……」

凛「私を好きなのはいいけど、そういうことされると困る」

未央「あんたのやってること、完全にストーカーじゃん!」

卯月「凛ちゃんは怖がってますよー」

早苗「付きまとい行為は立派なストーカーです!
   ストーカーは犯罪です!
   あなた、それ続けていると警察に捕まりますよ!」

僕「そ、そんな……僕はただ……凛ちゃんに……」

凛「話は聞くよ。あんたの気持ち話してみてよ」



8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:07:53.66 ID:HWN9e0F40

―――渋谷凛 ストーカーから話を聞く

僕「僕は凛ちゃんの事がずっと好きです。付き合ってほしい」

凛「ごめん。気持ちには応えられないし、付き合うのも無理」

僕「僕の事嫌いですか? 僕は魅力ないですか?」

凛「あんたの問題じゃなくて……
  その、今は付き合うとか興味ないんだ。
  アイドル活動のほうに専念したいから」

僕「そ、そんなあ……」

未央「しぶりんの気持ち分かったでしょ」

卯月「もう変な事しちゃダメですよ」

早苗「今回はこれで一件落着かな」

凛「私の気持ちも分かって欲しい」

僕「僕はどうすれば……」

未央「魅力的な女の子はしぶりんだけじゃないって!」

卯月「普通にファンとして応援するのはどうですか?」

早苗「どんな気持ちを持つのも自由だけど、
   女性を怖がらせるような真似はしちゃダメだよ」

僕「うう……ごめんなさい」



9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:08:32.30 ID:HWN9e0F40

――ストーカーの自宅

クソ! 昨日は最悪だった!
まさか僕が捕まるなんて!
その上、女どもから説教かよ!
僕を何だと思ってるんだ!
ストーカーだと? 僕の一途な愛が!

本田未央……。
あの出しゃばり娘、絶対に許せん!
得意気に「悪い奴を捕まえました」みたいなツラしやがって!
友達思いの善人面しやがって!
おまえは凛ちゃんの騎士にでもなったつもりか!
僕の至福のひと時を邪魔しやがって! 許せない!

あのちっこいくせに高圧的な女……
346プロのHPで調べたら、片桐早苗という名前だそうだが、
あのオバサンも許せん!
元警官だか何だか知らんが、偉そうに講釈たれやがって!
犯罪者扱いされて僕は誠に不快だ!
あいつ、完全に不審者を捕えた時の対応だったな! 許せない!

島村卯月……。
終始苦笑いを浮かべながら哀れむように見やがって! 許せん!
僕はそんなに哀れか!
ああいうのも一種の見下した態度だよな!
あんな乳臭いガキに哀れまれる男か僕は!
カマトトぶって僕を諭しやがって! 許せない!

そうだ、今度から凛ちゃんと一対一になれる機会に行こう。



10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:09:18.55 ID:HWN9e0F40

――渋谷凛の実家の花屋

凛「またあんた!」

僕「おいおい、客に向かって『あんた』はないだろ?」

凛「い、いらっしゃいませ」

僕「贈答用の花を買いに来たんだ」

凛「何をお探しでしょうか?」

僕「アンスリウムを貰おうか」

凛は、アンスリウムの鉢植えをレジまで持って行った。

凛「1,980円です」

男は支払いを済ませた。

凛「お包みしますね」

僕「いや、包装はいらないよ。凛ちゃんへのプレゼントだ」

凛「はぁあ?」

凛の顔は困惑に染まった。
眉を八の字に下げ、目じりが下がった。



11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:09:48.85 ID:HWN9e0F40

僕「アンスリウムは凛ちゃんの誕生花だし、
  花言葉は『恋にもだえる心』なんだ。
  君へのプレゼントにピッタリだろ?」

凛「いりません!」

僕「もうお金は払ったから、どうしようが勝手だろ」

凛「それじゃあ、お金はお返しします!」

僕「プレゼント……どうしても受け取ってくれないの?」

凛「プレゼントって、あんたねえ、うちの店の花でしょ!」

僕「一度買ったから僕の物だよ」

凛「プレゼントだとしても受け取れません!」

僕「えー、君が受け取るまで帰れないな」

凛の顔は困惑から怒りへと変化した。

凛「両親を呼ぶよ!」

僕「ははは! 今の時間帯、両親不在なのは調べ済みだよう」

凛「もう帰って! 帰ってよ!」

僕「プレゼントは受け取るの?」

凛「受け取るよ。
  その上で返事させて貰うけど……
  私はあんたのことが好きじゃない。むしろ大嫌い。
  言っても理解してくれないし、話通じないでしょ。
  しかも、迷惑な事ばかり私にしてくる。最悪だよ」



12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/08(木) 20:10:27.22 ID:HWN9e0F40

――ストーカーの自宅

凛ちゃんは僕にハッキリ言った!
「大嫌い」
ショックだ! 僕は狂おしいほど愛しているのに!
なんで……なんで……凛ちゃんに僕の気持ちは伝わらないんだ。
何故なんだ!
凛ちゃんは僕を睨みつけた。
眉間にしわを寄せ、喰いしばった白い歯を
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月10日 23:23
      • 1 やはりアニメ設定SSはクソSS率が高いね
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月10日 23:23
      • こんなのを書こうなんて思う精神が気持ち悪すぎる
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月10日 23:28
      • 金閣寺って?
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月10日 23:28
      • ストーカーに暴れさせるために警察の対応を甘くしましたって…
        失笑しか浮かばんわ
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月10日 23:33
      • 凛より楓さんがストーキングされるSSか同人が見たい。
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月10日 23:34
      • 創作とわかっていてもストーカーの思考回路が怖すぎるわ
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月10日 23:36
      • ※3
        ああ!
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年10月10日 23:37
      • ???「俺が守護らねばならぬ」

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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