【SideM】柏木翼「おかわり!」 佐竹美奈子「わっほ~い!!」【ミリオンライブ!】
アイドルマスターSideMとアイドルマスターミリオンライブ!のクロスSSです。
呼称などに捏造を含みます。
一部地の文あります。
見ようによってはカップリングと見える要素があるかもしれません。
315プロ
柏木翼「俺達が健康番組に出演…ですか?」
315P「はい、先日出した企画が通ったんですよ。」
天道輝「○△総合病院で、一日かけて人間ドック……ずいぶんと豪勢だな。」
P「ホワイトデーの時薫さんから人間ドックをプレゼントされて、皆さんにも受けてもらおうと思って企画したんです!」
桜庭薫「……そんなことも、あったな。」
柏木翼「わあ、優しいんですね薫さん。」
薫「プロデューサーには倒られては困るからだ。」
天道輝
桜庭薫
柏木翼
輝「しかし人間ドックかあ……話には聞いていたけどいろいろやるみたいだな。」
翼「身体測定、X線検査、血液検査……検尿に検便まであるんですね。」
薫「人体を検査する以上当然のことだ。やりすぎということはない。」
輝「しかしあれだな。今どっくも悪くないのにこういうことやるのも、変な気分だな!!」
薫「……プロデューサー、天道にはついでに脳神経科の診断も追加しておいてくれないか。」
輝「どういうことだよ!?」
P「あはは……」
翼「でも、これってテレビ番組なんですよね?何か特別な事をしなくちゃいけないとかそういうのはないんですか?」
P「いえ、特にする必要はないですよ。なんでもリアルな素の状態で受けるってコンセプトだそうで。」
薫「ふん、殊勝なことだ。」
輝「ま、そっちの方が気が楽だな。」
P「あ、でも一つ……」
翼「なんですか?」
P「この人間ドックの行われる18時間前から、断食をお願いします。」
翼「……えっ?」パサッ
輝「おいどうした翼?固まっちまって。」
翼「……」
薫「断食するのは当然のことだ。バリウム検査の際に胃液の活動跡があるとレントゲンに映す際に……」
翼「…………やだ。」
P「え?」
翼「……そんなの、絶対に嫌です!!」
輝「なっ!?」
薫(な、なんだこの気は!?)
翼「断食って……ご飯が食べられないってことですよね!!俺、そんなの……耐えられないですよプロデューサー!!」
薫(柏木が……こんなにも激情しているだと!?)
P「い、いやそうは言っても……」
輝「そうだぞ翼、あまり無茶を言うんじゃあない。」
薫「ああ、正確な値を出すためには必要なことだ。」
翼「で、でも……でも……」
P「柏木さん……わかってください。これもアイドルとして……」
翼「…………」
翼「……うぅっ……」ポロポロ
輝・薫・P(泣いたーーー!!!???)
翼「どうして……俺が何をしたんですか……!!」
P「柏木さん……」
翼「こんな目にあわなくちゃいけないなんて……何で俺、産まれてきたんだろう……!!」
輝(なんかすげえ壮大な事言ってる。)
翼「こんなつらい思いをするぐらいなら……俺、お茶碗に生まれたかった……!!」
薫「おい天道、どうするんだこれ。」
輝「いや俺に聞くなよ!!」
それから収録当日までの柏木翼は、かつてないほどに消沈していた。
だがその消沈っぷりとは裏腹に、これまで以上によく食べるようになっていた。
まるで、この先に起こる断食に備え食い貯めをしているかのように……
それは食事というものに対する惜別のようでもあった。
食への想い故に涙を流す者がいるのか――
天道輝と桜庭薫は戦慄にも似た感情を覚えていた。
そして収録当日を迎えた――――
収録当日――――
P「おはようございます……って、どうしたんですか翼さん!?」
翼「おはよう……ござい、ます…………」ゲッソリ
薫「二食抜くだけでここまでやつれる人間、初めて見たぞ。」
輝「健康番組に出る前から不健康じゃないか……」
P「だ、大丈夫ですか……?」
翼「大丈夫……です……」フラフラ
薫「どう見ても大丈夫じゃないんだが。」
翼「これが終わったら……これが終わったら、ご飯なんですよね……」フラフラ
輝「もう食への執念だけで動いているなこりゃ。」
P「と、とにかく今日の収録頑張ってきてください!!」
翼「ふぁい……」フラフラ
P(不安だ……)
――――収録を終えて。
スタッフ「お疲れ様でしたー!!」
輝「ふいー、やっと終わったな。」
薫「これまでは診察する側だったから、診察されるというのはどうもむず痒いものがあったな……」
輝「まあいいじゃねえか。それより……」
翼「」チーン
輝「燃え尽きてるな。」
薫「収録に支障をきたさないように努力していたのは評価したいが、収録が終わると同時に崩れ落ちたな。」
輝「まあ、二食抜いてるわけだし仕方ねえって。」
薫「確かに、僕たちもだいぶ空腹ではあるが……」
輝「しかしおかしいな、ロケ弁がないなんて。」
薫「つまみ食い防止じゃないか?しかしそれにしてもまだ来ないのは……」
バタバタバタバタ……
輝「ん?なんだ?」
P「大変です輝さん、薫さん、翼さん!!」
薫「どうしたんだプロデューサー、そんなにあわてて。」
P「ロケ弁の仕出しを頼んでいたところが食中毒を出して……ロケ弁がありません!!」
輝「な、なんだってー!?」
ドサッ
薫「か、柏木!?どうした、しっかりしろ!!」
翼「べ、弁当……ごは、ん……」
