「STAP細胞」論文での不正が発覚し、事実上の解雇となった元理化学研究所の小保方晴子

が、母校・早稲田大学博士論文でも問題点が指摘された上、博士号取り消し

なった件をめぐる騒動の続報です。

画像:【小保方晴子】
小保方晴子
http://news.livedoor.com/article/image_detail/9744002/?img_id=7880484

小保方氏は今月2日、早稲田大学の「博士号」取り消し決定について、

「論文内容より社会風潮で訂正した論文が却下された」
「担当の指導教官と論文について1度しかやり取りしてもらえなかった」

などと大学側を批判するコメントを、弁護士を通じて、発表。

4日、早稲田大学は会見を開き、

「小保方氏の発言は事実と異なる部分がある」

とし、

画像:【会見を開いた早稲田大学・鎌田薫総長】
会見を開いた早稲田大学・鎌田薫総長
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151104-00003893-bengocom-soci.view-000

「指導教官は3回に渡り、小保方氏のもとへ直接訪れて指導した」
「論文の訂正を指導するやり取りも20通を超えるメールや電話があった」
「小保方氏の主張する『社会風潮を重視』したのであれば、訂正の猶予期間を与えずに
博士号を即時取り消ししたでしょう」

などと説明しました。

早稲田大学による小保方氏への反論全文は次の通り。

●早稲田大学の決定に対する小保方晴子氏のコメントについて

2015年11月4日

早稲田大学

早稲田大学は、2015年11月2日、小保方晴子氏の博士学位の取消しに関する記者会見を行いました。この直前に、小保方氏は、代理人を通じて、本学の処分に対するコメントを発しておりますが、そこには事実と異なるいくつかの点と誤解と思われる指摘がありますので、以下に主要な4点について本学としての見解をお示しいたします。

第一に、小保方氏は、前回の学位は正式な審査過程を経たうえで授与されたものであるにもかかわらず、今回の論文訂正において訂正論文が博士に値しないとされたことは、前回の授与時の判断と大きくかい離する結論であると主張されています。

しかし、小保方氏が審査対象となったものとは異なる論文を提出したことを受けて、本学は昨年10月6日の決定をもって、再度の論文指導などを行ったうえで、本来提出されるべきであった論文になるよう訂正を求めた次第です。したがって、2011年に実施された学位審査の基準と今回の決定に至る論文訂正の水準は、本質において何ら変わることなく、ただ「博士学位にふさわしい」論理的説明が科学的根拠に基づいて行われているかという点に尽きます。残念ながら、今回の論文指導は、小保方氏の事情によって十分な時間を取ることができず、指示された訂正作業を完了できないままに猶予期間が満了するに至ったということであり、本学として審査の基準を変えたわけではありません。むしろ、博士学位にふさわしい論文としての水準を低く設定するようなことがあれば、学位授与機関としての本学の博士論文審査の信頼性が問われることになると同時に、小保方氏ご本人の研究に対する信頼性も揺らぐことが危惧されるのであり、それはご本人にとっても不本意であろうと思われます。

第二に、担当教員によって「今回は合格する可能性はとても低い」、「博士として認めることのできないのは一連の業界の反応を見ても自明なのではないか」とのコメントがあり、学術的な理由とはかけ離れ、社会風潮を重視して結論を導いたと主張されています。

しかし、これらのコメントは前後の文脈を無視した引用であり、前者は、指導教員が、最初の面談で、「提出すれば必ず合格するというわけではないので、合格できるよう修正していきましょう」と言ったことを指していると推定されます。後者は、「不明瞭な疑惑がひとつでもある場合、またそれを解消する姿勢が著者に見られない場合、信頼できる博士および論文として認めるのは難しいことは、昨年の一連の業界の反応を見ても自明なのではないか。」という改訂稿に対する指摘の一部だと思われます。これはまさしく博士学位論文においては科学的根拠や論理的記述が十分に行われることが必要であることを指摘したもので、予断をもって指導に臨んだことを意味しません。

第三に、入院中、加療中での修正作業となり、思考力・集中力などが低下しており博士論文に能力を発揮できる健康状態ではないとの診断書を大学に提出していたが、心身への状況配慮などは一切なされなかったと主張されています。

確かに、小保方氏から診断書は2回提出されていますが、2回目は本学の側から提出を依頼したものです。本学は、むしろ論文指導が小保方氏の健康状態に大きな影響を与え、取り返しのつかない状況に至ることを慮り、それゆえに医師の診断結果を考慮しながら対応することを常に心がけてまいりました。医師より医学的観点から論文指導の停止を求められ、それに従うこともやむを得ないと考えながら、その範囲内でご本人の論文訂正をされたいという意思を実現すべく努力をしてきたところです。通常は、指導教員の側が学生を訪ねて指導を行うことはありませんが、小保方氏の健康状態に対する特別な配慮をもって、これを実施いたしました。

第四に、修正論文提出後、一回のやり取りだけで不合格の判定をされ、それに対する意見も聞く耳を全く持たない状況であり、当初から不合格を前提とした手続きであったと主張されています。

しかし、会見でも明らかにしたように、指導教員等は3回にわたり小保方氏のもとを訪れて直接の指導をし、また、20 通を超えるメールのやり取りや電話によって、論文の訂正に係る指導が行われており、事実、小保方氏からは最初の草稿以降に3回改訂稿が提出されております。

本学としては、小保方氏と争うことは全く考えていません。小保方氏の指摘のように「社会風潮を重視した結論」を出すのであれば、1年前に博士学位の取消しを即時に実施したでしょう。しかし、本学は「教育の場として学生の指導と責任を放棄しない」という信念から、「一定の猶予期間(概ね1年間)を設けて再度の博士論文指導、研究倫理の再教育を行い、論文訂正させ」ると決定をし、本年に至る論文指導を行ってきたところです。小保方氏もご自身のすぐれない健康状態のなかで最大限の努力をされ、また本学の指導教授も例外的な配慮を払いながら指導を行ってまいりました。しかし、残念ながら、両者の努力が十分な結果を得るに至らないまま猶予期間が満了してしまいました。それは、教育の場としての本学にとっても辛い結果ではありますが、これは学問の府として揺るぎない基準をもって博士学位にふさわしい論文を評価するとの姿勢の帰結でもあります。

早稲田大学は、学位授与機関としての信頼を回復すべく、また同時に教育機関としての責任を全うできるよう、今後も努力してまいります。

どちらが正しいのかはさておき、小保方氏は、もがくほど追い詰められている感もあります。Rolling Eyes