高額な謎の本「亞書(あしょ)」が物議をかもしています。
画像:【亞書】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151101-00000004-asahi-soci.view-000
先月、通販大手「アマゾン」に「亞書」との名前が付いた高額本が登場。
1冊6万4800円(税込)という高額本にかかわらず、中身が全く不明であること、ロシア人とされる
著者アレクサンドル・ミャスコフスキーという人物、発行元の出版社の住所が実際には理容室にな
っていること、96冊もすでに刊行されていることなどで注目され、ネットでは謎解きをする推理小説
のようなさまざまな憶測が飛び交いました。
日本では、刊行された書籍を「国立国会図書館」に各1部を納本する義務があるため、中身を調べ
ようとする者も現れました。
本の詳細について明かされた内容は、A5サイズで480ページのハードカバー本、各ページ縦12
センチ、横9センチの枠内にギリシャ文字やローマ字が並び、ページ数は振られておらず、全く同じ
内容のページもあるとのこと。
国会図書館では納本された書籍価格の半額を「代償金」として、税金から発行元に支払うようになっ
ていますが、この「亞書」は60巻まで納本されていることが判明。
さらに出版元と同じ住所からは複数の出版社名で似たような言語別聖書(1冊5万円)が100冊ほ
ど出版されており、これら合わせて計約400冊ほどが国会図書館に納品されていること、税金で約
1000万円ほどこの出版元に支払われていることも判明しました。
次々と意外な事実が明らかになるにつれ、国会図書館に取材や問い合わせをするマスコミも現れ、
国会図書館の広報は
「出版物に当てはまるのか、広く頒布されているのか、といった条件で納本してもらうかを決めます」
「この本は、ハードカバーで製本されており、簡易なものではありませんでした。
また、ネット上でも頒布されていたのをこちらで確認しています」
「本の内容では、価値判断していません」
(引用元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151027-00000000-jct-soci)
などと回答。
騒動を受け、アマゾンから「亞書」の販売登録が消され、出版元は公式サイトで突如、期間未定で
臨時休業すると発表しました。
その後、朝日新聞の取材に答えた出版元代表の男性(26才)は
「自分が即興的にパソコンでギリシャ文字を打ったもので、意味はない。
本そのものが立体作品としての美術品とか工芸品。長年温めてきた構想だった」
「題名もひらめいて付けた。意味はない」
「著者のアレクサンドル・ミャスコフスキーは架空の人物で、作品のイメージとして記載した」
と、この本をめぐる謎を明らかにしました。
なお、男性によると「亞書」はまだ1冊も売れていないとのこと。
現在、国会図書館は同出版元への支払いが適切だったのか、頒布の実態があったのかなど、細
かな調査を開始しています。
国会図書館の「代償金」制度の穴を付いたような商法ですね。
出版元が今後どのような対応に出るかはわかりませんが、悪用されかねない現在制度を見直す
必要性はありそうです。