輝「やべえ、顔が真っ青だ!!しっかりしろ翼!!」
P「つ、翼さん!!しっかりしてください!!気を確かに!!」
翼「う~ん……」
輝「ど、どうする桜庭!?このままじゃ翼が……」
薫「落ち着け天道。僕の見たところによると極度の空腹とロケ弁がないということに対するショックで前後不覚になっているだけだ。ということはつまり……」
P「つまり?」
薫「なにか食べさせればいい。」
輝「な、なるほど!!」
P「でも、食べさせると言ってもロケ弁もありませんし、ここの病院の食堂は今改装工事中だって言ってましたよ……?」
薫「……やむを得ないが、ここは緊急事態だ。プロデューサー、僕たちはこれから外に出て柏木に何かを食べさせる。」
輝「おっし、翼を背負うのは任せろ!」
薫「プロデューサーは何か問題が起きたらその後処理を頼む。今は一刻を争うんだ!!」
P「え、ええ!?」
輝「悪いなプロデューサー!!緊急事態ってことで!!」
薫「それじゃあ……頼んだぞプロデューサー!!」ダッ
P「ちょ、ちょっとー!?」
――――街
輝「プロデューサーには悪いことしちまったな。」
薫「なに、謝罪は後からでもできる。それよりも今は柏木をどうするかだ。」
翼「ごは……ん…………ご……」ヒクヒク
輝「やべえな、なんかこのまま干からびそうだ。」
薫「くっ、まさかここまでだったとはな……」
輝「どうする桜庭?どっかファミレスとかファーストフードとかでもいいんじゃ……」
薫「駄目だ。今の柏木をそういう人の多く出入りするようなところに放り込むと大変目立ってしまう。下手をしたらスキャンダルにもなりかねん。」
輝「ってことは、個人経営の食堂とかそういう店にするべきってことか。」
薫「なおかつ、量を多く出してくれそうなところだな。」
輝「しかしそんな都合のいい店なんて……ん?」
薫「どうした天道、何か見つけたのか。」
輝「あれを見ろよ桜庭!!」
薫「……中華料理屋?」
輝「ああ、渡りに船とはよく言ったもんだぜ、あそこの店に入るぞ!!」
薫「ふむ……確かに中華なら一定以上の量は見込めるな。たまには役に立つな。」
輝「たまには、は余計だよ。それより早く入るぞ。」
薫「ああ。」
薫(――今になって思えば、その時一瞬だけだったが感じた妙な胸騒ぎを封じ込めたのは失敗だった。)
薫(いや、今どう思ったところで過去が変えられるわけではないからこの感情は無意味でしかない。)
薫(その店に入った時点で……僕たちは悪夢に見入られていたのだろう。)
薫(その店――佐竹飯店に。)
――――佐竹飯店
佐竹美奈子「わっほ~い!!いらっしゃいませ~!!」
薫「3人だが、あいているか?」
美奈子「はい、あいてますよ……って、どうされました?お一人なんだか元気がないような……」
翼「」チーン
輝「ああ、悪いな、こいつ今死ぬほど腹減らしてるんだ。出来ればすぐにできるやつだしてほしいんだが……」
美奈子「すぐできる……チャーハンとかどうでしょう?」
輝「お、いいじゃん!!それじゃあチャーハン三つ、一つは大盛り……いや、特盛りで頼む!!」
薫「おい、天道!!」
輝「気にするなよ桜庭!!今は緊急事態なんだからさ。」
美奈子「……特盛り、でよろしいですか?」
輝「ああ、超特急で頼むぜ!!」
薫「……僕は知らないからな。」
美奈子「それじゃあお待ちください!!わっほ~い!!」
薫「まったく、君はいつもこうだ……人の話を聞かないで……」
輝「まあそう言うなって、翼のこともあるんだしさ。」
薫「……しかし、なんだろうな。」
輝「ん?どうかしたのか?」
薫「さっきの店員……なんだか気になってな。」
輝「お、おまえもしかしてああいう子が好みだったり?」
薫「バカを言うな。どこかで見たことあるような気がしただけだが……」
翼「う、ううん……」
輝「お、起きたのか翼。」
翼「あ、あれ……?輝さん、薫さん……?ここはいったい……?」
薫「ここは中華料理屋だ。」
輝「お前のためにチャーハン特盛り頼んどいたぜ。」
翼「チャーハン……!?あ、ありがとうございます……!!」
薫(チャーハンと聞いただけで目の光が戻った……なんなんだこいつは。)
輝「店員の女の子はすぐにできるって言ってたからもうちょっとだけ待っててくれよ。」
翼「は、はい!!」
薫「とはいえ、あまり期待しすぎるのもな……」
美奈子「お待たせしましたー!!
コメント一覧
-
- 2015年10月15日 23:29
- こういう絡みは良いと思う。
-
- 2015年10月15日 23:38
- 素晴らしい
-
- 2015年10月15日 23:46
- 正に需要と供給の関係
-
- 2015年10月15日 23:46
- みんな幸せそうで何より
そういえばミリオンにも翼がいるな
-
- 2015年10月15日 23:49
- よかったです
MマスのSSもっと増えていい
あと佐竹飯店の汎用性の高さは以上
-
- 2015年10月15日 23:53
- シンデレラには薫もいるし姉もいるな
-
- 2015年10月15日 23:54
- あー、いいね中華食べたいわー(ジャガイモをおかずに赤いき◯ねを食べてる深夜0時並の感想)
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
QRコード
スポンサードリンク