ぐだお「エリザと付き合う事にしたんだ」清姫「」
清姫「」
ぐだお「やっぱり、清姫の前では正直に言っておかなくちゃだめだなと思って。隠そうとも思ったけど、それじゃあ嘘と変わらないし」
清姫「な、なぜ!?よりにもよって何故エリザベートなのです!?理由を正直に仰って下さい!他の女性に現を抜かすならまだしも、よりによってあんな品のない未通女に……!」
エリザベート「こらぁああああああ!誰が未通女よ誰が!大体この歳で開通してる方が色々と犯罪チックだって分からない!?」
清姫「マスター。こんな餓鬼にも劣る女で本当に良いのですか?この清姫をお嫁に貰って頂ければ美味な食事は勿論の事、お風呂もベッドの上もお手の物ですのよ?」
エリザベート「ふんっ、そりゃあ開通もするわよね。そうやって男が相手なら誰にだって簡単に脚開いちゃうんでしょ?子ブタにしてメスブタ。あんたにぴったりの俗称ね」
清姫「……口を慎んでいただけます?このゲームバサカゲーですから、ランサー如きの貴方なんて瞬時にこんがり焼き上げて差し上げますわよ?」
エリザベート「何よR。SRの私に歯向かう気?」
清姫「ぐぬぬ・・・」
エリザベート「ぐぬぬ・・・」
ぐだお「やめるんだ二人とも。僕の為に喧嘩なんてやめてくれ」
清姫「そうです。わたくし、マスターの為に……」
エリザベート「バ、バッカじゃないの!?あんたの為に争ってなんかないし、そ、そう!これは仕方なく、言い寄ってきたあんたに寛大に接してあげてるだけなんだから!」
ぐだお「はっはっは。エリザベートはツンデレだなぁ。ま、そういう所が良いんだけど」
エリザベート「聞いた?今はツンデレがホットらしいわよ。ヤンデレなんて時代遅れってことね」
清姫「……」
清姫「しゃあああああああ!」
エリザ「あら?そうやって言いなりにならなかったら何でも力で捩じ伏せようとするのね。やっぱりあんたは人間じゃないわ。蛇だし、竜だし、ただの獣よ」
清姫「……!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
黒清姫「貴方の愛は重すぎる」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
清姫「……」
エリザ「ほーら、正論言われて黙っちゃった。力押しなら相手になるわよ。あんたみたいな野蛮なメスブタ、この場でブラッドバスの入浴剤にしてあげるわ」
清姫「……しばらくお暇を頂きます。マスター」ダッ
ぐだお「あ、ちょ!ちょっと!」
エリザ「ほっときなさいよあんなの。人の事は言えないけどとびきりキケンなやつなんだから。あいつ、遅かれ早かれ、付き合い続けたらいつか殺されるのは貴方よ、仔ブタ」
ぐだお「……」
醜い執着心と、嘘を嫌う女心だけで人間を辞めてしまったわたくし。
竜と化したその逸話のみが肥大され、失礼な事に、気付けば英霊の域にまで昇華していたみたいです。
けれど、主となった少年はいつか見たあの人の様に優しくて――正直者でした。
もし彼が安珍様の生まれ変わりならば。――いえ、例えそうでなかったとしても。
この清姫の心を奪ってしまったあの方に、全てを捧げて尽くすと誓ったのに。
わたくしが最も嫌う女に、あの人の心は盗まれていました。
やはりこれは罰なのでしょうか?
