1:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/02(月) 19:44:00.82
ID:V8OewQTC0
2:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/02(月) 19:44:56.15
ID:V8OewQTC0
――組織のアジト・コンピュータールーム――
安室「……みたいですね」ズズッ
ウォッカ「やっぱりな……」
ウォッカ「組織の仕事だけじゃなく、喫茶店のバイトや毛利小五郎の助手までやってんだ」
ウォッカ「休みらしい休みなんざ、ほとんど取れてないんじゃねーのか?」
安室「実はそうなんです」ハハ…
安室「調べたいことが色々あって、休みの日はその調査に充ててるもので……」
安室(赤井のこと、江戸川コナンのこと、彼らと工藤家との繋がり……)
安室(謎だらけで、いくら時間があっても足りないぐらいですよ)フッ…
3:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/02(月) 19:46:12.99
ID:V8OewQTC0
ウォッカ「でも、それで体を壊したら本末転倒だろ」
ウォッカ「何の仕事も無い時ぐらい、しっかり休まねーとダメじゃねーか」
安室「分かってますよ。明日のオフは、さすがに休むつもりです」
安室「今日は昼からのバイトが終わったら、何か温かいものでも食べて、すぐに寝ますから」
ウォッカ「温かいもの?」
安室「最近、急に冷えてきましたからね。スープ系のものでも適当に作るつもりです」
ウォッカ「スープ、か…………」フム
4:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/02(月) 19:47:09.32
ID:V8OewQTC0
ウォッカ「バーボン。お前、スープはどんなのが好きなんだ?」
安室「そうですねぇ……冬場はやはりクリームシチューが定番ですけど」
安室「僕はクラムチャウダーの方が好きですね」
安室「野菜もたくさん入れれば、ビタミンも摂れますし」
ウォッカ「なるほど……」
安室「おっと、もうこんな時間か。すみませんが、僕はこれで」
ウォッカ「おう。仕事熱心なのも良いが、ちゃんと身体も労れよ」
安室「はい。では、失礼します」
パタン…
5:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/02(月) 19:48:19.48
ID:V8OewQTC0
~10分経過~
ウォッカ(クラムチャウダーか……俺もわりと好きなんだよなぁ)
ウォッカ(……本当なら、ジンの兄貴に頼みてーけど)
ウォッカ(ハロウィンの一件以降、あんまりメシ作ってくれなくなっちまったし)ウーム…
テコリンッ☆
ウォッカ「…………そうだ! 俺一人で作れそうなレシピを探せば良いんだ!」
ウォッカ(バーボンが戻ってくる気配は無ぇな…………よし!)
ウォッカ「じゃあ早速、クラムチャウダーのレシピを検索……と」カタカタ
6:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/02(月) 19:49:22.55
ID:V8OewQTC0
ウォッカ「へぇ~。結構色んなバリエーションがありやがる」
ウォッカ「『簡単』はともかく、『濃厚』ってタグが付いてるレシピが多いな……」
ウォッカ「風邪気味の奴には、もう少しあっさり目の方が…………」カチ、カチ
ウォッカ「お! これ、良いじゃねーか」カチ
ウォッカ「あっさり目で、野菜たっぷり……条件ピッタリだぜ!」
ウォッカ「よーし。材料と作り方をプリントアウトして……」カチカチ
ガーッ…ピラッ
ウォッカ「そんじゃ、兄貴に報告書を渡して、買い物に行くか!」ガタン
スタスタ…バタン!!
7:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/02(月) 19:50:26.65
ID:V8OewQTC0
――組織のアジト・廊下――
ウォッカ「あ、兄貴!」
ジン「おう。仕事は終わったのか?」
ウォッカ「へい。今回の報告書ですぜ」スッ
ジン「ご苦労だったな」
ウォッカ「じゃあ俺、ちょっと野暮用がありやすんで」
ジン「あぁ?」
ウォッカ「急いでるんで、失礼しやす!」
タタタタ…
ジン「………………」
ジン(何だ? ウォッカの奴……)
8:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/02(月) 19:51:46.99
ID:V8OewQTC0
――コンピュータールーム――
ガチャ
ジン「ん? ……チッ。ウォッカめ、パソコンの電源ぐらい切ってから行きやがれ」
ジン(しかも画面を開いたままじゃねーか……あいつ、一体何を見てたんだ?)カチ
ジン(クラムチャウダーのレシピ…………?)
