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少年「恋をしました」|エレファント速報:SSまとめブログ

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少年「恋をしました」

1:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 14:29:34 ID:1Sov2HCY

少年「ボクが、勇者に選ばれたんですか?」
少年「神様に祈りましょう」

の、続きです



3:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 14:51:51 ID:1Sov2HCY

    夜 酒場



剣士「んぐっ、んぐっ、……」ゴクッ ゴクッ

剣士「ぷはああぁっ!!」ドンッ


剣士(貴方とは結婚できない……って、何だよそりゃ!? フザケんなよあの女!!!)ギリッ

剣士(こっちはなぁ、お前にプロポーズしようと思って、命懸けでピラミッドの奥から秘宝を持ち帰って来たんだぞ!?)



剣士「……」チラッ

剣士(古代人が何千年も前に造ったとされるピラミッド。その最奥に眠る、決して持ち出し不可能とされた秘宝……『黄金の爪』!!)


剣士(こんな、センスの欠片も無い不気味な物が秘宝か?)ジィーッ

剣士「ははっ、くだらねぇ……」



4:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 14:59:42 ID:1Sov2HCY

剣士(こんなもんでプロポーズしても、フラれたかも知れない……)

剣士(けどなっ!! なんで戻って来たら、他の男と結婚してんだよ!!)


剣士(せめて、俺にプロポーズぐらいさせろよ!! しかも何だあの男!! もやしみたいな体しやがって!?)

剣士(顔か? えぇおい!? 顔なのかっ!!?)



剣士「んぐっ、んぐっ……」ゴクッ ゴクッ

剣士「ぷはああぁっ!!」ドンッ


剣士「……」

剣士「はぁっ、死にてぇ……」



5:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 15:10:52 ID:1Sov2HCY

剣士「俺達、幼馴染みだったろ……」ボソッ

剣士「大きくなったら結婚しようって、言ってくれたじゃないか?」


剣士(俺は、お前を守る為に強くなったんだぞ? そして、この黄金の爪だって……)ガシッ

剣士(まぁ、持ってりゃ、冒険者達からは尊敬される存在になれるかもな)




少年「わぁ、すごーい」タタッ

剣士「あん?」チラッ


少年「それって、ピラミッドの秘宝ですよねっ?」

剣士「ああ、そうだが……」



6:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 15:19:38 ID:1Sov2HCY

少年「近くで、見せて貰ってもいいですか?」

剣士「ああ、好きにしろ」コクリ


少年「えへへぇ、ピカピカだぁ♪」ムギュッ

剣士「おっ、おい。そんなにくっ付かなくても見えるだろっ!?」アセアセ



少年「……」ギュッ

少年「欲しいなぁ、コレ……」ボソッ


剣士「あのな? 子供には分からないかも知れないが、これはメチャクチャ高価なんだ。諦めなさい」

少年「ほしいな……」



7:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 15:25:04 ID:1Sov2HCY

剣士「……」

剣士(確か、鑑定して貰ったら100万Gはすると言われたな)


剣士「そうだな……なら、君が100万Gで買ってくれるかい?」

少年「ボク、30万Gしか持ってないです」



剣士(こんな子供が、30万Gも持ってるのかよっ!?)ビクッ

少年「……」


少年「ボクに、売ってください」

少年「10万Gで……」ニコリ



8:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 15:31:03 ID:1Sov2HCY

剣士(しかも、値切るのか……)

