スマホの文字入力アプリ「SwiftKey」、ニューラルネットワークで恐ろしいほど賢くなる
人間みたいに文脈を理解。
スマートフォンがいくらスマートだからって、人間を超えることはない…はずです。でも、SwiftKeyの新しいキーボードは、ニューラルネットワークを使うことで、まるで人間みたいに考えることができるんです。そして、サジェストしてくる入力内容が適切すぎるほど適切なんです。
従来の入力サジェスト機能では、最後の1つか2つの単語をスキャンして、統計的にみて次に入力されそうな単語を表示してくるだけでした。それでも十分賢そうですが、文脈は完全に無視されていたんです。
でも、Swiftkeyのニューラルネットワークキーボードでは、まったく違うモデルを使っています。そこではニューラルネットワークのモデルが学習した英文の単語にもとづいて、文中のすべての単語に数字のコードが振られています。そのコードとモデルが照らし合わされて予測結果のコードが吐き出され、そのコードに1番近い単語がユーザーにサジェストされる仕組みなんです。つまり、いま入力した文をちゃんと読んだうえで予測してくるってことです。
数日使ってみたところ、従来のものとは根本的に違っているのがわかりました。ニューラルネットワークを使ったほかのテクノロジー同様、文脈の認識が怖いほど当たっているんです。スマートフォンの入力予測は全く検討外れのことも多いですが、このSwiftKeyでは当たっている単語があまりにしょっちゅうでてくるので、タイプしているという感覚がほとんどなくなってしまうほどです。
これはスマートフォンをより使いやすくするための大きな1歩でもありますが、それ以上に人工知能にとっての大きな1歩でもあります。SwiftKeyは、人間のように言葉を考えるソフトウェアを作り出したんです。しかもそれをスーパーコンピューターなんかじゃなく、スマートフォンで動かせる状態にしたのも素晴らしいです。
SwiftKeyは、Google Play Storeから無料でダウンロードできます。まだα版なのでバグがあって当然ですが、さしあたって問題は安定しないことくらいで、あとは優れた入力予測があるだけです。
いまは英語限定ですが、日本語にも対応してくれるといいですね。
Chris Mills - Gizmodo US[原文]
(miho)
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