真紅、風邪をひく。
- § 主な登場ドール紹介
【真紅】 ローゼンメイデン第5ドール。ウナギを愛する心は誰にも引けを取らない。嫌いなものは猫と水銀燈と春菊。
究極完全乙女グレートアリスでもあるが、退屈を振り払うためには手段を選ばないところがあるのが玉に瑕。
【雛苺】 食欲全開な第6ドール。苺大福と柏葉巴とくんくん探偵が大好き。嫌いなものは水銀燈と春菊。
【翠星石】 いたずら好きな第3ドール。料理が趣味で、みりん梅酒の密造にも手を染めている。水銀燈と春菊が嫌い。
【蒼星石】 ポエム庭師の第4ドール。下仁田以外の土地で下仁田ネギを栽培するという快挙を成し遂げた。
【水銀燈】 最凶の逆十字な第1ドール。日夜、真紅と自販機の下の小銭をめぐって争い続けている。
【金糸雀】 忘れ去られがちな第2ドール。春菊が嫌い。
【珪孔雀】 天然おっとり系第8ドール。春菊は普通に食べられるが沢山食べると何故かクシャミが止まらなくなる。
【雪華綺晶】 ゆるふわ愛され系第7ドール。鍋の〆にはお餅を入れる派。
【薔薇水晶】 エンジュメイデン。鍋の〆には何も入れずに、そのまま残り汁を飲む派。
- § とある夜更けの桜田ジュンの部屋
裸真紅「刺激が足りない」
翠星石「ふゎ…?」
雛苺「急に何を言い出すのよ真紅」
裸真紅「…この桜田家は居心地が良いのは認める」
雛苺「うぃ、ご飯も美味しいしジュンものりも優しいの!」
翠星石「ですよねぇ~。今日も晩御飯を食べまくって冷蔵庫は空っぽですぅ」
裸真紅「そう、そして私とジュンの間柄も馴染みすぎて同棲2年目ぐらいの空気が流れている。同棲とかしたことないけど」
翠星石「ほほう」
裸真紅「だが、しかし! その反面、あまりにも退屈に過ぎるのではなくて?」
翠星石「まぁた真紅の退屈イヤイヤ病が始まったですか?」
雛苺「せっかくアリスゲームも終わったんだから、もっとこの『けいおん』を楽しむの」
裸真紅「それを言うなら『平穏』よ、雛苺。まあ確かに平和なことはいいことだわ」
翠星石「ですよねぇ~」
裸真紅「だが、しかし(2回目)! やはり皆の気が緩みまくっている感は否めない!」
翠星石「んなこたぁねえですよ。翠星石もチビ苺も気合ブリバリですぅ」
雛苺「ジュンものりも明日に繋がる今日を精一杯、この上なく生きてるのー!」
裸真紅「せからしか!」
翠星石「うっ…!? 何故、急に熊本弁」
裸真紅「だったら、どうして! 今日一日、朝から全裸で過ごしていた私に対して
ジュンものりも皆が皆してオールスルー! 誰も一言もツッコミを入れなかったの!?」
翠星石「え? ツッコミ待ちだったんですか? それ?」
雛苺「暑いから全裸になっていただけだと思っていたの」
裸真紅「今はもう10月も末よ! そんなわけないでしょ! 寒いわよ!」
翠星石「じゃあ服着ろですよ」
裸真紅「文字通り一肌脱いだのに、何の成果も得られないまま服を着ろ…と?」
翠星石「面倒くせぇやっちゃですね。逆に考えろですよ、裸になってるのに
ウンともスンとも言わない桜田家は、ありのままの真紅を受け入れているのだと」
裸真紅「なるほど、そういう考え方もあるわね。マーベラスだわ、翠星石10ポ~イントッ!」
翠星石「あ、ありがとうですぅ」
雛苺「おめでとうなのよね翠星石」
裸真紅「けど、実は今日この格好で宅配便の受け取りにも対応したんだけど…」
雛苺「何か荷物が届いていたのよ?」
裸真紅「宅配便のお兄さんもノーリアクションで淡々と印鑑をもらって帰っていったわ。
ちゃんと見てよ、この私の妖艶な姿をよォ、ねぇ、おい!」
翠星石「まあ、宅配兄貴も桜田ファミリーみたいなもんですし。
チビ人間の通販⇔クーリングオフ趣味のせいで、酷い時は朝夕の1日2回来てたですよ」
裸真紅「まったく、こんな超絶美少女が一糸も纏わずに全裸待機しているというのに
どいつもこいつもドンタッチとは、どうかしてるぜニッポン!」
雛苺「♪チャチャチャ」
裸真紅「合いの手、要らない」
翠星石「と言うですか、マジでもういい加減に服を着とけです真紅。風邪ひくですよ?」
裸真紅「HAHAHAHA!!! 風邪ェ? 風邪ですって? 人形が風邪ひくわけないじゃない!
