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これが車の未来の形、TOYOTA KIKAIインタビュー。自動運転? 燃料電池? 機械はもっと魅力的! - Engadget Japanese

トヨタが公開した未来の車 TOYOTA KIKAI には、成り立ちが包み隠される傾向にある現代にくさびを打とうとしているかのような、意欲的な思想がありました。5分35秒の動画インタビューをお届けするとともに、全文書き起こしでもどうぞ。ただし、動画の方が情熱が伝わると思いますよ。

トヨタの担当者は「車も走る・曲がる・止まるがちゃんとわかるということが1つの魅力になるんじゃないか」と話します。機械にはもっと豊かな魅力があり、美しさ、動きの面白さには訴えるものがあるはずだ、と。

それはなにも過ぎ去った過去への回帰ではありません。KIKAIは新たなテクノロジーを伴う、トヨタが提案する未来のモビリティの形です。モビリティの未来は、なにも自動運転や燃料電池といった流ればかりではないようです。   動画は以上です。チャンネル登録の上、お楽しみください。以下、インタビュー取材の全文。



世の中はモノがブラックボックス化し、情報がクラウド化し、便利なんですけど、生きるリアリティというか、自分の生活がどうなっているかがわかりにくい時代になっています。

一方で、サードウェーブコーヒーとか、一杯ずつ丁寧にドリップするコーヒーを楽しむみたいに、モノの成り立ちとかプロセスを楽しむ若い世代が増えている。ニューヨークでもアナログレコードがこの時代にクールだと言われたりしています。

車も走る・曲がる・止まるがちゃんとわかるということが1つの魅力になるんじゃないか、と。機械がどういう成り立ちで動いているかがわかると。

自動車会社の世界において機械というと、だいたい力とかパワーとかスピードとか、力の象徴として表現されることが多かったと思うンですけど、機械にはもっと豊かな魅力があるんです。美しさもあり、あたたかみもあり、作り手の設計思想も情熱もあり、動く面白さもある。

今世の中で、将来の車がどうなるかって聞くと、たぶん自動運転とか燃料電池とか、コネクテッドということばっかり世の中に出てくると思うんですけど、もっと車の未来は豊かに広がっているんだよ、と。

あの実はクラッシャブルゾーンも確保していて、前も後ろもクシュッてつぶれる部分を作っているんですね。車って突起物があるとダメなんですけど、外突のR2.5って全部ラウンドもつけています。現実的に走ることを考えて作っていますし、この車はハイブリッドユニットですけども実際に動きます。走ります、エンジンかかる車です。



えっとまだ売るという話は何も決まっていないです。この車はスポーツカーでもエコカーでもない新カテゴリーを作ろうと思っていまして、このコンセプトが皆さんに伝わるかどうか「コレはいいな!」って言ってくれたら何かしらになるかもしれません。コンセプトを立案したのは3年前です。長い時間をかけてここまで辿り着きました。

この価値に共感してくれる人から始まると思っています。街中で普通に見かけるようになると、だんだん見慣れてきて「あ、こういう世界もあるな」ということで増えるんじゃないかと。

(この車は)色を変えると雰囲気が変わるんですね。ナチュラルな天然色にするとコットンとか酵母のパンとか女性に人気だったりする、そういう色合いもあります。紺色っていいますか、万年筆が好きな男性とかそういった人達にも向くし、山ガールとかちょっとアクティブな色とか。

(KIKAIは)単に過去に回帰しているわけではなくて、これキャビンはカーボンでできています。ガソリン車ではなくハイブリッドです。スライドドアは屋根の部分のレールがないんですね、という新しい技術もやっています。ここには調光ガラスみたいなものも使っています。



普通リザーブタンクとかって、エンコパ(エンジンコンパートメント、エンジンルーム)の中で影に隠れている。そういうものを特等席においてあげて、思わず注ぎ込みたくなるような形にしてあります。

ガソリン給油するのはここからなんですけど、給油したらちゃんとパイプがあってタンクがある。こういう成り立ちがちゃんとわかるんですね。パイプが2本通っていますが、ガソリンが入るのと空気が抜ける管なんですね。こういうのもちゃんとわかると、たとえばお父さんと子どもの間でも「これ何?」という話で会話が盛り上がるなぁと。

——ちゃんと全部見せるんですね。

何がどうなって成り立ちがわかるということが、わかる楽しさがあると思っています。見えない不安に対して成り立ちがわかる。走る・曲がる・止まるがどうなっているのかがわかる。

あのギアのモチーフで作っていたりするんですけど、そういう遊び心はあります。

これエンジン、1.5リッターのハイブリッドユニットですけども、技術の方が見せることを全く意図せずに作っているものにこそ、美しさは宿る。と、考えて、まぁ色を塗ってきれいにはしましたが、そのまま使ってその美しさというのを表現しています。

今実感が感じにくい人に生々しさとかリアリティとか、そういうものがわかるということです。でもこれもヤケドしないように実は二重管にしています。それでちょっと太くなっているんですけど。


——車の未来のコンセプトで全部包み隠す傾向にあるじゃないですか。真逆行ってるなって

むしろ個々の要素がどう動いているかというのが魅力であり、安心感であり、愛着を持つものになるんじゃないかと思っています。単に回帰ではなくて新しい技術で未来の豊かなモビリティを出していくと。

——言い足りないことありますかw

細かく言うと遊び心がいろいろありまして、ここに豚のヒヅメがあったりですね、メーターにも豚がいたりします。車内にもいくつか......。ようは幸せの象徴として。ほら、ここにもヒヅメの跡が、あとアクセルペダルとブレーキも○のようで1カ所実は。

ここの燃料計は液面表示になっています。橙色の。右から2番目がスピードメーターになってまして、あれ30〜50km/hの間だけメモリが広くなっているんですね。それは日常走行の時速30〜50Km/hで走るところで一番メーターが動いて楽しんで欲しいと。

で、普通の車はお父さんとお母さんが運転席助手席座って、子どもが後ろに座って前も見えないし後ろでゲームして......。お父さんが座って子どもが窓も見えてお父さんが見え、メーターがいろいろ動いているのも見えて、子どもも移動を楽しめる。


センタードライバー自体は人と機械を近づけたいというのがコンセプトなんですけど、まぁ右ハンドル左ハンドルってズレてるよね? と、人と機械。素直に真ん中で人と機械の素直な関係を作ろうよということでやっています。

アクセスペダルとブレーキペダルはですね、前後に動きます。女性とか足が届かない人は近づいてハンドルにしがみつくように運転するんですが、これは人と機械の素直な関係を作りたいので、ハンドルとシートも動きますし、これも動くと。

——この矢印なんなんですか?

ナビです。数百m先右だったら右にパタンと倒れ。
これが車の未来の形、TOYOTA KIKAIインタビュー。自動運転? 燃料電池? 機械はもっと魅力的!

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