輿水幸子「モバマス・カート・グランプリ」
諸注意
・昔放送されていた、某バラエティー番組のパロディの……つもりです。
・マリオカートではないです。
・ちなみに作者にカートの経験はないです。
では、お楽しみ下さい。
九月某日。国内外のモータースポーツも、いよいよ終盤戦に突入する。
そんな中、世界耐久選手権を間近に控えた富士スピードウェイに、アイドル達がやって来た。
川島瑞樹「皆さん、こんにちは。本日の司会進行を務めます、川島瑞樹です。私達は、富士スピードウェイにやってまいりました」
瑞樹「今回の企画はですね……カワイイボクと142sが、カートに挑戦するというものです」
瑞樹「それでは、主役の皆さんをお呼びしましょう……カワイイボクと142s。輿水幸子ちゃん、白坂小梅ちゃん、星輝子ちゃんです!!」
輿水幸子「違いますよ!!」
瑞樹「え? どういう事なの?」
幸子「今日はカート挑戦という事で、輿水幸子を改め“サチコチャン・ベッテル”です!!」
星輝子「フヒ……“ショウコチャン・ブルデー”です」
白坂小梅「……あの……えっと……“コウメチャン・ブエミ”と言います」
瑞樹「……レッドブルね。わかるわ」
注)2009年のF1では、レッドブルF1チームと、その兄弟であるトロロッソF1チームに、セバスチャン・ベッテル、セバスチャン・ブルデー、セバスチャン・ブエミと、同名のレーサーが3人所属していた。
瑞樹「しかしですね。今日は初挑戦という事なので、ちゃんと先生も連れてきました。では、お呼びいたしましょう……」
瑞樹「この方です!!」
原田美世「こんにちは。原田美世です」
三人「おー……本当に先生だ……」
瑞樹「美世ちゃんは、幼い頃にカートレース歴のキャリアがあるという事で、今回の講師役を務めてくれるという事になりました」
美世「ん~、そんなに速く無かったけどね……」
幸子「美世さんは、名前がそのままで良いんですか?」
美世「……どういう事?」
幸子「ほら。ボク達も、折角語呂の良い名前に改名して、チャレンジするじゃないですか?」
輝子「折角だし……美世さんも。ね?」
小梅「うん……。良いと、思います」
瑞樹「では、美世ちゃん。原田美世を改めて?」
美世「えっと……“ダーチャン・ロウブ”で……」
瑞樹「……それは、WRCじゃない?」
注)WRCを席巻した、セバスチャン・ロウブ。彼の所属したシトロエンワークスの、メインスポンサーはレッドブルである。一時期のモータースポーツは何故かセバスチャンが沢山いた。
1時間目、座学
瑞樹「まずは、サーキット走行のマナーやルールのお勉強の時間です」
美世「はい。では、あたしの方から、みっちりとお教えいたします」
142s「よろしくお願いしまーす」
美世「まずは、サーキット走行の基本の一つ。走行中にコントロールタワーから、旗が振られます。その旗の色によって、走行ペースを変えなければいけません」
美世「ざっくりと纏めるとこんな感じになります」
・日本国旗→競技開始の合図。主にスタートや、走行開始の合図。
・黄色旗→コース上にマシンが止まったり等、アクシデントが発生。追い越し不可で、ペースを下げろの指示。
・緑旗→黄色旗解除。追い越してもOKの合図。
・赤旗→更に大きなアクシデントの為、走行中断。全車ピットに戻る。
・チェッカーフラッグ→レースならばゴール。フリー走行やタイムアタックの場合は、走行時間終了の指示。
・黒旗→失格の指示。速やかにピットに戻って、コントロールタワーでオフィシャルに怒られてくる。
美世「……と、大まかにはこんな感じになります。ただ、黒旗を振られるのは、よっぽどの場合です。ま、三人はそんな事無いと思うけどね~……」
幸子「先生、質問です」
美世「はい、幸子ちゃん」
幸子「失格の対象になる様な事とは、どんなことですか?」