ちゃんちゃらおかしくて、ヘソからローザミスティカが気化しそうだわだわ!」
雛苺「真紅…」
裸真紅「翠星石のご機嫌なジョークのお陰でテンション上がってきた。ちょっと、このまま深夜徘徊してくるわ」
翠星石「ちょっ、おま! それはダメですってば! 野外露出はいかんですよ!」
雛苺「ギルティなのー! アウトなのー!」
裸真紅「大丈夫大丈夫! トリックオアトリートって叫びながらだったら全て許されるニッポン最高! フゥーッ!」
翠星石「許されねーですってば。その昔、女湯に突入したナマハゲも容赦なく逮捕されたですよ」
裸真紅「あら、そう? ナマハゲ様ですらアウトなら私も自重するわ」
雛苺「ほっ…」
- § そして翌日の桜田ジュンの部屋
真紅「ハァハァ…っ! うーんうーん…、死ぬぅ。死んじゃうぅぅぅ、くぅぅぅぅん、くふふぅぅぅんんん」グッタリ
翠星石「だから言わんこっちゃなかったですのに」
雛苺「完全に風邪ひきさんなのよね真紅」
ジュン「大丈夫か真紅?」
真紅「大丈夫なわけないじゃない! これだけ苦しんでるのよ!? その目はフシアナなのジュン!?」
ジュン「わ、悪い…」
真紅「うげほげほっ! ぐはぁっ! かはっ! けふぃぁ…ッ」
翠星石「で、具体的にはどんな感じですぅ? 風邪と言っても色々あるですからね」
雛苺「うぃ、痛いところとか教えてなのよ真紅」
真紅「頭痛い、喉痛い、ぽんぽん痛い、球体関節も全部痛い」
ジュン「ほぼ体中、全て痛いってことか」
真紅「くしゃみ、せき、悪寒は止まらないし、吐き気も…オ、オェロロロロロ」げろげろ
翠星石「ぎゃーっ! しゃべりながらゲロりやがったですー!」
雛苺「重症なの。真紅はもう、あとは死を待つのみなのよね」
真紅「そ、そんな…!!?」オゲロロロロロ
ジュン「人形に効くかどうか分からないけど、風邪薬飲んどくか?」
真紅「お薬は苦いからヤダ」
ジュン「赤ん坊みたいなこと言うな」
雛苺「そうだ! 紅茶に混ぜれば真紅もお薬飲んでくれるのよ!」
翠星石「紅茶とかで薬を飲むのはダメですよチビ苺」
雛苺「ええっ? そうなのぉ~?」
真紅「例え紅茶に混ぜられても私は薬なんて飲まないわよ。どうしても私に薬を
飲んでほしいのなら、鰻重に風邪薬を山椒代わりにふりかけたものを用意することね」
ジュン「てめぇ、自由すぎるだろ」
雛苺「発砲セガールなのよね」
ジュン「それを言うなら『八方ふさがり』だ雛苺」
雛苺「そ、そうとも言うの!」
翠星石「いやはや、手の尽くしようが無いですよ。真紅の自然治癒力に期待するしかないですぅ」
真紅「これだけ雁首揃えて何もできないわけないでしょ! 誰か私の風邪を治せる者はいないの!?」
蒼星石「ここにいるよ!」ドジャァ~~ン
翠星石「蒼星石!!?」
ジュン「な、なぜ突然ここに? どこから出てきた!」
蒼星石「そんなことはどうでもいい。話は全て聞かせてもらったよドールズ」
真紅「蒼星石…」
蒼星石「お薬が嫌いな真紅のために、いいものを持ってきた」ゴソゴソ
雛苺「いいもの?」
蒼星石「下仁田ネギだ」ドジャァーン
ジュン「下ネタか…」
蒼星石「下ネタじゃないよ、下仁田だよ」
翠星石「でも、どうせそれを真紅のケツの穴にぶち込むんですよね?」
蒼星石「その通り。風邪といえばケツにネギ。世界の常識だよ」
真紅「ウェイタモーメンッ! 流石の真紅ちゃんもアヌスに得体の知れない異物混入はNGだわ」
ジュン「昨日一日、全裸待機していたくせに何を言うか」
