アルゴリズム、ポーカーフェイスに騙されない
じーっと見る。
嘘がつくのが上手い人は、表情を操ることができるというのが理由の1つにあるでしょう。嘘なのに真剣な顔、悲しいのに笑顔と、匠なポーカーフェイスで感情を表にださないようコントロールしているのです。が、それもコンピューターの手にかかればなんのその。
フィンランドのオウル大学が開発したAIシステムは、人間の微妙な表情まで読み取り、感情を見抜くことに長けています。AIシステムは、人間では見ることができなような小さな小さな顔の動き、心理学者が「マイクロエクスプレッション」と呼ぶ些細な表情まで読みとることができます。人間のみせるポーカーフェイスには限界があり、対人間は騙せても、対コンピューターはそうもいかないというのです。
オウル大学の実験では、20人の協力者になんの感情も顔に出さないよう指示し、その表情を1秒100コマという高性能カメラで撮影しました。そして、彼らの表情をどんな些細な変化も、動きも、瞬間も見逃さないよう研究。
結果、実験から164タイプの無意識のマイクロエクスプレッションを取得。それらの表情を、またそれを取り出した動画の映像にマッチさせ開発したのがこのAIシステムのアルゴリズム。その後、15人の協力者に、アルゴリズムで使ったマイクロエクスプレッションの画像を、動画内の表情とマッチさせるようにとさらなる実験を行なうと、その精度は圧倒的にアルゴリズムが勝っていました。
表情、ひいては感情を読みとるのに、人間よりもアルゴリズムの方が勝っていると断定するのはまだ早いでしょう。ですが、些細な表情を見逃さずに察知するというだけならば、コンピューターはかなりのものです。
コンピューターと対戦して勝つというのは、こういうポーカーフェイスな難しさもあるわけですね。コンピューターに表情はないしさ。
image: via Shutterstock
source: Cornell University Library via MIT Technology Review
Bryan Lufkin - Gizmodo US[原文]
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