傾きタワー、施工業者が600年後に謝罪 イタリア これは嘘ニュースです
施工不良で傾いたキリスト教鐘楼
イタリア・ピサ市にあるこの鐘楼は12世紀に着工。建設中から塔が傾きつつあり、近隣住民から倒壊の危険があるとの声が上がっていた。だが建築組合(ギルド)の親方は「周りの景色の方が傾いている」と天動説的に反論して工事を続行。14世紀に傾いたまま完成した。
次第に傾きを増す塔を前に、近隣住民はその後数百年にわたって危険性をギルドに訴えてきたが、当時の文献には実際の被害者が出ていないことを理由に何度も改修工事を拒んできたことが記されている。ただし17世紀には塔の最上部から何者かが落とした重さの違う大小2つの球が頭に当たって、大小2つのたんこぶを作った被害者の記録もある。
1987年、この斜塔を含む広場一帯が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界遺産として登録されたことをきっかけに観光客が急増。ギルドにルーツを持つ地元の建設会社が「傾きは見世物ではない」と決定を非難し、ユネスコへの分担拠出金を出さないよう国に求めたが、世界から嘲笑を浴びるにとどまった。現在、広場を管理する市と教会が塔の地盤沈下を防ぐ工事を行ったことで傾きの進行は一時的に緩やかになっている。
今世紀に入って建設会社と住民側で対話が進んだ結果、13日、市の仲介による住民説明会で、塔を建てたギルドの子孫・ルイージさんが基礎工事に手抜きがあったこと、これまで非を認めてこなかったことについて謝罪。「中世から長らく不安な思いをさせたことをお詫びする」と述べた。
この日爆破解体用ダイナマイト200キロを持参したルイージさんは「最後の審判の日まで倒壊しないまっすぐな塔に建て替えたい」と早急な取り壊しを提案。その場にいた全員から全力で制止される場面もあった。