蒼星石「大丈夫さ真紅。この下仁田ネギは、僕が薔薇屋敷の庭園で薔薇と一緒に育てていたものだ。
得体どころか氏も素性も知れた、さらにはほんのりと薔薇の香りもするというネギなんだ」
真紅「あら素敵。だったらこの真紅様の高貴なアヌスにも相応しいかもしれないわ」
雛苺「でも、どうして薔薇と一緒にネギを育てていたの蒼星石?」
蒼星石「よくぞ聞いてくれた雛苺。ネギには病害虫を寄せ付けない効果すなわちアレロパシーがある。
このような効果を狙って混作する植物をコンパニオンプランツと言うんだ。ネギ以外にも…」
翠星石「蒼星石の蘊蓄はそれぐらいにしておいて、それじゃあ早速ネギを真紅にインサートするですぅ」
真紅「ちょ、ちょっと待って! やっぱり、まだ心の準備が…!」
雛苺「今更カマトトぶってる場合じゃあないのよ真紅!」
蒼星石「そうだとも! 観念して尻を高く突き上げるんだ!」
真紅「や、やめて…」
翠星石「真紅! てめぇに大人の階段登らせてやるっつってるんですよ!」
真紅「イヤァああああああ…っ! いざとなると怖い! 助けてジューーーン!!」
ジュン「いくら真紅でも流石にケツは可哀想になってきたな。ネギを首に巻くのじゃあダメか蒼星石?」
蒼星石「巻きますか? 巻きませんか? 的なノリでってことかいジュン君? ふふ、面白いね」
ジュン「いや、そういうつもりで言ったわけじゃあ…」
翠星石「首に巻くとか、そんな生温い方法は翠星石は認めんですぅ!」
雛苺「うぃー! 絶対にケツの穴にネギを突っ込むのよー! ほら、お尻を出してなの真紅!」
真紅「ディーフェンス! ディーフェンス!」きゅきゅっ
翠星石「むむっ!? こやつッ! 服の上からでもはっきりと分かるほどケツ筋を絞めてやがるですぅ!」
蒼星石「まるでバキの鞭打を耐えている勇次郎のようじゃあないかッッ!」
ジュン「人形なのにケツ筋とかあるんだ…」
翠星石「これではネギ・イン・ジ・アヌスは不可能ですー!」
蒼星石「しょうがない、ここはネギを真紅の首に巻くことで妥協しよう」
雛苺「ちぇー」
真紅「ふぅ、危ないところだったわ…」
- § ネギを首に巻いて五分経過
真紅「……」
ジュン「少しは良くなったか真紅?」
真紅「ええ、ネギのスースーした香りでなんとなく鼻の通りが良くなったような気がするわ」
翠星石「さすがは蒼星石が丹念込めて育てた下ネタネギなだけはあるです」
珪孔雀「真紅お姉様! 風邪ひいたって本当ですか?」ドジャァ~ン
金糸雀「大丈夫!? まだちゃんと生きてるかしら!?」ドジャァ~ン
ジュン「珪孔雀!? それに金糸雀!?」
翠星石「字面だけ見るとややこしい二人組みがやって来たですよ。それも唐突に」
金糸雀「あなたと蒼星石ほどじゃあないかしら」
蒼星石「けど、珍しい組み合わせじゃあないかい? 珪孔雀と金糸雀とは」
珪孔雀「本当は水銀燈お姉様も一緒に来る予定だったのですが…」
真紅「来なくていいわよ水銀燈なんて。絶対、
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- :-:2015/10/23(金) 19:31:59
- 今回展開めっちゃスピーディだ。読む側のツッコミが追いつかないくらいですごい。
「あの御人は結果的にその病人を死なせてるですよ蒼星石」
↑間違ってないけど最低の指摘だと思ったw