美世「例えば逆走したりとか、ショートカットしたりとか……。著しくスポーツマンシップや、マナーを損なうような行為をすると、問答無用で失格です」
美世「なお、この企画で黒旗を提示されたら、失格にした上で瑞樹さんに後でガッツリ説教して貰います。あと、廊下で1時間正座のおまけも付けます」
幸子「……本当ですか?」
輝子「……幸子。……フリだぞ?」
小梅「……うん。オイシイかもね……」
幸子「ちょっと!! ボクは失格になる前提ですか!?」
二時間目、実技
瑞樹「座学が終わった所で、カートに乗ってみましょう。これが、今回使用するカートですね?」
美世「そうです。今回は、富士スピードウェイのレンタルカートを使用します。カートのはエンジン付きの乗り物で、もっとも単純な仕組みになってます。そうする事でコストが下がるので、モータースポーツ入門に適していると言えます」
瑞樹「結構小さいけど、大体何キロくらい出るの?」
美世「50ccの入門用のカートなので、最高速は40kmに届かない位です。ただ、目線も低いし体が露出しているので、体感速度はかなり速く感じます」
瑞樹「なるほど。美世ちゃんがカートに乗っていたしていた時と、何か違いはありますか?」
美世「一番違うのは、セルモーターが付いてる事と、遠心クラッチが付いている事ですね」
瑞樹「それは、どういう違いになるのかしら?」
美世「あたしが乗ってたカートだと、ダイレクト式って呼ばれるタイプでした。エンジンとスプロケットが直結してて、押し掛けでエンジンを始動するタイプだったんです」
美世「このタイプだと、停車しててもエンジンは止まらないし、エンストしても簡単にエンジンを再スタートさせれます。反面、ダイレクト式よりも少し重くなりますね」
美世「ただ、コース上で止まってしまった場合。エンジンをかけ直すのは、係員にやって貰わないといけません。自分でかけ直すのは駄目です」
瑞樹「なるほど。一口にカートと言っても、色々種類があるのね」
美世「そうなんです。基本構造はほぼ同じでも、少しづつ違ったりしてます」
瑞樹「では、レーシングスーツに着替えた、142sです」
小梅「着てみると……結構暑いです」
輝子「……なんだか、スキーウェア見たい」
美世「そうだね。レーシングスーツは、基本は断熱耐火素材で出来てるから、生地は分厚いし風も熱も通さないんだ。本番のレースだと、更に耐火のインナーもつけるからね。夏は凄く暑くなるよ」
幸子「……これ着てると、何故か嫌な思い出が蘇ります」
美世「…………」
瑞樹「さあ、実際に乗ってみましょう!!」
参考コース図
瑞樹「トップバッターは、輝子ちゃんです」
輝子「……フヒ。よろしく」
美世「まず、ハンドルで曲がる。右足がアクセルで進む。左足がブレーキで止まる。自分で危ないって思ったら、すぐに減速する事。OK?」
輝子「……頑張る」
美世「全部で、五週ね。あそこ(コントロールタワー)で、チェッカーが振られたら、すぐにピットに戻ってきてね?」
輝子「フヒ……任せて」
美世「じゃあ、スタートです」
瑞樹「さあ、輝子ちゃんの、カート初体験です。ゆっくりとコースインしました」
美世「最初の一週目だから、あれ位が一番良いんですよ」
輝子(……おお……おおお!?)
輝子(……右に曲がって……左に曲がって)
輝子(……こ、これ……意外と楽しい)
輝子(……最後のカーブを曲がって……全開!!)
輝子「……ヒャッハァァァァ!!」
瑞樹「結構飛ばし始めたわね……」
美世「……ちゃんと、旗を見るかが心配だよ」
瑞樹「これで、3週目ね。順調に周回を重ねてるようだけど……」
美世「ん~……次の1コーナーで多分、スピンすると思うな~」
瑞樹「わかるのかしら?」
美世「輝子ちゃん、順番にブレーキの踏むポイントが奥になってます。多分、一気にブレーキを踏み過ぎて、スピンしますよ……」
瑞樹「では、次の1コーナーに注目です」
輝子(……ヒャッハァァァ!!)