ジン(――――そういや最近、バーボンが調子悪そうだったな……)
ジン「フン……それならそうと言えば良いだろうに」カチ
ジン(とりあえずパソコンをシャットダウンして、と……)カチ、カチ
ウィィィン…プツッ
ジン「さて……行くか」
スタスタ…バタン!!
9:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/02(月) 19:52:21.17
ID:V8OewQTC0
ちょいと切ります
続きは後ほど…
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 19:56:40.38 ID:bqJ4d7Rm0
久々の白の組織だ
いつも通り期待
13:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:10:56.86
ID:ON6krfQq0
――某イオン――
ウォッカ(一人でここへ買い物に来るのも、久々だな)
ウォッカ(とりあえず、こいつをチャージして……)ワオンッ!
ウォッカ「買い物カゴは一つで良いか……」ヒョイ
ジン「おい」
ウォッカ「えっ……あ、兄貴!? どうしてここに?」
ジン「何を言ってる。パソコンをそのままにして出て行ったのはお前だろうが」
ウォッカ「あ…………すいやせん。電源切るの、すっかり忘れてやしたぜ」
14:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:11:58.24
ID:ON6krfQq0
ジン「それはそうと、ウォッカ」
ジン「クラムチャウダーの他に何を作るか、ちゃんと決めてあるんだろうな?」
ウォッカ「へ? い、いえ……あれをメインにしようと思ってたんですけど」
ウォッカ「ダメなんですかい?」
ジン「……あれはメインにすることもできるメニューだが、あくまでスープだ」
ジン「特に男には、おかずがあれだけだと物足りねぇって奴も多い」
ウォッカ「……確かに」
ウォッカ「俺も晩飯のおかずがクラムチャウダーだけだと、足りないですね」
ジン「だろ?」
15:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:12:57.58
ID:ON6krfQq0
ジン「魚介や野菜はスープに入ってるから、肉系のをメインに持ってくると良いぞ」
ジン「あとは副菜で彩りを添えるようなもんをチョイスすりゃあ、完璧だ」
ウォッカ「メインに肉、ですかい……」
ウォッカ「バーボンの体調を考えると、あまり重いメニューにはしたくねぇんですが……」
ジン「心配するな。風邪気味の奴でも問題無く食える肉料理を、俺が教えてやる」
ウォッカ「本当ですかい!? やった!!」ワーイ♪
16:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:13:35.39
ID:ON6krfQq0
ジン「とにかく買い物だ。行くぞ」
ウォッカ「へ、へい!」
ジン「……と、その前に俺もチャージだ」ワオンッ!
ウォッカ(さすが兄貴、抜け目ねぇ……)
ジン「よし。いつものように、野菜コーナーからだ。付いてこい」
ウォッカ「へい、兄貴!」
18:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:16:06.41
ID:ON6krfQq0
―― 野菜・果物コーナー ――
ジン「まずはクラムチャウダー用の玉ネギ、ニンジン、ジャガイモだな」ポイポイ
ジン「ウォッカ。向こうの棚からトマトを2個選んでこい。ついでにレモンも1個だ」
ウォッカ「へい!」タタッ
ジン「それと長ネギにショウガ、セロリ、バジル……」ヒョイ
ジン「あとは……そうだな。キャベツをスープに入れてみるか」
ジン「キャベツは大きさに対して重く、形の良いものを選ぶと良い」
19:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:16:50.85
ID:ON6krfQq0
ジン「今の時期に出回ってるのは冬キャベツだから、葉が固く、煮崩れしにくい」
ジン「煮込み料理には最適なタイプだ」
ジン「……フン。こいつが良いな」ポン
…タタタ
ウォッカ「兄貴~! トマトとレモン、持ってきやしたぜ」
ジン「おう、カゴに入れとけ。次に行くぞ」
ウォッカ「了解です!」
20:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:18:04.31
ID:ON6krfQq0
―― 鮮魚コーナー ――
ウォッカ「兄貴。俺、アサリを選んできやすんで」イソイソ
ジン「……待て、ウォッカ」
ウォッカ「はい?」ピタ
ジン「さっきお前が調べていたレシピは、アサリの水煮缶を使うやつだったはずだ」
ウォッカ「そうですけど……せっかくですし、こっちのアサリを使った方が良いんじゃ」
ジン「いや。殻付きのアサリを使うと、身をむく作業をしなきゃならねー」
21:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:20:44.74
ID:ON6krfQq0
ジン「もちろん殻付きのままのアサリを入れるレシピもあるが……」
ジン「それだと、食う時に殻を外す手間がかかるだろう?」
ジン「それに貝類ってのは、殻の大きさは揃ってても」
ジン「身の大きさはまちまちなことも多いからな」
ジン「必要な分量の身が確保できるとは限らねぇ」
ジン「ましてお前は初めて作るんだ。レシピ通りのものを揃えた方が無難だぞ」
ウォッカ「へ、へい……」
22:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:23:22.46
ID:ON6krfQq0
ジン「そう落ち込むな」
ジン「万が一失敗しちまったら、せっかくの料理をバーボンに食わせられなくなっちまうだろ?」
ジン「ある程度作り慣れてから、殻付きのアサリを入れるレシピに切り替えれば良いさ」
ウォッカ「……そうっすね。俺、頑張りますぜ!」ムン!
