稀代の作詞家として松田聖子、太田裕美ら、多くの歌手に詞を提供し、今年作詞活動45周年を迎えた松本隆。ジャニーズでは近藤真彦、少年隊、Kinki Kidsの楽曲の作詞を手掛けている。10月30日、NHKの音楽番組『SONGS』では、その足跡を振り返る特集『時を超える青春の歌 作詞家・松本隆の45年』が放送され、KinKi Kidsが出演した。

シングル総売り上げ約5000万枚の松本隆の作品の最大のヒット曲がKinKi Kidsのデビュー曲「硝子の少年」だ(作曲は山下達郎)。80年代に多くの歌手に作品を提供したが、90年代はシンガーソングライターが増えるなど音楽シーンが変わり、作詞を提供する機会が減った時に、17歳のKinKi Kidsに出会い、繊細な感性と芯の強さを感じ「青春の儚さと輝きをあらためて描きたい」と詞を提供した。

KinKi Kidsの大切なデビュー曲「硝子の少年」の詞について、堂本剛は、「どんな世代の人でも自分の中の傷や弱さなど痛みがよみがえってくるが、痛みと向き合うことで背中を押すようなやさしさを感じるフレーズ」と語った。「KinKi Kidsのカラーをいただいた」と堂本光一も話すように、松本隆の詞とKinKi Kidsの世界観がこの楽曲でリンクし決定づけられたのは間違いない。

また、KinKi Kids が20歳を過ぎてアイドルとしての方向性を模索していた頃、2001年にリリースした「ボクの背中には羽根がある」について、「KinKiの根底にあるものはこれだね、という方向性、道を広げてもらった楽曲」と光一は話す。さらに、2009年、30歳の節目に発表した「スワンソング」は、KinKi Kidsが自ら松本さんに作詞を依頼したという。

番組では、松本隆から、二人への手紙が披露された。松本隆は、『はっぴいえんど』のメンバーで、共に歌を紡ぎだしてきた朋友で2013年に亡くなった大滝詠一と自分の関係に言及。人間は独立した点で、点と点を結ぶと友達になるが、点でも線でもない『点線で結ばれた人間関係』があるという。松本隆と大滝詠一の関係がまさにそれで、「相手が生きていようと死んでいようと変わらない点線、永遠に続く関係」であり、「KinKi Kidsの二人もおそらくそうなるのではないか」と、関係性を重ね合わせた。

また、「KinKi Kidsには青春の壊れやすさとその破片のキラキラ光る感じ、何度壊されてもそこから立ちあがる魂の強さを書いてきた。その相反する複雑な美しさを忘れずに歌い継いでください」というメッセージを贈った。KinKi Kidsの二人は「すごい……」と絶句し、感銘の表情を浮かべた。

個々に活動する機会も多く、ベタベタ馴れ合う友人関係でもなく、太い鎖で結ばれたコンビというよりは、離れていても、多くを語らなくてもお互いを理解しあえる関係。背中合わせで目を見つめ合わなくてもぴったりそろうハーモニー。運命の関係のように切っても切れない見えない糸でつながるKinKi Kids。これからも、松本隆の詞の世界を歌い継ぎながら、『点線で結ばれた人間関係』が永遠に続いていくことだろう。

(ライター:佐藤ジェニー)


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