ニューヨーク・タイムズは11日(現地時間)、米アップルが新たなサービスとしてモバイルでの個人間決済取引を検討していると報じています。
報道によると、アップルはモバイル上で個人間の決済取引を可能にする新たなサービスを2016年にリリースする計画で、現在ウェルズ・ファーゴやキャピタル・ワン、JPモルガンなど米国の複数の銀行と議論を交わしているといいます。
個人間の決済システムとしては、「Venmo」やFacebookメッセンジャーでの支払い機能などが挙げられます。いずれも日本ではあまり馴染みのないサービスかもしれませんが、米国では、割り勘時などちょっとした個人間の金銭のやりとりにVenmoがよく利用されるようになっているようです。
米国では大手銀行が合弁した「clearXchange」により、電子メールアドレスや携帯電話番号を使用して預金口座から送金できる仕組みがありますが、アップルは、これに似たシステムをApple IDを利用して作り、銀行を介さず手数料の掛からない個人間決済を実現しようとしているようです。
アップルは今年7月に個人間決済取引を行う仕組みの特許を申請していましたが(過去記事)、今回の報道から特許だけではなく実際に個人間取引に向けた動きが進められていることを窺うことができます。指紋認証機能「Touch ID」をセキュリティとして活用し、モバイル決済サービス「Apple Pay」やチケットなどを管理する「Wallet」アプリに新機能として登場することになるのでしょうか。
米グーグルの「Android Pay」や韓国サムスンの「Samsung Pay」に続き、韓国LGも「G Pay」を繰り出そうとしています。各社のモバイル決済システムが乱立する中、Apple Payで先手を打っているアップルが来年、個人間決済取引を武器にライバルに差をつけることになるかもしれません。
[ニューヨーク・タイムズ via 9TO5Mac]
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著者
プロフィール画像は飼い猫。2013年1月20日よりGGSOKUに加わり、2015年8月から編集を兼任しています。興味のあるもの全てに首を突っ込んで守備範囲を広げていきます!
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