戦う力など一切持たぬわたくしが、それでも戦う者としてあの方に召喚された時、確かに神の奇跡を信じたのに……。
獣に過ぎないわたくしが。生前にあれ程の醜態を晒したわたくしが。
今更やり直しを願うなど、不届きな事なのでしょうね。
清姫「はぁ……」
ハサン「見つけましたぞ」
清姫「!?……曲者ですか!?」
ハサン「落ち着きなさいバーサーカー。この身はアサシン。貴方と同じ主に仕える仲間です」
清姫「ぐだお様の……?貴方の様なサーヴァントに見覚えはありませんが」
ハサン「敵を欺くにはまず味方からと言いましてな。我らが主は三つの手綱しか所有していないにも拘らず、飼いならす猟犬は数十に渡る。サーヴァントの謀反に備えるべく、マスターにのみ認知を許された懐の短剣の様なサーヴァントも必要という事ですよ」
清姫「そう……ですか。ならば最も裏切る確率の高い私の前に姿を現しても良いのですか?」
ハサン「そう持ちかけたのですがな。貴方を連れ戻すには私ほどの気配遮断スキルがなければ不可能だと仰る。そこまで執着する程度には、貴方がマスターから受けている寵愛は大きいという事です」
清姫「……いいえ。マスターにはもう相応しい女性がいます。私では戦闘面においては宝具以外役に立ちません。このまま捨て置いてください」
ハサン「困りましたなぁ。このハサン、我欲に走る卑しさこそ在れど、主に対する忠義だけは絶対です。なのに貴方は主を拒むと仰る」
清姫「老翁にわたくしの気持ちは分からないでしょうね」
ハサン「恋の悩みですか?」
清姫「女心はそう単純ではありませんよ」
ハサン「フフ。山の老翁もこうなっては形無しですな。うら若き乙女の心理すら察せぬとは」
清姫「どうして、男とは恋に関して不器用なのでしょうね」
ハサン「男女共に得手不得手があるのですよ。女心という言葉と共に、男心という言葉もまた」
清姫「知った風な口を利きますわね」
ハサン「英霊と言えど、これに関しては何も分かりませんとも。我々祀られる側の者共などこの程度。万民を理解するは愚か、人の気持ちが分からない者の方が多い」
清姫「それは……何故?」
ハサン「ただの人間が、英雄になれますかな?いわゆる"普通"と呼ばれるものと何か違えたものが我々なのです。人間は理解出来ない者を架空に夢想し、架空は決して人の手に余る領域を外れる事はない。それが事実であろうと、英雄などと呼ばれるほどに人間離れした連中は架空とそう変わりますまい」
清姫「……」
ハサン「我々は英雄である限り、決して常人の手に届く事はないでしょう。相容れぬからこそ希少さに価値を見出された我々が。普通の人間と肩を並べるなど――」
清姫「不可能?」
ハサン「ではありません」
清姫「???」
ハサン「そう難しい事ではありますまい。英霊として、サーヴァントとして主に接するからこそ主従関係の域を出ない」
清姫「む」
ハサン「"伝説の清姫"ではなく、"齢十三のただの少女"としてぐだお殿に近付いてみるのはどうか」
清姫「耳にゴミでも入ってます?マスターには既に女性が――」
エミヤ「何を手間取っているアサシン。相手は少女一人だぞ。早急に連れ戻さねばマスターの士気に関わる」
ハサン「む、お迎えが来た様ですな」
清姫「わたくし、行くとは一言も言っていませんけど」
ハサン「……あまり長話も難でしょう。なので最後に一つだけ」
清姫「?」
ハサン「最近の男児はとかく弱い。例え既に伴侶が在ろうとも、貴方の責め具合では陥落の可能性もある。……寝取り、でしたかな。流行らしいですぞ」
清姫「……寝取り?」
エミヤ「アサシン」
ハサン「やれやれ、少しの会話も許されませんか」
エミヤ「そうではない。貴様、何かロクでもない事を吹き込んでいないか?」
ハサン「女難に悩まされているのでしたか。その幸運値の低さと悪運の良さは最早保有スキルの域ですな」
エミヤ「斬って捨てられたくなければ退け。過去を引き摺る気もないが、貴様の役目はマスターの護衛だろう」
ハサン「……おや?何故それを?」
エミヤ「千里眼、と言ってな。この目利きでお前がサーヴァントとして召喚された事には気付いていた。……なに、此度に謀反の意は無いから安心しろ」
ハサン「ふむ……一人とはいえ、勘付かれるとはまだまだ未熟。精進せねば」
ハサン「どうやらバーサーカーの捜索にかなり大勢を使役している様ですな。では、後は貴方方に任せましょう。御免」シュバッ
清姫「寝取り……」
エミヤ(不穏な言葉が聞こえたが気のせいか?)
