先日ファーストインプレッションとしてレビューをお伝えした中国ファーウェイの「Huawei Watch」ですが(過去記事)、購入してから約一週間使用いたしましたので改めてそのレビューをしていきたいと思います。対象となる端末は、前回のレビューでもご紹介したHuawei Watchのブラックモデルです。
以下は、Huawei Watchのスペックになります。
ディスプレイ | 1.4インチ有機ELディスプレイ 400×400解像度 286ppi |
SoC | Snapdragon 400 クアッドコア 1.2GHz Adreno 305 |
搭載OS | Android Wear 1.3 |
対応OS | Android 4.3以上 iOS 8.2以上 |
センサー | 加速度センサー ジャイロスコープ 心拍センサー 気圧計 |
サイズ | 直径42mm × 厚さ11.3mm |
防水・防塵 | IP67 |
通信 | Bluetooth 4.1 Wi-Fi |
バッテリー | 300mAh |
RAM | 512MB |
内臓ストレージ | 4GB |
バリエーション | シルバー ブラック ゴールド |
素材 | ステンレスケース サファイアガラス |
では、早速レビューしていきたいと思います。
スマートウォッチらしくないスマートウォッチ
Huawei Watchは、従来のクラシック腕時計のデザインを採用しており、その見た目はスマートウォッチらしくないスマートウォッチと言えます。この1週間毎日Huawei Watchを装着して過ごしていましたが、見た目だけではスマートウォッチだと気づかない人の方が多くいたほどです。用意されているウォッチフェイスもクラシックなアナログタイプから先進的なデジタルタイプまで揃っており、細部まで芸が細かく描かれている印象です。ウォッチフェイスについては、用意されているもの以外にもインストールをして増やしていくことができ、今後も飽きることなく楽しむことができそうです。
ウォッチフェイスは本体とスマートフォン(Android Wearアプリ)の両方から変更できる
Huawei Watchには、腕時計として常に時間を表示しておく機能が備えられています。ディスプレイを見ていない時はウォッチフェイス毎に異なるアンビエントモード(秒針が表示されない簡易的なモノクロ画面)が表示され、省電力での待機状態となります。電源ボタンを押したり、ディスプレイにタッチしたりする以外に、腕時計を見る動作をすることでもアンビエントモードから復帰することができます。
ウォッチフェイス「ロマン」とそのアンビエントモード(左)
ただ難点としては、ディスプレイ表示のため環境によって画面が暗すぎたり明るすぎたりすることがあることが挙げられます。Huawei Watchは5段階の明るさを設定することができますが、環境光センサーを搭載していないため手動で明るさを設定する必要があり、特に夜間などに出歩いた際にはその点が少し面倒に感じました。
腕時計の機能として気になるのはやはりバッテリーの持ち具合だと思います。Huawei Watchは1.5日間バッテリーが持続すると公式サイトでは謳われています。試しに通常使用で10月20日朝7時から充電なしで使用してみたところ、翌21日の朝6時頃までバッテリーが持続していました。この日は訳あって寝ずに過ごしていたためほぼフル稼働でしたが、約23時間バッテリーが持続していたことになります。実使用では1.5日間(36時間)に届かず、バッテリーの減る速度が速いようにも感じましたが、この1週間で朝から夜までの使用おいてバッテリーに困ることはほとんどありませんでした。また、バッテリーの減り具合について、AndroidスマートフォンとiPhoneの間で特に違いは感じませんでした。
充電方法はマグネットコネクタ式で、75分間でフル充電できる急速充電に対応しています。充電スピードは思っていたよりも早く、お風呂に入っている間などのちょっとした時間でも十分な充電をしておくことができました。
“優しすぎる” 通知機能
スマートウォッチの通常業務ともいえる通知機能は、アプリによって全文が表示されないなど異なる制限がありました。LINEやTwitter、Slack、SMSなどの短文投稿サイト・コミュニケーションツールについては受信した全文の表示が可能で、音声入力や絵文字による返信も可能でしたが、メールやニュースなどのアプリについてはタイトルだけの表示となり、閲覧する場合には、「端末で開く」という画面までスライドしてタップしスマートフォンで閲覧する必要があります。なお、iPhoneとの連携の場合、Huawei Watchでの返信はできませんでした(後述)。
返信では、簡易的な絵を描いて絵文字に変換して送信することもできる(Androidスマホとの連携のみ)
アプリなどの通知は「ブッ」というバイブレーションが一回だけ鳴るのですが、それほど強いものではなく野外などで出歩いている時にはほとんど気づくことができませんでした。着信があった場合は、「ブブッ、ブブッ、・・・」というバイブレーションのリピートで教えてくれ、通常の通知よりは気づきやすくなっています。
