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この映像は、自然を愛する男性、ダリウスが、足を怪我して母親とはぐれてしまった子鹿を保護し、飼い犬や飼い猫と共にこの小鹿をリハビリさせ、母鹿のもとに返すまでの記録である。
ダリウスとペットたちの絶妙なコンビネーションで、小鹿は順調に回復していく。1匹の犬が自ら小鹿の保護者を買って出た。そして2週間後、ダリウスは小鹿を野生に帰しに行った。ところが小鹿はすぐに戻ってきてしまう。あくる日もあくる日も、小鹿はダリウスから離れようとはしなかった。そんなある日・・・
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Baby deer rescue and release
ダリウスがシカの家族を観察していると、一頭の子鹿が後ろからのろのろついていくのに気がついた。どうやら前足に怪我をしているらしい。生まれたばかりらしく、まだ腹に血がついていたが、どうすることもできない。
ついに、家族についていくことができずに、取り残されてしまった。
ダリウスは野生動物をペットとして飼うことには反対だが、この場合は特殊なケースだったという。捕食者がうろつく自然は子鹿にとってとても危険だし、怪我をしているので、生き残れる可能性はほとんどないといっていい。
ダリウスは意を決して子鹿を自分の家に運んだ。
最初ほかのペットたちは、この新参者にどう対処していいかわからなかったようだ。「あんた、誰? どっからきたの?なんか毛色がちがうようだけど?」てな具合だ。
とてもおなかをすかせていた子鹿は、家に落ち着き、最初の週はダリウスのベッドの隅で寝た。ダリウスはオートミールの箱を使って、子鹿の足を強化するために副木を作ってやった。
また、ネットで子鹿の育て方を調べ、4時間毎にエサをやっては、きれいにしてやったりした。まもなく子鹿はまたちゃんとバランスを保って歩くことを覚え、元気も出てきた。
ペットたちは徐々に子鹿と打ち解けていった。
常に小鹿のそばで小鹿を気遣うようになった。
中でも犬のマックとは特別な関係を築いた。マックの親としての本能が目覚めたのか、エサをやっているときに子鹿の顔を舐めてやったりして里親として手伝いに介入してくれる。
マックは1歳のバーニーズマウンテンドッグだが、子鹿をかわいがり、グルーミングしてくれたり、大きな助けとなった。子鹿が完全に回復に向かう間も気遣いを見せ、外で遊ぶときもあまり遠くへ行ってしまわないよう、ずっと見守っている。
手厚い世話の甲斐あって、子鹿の足は完全に回復し、そろそろ自然に戻してやる時期になった。
子鹿は犬のマックにも、ダリウスにもすっかりなついて、後をついてまわっているが、本当の母ジカに替わ
ることは誰にもできないとダリウスは思っている。
元気になった小鹿を、ダリウスは何度も野に放そうとした。だが、すっかりダリウスになついている小鹿はいつも必ず戻ってきてしまう。
ある日、ついに子鹿は母ジカの姿を見つけた。そして群れの中に帰って行った。ダリウスの役目は終わったのだ。
数ヶ月後、ダリウスは再び子鹿の様子を見に行った。彼のリハビリ効果はばっちりだったようだ。子鹿は家族と共に、藪の中を元気に跳ねまわっていた。その様子を見てダリウスは一安心したようだ。
最初から野生に帰すつもりだったので、世話していた2週間、子鹿に名前はつけなかった。いずれ手放さなくてはならないのがわかっていたので、情が移ってしまうのを避けたかったのだ。
子鹿をきちんと自立させるため、あまり人間に執着させないよう努めた。そうしないと、簡単にハンターや捕食者のターゲットになって、彼女が自然で生きていくのが難しくなってしまうからだ。野生は子鹿にとって、危険でいっぱいなのは確かだが、それでも子鹿のいる場所は野生しかないのだ。
子鹿を帰してから、ダリウスは何度もその鹿の家族を見たという。母鹿はたいてい安全だと思える場所からはあまり遠くへは行かないものなのだ。
彼らが安心して歩き回っているのを見て、とても明るい気分になったというダリウス。ダリウスのように適度な距離感を持ち、自然を理解しながら動物たちと共存していくことができたらどんなに素晴らしいだろう。
translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
かわいい
2. 匿名処理班
イイハナシダナー
3. 匿名処理班
何この優しくてあったかい世界……
4.
5. 匿名処理班
[子鹿に名前はつけなかった。]
ここがポイント
6. 匿名処理班
特殊なケースだった……とは思えないな。
例え不幸な生まれ方をして即捕食されようとも、野生動物の弱肉強食な自然環境下での一生の範疇だと思う。
7. 匿名処理班
適度な距離を置いた自然への介入……
意図してそれを貫くのは難しそうだ
それができればいかに良いことか
8. 匿名処理班
クマに戦慄
9. 匿名処理班
しかしこの辺、クマーや狼もごく普通にいるのかね…文字通りワイルドな環境だな。
10. 匿名処理班
子鹿が元気そうでよかった
11. 匿名処理班
ホンマお犬様の懐の広さは五臓六腑に染み渡るでぇ
12. 匿名処理班
※5
自分もボランティアで里親さがし中の子猫を一時的に面倒見るときは名前をつけなかった
理由はこの鹿の人と同じ
13. 匿名処理班
漢だ。
ダリウスに敬意を。
14. 匿名処理班
全てにおいて一切手を出さない、それが自然だ
と言う人もいるが言わせてくれ
素晴らしい距離感だと
15. 匿名処理班
そんじょそこらの動物愛とはかけ離れている
本当に動物が好きなんだろうな
16. 匿名処理班
笑うシーンじゃないのはわかってるんだが、
クマが直立二足歩行するシーンで不覚にも笑ってしまった。
17. 匿名処理班
普通に犬みたいに尻尾振っててカワイイな
18. 匿名処理班
心が温かくなりました。私も優しく生きたいです。
19.
20. 匿名処理班
尻尾ぴるぴるでかわいい
21. 匿名処理班
自分ならそのまま飼育しちゃうわ・・・。
こういう人間は保護施設で働くには不向きなんだろうけど・・・。
動物を飼育するっていうことは、一生を見とる覚悟がいるし、お金も相当かかるしね・・・。
22.
23. 匿名処理班
弱肉強食が運命なら
怪我をした子鹿をこの暖かい心の人が見つけたのも運命だ
24. 匿名処理班
ダリウスってダレイオスだな。
ソロモン王じゃないけど偉大な王様の名前。
25. 匿名処理班
オオカミでも似たような話があったね。
森で再開し他時には群れの一員になっていて
瞬時に思い出して群れ全員で囲んでくれたらしいけど
正直生きた心地がしなかっただろうな。
26. 匿名処理班
人間も自然の一部だから何の問題もない。
27.
28. 匿名処理班
自然界にも稀に異種間で助け合う事がある。
人間のこういった行動・感情も自然の一つであると思いたい。
29. 匿名処理班
素敵な話だね
こんな徳のある人物の家族だから
ペットたちも優しいんだろうなあ