ジン「よし。今度は、肉を選びに行くぞ」スタスタ
―― 乾物コーナー ――
…タタタタ
青子「ちょっと、快斗~!」
青子「自分から買い物に付いてくるって言ったくせに、何で青子を置いてくのよ!?」
快斗「今日が海産物の特売日だったなんて、知らなかったんだよっ!!」ゼェハァ
23:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:25:30.31
ID:ON6krfQq0
―― 精肉コーナー ――
ジン「今回のメインには、鶏もも肉を使う」
ウォッカ「わりと脂肪分も多い部位ですけど、本当に大丈夫なんですかい?」
ジン「あぁ」
ウォッカ「じゃあ…………こいつにしやすか。キレイな色合いですし」ヒョイ
ジン「ほう。名古屋コーチンじゃねぇか」
ジン「他のより割高だが、たまにはプチ贅沢も良いだろ」フッ
24:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:27:07.54
ID:ON6krfQq0
ジン「あとは細々したもんを揃えるだけだな」
ジン「ウォッカ、牛乳を取ってきてくれ」
ジン「俺はあちこち見て回った後、缶詰めコーナーに行く」
ウォッカ「分かりやした!」
タタタ…
ジン(大体の調味料はまだストックがあるが……ごま油が無くなってたな)ヒョイ
ジン(塩麹と白いりごまも追加しとけば、大丈夫だ)ポイポイ
ジン(パンはバゲットと、柔らかめのやつも用意しとくか)
25:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:30:07.89
ID:ON6krfQq0
―― 缶詰めコーナー ――
ジン(最近は、本当に色んな種類の缶詰めが出てやがる……)
ジン(ほう。『缶つま』シリーズの新商品か……今度試しに使ってみるとしよう)
ジン(アサリの水煮缶は……こいつだな)スッ
ウォッカ「兄貴、牛乳持ってきやした」
ジン「よし。レジに行くぞ」
26:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:31:12.04
ID:ON6krfQq0
――レジ――
店員(女)「お次のお客様、どうぞー♪」
店員(女)「エコバッグはお持ちですか?」
ウォッカ「あ……いけね」
ジン「こいつに入れてくれ」スッ
店員(女)「はーい♪」
ウォッカ(さ、さすが兄貴……!)
ピッピッピッ…ピピッ
店員(女)「5042円のお買い上げでーす♪」
27:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:31:54.96
ID:ON6krfQq0
ウォッカ「あ、支払いは……」
ジン「こいつで頼む」スッ
店員(女)「はい♪」
ワオンッ!!
店員(女)「ありがとうございましたー♪」
ウォッカ(……今回は俺が払おうと思ったのに。財布すら出させてもらえなかった……)
28:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:32:29.20
ID:ON6krfQq0
ガコ…ウィィィン
ジン「バーボンのバイトは何時に終わるんだ?」
ウォッカ「今日は確か、6時前には終わるって言ってやしたぜ」
ジン「そうか……なら、キッチンに午後5時集合だ。遅れるなよ」
ウォッカ「へい、兄貴!」
29:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:33:28.82
ID:ON6krfQq0
――午後5時・組織のアジト・キッチン――
ウォッカ「手も洗ったし、エプロンも着けたし、準備万端ですぜ!」
ジン「……よし。まずは下ごしらえだ。耐熱性の広めの皿に、鶏肉を広げろ」
ウォッカ「へい!」
ジン「肉全体に塩をふって、室温で30分ほど置いておくんだ」
ジン「埃が付かないようにラップをかけとけよ」
ウォッカ「了解です!」ピッ
ジン「……そんじゃ、ここからが本番だ」
ジン「いつものように、冷たい方が美味い物から作っていくぞ」
30:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:34:10.45
ID:ON6krfQq0
【トマトとバジルの塩麹マリネ】
トマト:2個
セロリ:1/4本
バジル:5~6枚
レモン汁:1/2個分
塩麹:大さじ1~2杯
ジン「ウォッカ。トマトはヘタを取って8等分にしろ」
ウォッカ「へい!」ストンストン
ジン「セロリはみじん切り、バジルはざく切りだ」トトトトトト
31:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:35:02.72
ID:ON6krfQq0
ジン「レモン汁を絞ったら……」ギュウギュウ
ジン「全ての材料をタッパーに入れて、混ぜ合わせ」
ジン「冷蔵庫で20分ほど置けば完成だ」
ガチャ…バタン!!
