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実はスゴイ今期のシャープ製スマホ、120Hz駆動ハイスピードIGZO液晶の実力をスロー動画でチェック - Engadget Japanese


2015年冬から2016年春向けのスマートフォン新モデル情報も出そろった感がありますが、隠れた注目機と呼べる存在が、ソフトバンクとNTTドコモ向けに登場したシャープ製品。Engadget読者であれば「え? シャープ?」とツッコむ方も多いと思いますが、実は今期モデル、実機を触ったガジェット好きの間では、いい意味で「シャープどうした」的な意見も多く出ているのです。

その特徴は、スマートフォンとしては先鋭的な120Hz駆動(詳しくは続きで説明します)の液晶パネル。また滑らかにアニメーションし、従来とは段違いのスムーズなレスポンスのホーム画面や、前モデルからあえてダウングレードしたクアルコムのSnapdragon 808など。

今回は、ソフトバンク向けのAQUOS Xx2シリーズ2モデルを対象に、120Hz駆動液晶の効果がわかりやすい、スローモーション撮影動画(特殊な再生環境は必要ありません)を含め、改めて紹介します。

ソフトバンク-シャープ AQUOS Xx2 発表会写真

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27 枚


ソフトバンク-シャープ AQUOS Xx2 mini 発表会写真

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33 枚





ソフトバンク-シャープ機のラインアップですが、5.3インチ液晶搭載の標準サイズモデル『AQUOS Xx2』(タイトル写真)は11月中旬発売予定で、4.7インチ液晶搭載の小型モデル『AQUOS Xx2 mini』(上写真)は遅れて2016年1月中旬発売予定。なお価格情報に関しては、シャープ担当に尋ねたところ「現状では回答できない」とのこと。

この2機種最大の特徴は先述したように、ディスプレイに最高リフレッシュレートを120Hzとした『ハイスピードIGZO』液晶を搭載した点。といってもピンとこない方もいると思いますので、これはどこが凄いのか、というところから紹介します。

リフレッシュレートとは、画面の書き換え速度を示す単位。通常のスマートフォンやPCと液晶ディスプレイを組み合わせて使う場合は60Hzとなります。これは1秒間に60回の書き換えをするという意味。120Hzは通常の2倍の速さとなります。

これが高速になるメリットは、動きが滑らかになり、移動する物体の残像感が低減すること。とくに前者は操作感の気持ちよさに繋がる要素で、3D描画速度の速いPCでゲームをするときの「ぬるぬるした動き」というのは、この要素とフレームレート(PC内部の描画速度)が影響します。



このあたりは、シャープの比較デモを撮影した動画をご覧ください。最初は標準速で、5秒後ほどから約4分の1の速度となります。120Hz駆動液晶のほうが、スクロールする文字などの残像が少ないことが確認できると思います。

若干余談となりますが、こうした滑らかで残像感の少ない画面を実現するには、正確には液晶側だけが高速でもダメで、映像を出力する側も高速化しなければなりません。本機の場合はもちろん映像出力側、つまりGPU側も120fpsで動作します。



ちなみに昨今のテレビなどではいわゆる「倍速駆動」技術を搭載するモデルが増えていますが、これは放送規格(出力側)が約30fpsなのに対して、テレビ内部の画像処理エンジンで60fps(4倍速なら120fps)の信号を生成して、上述した高フレームレートのメリットを得ています。
その点でハイスピードIGZOの基本的な考え方は、倍速駆動テレビと似たところにある、というわけです。

また、AQUOS Xxは先代モデルからスローモーション動画撮影機能を搭載していますが、この動画と120Hz駆動の相性は抜群。滑らかなスローモーションが楽しめます。

もちろんデメリットもあります。とくに大きなものは、高速に液晶を動かさなければならず、液晶のコントローラーとGPUの消費電力が増えること。これはシャープも対策はしており、とくに液晶のコントローラー側は、従来モデルより搭載してきた「液晶アイドリングストップ」を継承。動いていない際はリフレッシュレートを落とすことで、必要のない局面での無駄な消費電力増加を防ぎます。



また、この高リフレッシュレートはアプリケーションごとに有効、無効を切り替える仕様。これによっても、効果の薄いアプリで無駄な電力消費とならないような工夫がなされています。

実際の切り替え設定は、Android設定内のアプリ情報で可能(上写真右中央付近の「高速液晶表示」チェック)。さらに有効にした際には消費電力増加などに対する注意が表示される仕様です。なお出荷時設定では、画面スクロールが比較的頻繁に発生し、なおかつ使用頻度が高いアプリとして、ホーム画面やChrome、LINEなどで有効化されています。



さて、ならばChromeの場合はどうか、ということで、こちらもスローモーション動画を用意しました。前世代となるAQUOS Xx(5.7インチ液晶モデルなので大きいです)とXx2でシャープ公式サイトのスクロールを比較したところと、Xx2でEngadgetのトップページをスクロールしたところの2パターン。この2つは約3秒後からスローモーション状態となります。

