死者、死後の世界に関する考え方は文化や宗教などによって大きく異なる。更にはその時代によっても異なりを見せているようで、ヴィクトリア女王がイギリスを統治していたヴィクトリア朝の時代(1837〜1901)、イギリスでは死者をまるで生きているかのように見せかけ記念撮影をする死後記念写真(ポストモーテム・フォトグラフィー)が流行していたそうだ。
1839年、フランスで世界初の実用的写真技法「ダゲレオタイプ(銀盤写真)」が発明されて以降、ヨーロッパでは亡くなった遺族の記念写真を撮影するのが流行した。ダゲレオタイプは露光時間に数十分間を要し、露光時間中に動いてしまうとちゃんとした写真が撮れないため、故人を撮影するにはうってつけだったのだ。
当時は死は身近なものであった。病院よりも自宅で最期を迎えることが多かった時代だ。乳幼児死亡率も高く、我が子を亡くした親が死の恐怖を和らげ、愛する者の死を乗り越えていくためにも、故人の安らかな死に顔を写真に収めることは、ある意味セラピーのようなものだったのだ。
1.死者の目を開いて撮影する方法も開発された
2.時にお棺に入れられたまま撮影されることもあった
3.故人が生前愛した椅子に座っての死後写真
4.花を飾って演出もなされる
5.妻の顔を見つめるという構図で撮影する夫
6.中央の男性は既に2年前に死んでいるそうだ
7.かなり演出を凝らした死後写真
8.死の翌日に撮影された写真。まるで生きているかのよう。
9.死んでいるというより寝ているように見える死後写真
10.死んだ兄の後ろでポーズをとらされる兄弟
11.当時の写真家にとって故人をいかに生きているように見せるかが腕の見せ所だった
12.幸せそうに眠っているように見える死後写真
13.目を見開いらいているように見せ生きているように見せかける死後写真
14.ヴィクトリア朝時代の人々にとって、こういった死後写真は最高の遺品であった
15.多くの写真家が死人の目を見開かせることにこだわった
16.そして様々なトリックを使った。現代でいうところのコラージュだ。
17.故人の最愛のものと一緒に撮影するのも一つの流行だった
18.この少女の大切にしていた人形とともに
19.死をただの眠りに見せかけて撮影するカメラマンも多かった
20.一番左側の少女は亡くなっている。
21.まるで生きているかのようなポージング
22.カーテンの後ろ側に支えるものがあって、生きているように演出している
23.椅子に座っているように固定した少女の遺体
24.まるで絵画のように見える花嫁姿の女性
25.黒子が支えながらの子どもの死後写真
via:.viralnova.
これらの死後写真は当時の遺族にとって、愛する人を姿を永遠に残し、その死を乗り越えるために必要不可欠なものだった。だが20世紀になり、簡単に写真が撮影できるようになると、その風習はすたれていった。さらに今日では、まるで生きているかのように見せかけるこのような死後写真は不吉とされタブーとなった。
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コメント
1. 匿名処理班
愛
2. 匿名処理班
こええ
3. 匿名処理班
モニター越しであっても、故人に見つめられるのはゾッとする
4. 匿名処理班
7はルートヴィヒ2世だと思う
5. 匿名処理班
見てて切なくなる写真も覆いが、ちょっとホラーな感じのものもあるね。
俺なら妻の横顔を眺めながらの写真なんて心穏やかにみつめてなんていられないぞ
兄の遺体の前で笑顔とか無理だし
6.
7.
8. 匿名処理班
目を覚まして起きて欲しいという思いは切ない。
時代と共に写真の価値観が逆転してしまうのは無常だな
9. 匿名処理班
昔は死を身近に感じていたんだね。
身内の人がどれだけ故人を愛していたか伝わるいい写真だ。
10. 匿名処理班
死後硬直とかあるから死んだ後、すぐに準備しなきゃ間に合わないんだろうな。
11.
12. 匿名処理班
地方だと火葬場前で撮影することあるがそれに似た心境だろうな
いつの時代も生命の尊さと永遠の愛って人類が誕生してから
変わらない感情なのだろう
13. 匿名処理班
アザーズって映画を思い出した
14. 匿名処理班
子供の写真が多いのが切ないな
昔は子供の死亡率が高かったそうだからなあ
15.