ズギャギャギャ……
輝子「……あっ!?」
瑞樹「……本当にスピンしたわ」
美世「カートって、ブレーキが後ろしか付いて無いんですよ。なので、あんまり一気にブレーキかけちゃうと、簡単にスピンするんです」
美世「俗に言う、チャリドリと同じ原理ですよ」
瑞樹「私にはわからないわ」
瑞樹「お疲れ様~。どうだったかしら?」
輝子「結構……楽しい。面白かった……」
美世「初めてで、あそこまで踏めるのは、中々の度胸だね。だけど、抑える所は抑えないと、怪我に繋がるからさ。そこだけ、気を付けてね」
輝子「……うん。次は、少し抑えます」
美世「……後で速い走り方レクチャーするよ」ヒソヒソ
輝子「……本当か?」ヒソヒソ
瑞樹「続いては、二番手の小梅ちゃんです」
小梅「うん……ドキドキします」
美世「乗り方は、さっき説明した通りだね。まずは、落ち着いてゆっくり走れば良いよ」
輝子「小梅……無理は厳禁だから。私と同じ事になる……」
小梅「気を付けるね……」
美世「では、小梅ちゃんもスタートです」
瑞樹「小梅ちゃんも、ゆっくり走ってるわね」
美世「所で、小梅ちゃんって人格とか豹変するかな?」
瑞樹「というと?」
美世「ハンドル握ると人格変わる子って、多いじゃないですか。さっきの輝子ちゃんを見てから、それが気がかりで……」
瑞樹「……それ、間違いなく美世ちゃんは、言えない台詞よ?」
幸子「……実はカメラ回って無い時、美世さんは練習と言い張って、何週も全開で走ってました」ヒソヒソ
輝子「うん……凄く速かった……」ヒソヒソ
小梅(……気持ちいい)
小梅(……これ……うん。楽しい……)
美世「……ゆっくり走ってるね。見てる方は、安心だけど……」
瑞樹「これって、やっぱり性格が出るのかしら?」
美世「う~ん……小梅ちゃんって、割と慎重な性格……だっけ?」
幸子「だけど、心霊スポットに涼しい顔して出入りするから、度胸はあると思いますよ?」
輝子「きっと……慣れるまで慎重に走るんだと思う……」
瑞樹「さあ、小梅ちゃんが帰ってきました。どうだったかしら?」
小梅「気持ち良かったです……。拓海さんとか夏樹さんや里奈さんが、バイクに乗るのが好きって言うのが……良く解りまし
コメント一覧
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- 2015年10月16日 22:58
- スレタイのカートがカードに見えた決闘者は俺です
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- 2015年10月16日 23:14
- やっぱり期待を裏切らないよな 幸子は。案の定で安心した
最高に高めた俺のフィールで、最高の写真集を手に入れてやるぜ!
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- 2015年10月16日 23:24
- やっぱり142sは最高だぜ(炉裏魂感MAX)
更に蘭子ちゃんも混ぜて幸子ちゃんと一緒にバンジージャンプを……こらこら蘭子ちゃん、冗談だから涙目で私を叩かない、痛くないけど。
モータースポーツは完全に門外漢だけど面白く読めました……原田さんのセクシー写真集欲しかったとです。
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- 2015年10月16日 23:28
- 幸子とダチャーンとケイトが繰り広げる伝説のカーバラエティ番組かと思った
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- 2015年10月16日 23:31
- マリオカート64が真っ先に思い浮かんだ俺は多分ゲーマー
きらり(重量級)はきっと当り負けしないはず……!
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- 2015年10月16日 23:48
- こういうので幸子が罰ゲーム確定してる展開はマジファックだね
モバマスPは幸子をイジめることしか考えないのか(全ギレ)
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- 2015年10月16日 23:53
- ※6
幸子が可愛すぎるのが悪い
笑顔も泣き顔もドヤ顔も全部堪能したいんだよ!
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