伊達みきお「あれがヒーロー認定試験会場か?」
- 2015年11月04日 23:40
- SS、芸能人・有名人・著名人
- 0 コメント
- Tweet
・サンドウィッチマン×ワンパンマンのSS
(伊達が歩いてくる)
伊達「興奮してきたなぁ……その割にはあんまし人がいねぇけど……少し遅れちまったかな?」
伊達「あ、ここが受付か。ええと、すいません!係りの方いませんかー?」
(スーツ姿の富澤が現れる)
富澤「いらっしゃいませー!何名様ですか?」
伊達「いらっしゃいませじゃねぇよ!ファミレスかここは」
伊達「一人だよ!ヒーロー試験受けに来たんだよ」
伊達「あなた試験官なんでしょ?ここでそんなカッコして立ってるってことは」
富澤「あ、はぁ……」
伊達「受け付けお願いできません?」
富澤「ええと、あのー……」
富澤「自首される方は隣の警察署の方にお願いしたいんですけど……」
伊達「だから、犯人じゃねぇよ!試験受けに来たって言ってんだろ!」
伊達「ヒーローになりたくて来たんだよ。確かにちょっとチンピラっぽい外見してるかもしれねーけどよ」
伊達「いいから受け付けしてくれっての」
富澤「ではこちらの申し込み用紙の方にプロフィールと志望動機の方を……」
伊達「はいはい、これ書けばいいのね……さらさらっと……これでいい?」
富澤「確認しまーす。ええと、お名前が……伊達きみおさん?」
伊達「みきおだよ!」
伊達「俺は匿名係長描いた漫画家かよ」
富澤「……?僕だけじゃなくて読んでる人よく分かんないと思うんでもうちょっと詳しく解説してもらっていいですか?」
伊達「いいから先行けよ!わかんねーやつはきみおでググればいいんだよ!」
富澤「はぁ、わかりました……で、身長体重が……ぷふっwww」
伊達「は?何笑ってんだよ」
富澤「いやあんた、体重……こんなデブのくせにヒーロー志望とかwww」
伊達「うるせえよバカ!おまえも大して変わんねーだろ!!」
富澤「あ、ここの所項目抜けてますね」
伊達「え?そんなとこあった?」
富澤「ムショに入ってた時期と所属してる組の項目もちゃんと書いていただかないと」
伊達「だから、犯人じゃねぇっつってんだろ!組のモンでもねぇよ!」
富澤「志望動機についてですけど……」
伊達「ああそれ?実は、俺の故郷の町が海から来た怪獣にめちゃくちゃにやられちまってよ」
富澤「うんうん」
伊達「まあ、家族含めて住民は避難してなんとか無事だったんだけど、町はひどいことになっちまってな」
富澤「うん、うんうんうん……」
伊達「幼馴染の友達とか、近所の知り合いとかも帰る家が無くなっちまった奴も大勢居て……」
富澤「うんうんうんうんうんうん?」
伊達「あんな悲しい事がこれ以上起こらねーように、こんな俺でも何かできることがねーかなって思ってさ。それでヒーローに志望したってわけ……」
富澤「うんうんうんうんうんうんうんうんうん!」
伊達「うんうんうんうんうるっせぇぇぇ!」
(ブチキレる伊達)
伊達「おまえ絶対聞いてねーだろ!」
富澤「は、す、すいません」
伊達「オレそういうのいっちばん嫌いなんだよ!いい加減にしろ!」
伊達「後このネタで安易におちゃらけるのはマジでやめとけ、炎上すんぞ」
富澤「ちょっと何言ってんだか分かんないwww」
伊達「なんで何言ってるか分かんねえんだよ!ここは察し良く流しとけよ!!」
富澤「すいませんすいません……反省します」
伊達「いいからさっさと試験開始してくれよもう」
富澤「その前に登録料の方を納めて頂く必要がありまして……」
伊達「あー、金かかんの?まあしょうがねえよな、いくらヒーロー協会だって運営費用とかいろいろ大変そうだもんな。いくら?」
富澤「29万8880円になります」
伊達「たっか!高い!そんなにすんの!?後微妙に値段の付け方が生々しい!」
伊達「そんなにするとは聞いてなかったからなぁ……持ってきてねぇよ……弱ったな……」
(財布を探る伊達)
富澤「あ、そうなんですか?じゃあ3000円で」
伊達「やっす!急にディスカウントしてきたなおい!どうなってんだよその金額設定は!」
富澤「まあ、お心付けということで……」
伊達「葬式みてぇに言うのやめろよオイ」
伊達「まあいいや。それぐらいなら持ってるからよ。1,2,3枚……ほら、ぴったり3000円だ」
富澤「はい、200円のお返しになります」
伊達「3000円じゃねーじゃねーか!もういいから試験始めろよ!」
富澤「じゃあ、体力試験の方から……」
伊達「あー、体力が資本だもんね、ヒーローは。大事だよな」
富澤「最初は反射神経のテストになります。こちらを……」
伊達「お、結構反射神経には自信あんぞ。なになに、このタブレットを持って、アプリを立ち上げて……」
富澤「上から落ちて来るアイコンが下のアイコンに重なるタイミングに合わせてタップしてください」
伊達「なるほどなるほど?音楽に合わせて?おっ同時押しとか結構シビアだな!www」
富澤「でしょうー。一番難易度高いモードですからwww」
伊達「ああ、ライブ失敗しちまったよ、ホント難しいなーおいwww」
富澤「ジュエルとか使うとリトライできますよwww」
伊達「……って、スクフェスかよッッ!!」
(タブレットを床に叩きつける伊達)
富澤「いえ、デレステの方で……」
伊達「どっちだって同じだよ!遊びに来たんじゃねぇんだよバカ!」
富澤「遊び……だとぉ?」
伊達「へ?な、何すか?)