16. 匿名処理班
究極のやらされてる感w
でも個人的には悪い気はしないなぁ
Twitterで個人と一緒に写メ撮る人とかも同じく
17. 匿名処理班
父が亡くなったとき、顔があまりにきれいで、肉体がなくなることが怖いあまり思わず写真を撮った。でも写真にするとそれは生々しい死に顔でしかなく、かえって亡くなったことを痛感させられて、辛くてデータを消した。
故人の最期は脳裏に焼き付くだけでいい。
18.
19. 匿名処理班
どれも美しくて切ないね
20. 匿名処理班
本当に死者の割合が若い人が多い。それほど現在より死は近く、悲しみは同じなんだろうけど。それにしても死亡率の低下が、現代の少子高齢化だしな。
21. 匿名処理班
子供のは見ると辛いねぇ
22. 匿名処理班
犬と写ってる男性の写真、溜息が出るくらい良いねぇ。
だけどずっと見てたら生と死の境目が曖昧になりそうだ。
副数人写ってるやつなんて誰が死人だか分からない。
子供の腕なんかが特に柔らかそうで、違和感に頭の後ろがキュウッってなる。
23.
24. 匿名処理班
故人を人形のように扱うのはなぁ
25. 匿名処理班
14の少女が美しい。
「向こう側」の微笑みだね。
26.
27.
28. 匿名処理班
NO.8の写真は、死後9ヵ日に撮影って書いてあるよ。
アメリカの南北戦争の戦場写真も、カメラマンが戦死体を動かして、ステージングして撮影したのは結構有名な話。
29. 匿名処理班
アー、なんだろう不思議な感覚にさせられるな
目の向きは当人が亡くなった際見ていた方向のままなのかな
なんとなくグッタリしているのは死を痛感させられるが、まるで生きているようなものは不思議な感覚になる
どういう気持ちで身体にポーズをとらせたんだろうか…
30. 匿名処理班
普通に生前の写真を飾ってあげてよ!と思ったけど
そもそもよっぽど裕福な家じゃないと高価である写真を普段から撮らないから
本当に最初で最後の思い出に撮った、ということ?
なら、気持ちはわかるよ・・・
31. 匿名処理班
そこはかとなく、瞼に目を描いて眠っているフリのコントを思い浮かべた。
32. 匿名処理班
なんでこんな生き生きしてるんですかねえ
33. 匿名処理班
まるで生きてるかのような死後写真は廃れたかもしれないけど
まるで生きてるかのようなエンバーミングは一部で大流行りだね
火葬もしないし腐りもしない
34. 匿名処理班
生きて一緒に写ってる遺族ももう亡くなってるんだなと思うと切ない
35. 匿名処理班
生きてる人よりは怖くないな。 何もしてこないのだから。
36. 匿名処理班
ルイスキャロルの近影も死後写真だったのか
37. 匿名処理班
死が近いからこそ、その人がいたことを記録したかったんだろうね
うちの父は母が亡くなった時棺桶の中の遺体をものすごい楽しそうに撮影して
葬式に来た人に綺麗だろうと自慢しまくってたけど正直みんな引いてたよ…
38. 匿名処理班
当時の遺族の気持ちが伝わってくる。
今とは文化、考え方が違うので違和感があるのは仕方がないが、
記憶に留めたいという気持ちは時代を超えて共通のものだ。
39. 匿名処理班
昔は死亡率が今と
比較にならないぐらい高かかったからな
生きていて欲しかったという願いが
強く感じられるな目を開かせるのは
そのためなんでしょうね・・・
40. 匿名処理班
故人の目を開けさせるって…怖いよ;
でも綺麗な遺体が多いなあ。
やっぱりこの時代は、老衰や事故死より病気で急死とかが多かったんだろうね。
41. 匿名処理班
かえって切ないな。死後の写真だと知らずに見るぶんには、何てことないんだろうけど。
42. 匿名処理班
現代の感覚だと、故人に無理させてるようで見てて忍びないな
43. 匿名処理班
※13
そうそう、その写真がきっかけで話が急展開して怒涛の大どんでん返しになるんだよね。
44. 匿名処理班
WiiUの零 〜濡鴉ノ巫女〜で
弔い写真を主に扱ってたね
45. 匿名処理班
めめんともりに通じるものがあるようなないような