ウォッカ「え……それだけですかい?」
ジン「あぁ。パッと作れる一品だ。酒のつまみとしても重宝するぞ」
ジン「次に作るのは、クラムチャウダーだ」
32:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:36:07.39
ID:ON6krfQq0
【クラムチャウダー(4人分)】
玉ネギ:1個
ニンジン:1/2本
ジャガイモ:3~4個
キャベツ:3~4枚
アサリの水煮缶:150g
小麦粉:大さじ3杯
牛乳:250ml
水:500ml
塩・コショウ:各小さじ1杯
バター:10g
ジン「まず、全ての野菜を1cm角に切る」
ジン「最初に切るのは玉ネギだ」トントントントン
33:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:37:26.84
ID:ON6krfQq0
ウォッカ「切ったやつを、レンジでチンするんですね?」
ジン「あぁ。その間に他の野菜を切ってしまえば、時間を無駄にしなくて済む」
ジン「ウォッカ、耐熱皿とラップを寄越せ」
ウォッカ「へい!」
ジン「よし……500Wのレンジで4~5分温める」ピッ…
ピッピッ…ウィィィン
ウォッカ「兄貴、俺はニンジンとキャベツを切っておきやす!」トントントントン
ジン「あぁ。……あと残ってるのは、ジャガイモだな」トントントン
34:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:38:31.52
ID:ON6krfQq0
~5分経過~
ピロリロリロリーン♪
ウォッカ「お。……こっちも丁度、切り終わりやしたね」
ジン「グッドタイミングだな」
ジン「深めの鍋でバターを熱し」ジュー…
ジン「玉ネギを入れて、1~2分ほど炒める。焦がさないように注意するんだ」ザラザラ…ザッザッ
35:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:39:33.43
ID:ON6krfQq0
~1分経過~
ウォッカ「玉ネギが透き通って、良い具合になってきやしたね」
ジン「ウォッカ。小麦粉を2~3回に分けて、玉ネギに振りかけろ」
ジン「その方がダマになりにくい」
ウォッカ「了解です!」サッサッ
マゼマゼ…サッサッ
ジン「よし……お前はアサリの水煮缶を、汁と身に分けておけ」
ウォッカ「分かりやした!」
ジン「その間に他の野菜を入れて、混ぜながら炒める」ザラザラ…ザッザッ
36:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:40:22.50
ID:ON6krfQq0
ウォッカ「兄貴、アサリの身を入れても良いですかい?」
ジン「いや。先に、汁の方を寄越せ」
ウォッカ「へい!」サッ
ジン「鍋にアサリの汁と水を加えて、15~20分ほど煮込む」ジャー…
ジン「材料にかぶるぐらいまでに水が足りない場合は、足してやると良い」コトコトコト
ウォッカ「ニンジンやジャガイモが入ってるから、結構アクが出てきやすね」
ジン「あぁ。こまめにアクを取り除きながら、じっくり煮込むのがコツだ」
37:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:43:08.15
ID:ON6krfQq0
~20分後~
ウォッカ「おぉ~。良い感じですぜ」コトコト
ジン「ここに牛乳とアサリの身を加えて」ジャー…ザラザラ
ジン「塩・コショウで味を調え」サッサッ
ジン「一煮立ちさせれば……完成だ」コトコト
ウォッカ「……これ、もう見ただけで美味いって分かりやすぜ」ゴクリ
ジン「まぁ待て。まだメインが残ってるだろうが」
ウォッカ(うぅ~……腹減った)グゥゥ…
38:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:44:04.23
ID:ON6krfQq0
【蒸し鶏(4人分)】
鶏もも肉:2枚
長ネギ・ショウガ:各適量
塩:大さじ1/2杯
酒:大さじ2杯
合わせ調味料:長ネギ…1/2本、ごま油…大さじ2杯、塩…小さじ1.5杯
コショウ・白いりごま…各適量
ジン「こいつは電子レンジを使うと、簡単に作ることができる」
ジン「ちと冷ます時間が要るが、スープは温め直せるから問題無い」
ジン「ウォッカ。タレに使う長ネギをみじん切りにしろ」
ウォッカ「へい!」トントントントントン
39:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:45:35.91
ID:ON6krfQq0
ジン「その間に、先程のラップを一旦外して……」ピッ
ジン「まずは肉の形を平たく整え、大さじ1杯の酒を回しかける」ササッ
ジン「長ネギの残りとショウガを、適当な大きさに切り」ストンストン
ジン「肉の上に乗せてから……」チョイチョイ
ジン「大さじ1杯の酒をかけて、フンワリとラップを掛ける」ササッ…ピッ
ジン「このまま電子レンジで3分加熱だ」
ピッピッ…ウィィィン
ウォッカ「兄貴、ネギのみじん切りはできてやすぜ」
ジン「あぁ、助かる。そっちの小さめのボウルに入れといてくれ」