ジャンヌ「エミヤさん、清姫さんは見つかりましたか?」
エミヤ「遅いぞセイバー。何をやっていた」
ジャンヌ「え」
エミヤ「すまない、間違えた。……全く、今回は同じ貌のサーヴァントが多くて混乱するな」
ジャンヌ「遅れた事に関しては謝罪します。ルーラークラスとしての性質上、私情よりも裁定を重視しなければならないので……」
エミヤ「また世界の崩壊でも願う馬鹿に足止めされたのか。そのクラスも不憫なものだな」
ジャンヌ「知覚能力は重宝してますけどね。お陰で予想より早く清姫さんに会えました」
エミヤ「結局ここまで辿り着いたのは、千里眼持ちのオレとルーラー、アサシンだけか」
ジャンヌ「さぁ、帰りましょう清姫さん。悩みがあるのなら相談に乗りますし、何より貴方は私達にとって掛け替えのない仲間です」
清姫「ふん、私達英霊は本体の影に過ぎませんわ。言わばこの身そのものが贋作だというのに、"掛け替えがない"なんてどの口が仰るのやら」
ジャンヌ「っ……それは、その――」
清姫「貴方が嘘を吐いているとは思いません。でも嫌いです。綺麗事ばかり言う聖人に私の気持ちなんて分かりませんわ」
ジャンヌ「……すみ、ません」
エミヤ「バーサーカー」
清姫「何ですか?お得意のオカンスキルで説教でも?」
エミヤ「違う。だが……」
ジャンヌ「……」
エミヤ「彼女に対する発言だけは撤回しろ。君が心に深い傷を負っている事は私も知る所だ。だから――そんな言葉が出る事も人間なら仕方ない」
清姫「あ……」
エミヤ「だが彼女が綺麗事だけの聖人でないことは君にも分かるだろう?これ以上、傷付く者を増やすのは建設的じゃない」
ジャンヌ「……」
清姫「謝りませんわよ、わたくし」
エミヤ「何だと?」
清姫「蝶よ華よと愛でられてきた者がわたくしです。聖女と言えど、生臭い田舎娘ごときが偉そうに説教などと反吐が出ますわ」
エミヤ「貴様……いい加減に……」
ジャンヌ「やめてください!」
清姫&エミヤ「!?」
ジャンヌ「エミヤさんも、清姫さんも、争いはやめてください……。綺麗事でもなんでもなく、私はただ――」
清姫「……」
ジャンヌ「哀しそうな清姫さんを見ているのが辛かったから、少しでも力になりたくて……」
清姫「……見損なったでしょう」
ジャンヌ「……?」
清姫「わたくしは大切な仲間にこんな醜い言葉を投げかける程に穢れているのです。見損なったでしょう?……だから、だから……!」
ジャンヌ「清姫さん……」
清姫「もうわたくしになんて関わらないで下さい……!」ポロポロ
エミヤ「……バーサーカー」
清姫「?」
エミヤ「君は何故、マスターの召喚に応じたんだ?」
清姫「それは……っ、あの方がきっと安珍様の生まれ変わりだと思ったから……ぐすっ」
エミヤ「なんだ、じゃあ君の願いは召喚された時点で叶っているじゃないか」
清姫「……!?」
エミヤ「マスターは、お前の事を嫌っていると思うか?」
清姫「……いえ、もしそうなら直接仰るはずですし」
エミヤ「そうだ。君の懸念等全て杞憂だ。曲がりなりにも英雄ならば、欲しい男の一人容易く奪ってみせろ」
ジャンヌ「私はどちらか一人の味方……になる事は出来ませんけど、概ねエミヤさんと同じ意見です。ここで諦めてしまったら、きっと貴方は後悔してしまう」
清姫「……どうして私一人にそこまで。私がいなくたっ
コメント一覧
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- 2015年10月17日 23:21
- 最近fgoのss多いな。まぁ庄司が働かないせいで皆やることないからね。仕方ない
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- 2015年10月17日 23:28
- ハサン先生マジジャスティス!
清姫ちゃんそんなに宝具連発してたらぐだおがミイラになる方が早いと思うんですが…
すまないさんはすまないさんだったね。竜属性持ち相手に引き下がるとは竜殺し失格なのでは?
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- 2015年10月17日 23:44
- コメディだと思ったら意外といい話だった。SSだと清姫ちゃん大人気だねー。
あとハサンさんはあの性格は絶対に男でも惚れる
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- 2015年10月17日 23:50
- やけにしっかりした文章だな…
語彙も豊富で言い回しも綺麗だし。
すまないさんがド安定過ぎてマジすまない
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- 2015年10月17日 23:53
- ※1
まさかの次のイベントまで一週間待ちだからな……スレオンにインするか他のことをやるしかないんだわ
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- 2015年10月17日 23:57
- やっぱりハサン先生ってどう考えても屈指の良鯖だよな
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