(いきなり表情と口調が険しくなる富澤と、少しビビり気味の伊達)
富澤「人がイベントで走り続けるのに、どれだけ睡眠時間削って金を注ぎ込んでると思ってるんだ!こっちは人生かけてんだよ!」
伊達「ネトゲ廃人かよ!いい加減眼を覚ませよ、画面の中の嫁は出て来ちゃくれねぇぞ」
富澤「後デレステの方はスクフェスと違っていちいち待機画面に通知が表示されるから周りにオタバレしないか心配で……」
伊達「設定変えろよ」
伊達「それにどちらかっていうと反射神経っていうよりリズム感のテストじゃねーかよ、ったく……もういいよ次行ってくれよ」
富澤「続いては反復横とびの計測になります」
伊達「反復横とびね、ちょっと自信ねぇんだよな。なんせBMIが30超えちまってるからよ、体が重くてなwww」
富澤「あはははは、怪獣と戦うより前に死にそうですね、このメタボがwww」
伊達「それはおまえもだよ!うるせぇこのバカ!」
伊達「大体おまえに言われると腹立つんだよ!自分で言うのはいいけどよ!」
伊達「ていうか、この床やたらヒビ入ってんじゃねぇか。しかもここなんてすげえ凹んでるし……危なくて反復横とびなんてできねーぞ。一体何があったんだよ」
富澤「あっこれですか。前の受験者が計測して大会最高記録出した時に付いた跡なんですよ」
伊達「す、すっげぇな!何モンだよそいつ!あーあー、よく見たらこの凹み、足の形してんじゃねーか」
伊達「そんなすげえ奴がいるなんて、さすがヒーローだな。もしかして今日この会場にいんのか?」
(きょろきょろと見回す伊達)
富澤「いや、それは一カ月月前の試験の時の話なんで、いないっす」
伊達「一カ月間ずっとこのままだったのかよ!いい加減直しとけよ!今日試験やるって決まってんだからよ!」
富澤「じゃあしょうがないんで飛ばしてパンチングマシーンの方でお願いしまーす」
伊達「そんな雑な進行で大丈夫なのかよ……まあパワー系は得意だからいいけどよ」
伊達「ってオイ!こっちもマシーンもぶっ壊れてんじゃねーか!」
富澤「あっすいません、それも前の受験者が……」
伊達「前の受験者どんだけだよ!バケモンか!」
伊達「ていうか案内する前に気づけよ!吹っ飛んで壁に穴開けたまま放置されてんじゃねーか!」
富澤「あ……ちょっと直すのめんどくさかったんで……」
伊達「ちゃんと仕事しろよ!」
富澤「そんじゃさらに飛ばしてモグラ叩きの方で」
伊達「モグラ叩きなんてのも試験に入ってんの?変な項目入ってんなぁ……」
伊達「ってコレもぶっ壊れてるんだけど!いい加減にしろ!」
伊達「ヒーロー協会ってのは俺らの寄付金も使って成り立ってんだろ?ホントちゃんと仕事しねーと炎上させたりすんぞコラ」
伊達「ほら、最近よくあんだろ?ツイッターに投稿したりしてよ」
富澤「お、ボクら叩かれるってことですか?」
富澤「……”モグラ叩き”だけにぃ?うぷぷwww」
伊達「全然上手くもねーし面白くもねーよ!ドヤ顔すんな腹立つから!」
富澤「あー、それでは筆記テストの方を行います」
伊達「ここまで何にもしてねー気がすんだけどよ……」
(机の前に着席する伊達)
富澤「じゃあテスト用紙配りまーす」
伊達「あー、あんまり筆記の方は自信ねぇんだよな、どんな問題出んのかな……なになに?」
伊達「”私は、富澤たけし氏を代理人と定め、下記に記載された事項全てを委任します。”か……この下の所に名前書けばいいんだな」
伊達「伊・達・み・き……ってうぉぉい!」
(立ち上がって名前を書きかけた紙を引きちぎる伊達)
伊達「これ一番名前書いちゃいけねーヤツじゃねーか!白紙委任状だろコレ!?」
富澤「タクシー非人情?」
伊達「しらばっくれんじゃねぇよ!なんでここで非人情なタクシーが出てくんだよ!」
伊達「ったく油断も隙もねぇな……」
富澤「あ、もう一つ最後に確認しとかないといけないことがありまして」
富澤「ヒーロー試験に合格して、活動が認められますと協会側からコードネームが送られるんですけど」
伊達「おう知ってる知ってる!ヒーロー名だろ?」
富澤「一応前もってご希望があったら聞いておくことになっておりまして……」
伊達「おっ、何?希望出せんの?」
伊達「そうだなぁ、やっぱりカッコいい名前がいいよなぁ……とはいってもあんまり狙いすぎると中二病とか言われちまうからな……漆黒のなんちゃらとかよ」
(しばらく悩む伊達)
伊達「……そうだ、オレこんな色の髪で、立てた感じがちょっとだけ鳥の翼っぽいだろ?だから、『ゴールデンイーグル』とかどうだ!」
富澤「ああー、なるほどなるほど、いいですねぇ~」
伊達「だろ?特に実在する球団とかとは関係ないんだけどよ、ははは」
富澤「では、希望するヒーロー名は『金髪メタボ中年』ということで……」
(手元の紙に記入する富澤)
伊達「話聞けよ!」
富澤「後おまえも大して変わんねーって言ってんだろこの黒髪メタボ中年!」
伊達「頼むからそんなかっこわりぃヒーロー名なんてやめてくれよオイ」
伊達「みんなもうちょっとマシな名前付けてもらってんじゃねぇか」
富澤「はぁ、仕方ないですねぇ…
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
QRコード
スポンサードリンク