ウォッカ「分かりやした!」ザラザラ
40:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:48:24.63
ID:ON6krfQq0
~3分経過~
ピロリロリロリーン♪
ジン「取り出した肉を裏返して」ヒョイ
ジン「更に電子レンジで3~4分加熱する。時間は火の通り具合を見ながら調整しろ」ピッピッ
ウィィィン…
~3分経過~
ピロリロリロリーン♪
ジン「加熱が終わったら、皿を取り出し、しばらく置いておく」カタン
ジン「粗熱を取る間に、タレ作りだ」
41:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:52:17.04
ID:ON6krfQq0
ジン「タレは、ボウルに入れた合わせ調味料の材料と」
ジン「耐熱皿の蒸し鶏の煮汁を混ぜ合わせるだけで良い」ジャー…カシャカシャカシャ
ウォッカ「はぁ~……これも簡単にできるんですね」
ジン「触れるぐらいに肉が冷めたら、皿から出して1.5cmほどの幅に切り」スッスッ
ジン「盛りつける」チョイチョイ
ジン「あとはタレを鶏の上にかけてやれば……出来上がりだ」
ウォッカ「おぉ~、これも美味そう!」
ジン「……そろそろバーボンが帰ってくるな。ウォッカ、食器を出せ」
ジン「俺は他のメニューを盛りつける」
ウォッカ「へい!」
42:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:53:01.41
ID:ON6krfQq0
――午後6時過ぎ・組織のアジト・廊下――
安室(うぅ~……今夜も冷えるな)ブル…
安室(帰って料理をするのが、億劫になりそうだ……)
安室(ん? この匂いは……?)クンクン
43:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:53:47.63
ID:ON6krfQq0
――組織のアジト・ダイニング――
ガチャ
安室「……ウォッカ!? それにジンも……」
ジン「よぉ、バーボン」
ウォッカ「バイト、お疲れさん」
安室「あの……この料理は、一体……」
ウォッカ「あぁ……蒸し鶏にトマトとバジルの塩麹マリネ、それにクラムチャウダーだ」
ウォッカ「これ、お前も好きだって言ってたし、一緒に食おうかと思ってよ」
安室「え…………」パチクリ
44:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:55:13.75
ID:ON6krfQq0
ジン「さっさと座れ。冷める前に食っちまうぞ」
安室「は、はい……」カタン
安室(僕の体調を考えて、胃腸への負担が少ない献立にしてくれたのか……)
安室(どうやら二人には、気を遣わせてしまったようですね)
安室(……でも、素直にありがたいと思える。本当に、不思議な組織だ……)フッ
安室「……頂きます」
パク…モグモグモグ
ウォッカ「どうだ?」
安室「美味しいですよ。野菜の旨みがスープに溶け出していて……身体が温まります」
安室「濃厚すぎないスープが、丁度良いですね」
45:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:57:06.12
ID:ON6krfQq0
パク
安室「うん……鶏も柔らかいし、ネギソースでサッパリ食べられますよ」モグモグ
ウォッカ「そっか、良かった」ホッ
ジン「そんじゃ、俺達も食うとするか」
ウォッカ「頂きまーす!」
~1時間後~
安室「ごちそうさまでした。二人とも、ありがとうございます」
ウォッカ「良いってことよ」
46:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:58:27.96
ID:ON6krfQq0
ジン「礼を言うより先に、とっとと風邪を治すんだな」フン
ウォッカ(兄貴、相変わらず素直じゃねぇなぁ……)クス
ジン「……何を笑ってやがる」ジロッ
ウォッカ「いえ、別に」
ジン「バーボン。残りのチャウダーは、ここの冷蔵庫に入れてあるからな」
ジン「明日の昼飯にでも食っとけよ」
安室「何から何まで……本当に感謝します」
47:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 00:59:03.54
ID:ON6krfQq0
ウォッカ「片付けはやっとくから。今夜はゆっくり寝て、体力回復に努めろよ」
安室「……はい。ではお言葉に甘えて、お先に失礼します。おやすみなさい」
ウォッカ「おぅ」
パタン…
ジン「……さて。片付けたら、俺達も帰るか」
ウォッカ「そうっすね」
ジャー…ゴシゴシ、キュッキュッ
48:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 01:00:30.22
ID:ON6krfQq0
――翌日・組織のアジト・廊下――
ウォッカ「ふあぁぁ……眠ぃ~」
ウォッカ(昨夜はゲームをやりこんでたら、うっかり午前2時を過ぎちまってたぜ)
ウォッカ(仕事の前に、濃いめのコーヒーでも飲んで目を覚ますか……)
シラナイワヨ!! ウソツクンジャネェ!