前世代との比較では実機ベースでの残像感の低減やXx2の反応の良さが、単体状態では滑らかさなどが確認できると思います。





このように、ハイスピードIGZOの120Hz駆動は、ある程度しっかりとした視認性の違いが体感できるもの。実機を見る前は「テレビの倍速駆動は30から60Hzだから差がずいぶん出るけれど、60から120Hzはわかりにくいのでは?」と思っていましたが、いい意味で裏切られました。

また、画面の滑らかさを活かすべく、ホーム画面の応答性などにも手が加えられているようで、従来のシャープ製端末でなぜか発生していたタッチ後の反応遅延や、妙なもたつきが(すくなくとも発表会場では)確認できなかったのが好印象。

合わせて、こちらももたつき感のあったタスク切り替え操作などに関しても、やはりスムーズな点が印象的でした。最終的には発売後の実機での評価が必要となるでしょうが、使用した直感としては発売版でもかなり良好になるのでは、と期待できるものでした。



カメラ部の機能的な目玉としては、像面位相差対応CMOSセンサーによるオートフォーカスの高速化がポイント。デモ機で動作を検証しましたが、ここは確かに実感できるもの。遠景からマクロといった場合でも素早くフォーカスが合ったことから、前世代モデル比で3倍という公称値は決してセールストークだけではなさそうです。

リコーのGRシリーズ開発チームによる画質評価基準『GR Certified』にも適合。明暗所が混じるシーンでの露出精度やグラデーションの自然さなどをアピールします。レンズフレアなどに関しても、昨今の製品のとしては適切に押さえられている印象です。



シャープのカメラアプリのメリットである「ほぼどんな状態でも露出補正が使える」機能も継承。デフォルトの自動モードでは変化量が大きいため、慣れないうちは戸惑いますが、反面慣れれば素早い調整が可能です。
もちろん、先述したスローモーション動画撮影も、先代より引き継ぎます。



本体のデザインは、正面はシャープならではの狭額縁設計『EDGEST』をベースとしたもので、左右と天面側のエッジの狭さは今回も印象的です。



ただし今世代の裏面は、ちょっとした注目どころ。Xx2はガラスパネルと中央の指紋センサーを押し出した設計。これ自体は前世代モデルを踏襲した構造なのですが、興味深いのはメインカラーが紫になっている点。正直なところ「このデザインで紫ということは、やはりXperia Zシリーズを意識したのだろうな」と思いました。



しかし実物を見ると、とくに側面部などはXperia Zシリーズよりもさらにおとなしい「すみれ色」的な印象。この点で、濃度の高いパープルであるZシリーズとは意外と異なって見えます。ここは可能であれば実際に確認してほしいところ。



一方、Xx2 miniの背面は、カメラが左上に寄っている点、そして指紋センサーがない点などから、パッと見では本当にXperia Z3 Compactと見間違えそうな印象を受けます。もちろん厳密にはカメラ部のレイアウトなどが異なるものの、善し悪しはさておき、かなり近い印象になる点は否定できないところでしょう。

ちなみに本体サイズも、Xx2 miniは66×126×8.9mmで121g、Z3 Compactは65×127×8.6㎜で129gとかなり近いのがポイント。ただし本体左右下部には、「ヒカリエモーション」と呼ばれる多色LEDが搭載されているため、こちらを光らせた状態では印象が異なるものとなります。



なおXx2の本体サイズは縦長状態で74×139×7.9mm(幅×高さ×厚さ)、重量は151g。また指紋認証は、ロック解除のみならず、アプリケーション実行としての登録も可能。登録可能数である5本の指を使い分けて、画面をタッチせずによく使うアプリケーションを起動させる......といった使い方も可能です。



このようにAQUOS Xx2シリーズは、EDGESTデザインをはじめとする基本路線を継承しつつも、トレンドを先取りするであろう120Hz駆動液晶をはじめ、他モデルでも焦点となっている高速オートフォーカスカメラなど、地味ながらもしっかりとトレンドをキャッチアップした構成。

ベースを同一とするNTTドコモ版の2モデルを含めて、動作機を触ったヘビーユーザーからは「今回のシャープはヤケに気合いが入ってる」「ダークホースになるのでは」という意見も出ていますが、実機を触っても「確かに今回はちょっと違うぞ......」といった気概が感じられる完成度です。



120Hz駆動液晶の威力、そしてホームアプリの改良による基本操作のスムーズさなどは大きく注目できるだけに、可能であればぜひ実際に触れてほしいモデルです。

ソフトバンク-シャープ AQUOS Xx2 発表会写真

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ソフトバンク-シャープ AQUOS Xx2 mini 発表会写真

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なお、AQUOS Xx2シリーズとドコモ版AQUOSシリーズの基本的な仕様、そしてソフトバンク他モデルを含めた発表会の様子は下記記事を参照ください。

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