春香「あの、プロデューサーさん」
春香「えーっと…ここかな」
ピンポーン
春香「…………」ソワソワ
カチッ
『山』
春香「へ?」
『山と言えば?』
春香「か、川?」
ガチャ
P「よし、入れ」
春香「なんですかこの流れ」
P「いや、やりたかっただけ」
春香「は、はぁ…」
P「ほら、寒いから早く入ってくれ」
春香「あ、はい」
バタン
P「靴は適当に脱いでおいてくれ」
春香「は、はい…」
春香(適当にって言われても…これだけ綺麗だと適当に出来ないんだけど…)
P「おーい、まだかー」
春香「あ、今行きます!」
パタパタ
春香「おおー…ここがプロデューサーさんのお部屋…」
P「なんだ?気になるものでもあるか?」
春香「いえ、結構お洒落な雰囲気だなーと…」
P「そうか?」
春香「はい、大人って感じがします」
P「ふーん…やっぱりみんなそう思ってるのか…」
春香「…んっ?ちょっと待ってください?」
P「なんだ」
春香「みんなって、誰のことですか?」
P「ん?美希とか、亜美真美とか…」
春香「えっ!?私が一番乗りじゃなかったんですか!?」
P「おう」
春香「がーん…なんだかショックかも…」
P「なんだっていいだろそんなこと、それより教えてくれよ」
春香「ああ、はい。じゃあちょっと荷物置かせてくださいね」
P「おう」
パタパタ
ドサドサ
P「……ずいぶん大荷物だな」
春香「えへへ、まあ着替えとか色々持ってきましたから」
P「は?着替え?」
春香「え?お泊りじゃないんですか?」
P「え?」
春香「え?」
P「ちょっと待て、本気で泊まるのか?」
春香「…えっ、私お母さんにお泊りしてくるって言っちゃったんですけど…」
P「そうか……なら何も言うまい…」
春香「あのー、ご迷惑でしたらこの話はなかったことに…」
P「いや、いい。気にするな」
春香「でも…」
P「迷惑じゃないから大丈夫だ、プロデューサーに不可能はない」
春香「そ、そうですか…」
P「しかしあれだ、食材とか何も用意してないから困ったな」
春香「あっ、いえいえ!お構いなく…」
P「そんなこと言ったって食わなきゃ辛いだろ。夕方あたりに買い物行くぞ」
春香「ん…はい」
P「さてと…もう準備は出来たか?」
春香「はいっ、バッチリです!」
P「よし、なら台所向かうぞ」
春香「はーい」
パタパタ
春香「しかし珍しいですね」
P「何がだ?」
春香「プロデューサーさんがお菓子作り教えてくれだなんて」
P「そうか?」
春香「いえ、男の人ってあんまりそういうの好きじゃないのかなーってイメージがですね」
P「まあ…確かに」
春香「誰かに作ってあげたりするんですか?」
P「そんなところだ」
春香「へぇー…もしかして、大切な人だったり…」
P「そうだな」
春香「むっ…言い切りますね」
P「日頃世話になってる人だからな、そのお礼がしたいんだ」
春香(日頃お世話になってる人…?社長かな…?)
P「さあ、やるぞ」
春香「あ、ちょっと待ってください」ゴソゴソ
P「?」
春香「じゃーん♪」
P「…なんだそれ」
春香「エプロンですよ!エプロン!」
P「…その柄は?」
春香「猫の足あとです!お揃いですよ!ほら!」ムフー
P「……………」
キュッ
春香「意外と似合う…」
P「よし、やるぞ」
春香「あ、はい。えっと、お菓子作りですよね」
P「ああ」
春香「なら最初から難しいことするのもアレですし…クッキーから始めましょうか」
P「それ、お前が得意なだけじゃないのか?」
春香「えへへ、バレました?」
P「まあ、教えてもらう側だから文句は言わないけど…それで、まずは何をすればいいんだ?」
春香「はい、ここに室温に戻したバターがあります」
P「こんなにあるのか」
春香「お菓子とカロリーは…避けて通れない道なので…で、これを泡立て器で混ぜます」
P「こうか」カチャカチャ
春香「……はい、ちょっと手を止めてください」
P「?」
ザーッ
春香「こうやって、何回か砂糖を分けて入れる必要があるんですよ」
P「へえ…これまたすごい量だな」
春香「お菓子は…砂糖が不可欠ですから…」
P「そんなに気にすることか?」
春香「むっ、プロデューサーさんは乙女心が分かってないですね」
P「そりゃそうだろ、男なんだし」
春香「むむむ…言い返せない…」
P「こんなもんか?」
春香「そうですね、じゃあ次は卵黄を入れましょう」
P「わかった」
パキッ
ボト
春香「わあ、片手で割れるんですね」
P「割れないのか?」
春香「はい、私、手が小さいので」
P「どれどれ」スッ
ギュ
春香「ファッ!?」
P「あー…確かにな」