剣士「それじゃあ無理だ。もう一度言うが、諦めなさい」


少年「……」

少年「お兄さん、戦う人なんですよね?」



剣士「ああ、今は私服だが、普段はカッコいい鎧を着てるぞ?」ニヤリ

少年「だと思いました。だってお兄さん、腕とか太いし……」ペタペタ


剣士「ははっ、君は細いな? 女の子みたいじゃないか」

少年「胸板も、厚いですね? 男らしいなぁ……」ナデナデ



9:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 15:42:42 ID:1Sov2HCY

剣士「……」

少年「ふふっ。腹筋もっ、硬い……」ナデナデ


剣士「君は、もしかして」

少年「……」ジジィーッ



剣士(ズ、ズボンのファスナーが下げられた!? 何を考えてるんだこの子供は!!)ビクッ

少年「えっと、どこかなー。あ……みーつけたっ」ゴソゴソ


少年「えいっ」グイッ

剣士「っっ!!?」ボロンッ



10:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 15:48:56 ID:1Sov2HCY

剣士「店の中だぞっ!? 放しなさいっ!!」キッ

少年「しーーーっ。大声なんか出したら、周りにバレちゃいますよ?」ニコリ


剣士「くっ……」

少年「ボク、これが欲しいんです」ニギッ



少年「ねっ? いいでしょ?」スリスリ コスコス

剣士「おいっ、ヤメっ……」ビクッ


少年「これ、ボクにちょうだい?」シコシコシコシコ

剣士「だ、ダメだっ、これは、俺が命懸けでっ……」ピクッ ピクッ



11:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 16:01:38 ID:1Sov2HCY

少年「命懸けで?」ニコリ

剣士「いのちがけでっ、俺はっ……」ブルッ


少年「ほらっ、こんなにピクピクしてっ。イキそう? もう、我慢しなくていいんだよ?」シコシコシコシコ

剣士「うぐっ、がああっ!?」ビュクビュクッ



少年「……」

剣士「はぁっ、はぁっ、はぁっ」


少年「ここの二階って、宿屋になってるんです……」ボソッ

少年「ボクの部屋に、行きましょうか? 一晩で、足りない90万Gを払いますんで」クスッ



12:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 16:07:11 ID:1Sov2HCY

 ── 砂漠の国 ──



 文字通り砂漠に囲まれた国。

 女王イシスにより治安良く統治され、争いとは無関係の平和な国で有る。

 様々な場所へ行く中継地点でもあり、砂漠の中のオアシスとして旅人の疲れを癒している。



13:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 16:08:26 ID:1Sov2HCY

第三話

少年「恋をしました」



14:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 17:46:30 ID:1Sov2HCY

 後日 砂漠の国 女王イシス謁見の間



少年「黄金の爪なら、見付けてピラミッドの中へ戻しましたけど?」

イシス「そうか……」


イシス「それが原因だとばかり思っていたのじゃが」

イシス「グール、ゾンビ、ミイラ。不死の魔物がピラミッドから出て来たのは、秘宝を取り返そうとしてでは無さそうじゃのぉ……」



イシス「どう言う訳か、遠い信仰の街まで向かう魔物もおるそうじゃ」

少年「はぁ」


イシス「勇者どのは、どう思うかえ?」

少年「さぁ、分からないです……」



15:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 18:07:15 ID:1Sov2HCY

イシス「……」

イシス「すまぬな、手間を取らせて」ペコリ


少年「いえ、ジパングへ向かう船を手配して貰いましたから」

イシス「すぐに、旅立つのか?」



少年「はい。ここ暑くて、汗臭い人が多いんで」

イシス「カカッ、ここは砂漠の国。汗とは縁切れぬ関係よ」クスッ


少年「……」

少年「では……」ペコリ



16:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 18:17:49 ID:1Sov2HCY

イシス「っ……」

イシス「待つのじゃ!!」


少年「……」

少年「なんですか?」チラッ



イシス「そう、急ぐ事も有るまい? 城の客室を与えるゆえ、ゆっくりして行くがよい」

少年「……」


少年「いえ、汗臭いんで結構です」

イシス「っ!? だっ、だから待てとゆうに!!」ビクッ



18:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/11(日) 18:41:46 ID:1Sov2HCY

少年「……」

イシス「もう一つ、頼み事が有る……」


少年「聞くだけ聞きます」

イシス「この国での? 子供が消える……神隠しが起きているのじゃ」



イシス「13歳になる子供だけが、次々と消えて行っておる」

少年「そうですか」


イシス「お願いじゃ!! 勇者どのに、その神隠しを解決して貰いたい!!」

イシス「そして……妾(わらわ)の娘を、どうか守って欲しい」



29:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/13(火) 10:06:54 ID:J0xuu67Q

  夕方 砂漠の国 姫の部屋



 トントンッ

少年「入ります……」ガチャッ

姫「ふぇっ?」ビクッ


姫「……」

姫「あ、あっ……」プルプル



姫「きゃあああああああああ!!」サッ

少年「何ですか?」


姫「き、着替え中ですっ!! 早く出て行ってください!!」

少年「ボク、気にしないんで」



30:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/13(火) 10:12:23 ID:J0xuu67Q

姫「私が気にするんですっ!!」キッ

少年「……」


少年「はぁ」

少年「分かりました。後ろ向いときます」クルッ



姫「何でそうなるんですかっ!?」

少年「……」


姫「もう、いいです……」

姫「貴方の事、クビにして貰いますからねっ」



31:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/13(火) 10:17:50 ID:J0xuu67Q

少年「は?」

姫「は? って、ここで働く兵士ですよね?」


少年「違います」

少年「イシスさんに、娘へ挨拶してくれと言われたので」



姫「お母さ……じゃなかった、女王様に!?」ビクッ

姫「貴方は一体、誰なのでしょうか?」


少年「……」

少年「取り敢えず、着替え終わらせてください」



32:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/13(火) 10:58:10 ID:J0xuu67Q

   数分後 同所



姫「……」

姫「どうぞ、振り返って頂いて平気です……」


少年「はい」

姫「それで、貴方は?」



少年「一応、勇者をやってますけど」

姫「ゆ、勇者様ですかっ!?」


姫「ああっ、さっきは無礼な態度を!!」ペコリ

少年「大丈夫ですから。気にしないでくれますか?」



33:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/13(火) 11:12:16 ID:J0xuu67Q

姫「……」

姫「っ……」


姫「あのっ、勇者様お願いが」

少年「なんですか?」



姫「この国の、外の話を……」

姫「旅のお話しを、私に聞かせてください」


少年「いいですけど……そんなに話せる程、長い旅はしてないですよ?」

姫「それでも構いません。是非、お聞かせくださいませ」ペコリ



34:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/10/13(火) 11:26:25 ID:J0xuu67Q

少年「では……」

姫「あ、そうだっ!!」パチンッ


姫「勇者様は、この城の裏側へは行ってみましたか?」

少年「城の裏側ですか? 行ってないです」



姫「なら、案内を致しますので、そこへ参りましょう。陽も暮れて来てちょうどいいですし」チラッ

姫「この国の、ちょっとした自慢できる場所が在るんです♪」


少年「そうですか……では、案内をお願いします」

姫「はい
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