東京モーターショー2015は終了したが、出展車両や体験ブースもあり、すべてのブースを見切れた人はほとんどいないだろう。そこで筆者が、気になった注目車両をご紹介しよう。この車両は、超小型EVのホンダ「MBEV(Mobile Battery EV)Concept」だ。
一般に配布されたパンフレットにも掲載されていない謎のクルマで、ホンダブースがあった東棟にも置かれていないという、コンセプトカーでありながら、お忍び的展示がなされていた。
展示されていたのは、西棟。「SMART MOBILITY CITY 2015」の一角にあった。
スタイルはホンダらしい、それとなくエレメントに通じるようなRV的なデザインとなっている。
パネルには、自由にパーツやアクセサリーを組み合わせることで、都市でコミュニケーティングから、海や山でのレクリエーションまで様々な活用の提案をするとか書かれている。
砂浜でのドライブなど、オープンエアで楽しそうだ。
このEVの最大の特長を説明員に伺うと、この着脱可能なモバイルバッテリーを電源としているとのことだ。
画像の中央のオレンジ色の取っ手が付いているのがモバイルバッテリーだ。リチウムイオン電池となっており、EVカブとも共用で使えるという。
MBEVにはスロットが2つあり、出先などで充電が切れた場合は、予備のバッテリーに交換したり、外してクレードルで充電ができるとのこと。
こちらが、充放電クレードルコンセプト。
モバイルバッテリーパックと組み合わせることで、多用途電源として平常時にも活用できるという優れものだ。
家庭や公共施設でカンタンに充電し、様々な機器の電源として活用できることが想定されている。
インテリアは、シンプルで、機能的なもの。
モバイル端末をクレードルにセットして使えるようになっている。なぜか左ハンドルで2人乗りの仕様だ。
説明員によると今回の展示は、モバイルバッテリーを使うというところが肝であって、このような横並びの2人乗りになるのか、バッテリーの容量はどうなるのかなどは未定で、あくまで、バッテリーを取り外せることでの新しいEVのあり方を提案しているとのことであった。
なお、このバッテリーは標準化して、様々な用途で使えるようにしていきたいということで、他社にもこの機会に提案しているとのこと。
バッテリーの容量次第では、ロングドライブもできるし、出先で交換すれば日本一周もできるという拡張性がうれしい。
EVを購入することができない理由の一つに、マンションなどに住んでおり、立体駐車場に止めているなど自宅から充電コードを引くことができないということがあると思う。
その点、モバイルバッテリーであれば、外して自宅で充電も可能だし、マンション共有の充電用のクレードルがあれば、出先から戻ってきたら、駐車スペース脇で、共有バッテリーを充電するなどもできそうだ。
このようなEVが登場すれば、ライフスタイルが一変するかもしれない。
■ホンダ 公式サイト
http://www.honda.co.jp/