通知が来ると送信者のアイコンを背景に名前と本文が表示される(LINEの場合)
通知とは異なりますが、アラーム設定をしてHuawei Watchを装着したまま寝ても、「ブブッ、ブブッ、・・・」というバイブレーションのリピートでは気付きにくく、寝坊してしまう可能性が大なのでお気をつけください(個人的な問題かもしれませんが、Huawei Watchのバイブレーションはやや優しすぎる気がします)。
確かに運動は楽しくなる
ウェアラブル端末の醍醐味とも言えるフィットネス機能は、Huawei Watchにも搭載されています。主な機能としては、歩数計やカロリー消費量の計測、心拍数の測定といったものになります。健康オタクではない筆者にとってはそれほど興味深いものではありませんでしたが、運動不足解消がてらランニングに行く際には、時間や消費カロリー、歩数といった数値を計測してくれる「運動の追跡」機能がなかなかの優れものでした。目標を設定することもでき、ウォーキングやランニングをトラッキングしてくれるので、運動をする目安とともに励みにもなってくれるのです。
「運動の追跡」のトラッキング画面(左)とその結果(右)
Huawei Watch単体で走った距離の計測をすることができないのは難点でしたが、AndroidスマートフォンのFitアプリと連携して管理すれば、歩いた距離と走った距離をそれぞれ計測することが可能になりました。
「毎日の活動を追跡」という機能では、歩数や消費カロリー、立ち座りの回数などを自動的にトラッキングしており、ランニングやウォーニングの他に、クライミングをも含めたデータを日々蓄積してくれています。
いろいろと測定してくれるHuawei Watchですが、その機能の信頼性については少し疑問なところもあります。歩数計機能では腕を振らなくてもほぼ正確に歩数分のカウントを行っているようですが、止まっていても腕を振ることで歩数としてカウントされてしまうことがありました。また、心拍数の測定機能では、2回連続で測定すると数値が10近く異なることもありました。これらの誤差については、通常の歩数計や心拍数計でもあり得ることで測定器としての許容範囲と言えるのかもしれませんが、測定したデータについてはすべて目安程度に受け取った方が良さそうです。
そうはいっても、誤動作についてはずいぶんと防げられているなという印象も持ちました。単純な手首の揺れや動きではアンビエントモードから復帰されず、本当に腕時計を見る動作の時にだけ反応してくれます。これは、ランニング中なども同様で、腕を高い位置に固定していても時計を見る動作にはきちんと反応します。誤動作を防いでいるためか、やや反応が鈍いなと感じる時もありますが、概ね自分の意思通りにディスプレイを表示してくれている気がします。
スポーツをされている方は重さについても気になるところかと思いますが、本体の重さはメタルバンドを含め約116g(公式サイトの表記と異なりますが、実際に計測した値です)と、通常使用で慣れてしまえばそれほど気にはなりませんでした。重さよりも気になったのは、装着感が少し緩めで、体を動かすたびに腕に装着しているHuawei Watchが揺れるという点です。そもそもメタルバンドがスポーツに向いていないとも言えますが、スポーツでの使用を考えている方は、レザーバンドのモデルを購入するか替えのバンドの購入をおすすめします。
防水性能については、公式サイトでIP67相当となっており、スポーツ時の汗や軽い水洗い程度であれば問題なさそうです。実際に2度、運動後に軽い水洗いをしていますがなんともありませんでした。ただし、直接シャワーを当てる以上のことは控えた方がよさそうです。
AndroidとiPhoneで「できること・できないこと」
Huawei Watchは「Android Wear 1.3」を搭載しており、「Android 4.3」以上または、「iOS 8.2」以上をインストールした端末とペアリングをすることができます。公式では、スマートフォンとのペアリングを推奨していますが、一応タブレット端末でも連携することは可能です。
筆者は今回、手持ちの「Nexus 5」と「iPhone 6s」をそれぞれペアリングしてHuawei Watchを使用しました。両方をペアリングしておいて切り替えて使用するといったことができなかったため、いちいち初期化してペアリングして・・・という面倒な操作を繰り返すことになりました。2台以上の端末を持ち歩く人は少ないのかもしれませんが、タブレット端末を含め複数の端末と連携を切り替えてスマートウォッチから操作できると便利なのになぁと思うことが多々ありました。
Nexus 5とiPhone 6sをそれぞれ
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著者
プロフィール画像は飼い猫。2013年1月20日よりGGSOKUに加わり、2015年8月から編集を兼任しています。興味のあるもの全てに首を突っ込んで守備範囲を広げていきます!
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