ジュンの引き出しのこんにゃくはぬるぬるしてそう。こんにゃくだから当たり前だけど。
- :-:2015/10/23(金) 19:50:06
- ドールズの下着姿でドキドキしてたジュンはもういないんだな…
- :-:2015/10/23(金) 20:02:10
- 馬肉のすき焼きとはまた飯テロな。
ジュンの机の引き出しにこんにゃくは真紅が仕込んだんだろうなあ……
- :-:2015/10/23(金) 20:04:52
- 最初の異常なまでの銀ちゃんと春菊disが伏線だったとは…
究極完全体グレートモスなんて出すのクッソ大変な割にどうしようもないものにパロられるアリスはやっぱりしょうもないってことだな
※120675
ドールズがアレすぎてスレてしまったんだよ
ヤマジュンゲイメン達を呼んで来ればワクワクを思い出すさ
- :-:2015/10/23(金) 20:22:05
- みりん酒造ってそれ犯…
- :-:2015/10/23(金) 20:25:20
- 水銀燈の紹介、前にあったのと同じか思ったら自販機下に争いが移ってた。
自分は自販機周りの側溝穴に2回くらい金落としたことがあるが…
- :-:2015/10/23(金) 21:37:54
- 金糸雀「うーん、ネギだけじゃ心細いかしら」
蒼星石「僕のネギは細くなんかない、太いよ! なんてったって下仁田だからね!」
前にジュンが言ってたが、うん、こいつ(蒼)もポンコツになってきてる。
真紅「今の桜田家の冷蔵庫には残念ながら糸コンニャクはない。けど、ジュンの机の
上から二番目の引き出しに普通のコンニャクが入ってるわ。それで我慢して」
うん、言ってたあいつ(ジ)もポンコツだ。
- :ななし:2015/10/23(金) 21:47:23
- 流石に人形とは言え全裸放置は何かの犯罪に引っかかりそうな気がする
- :-:2015/10/23(金) 21:50:56
- まさかのアフタヌーン寄生獣祭、桃種先生の担当回からの引用とは…。
やっぱり、ただのホモじゃねえ。たいしたホモだよまったく。
- :-:2015/10/23(金) 22:06:19
- みんなでその蒟蒻食べたのか
- :-:2015/10/23(金) 22:36:34
- ほかの食材との合間合間に春菊を食べる。いいと思うんだけどな…
今晩の晩飯が鍋だったので結構タイムリーな内容。
鍋物でも見た目に彩りがないと、視覚的には結構寂しい。
- :-:2015/10/23(金) 22:41:31
- 蒼星石が春菊の汁を注射されるネタももう懐かしく感じる
てか真紅馬肉の話辺りからもう風邪治ってるな
- :-:2015/10/23(金) 23:15:41
- 裸真紅ってTDN人形じゃん。
あと水銀燈と春菊嫌われすぎで草
- :-:2015/10/23(金) 23:26:20
- 「人形が風邪ひくわけない」と言ってながら
実際に風邪をひいたら、もうだれも疑問に思わないんだな
- :-:2015/10/23(金) 23:31:27
- 下ネタネギくださいって言ってやった。ワハハ!by荒木飛呂彦
- :-:2015/10/23(金) 23:46:46
- マジレスすっと針供養に使うつもりだったんだろ<コンニャク
しかし八方セガールって想像したらあながち誤用じゃないですね
- :-:2015/10/23(金) 23:53:30
- 何故、人形にケツの穴が必要なのか
まさかお父様の趣味じゃあ...