春香「あ、あの、プロデューサーさん」
P「ん?」
春香「その、いきなりこういうことをされるとびっくりしちゃうと言いますか…」
P「ああ、悪い。そうだな、春香も女の子だもんな」
春香「なんですかその今まで女と思ってなかったみたいな発言」
P「で?次は何をすればいい?」
春香「ああ、えっと…バニラオイルを数滴入れます」
ポトッ
P「こんなに少なくていいのか?」
春香「はい、多少味と風味を付ける程度なので」
P「ふーん…こんなものでも、一つ足りないと味が変わるもんなのかねえ…」
春香「そうですね、やっぱり結構変わりますよ」
P「…思ったよりお菓子を美味しく作るのって面倒なんだな」
春香「あはは…まあ、趣味でやってることなので」
P「………もう昼前か」
春香「え?あ、ほんとだ」
P「お前が来たのが11時ぐらいだったか。そろそろ昼飯も作らないとな」
春香「クッキーはどうします?」
P「昼飯と一緒に食べりゃいいだろ。プロデューサー特製ランチ、同時上映☆春香クッキーだ」
春香「うわっ、すごい微妙なネーミングセンス」
P「昼飯何がいい?何もないから適当にあるもので炒飯でも作るか」
春香(すごいスルースキル…)
春香「というかプロデューサーさん、料理出来るんですね」
P「まあそうじゃなきゃ一人暮らしなんて出来ないからな」
春香「結構自分で作ったりしてるんですか?」
P「そうだな、基本毎日作ってるけど面倒な時とか疲れた時はコンビニで買うか何も食わずに寝てる」
春香「朝昼晩?」
P「ああ。俺がいつも弁当持ってきてるの知ってるだろ?」
春香「あ、あれプロデューサーさんが作ってたんですか」
P「誰が作ってると思ってたんだ?」
春香「お母さん」
P「お前俺をどんな奴と思ってんだ」
春香「そっか…朝昼晩全部……はっ」
P「?」
春香「プロデューサーさん!もし私と結婚したら、プロデューサーさんは家で家事をしてていいですよ!私が稼いでくるので!」
P「やだよ」
春香「なんで!?」
P「そもそもお前と結婚するのが嫌だ」
春香「はぁ!?JKですよJK!?花のJKですよ!!」
P「そのJKと結婚したら俺が社会的に死ぬだろ」
春香「私が二十歳になってからでいいですから!」
P「その時俺もういくつだよ…おっさんじゃねえか」
春香「ならいつ結婚してくれるんですか!!」
P「しないと言っている」
P「さて、先の話より今やることをやろうか」
春香「上手く話題を逸らして……はい、次は小麦粉をふるいにかけまーす」ドザッ
P「ゆっくりでいいのか?」トントン
春香「はい、これを入れたらヘラで混ぜます」
P「結構手間がかかるな…」
春香「もう少しで終わりますから、頑張りましょう!」
P「…そうだな」
P「出来たぞ」
春香「ではこれをラップに乗せて……」
P「これぐらいか」ストン
春香「はい、丸めて冷蔵庫に入れましょう」
P「おう」ガチャ
春香「………ん?」
P「なんだ?」バタン
春香「プロデューサーさんの冷蔵庫……ジュースばっかりじゃないですか」
P「ああ、美味しいからな」
春香「そ、そうですね…」
P「? それがどうかしたのか?」
春香「あ、いえ、なんでもないです」
春香(意外と子供っぽいところがあるんだよねえ…)
P「あとは冷えるまで待つのか」
春香「そうですね、しばらく」
P「…………」
春香「……あ、あの」
P「ん?」
春香「さっき、自炊してるって言ってましたよね」
P「ああ」
春香「そのぉ…他に、作ってくれる人とかいないんですか?」
P「彼女がいるかってことか?」
春香「は、はい」
P「それならいない、今は仕事が恋人だからな」
春香「そ、そうですか…へぇ〜…」
P「そもそもこんな性格の奴気に入る人間なんていねーよ」
春香「そこまで卑下しなくても……わ、私は好きですよ?プロデューサーさんのこと」チラッ
P「うん」
春香「……………」
P「……………」
春香「……………」
P「……………」
春香「……………あれっ?」
P「どうした?」
春香「え?ちゃんと意味伝わってますよね?」
P「おう」
春香「こう、友人とか親友とかじゃなくて恋愛的に好きだって意味で言ったんですよ?」
P「おう」
春香「え?リア
コメント一覧
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- 2015年11月09日 23:53
- このプロデューサーの性格、なんかキモい
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