ウォッカ「ん? ……何だ?」
49:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 01:02:16.52
ID:ON6krfQq0
――組織のアジト・ダイニング――
ベルモット「私は一昨日の夕方から、警視庁へ潜入に行ってて」
ベルモット「さっき戻ってきたばっかりなのよ!?」
ベルモット「なのに、どうやってクラムチャウダーを盗み食いできるって言うのよ!!」
ジン「うるせぇ、お前ぐらいしかやりそうな奴はいねーだろうが!」
ベルモット「だーかーらー! 貴方が昨夜そんなもの作ってたなんて」
ベルモット「今さっき聞いたばかりだって、何度言わせるつもり!?」
ウォッカ「兄貴と、ベルモットの姐御……?」
キャンティ「おや、ウォッカ」
コルン「……よぉ」
50:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 01:04:09.03
ID:ON6krfQq0
安室「おはようございます。昨日はどうも」
ウォッカ「あ、あぁ…………何なんだ、あれ?」
キャンティ「見ての通りさ」ケッ
安室「実は……今朝、僕が冷蔵庫のクラムチャウダーを取りに来たら」
安室「全部食べられて、空の容器だけが残されてまして……」シュン…
ウォッカ「えぇっ!?」ギョッ
ウォッカ「……なるほど。ジンの兄貴は、姐御が食ったんじゃないかって思って……」
キャンティ「そーゆーこと」
51:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 01:04:54.70
ID:ON6krfQq0
ジン「いい加減、素直に吐いたらどうだ!?」
ベルモット「やってもいないことを何で認めなきゃいけないのよ!」
ギャアギャア
安室「やれやれ……こういう時って、日頃の行いが物を言うんですよね」ハァ…
ウォッカ「ま、姐御は前科あるからな……」
キャンティ「最近の任務も鼻につく行動が多かったしねぇ。いい気味だよ」フン
52:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 01:05:23.87
ID:ON6krfQq0
コルン「………………」
キャンティ「ん? どうしたんだい、コルン」
コルン「……何でもない」
コルン(あれを食っちまったの、実は俺なんだけど…………黙っとこう)
ベルモット「本当に私じゃないったら! 信じてよ――――――っ!!」
【おわり】
54:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/03(火) 01:06:47.30 ID:InvK8UME0
乙
明日はホワイトシチューの予定だったけどクラムチャウダーにしよう
55:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 01:10:03.34
ID:ON6krfQq0
以上で完結です
ここまでお付き合い頂きましてありがとうございました
お料理ネタは唐突に降ってくるので、そのうちまた出没すると思います…
56:
◆rzOq/SCuAA 2015/11/03(火) 01:13:32.23
ID:ON6krfQq0
クラムチャウダーの味付けですが
お好みでコンソメを入れて頂いても良いかと
その他、具材を変えてみるなど、皆さんそれぞれにアレンジしてみて下さい
60:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/04(水) 20:59:45.10 ID:gXw4gAOAO
乙
落ち込むウォッカをスマートに励ます兄貴イケメン過ぎる…
この時期に良いメニューだなぁ
59:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/03(火) 02:39:16.13 ID:2pBgqUYTo
乙
いつも参考にしてます。また書いてくれ
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