『月刊ビッグガンガン』連載、「魔法少女特殊戦あすか」の1巻です。
4年前に地冥界と呼ばれる謎の生物が地球を襲い、人間は全く歯が立たなかった。けれど地冥界に苦しめられていた別次元の妖精たちが助力を申し出て、そこで誕生したのが魔法少女たち。冒頭では3年前に起きた地冥界との決戦が語られます。
そして現在──地球を救った五人の魔法少女("伝説の五人"(マジカルファイブ))なんて呼ばれてます)の一人・大鳥居あすかは平凡な高校生になっていた。いや、平凡な日々を過ごそうとしていたとするのが正解か。体育では多くの競技で好成績を取ったり、態度の横柄な大人を懲らしめたりするものの、魔法少女とバレるようなことはしてません。

むしろ魔法少女には もうなりたくたいとさえ思ってます。それは戦いに疲れてしまったから。無邪気な友達の姿を見て部活に打ち込むのもいいかなと思う あすかでした。
　　　　　けれど周囲がそれを許さない！
ある日、家に帰ったら両親が失踪しており残されていたのは数本の指。地冥界の残党が復讐しに来たのだ。人体のパーツが少しずつ送られてきて三週間後に届いたのは両親の頭部。

憤怒の形相で「お前らを皆殺しにする」と誓う あすか。これはキツイ！　帯で虚淵玄氏が「ひどいよ！ あんまりだよ！」と書いてる通りに容赦ってものがありませんよ、これは。
またテロリストが銃を乱射する場面に友達が居合わせてしまった。このままでは遺骸になってしまうのは確実だ。ここで躊躇することなく魔法少女となった あすか！

これにより友達は救われた。けれど あすかは救われない。世界の明暗を分ける戦いに勝利しながらも、世界は平和になっていないからだ。悪の組織を倒したところで悪そのものは無くならない。この現実を突きつけられて あすかの気持ちは晴れないまま今日も過ごすことになっていく・・・
そして最後になって更なる不幸の種が撒かれることに。

悪の魔法少女が友達を拉致する計画を立てるのです。今度の敵が魔法少女と知ったら あすかは更に気が滅入るのは確実であり、ダークサイトに堕ちてしまわないかと心配です。